時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

国家破綻ネタは好きではないが…。

2006年11月20日 | 国家破綻
日本の国家破綻、財政破綻について関心を持っている人は少なくないようだ。これをテーマにしたホームページやブログも多く、国民の関心の高さを感じさせる。
以前にも書いたとおり、今後の展開次第では、国家破綻はあるかもしれないし、ないかもしれない。しかし、現在のような放漫財政をずっと続ければ、いずれは破綻の日がやってくるのは確実であろう。
私は、国家破綻が起きないように、政府や自治体は最大限の努力をすべきと考えているし、その打開策として、庶民を犠牲にするのではなく、儲けを溜め込んだ大企業や資産家に大増税を行い、財政再建の突破口にすべきと考えている。
しかし、読者としては、実際に国家破綻が訪れた時に、他人のことはともかく、自分だけは何とか被害を最小限にとどめたいと思っておられるだろうし、そう思うのは人間としての素直な感情である。そこで、国家破綻を乗り切れるほどの資産がない庶民のための防衛策をいくつか提案したい。
国家破綻でもっとも心配なのは、円の暴落などにより、食料や生活必需品の輸入が激減し、容易に入手できなくなることだろう。日本は資源に乏しく、食糧自給率はわずか40%である。したがって、国家破綻に対するもっとも完璧な対策は、衣食住を確保することであろう。廉価で長く住める家があり、最小限度の食料や衣類(綿花の栽培と機織り?)、日常雑貨なども自給できれば、資産などはそれほどなくても何の心配もない。少し余分に生産して、販売できればなおのこと心配はない。
自給自足ができない都市住民は深刻であろう。いくらお金があっても食糧や物資を満足に購入できなくなる恐れがある。特に食料の長期保存には限界があるので、いくらお金や場所があっても、いつ起きるかわからない国家破綻に備えて何ヵ月、何年分も食料を備蓄するわけにはいかない。1~2週間分くらいの食料備蓄は、災害対策としても重要なので、準備しておくことをお勧めする。自然災害でも人災でも、混乱の時期の最初の数日から1週間を余裕を持って切り抜けることが重要だ。1週間の余裕があれば、世の中の動きにもじっくり対応ができるものである。
国家破綻に備えてもう一つ重要なことは、資産の分散を行うことである。
日本人は、貯蓄好きの国民である。黙々と働いて、収入の一部を安全性の高い預金としてせっせと積み上げてきたのが、一般的な国民の姿である。労働によってしか新たな価値は生み出されないとすれば、働いて貯蓄する国民の姿は人間としてもっとも健全な姿であろう。稼ぐに追いつく貧乏なし、と言うではないか。
とは言うものの、国家破綻など非常の場合でなくとも、資産の分散は当たり前だ。
通常は、全財産を土地ばかりで所有するなどということはしないであろう。同様に、円貯蓄のみ、株式のみというのもいただけない。また、国債などはもってのほかである。
円だけでなく、外貨にも目を向けて然るべきである。その際は、細かなレートの変動を気にしないことである。レートがどうであれ、1ドルは1ドルであり、1ユーロは1ユーロである。
自らが居住する土地、家屋の確保は重要であろう。その他、株、美術品、貴金属、宝石など何でも良い。とにかく分散して所有することだ。もし、あなたが円は暴落するという確信があるのなら、手数料や売却時の値下がりなどは気にせずに、とにかく他の資産に乗り換えるのが良い。資産は、できるだけ換金性のあるものが望ましいが、混乱が収まってから売却できるものなら何でも良いと思われる。
国家破綻という人災や地震のような天災もいつ来るのかは誰にもわからない。ただ、数十年という期間で見れば、いつかは必ずやってくる。これに備えて、個々人としても、生き延びる努力が必要であろう。
と同時に、以前からたびたび述べているように、日本を国家破綻寸前にまで追い込んできた自民党政権に終止符を打ち、庶民本位の財政再建の道に踏み出すことを希望するものである。国家破綻という人災は、国民の正しい判断によって食い止めることができるのだから。