時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

進む、国民年金未納者への差し押さえ

2007年08月26日 | 政治問題
国民年金未納者への差し押さえが、2006年度に過去最高の11,910人となり、前年度の4倍に激増した。
最押さえの対象は、13ヵ月以上の未納があり、控除後の所得が200万円以上(単身世帯で、年収280万円程度)で、電話や訪問で督促しても納付されなかった世帯である。
社会保険庁が、これらの未納者に対して預貯金の差し押さえなどの強制徴収の手続きに入ることを告げる最終督促を送ったのは31万人に及び、2005年度の17万人の役2倍になっている。この31万人のうち、10万人余が未納分を納付したが、残りは納付されていない。
最押さえを含む厳しい督促にもかかわらず、2006年度の納付率は目標の74.5%に達せず、66.3%に留まっている。この数字は、2005年度の67.1%よりも低下している。
十分な所得があっても、年金そのものへの信頼が揺らいでいることが、納付率の低下に繋がっている。また、そもそも200万円程度の所得の世帯から、年額16万円余もの年金を取り立てること自体に無理があるように思われる。
社会保険庁を管轄する厚生労働省の調査によると、2004年の世帯間の所得格差が過去最大になったことが報じられている。
所得別に見ると、前回の調査と比較すると、50万円未満の世帯が4.7%増の23.4%となっている。
ジニ係数は0.5263で、前年の0.4983よりも拡大し、過去最悪を更新している。ジニ係数が0.5を越えたのは今回の調査が初めてであり、所得格差の広がりは深刻である。
このような状態の中で、年金保険料の強制的な取立てにどれほどの効果が期待できるだろうか。
格差の存在そのものを否定するつもりは毛頭ないが、格差の広がりの中で日々の生活にすら窮する世帯は確実に増えている。ボロもうけをしている大企業や富裕層の負担を増やし、生活困窮世帯の救済に当てることこそが、政治の取るべき道ではなかろうか。


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