時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

経団連の厚顔無恥な要求

2008年08月07日 | 政治問題
日本経団連は、消費税増税と法人税の減税を抱き合わせにした税財政・社会保障の一体改革の実行など8項目から成る福田新内閣への提言をまとめ、御手洗冨士夫会長が福田康夫首相を訪問、正式に実施を要請するという。
昨年10月の福田内閣発足時の提言と異なり、税財政改革では消費税引き上げを含む抜本改革を明示。法人税見直しなどに代表される企業制度の国際的な競争基盤整備を求めた。また、農業活性化やエネルギーや食糧の安定確保なども新たに盛り込んだ。
提言では、地球温暖化問題をはじめ原燃料・食糧価格の高騰や世界的な金融不安などから、日本経済を取り巻く環境は極めて厳しいとした上で、「わが国が先陣を切って難題を克服すれば、成長力向上が可能となる」と訴えた。政策実現に向け、野党との緊密な対話と積極的な政策論争の実施を求めている。
「国際的な競争基盤整備」、「成長力向上が可能」、「野党との緊密な対話」などもっともらしい言葉が並んでいるが、要するに、企業は1円も払う必要がない消費税の増税、法人税率の引き下げを求め、これらを民主党の協力も得て実現せよという要求である。
ここで厄介なのは、民主党も経団連との政策学習会の中で、消費税増税、法人税率の引き下げを約束していることだ。自公両党と最大野党の民主党がこの点で一致していることは国民にとっての大きな悲劇であるが、民主党も国民世論を考えれば、公然と消費税増税を口にはできないだろう。経団連との密室協議のようなわけにはいくまい。
日本の経済は、国内需要をおろそかにし、外需頼み、特にアメリカへの輸出で支えられてきた。下請けへの単価切り下げ、労働者への給与は徹底的に切り詰め、正規労働者から非正規労働者への切り替えも急速に進められてきた。その結果、国民の購買力は極端なまでに低下し、内需を冷え込ませることになった。この経済の大本の流れ、仕組みを変えない限り、企業にとっても、国民にとっても極めて不幸な結論を招くことになるだろう。
「地産地消」が叫ばれているが、これは何も農業だけの話ではない。国内で作った物を国内で消費できるようにすることが本来の経済のあり方である。この点を無視した経済のあり方は、結局のところ、どこかに歪みを生むことになろう。
経団連も、政治に余計な口出しをする暇があったら、その辺のことをよく勉強して、本来企業が歩むべき道について検討すべき時期に来ているのではなかろうか。


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