時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

驚いたアメリカ人の消費マインド

2008年11月02日 | 経済問題
先日、テレビを見ていたらアメリカの中流家庭でのサブプライム問題の影響を報じた番組が放映されていた。
黒人などの貧困層は、自分の家を持つことを目標にして生きてきたが、今回のサブプライム問題でその家を手放さざるを得なくなった状況が報じられてきたが、結局はこういう低所得者層が犠牲になっている。
しかし、それだけではなく、中流層にも大きな影響を与えている。
見ていて驚いたが、多くのアメリカ人は、自分の収入以上の消費を行うことを何とも思っていないようだ。
夫婦で年収が1200万円あるという典型的な中流家庭では、自宅のほかに、投資用の家を購入したが、今回のバブル崩壊で手放したという。日常生活では、何10枚ものカードを持ち、食料品はもとより、ありとあらゆるものをカードで購入する。カードの支払いはリボ払いに設定しているので、毎月の支払い額は一定であり、カードの利用限度額を超えるまで、いくらでも消費するという生活を送ってきた。
ある日、スーパーで1週間分の食料品を購入しようとしたが、カードの限度額を超えたため支払い不能になり、レジの前に商品を置き去りにしたまま引きかえした話も紹介されていた。
子供の頃から、収入の範囲で暮らすという当たり前のことさえ教えられずに過ごしてきたため、万一に備えて、多少なりとも貯蓄をするという考えもない。
40歳近くになってやっと貯蓄をすることを覚えたという。
今回の金融危機に遭遇して、節約や貯蓄の必要性を痛感したアメリカ人は多いだろう。
リストラや失業などの実質的な影響だけでなく、きちんと職に就いて、相当の収入のある家庭でも、今後は消費を大幅に控えるに違いない。
それが、やがては日本の実体経済にも暗い影を落とすようになるだろう。
アメリカなどの外需依存ではなく、日本国内での内需の拡大に力を注ぐことが、景気回復の最大の保証になることをこの番組を見て痛感した。