時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

日本経団連の政策を語る会

2006年08月19日 | 財界
財界の総本山、日本経団連が2005年から自民、民主両党と「政策を語る会」を開催している。
経団連は、2003年より企業献金を希望する政党への献金の斡旋を再開したことに伴い、各政党の2003年の総選挙政策への評価を実施したが、2005年からは、政策を語る会として毎年開催しているものである。「企業献金が欲しいのなら、経団連の要望に沿った政策を作って持っていらっしゃい」ということである。
今のところ、企業献金欲しさにこの呼びかけに応えて、ノコノコと経団連に出かけて行ったのは自民党と民主党の2党だけであるが、両党ともその対応は極めて卑屈なものである。また、与党の一角の公明党も企業献金を受け入れており、公明新聞には連日のように企業広告という形で献金が行われている。
さて、この政策を語る会であるが、2005年の初回会合には、自民党は党幹部など26名、民主党は当時の岡田代表など25名が出席し、2006年にも民主党は小沢代表を含む幹部が出席している。
両党とも、経団連が事前に発表した優先政策についての見解をまとめて提出している。このレポートは、経団連のホームページにも紹介されているが、一覧表にまとめられ、その形式も両党ともまったく同じである。
用紙の大きさ、提出形式まできっちりと決められ、内容について、後日A、B、C、D、Eの5段階評価の「通信簿」を受け取るところなどは、大学のreportなどよりずっとレベルは低い。
2大政党制で政治が変わると民主党だけでなく自民党からも、そして多くのマスコミなどからも宣伝されるが、自前の財政基盤を持たず、収入の多くを財界からの献金に依存し、その見返りに財界の言いなりの政策を掲げ、実行する2大類似政党が誕生して、いったい政治の何が変わるというのだろう。しかも、献金だけでは足りずに、政党助成金という名で年間300億円以上の税金の分け取りまで行っているのである。
バブル崩壊後の不況の最中に進められてきたことは、財界の要求に沿った減税、規制緩和だった。リストラ、規制緩和、民間委託、法人税減税、消費税率のアップの宣伝、金融の自由化など、すべて財界の要求に従って行われてきたものばかりではないか。これらのすべてに民主党も賛成して、いやむしろ、自民党以上にその成果を競い合ってきたではないか。規制緩和の数字を競い合い、民営化、民間委託を進めてきたのは、与党と野党第一党の民主党の猿芝居である。
その結果、この10年間に、銀行、大企業は、膨大な不良債権の後始末を終え、逆に莫大な儲けを積み上げてきた。
財界にとっては、自分たちの言うことを素直に聞く政党であれば、自民党でも民主党でもどちらでも差し支えはない。財界が書いたシナリオに従って、自民党や民主党がそれを演じ、マスコミがここぞとばかりに振りまいている2大政党の幻影に惑わされている限り、国民にとって安らかな暮らしが訪れることはない。
こういう財界の思惑と対決する野党らしい野党が国会で少数になってしまったことは、国民のとっての最大の不幸と言わざるを得ない。


最新の画像もっと見る