時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

「非自民」って、以前にも聞いたことがあるような…

2006年08月28日 | 政党
先日、民主党の小沢氏が、近く行われる民主党代表選に向けての政策を発表したとの記事が新聞に掲載されていた。そこで、「非自民」勢力の結集を訴えたという。
この「非自民」という言葉の持つ意味については、慎重に検討しなければならない。なぜ、野党第1党の民主党の党首が「反自民」と明確に主張できないのだろうか?
「非自民」と「反自民」、この言葉の持つ意味はまったく異なる。
「非自民」という言葉は、1990年代前半に、細川護熙が結成した日本新党がもてはやされた頃に流行した言葉である。
自民党政治はもうごめんだという多くの国民の支持を得て、1993年に、細川を首班とする「非自民」政権が発足した。確かに自民党政権ではなかったが、実際の政治の内容は自民党政権時代とまったく変わらず、国民の不評を買い、この政権はわずか1年足らずで崩壊した。そして、この短い政権時代に細川が行ったことは、2大政党制の幕開けになった小選挙区制の導入だけである。この制度は、自民党が長年にわたって画策し続けながらもなし得なかったものであり、議席占有率に国民の民意(得票率)が正確に反映されない、大政党に極端に有利な無法な制度であることは論ずる必要さえない。
ちなみに、昨日、日本テレビで放映された24時間テレビに出演し、地球環境について偉そうに論じていた小池百合子環境相などは、この細川と一緒になって、「非自民」政権を作ろうと言って政治の舞台に登場した人物であり、それが今や自民党の広告塔の役割を担っているのである。
もう10年以上前、ひと昔前のことだから、国民はこのことを忘れているだろうと思って小沢氏が「非自民」を持ち出したとしたら、これほどまでに国民を愚弄にした態度はない。
以前から本紙において論じてきたように、民主党は、自民党に代わる財界擁護政党として財界の思惑に従って結成された政党であり、仮に民主党が政権をとっても、政権政党の名前が変わるだけで、今の自民党政治の悪政をけっして根本から変えることにはならないのである。そのことは、細川政権の経験からも立証済みである。
小沢氏の今回の発表の中には、民主党が政権をとっても、名前が変わるだけです、自民党政治の延長線上のことしかやりませんから、どうぞ安心して応援して下さいというメッセージが込められているのである。だからこそ、彼は「非自民」と声高に叫ぶことはできても、「反自民」とはけっして主張できないのである。
「非自民」と「反自民」、この似て非なる言葉に、国民は決して惑わされてはならない。


最新の画像もっと見る