時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

まだまだあるぞ、財界の横暴!

2006年12月14日 | 財界
今日も、財界に関するニュースについて、2つほど論評しておこう。
ここにも、経団連の御手洗冨士夫会長が登場する。
ちなみに、この御手洗という人物は、偽装請負など順法精神がまったくないキャノンの社長であり、国民にとって都合の悪い話には必ずといっていいほど登場するので、これからはそういう目でテレビや新聞に注目していただきたい。彼が登場するところ、ろくでもない話ばかりだ。
さて、12月11日に経団連幹部と柳沢伯夫厚生労働相ら厚労省幹部との初めての懇談会が開かれ、席上、経団連側はパート労働者と正社員の給与格差の是正について「法制化(による規制)は必要最低限にとどめてもらいたい」と要望したそうだ。
現在、非正規雇用者の賃金水準は、正規雇用者の約50%と言われているが、これを法律によってたとえば「正規雇用者の70%以上とすべし」というような具体的な数字を決められると困る、バカなことは止めるようにと厚生労働省に釘を刺したわけである。
また、御手洗氏は「経済成長があって初めて安定雇用が生まれる。構造改革を進めてほしい」と労働、社会保障分野の「改革」(政府や財界が主張するこの言葉は、眉に唾しながら読むこと。)を促したそうだが、これに対して、柳沢厚労相は「年金、介護、医療改革は始まったばかりだ」と、「改革」を続ける意向を強調したそうだ。
庶民にとって、年金の掛け金は今後数年間に渡って増え続け、支給年齢は先送りになり、支給額はどんどん減らされている。介護・健康保険料負担も増え、自己負担も増えている。障害者や難病への補助金の切り捨てもある。こういう「改革」は始まったばかりだというのだから、驚くほかはない。これ以上の負担増とサービス切捨ては到底許すわけにはいかない。
しかし、この程度で驚いていてはいけない。財界の横暴はまだまだある。
「ホワイトカラーエグゼプション」という言葉を耳にした人も多いと思うが、残業代を支払いたくない財界が考え出したのがこの言葉だ。政府や財界が横文字を使い始めたら要注意。国民にとってはろくなことがない。
一般に管理職には残業代が支払われないが、管理職以外のホワイトカラーにも一定の給料を保証する代わりに、残業代を払わなくてもよいという法律を作れということだ。
具体的には、管理職手前の年齢層をターゲットにしているとのことだが、わずかばかりの給料の増額と引き換えに企業に残業代不払いを認めよというのは、とんでもない主張だ。
これに対して、厚生労働大臣は「時間より成果で決める考え方は分かる」と導入に前向きの姿勢を示したというから、なおさらけしからん話ではないか。
現在でさえ、規定された残業代を支払わず、サービス残業が横行しており、これに対して労働基準監督署からの是正勧告や裁判による支払い命令が相次いで行われていることを考えると、とてもまともな労働の対価が企業から支払われるとは思われない。
「ホワイトカラーエグゼプション」がもし法制化されるようなことがあったら、処理しきれないような大量の仕事が終わるまで、無限にサービス残業が続く事態になる。全国過労死を考える家族の会も、過労死が更に増えると危惧し、政府にこのような法制化を行わないよう申し入れを行ったと聞いている。
労働者、国民の命まで犠牲にして、更なるボロ儲けを企む財界の要求は絶対に通すわけにはいかない。
財界の横暴を規制する法律の制定こそ、焦眉の急である。


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