時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

名古屋で夢破れ・・・

2008年11月25日 | 経済問題
「元気な名古屋」に仕事を求めて全国から集まってきたものの、東海地方の景気の失速で職や住まいを失い、ホームレスになる派遣社員や期間労働者が急増しているという。ホームレスの就労を後押しするため名古屋市が開設している自立支援施設は、秋以降、ほぼ満員の状態が続いているという。
記事によると、熱田区にあるホームレスの一時保護施設では、男性数人がテレビに見入っていた。「彼らは、日中の空いた時間に面接を受けます。働く意欲と可能性が高いと判断されれば、自立支援センターに移ります」と、施設長。
3畳間と6畳間を備えた部屋に3人が同居。3食と日用品が支給されるほか、週3日シャワー室も利用でき、原則として2週間の滞在が可能という。
定員は50人。昨年10月末に27人だった入所者は現在、43人に増えた。施設長は「空きがあるのではなく、日々人が入れ替わっている状況。満杯ですよ」と話す。今年は10月までで前年同比約31%増の513人と、このままいくと年度末には800人を超え、過去最多だった昨年度を上回る見込みという
土木、建築関係者が多かった以前に比べ、昨年末からは職にあぶれた派遣社員や期間労働者が増えてきたのが特徴だそうだ。「自動車産業など輸出関連の製造業の人減らしが激しい。切りやすい所から切っているのだろう」と施設長。
入所者のうち名古屋出身は1割しかいない。名古屋をのぞく県内出身者も2割程度と、多くは他府県から流れ込んだ人たちだ。多くは「名古屋に来ると仕事があると思っていた」「名古屋で失業した」と話す人たちばかり。今年度は九州出身者が最多で、近畿、北海道、関東甲信越が続くという。
自動車産業の不況によって、これほど多くの失業者や生活困窮者が生まれるという日本の産業構造は、どう考えてもまともではない。一部の大企業や優良企業にばかり人員が集中し、そこで一旦不況が起きると、大量の失業者が生まれ、それを支えてきた中小企業などの倒産が多発するというのもいかがなものであろう。
大企業によるリストラへの規制、派遣社員などの不安定雇用の禁止など、政府としてすぐにでもできることは多い。
また、一方で、農林業のように後継者難で、廃業を余儀なくされ、耕地や山の荒廃が問題になっている。農林業などにもっと予算をつぎ込み、人材の育成などに取り組み、こういういびつな産業構造を変えることが必要だろう。
やりがいのある農業や林業を育てることで、雇用機会は飛躍的に改善するに違いない。