[※ 「3.11から12年 「脱原発の約束はどこに」」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑] (2023年05月30日[火])
《原発から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」の最終処分先》…NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。百万歩譲って、せめて核発電所を止めてからにしませんか? 全ての核発電所の廃炉作業に着手してからにしませんか? マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流先どこにするのか、なんて考えるのは変でしょ?
『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》』
《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
寿都町。町内に不安が広がり、道や隣接自治体との亀裂も深まって
いる。巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。
『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)』
『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
…空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます』
『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…』
『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》』
「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地のナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」があるという》…意味が分からない? そんな理由で死の灰を受け入れるの?
西田直晃・中山岳両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/核のごみ 被爆地の長崎県、しかも日韓国境近くの「防人の島」に埋めてもよいのか…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/252197?rct=tokuhou)によると、《1週間後の19日には、対馬市商工会も請願の提出を決めた。商工会によると、処分地選定を担当する「原子力発電環境整備機構(NUMO、ニューモ)」から昨秋までに、会員向けの説明会を主催したいと打診を受けた。昨年のうちに理事らがこの説明会に参加。商工会は4月、市民も含めた説明会を開いた》。
この地震大国に、厄介なものを抱え込んでしまい、しかも、日々、それを増やし続けている愚行。《経済産業省が最終処分の適地を公表した「科学的特性マップ」には、対馬を火山や活断層が近くにないとして「好ましい」とした。ただ政府の地震調査委員会は昨年3月、対馬近海に活断層があると発表した。壱岐・対馬付近では1700年、マグニチュード(M)7.0の地震も起きたとされる》。
《◆デスクメモ 最終処分の誘致話が出る自治体は日本の端の方にある。典型的な「地方」だ。迷惑施設を受け入れてでも経済的な潤いを求めようとする。そうせねばならぬ困窮ぶりこそ直視が必要だ。地方創生を掲げてきた自公政権。看板に見合う責務を果たすべきでは。あのムラの救済より先に。(榊)》
『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績』
『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?』
『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?』
『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任』
『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も』
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》』
《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
寿都町。町内に不安が広がり、道や隣接自治体との亀裂も深まって
いる。巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。
『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)』
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/252197?rct=tokuhou】
こちら特報部
核のごみ 被爆地の長崎県、しかも日韓国境近くの「防人の島」に埋めてもよいのか…
2023年5月25日 17時00分
(かつては韓国人観光客でにぎわった比田勝港。
最近は人影がまばらに=長崎県対馬市で)
原発から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」の最終処分先が決まらずに久しい中、被爆地の長崎県で新たな動きが出た。処分場の誘致に向け、対馬市の複数の経済団体が市議会に請願を出す方針を決めた。ただ対馬は国境に近く「防人(さきもり)の島」とも称された。安全保障上、重要な地域に埋めていいか。近隣国の反発を買わないか。(西田直晃、中山岳)
◆誘致請願の背景に人口減少、観光需要の落ち込み
福岡空港からジェット機で約30分。玄界灘に浮かぶ島にあるのが対馬市だ。
人口約2万8000人。漁業や観光業が盛んだ。市北部の高台に行くと、朝鮮半島が視界に飛び込むことも。距離は約50キロ。「冬場が一番ですが、空気が澄んだ日に山や展望所に登れば、この季節でも韓国の街並みがまれに見えます」。市職員の男性が教えてくれた。
朝鮮半島と長く交易を持ち、心理的な距離も近いだけに、韓国との関係がしばしば取り沙汰されてきた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創設者・文鮮明氏が提唱したとされるのが「日韓トンネル」だが、市議会は2013年、「日韓トンネルの早期建設を求める意見書」を可決した。
安全保障政策でも重きが置かれる。重要な施設周辺などが対象となる土地利用規制法の特別注視区域に指定された地域がある。陸上自衛隊対馬駐屯地を抱えるためだ。一定の面積以上の土地や建物の売買時に氏名や国籍の届け出を求める。
その対馬で今月浮上したのが「核のごみ」の最終処分場の誘致に向けた動き。具体的には、複数の経済団体が市議会に請願を提出する方針を決めた。
「核のごみ」は使用済み核燃料を再利用する際に出る。放射能レベルが非常に強く、危険度が下がるのに長時間を要する。国が目指す最終処分法は地層処分。地下深くの岩盤に隔離する。
選定過程の第1段階に当たるのが文献調査だ。応募して受け入れると、国から自治体に約20億円が交付される。過去には、07年に高知県東洋町が応募したが、町民の反対で取り下げに。20年11月からは北海道寿都町と神恵内村で行われている。
今月12日、文献調査に応募するよう求める請願を提出する方針を固めたのが「対馬建設業協同組合」。会員数は25年前のピーク時に比べて4割減に。組合員の男性は「公共工事が減り、市内の建設業には打開策が必要だ」と語る。
(レベル放射性廃棄物の最終処分場選定の文献調査を巡り、
長崎県対馬市商工会の理事会が開かれたホテル
=19日午後、対馬市で)
1週間後の19日には、対馬市商工会も請願の提出を決めた。商工会によると、処分地選定を担当する「原子力発電環境整備機構(NUMO、ニューモ)」から昨秋までに、会員向けの説明会を主催したいと打診を受けた。昨年のうちに理事らがこの説明会に参加。商工会は4月、市民も含めた説明会を開いた。
こちらは「文献調査」という文言を請願に明記しない。商工会の山田審司事務局長は「請願は文献調査ありきではなく、まずは市議会で再度の議論を、という体裁にする。段階を踏むことが重要」と話す。
市内では07年にも一部の市議に誘致の動きがあり、最終的に市議会が「誘致反対」を決議した。改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」があるという。特に打撃だったのが、コロナ禍による韓国・釜山との航路停止。ピーク時の18年に約40万人いた訪日客が消え、比田勝港周辺に林立していた商店や飲食店の撤退も相次いだ。
◆文献調査への応募阻止へ署名で対抗
対馬では今も「核のごみ」の最終処分の誘致に反発が強い。市民有志の「核のごみと対馬を考える会」は、文献調査に市が応募しないよう求める請願の提出に向けて準備しており、応募反対の署名も集めている。
水産加工会社を長年営んだ上原正行代表(78)は「核のごみ捨て場というレッテルを貼られたら魚価低迷につながる。核のうば捨て山を造るような国策にだまされたらいかん」と息巻く。
危機感を強めるのは、2011年の東京電力福島第一原発事故直後、海外の消費者から海産物やシイタケの安全性に厳しい目が向けられたからだ。「原発事故後に香港で海産加工品などの物産展を開いたが、ツシマから来たと言ってもフクシマと誤解された。予定していたマグロの解体ショーも中止になった」
懸念は、まだある。
経済産業省が最終処分の適地を公表した「科学的特性マップ」には、対馬を火山や活断層が近くにないとして「好ましい」とした。
ただ政府の地震調査委員会は昨年3月、対馬近海に活断層があると発表した。壱岐・対馬付近では1700年、マグニチュード(M)7.0の地震も起きたとされる。「政府が核のごみを安全に管理できるといくら言っても信用できない」(上原さん)
漁業会社役員の久保嘉代さん(50)は、最終処分に関する情報が市民に広く伝わっていないとし「子育て世代や若者もよく知らないまま誘致の話が進んでしまうようで心配だ」と危ぶむ。
朝鮮半島に近い対馬は1300年以上前に「防人」が置かれ、歴史的に国防の要衝にもなってきた。現在も陸自の対馬駐屯地があり、隊員は地元住民から「やまねこ軍団」と呼ばれる。そんな国境の島に最終処分場を誘致して、安全保障上の問題はないのか。
元陸自レンジャー隊員の井筒高雄さん(53)は「ウクライナで原発がロシア軍に占拠されたように、原発や核物質の関連施設は攻撃対象になるリスクをはらむ」と述べた上、「政府が九州以南で防衛強化を図ってきたのは中国や北朝鮮の脅威を念頭に置いてきたから。その前提に立てば、攻撃を受けやすい国境近くで『核のごみ』を処分していいのかと疑問が湧く」と語る。
万が一、放射能漏れがあれば九州や本州に運ばれる恐れもある。「安全保障の観点からは対馬を最終処分場の候補地から切り離したほうがいいのではないか」
国境近くで最終処分すれば、韓国はじめ近隣国の反発を買う恐れもある。先の上原さんは「処分場を誘致すれば韓国などから観光客も来なくなるだろう。そうなれば、政府が防人の島を見捨てることと同じではないのか」と語気を強める。
どこであれ、住民の合意を得るのは簡単ではない最終処分場を巡る問題に、どう向き合えばいいのか。
新潟国際情報大の佐々木寛教授(政治学)は、そもそも政府が最終処分をはっきりさせないまま、原発の再稼働や活用を進める点を「無責任だ」と批判する。
さらに「文献調査に手を挙げた自治体が数十億円単位の交付を受けたとしても、その後に地元合意がまとまらない可能性がある。その場合に首長が誘致を断れるのかも疑問だ」と述べ、こう強調する。
「最終処分場の誘致は今生きている世代だけでなく、将来にわたる世代たちにも影響が及ぶ、いわば『世代間民主主義』の問題だ。自治体は補助金との引き換えに『核のごみ』を引き受けることが子々孫々にも本当に合意を得られるのか、慎重に考える必要がある。さもないと将来にわたり禍根を残すことになるだろう」
◆デスクメモ
最終処分の誘致話が出る自治体は日本の端の方にある。典型的な「地方」だ。迷惑施設を受け入れてでも経済的な潤いを求めようとする。そうせねばならぬ困窮ぶりこそ直視が必要だ。地方創生を掲げてきた自公政権。看板に見合う責務を果たすべきでは。あのムラの救済より先に。(榊)
【関連記事】78年前の東京・山の手大空襲 渋谷で犠牲になった米兵捕虜62人 なぜそこに? なぜ知られていない?
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[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)] (2021年12月07日[火])
長周新聞の記事【解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215)。
《沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島のミサイル基地配備や自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある》。
この長周新聞の記事は素晴らしい。長いですが、是非、御一読ください。これこそ、調査報道です。
『●N値がゼロ、工期と費用は「∞」…今日もドブガネし、
ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている』
『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない』
『●沖縄タイムス《大浦湾…2015年4月…「土木的問題が多い地層が
厚く堆積している」…「長期の沈下が考えられる」と施工上の懸念も》』
「ここでも、アベ様や元・最低の官房長官らのお得意の《隠蔽》。
マヨネーズな軟弱地盤を知っていたくせに破壊に着工。護岸が崩壊する
との指摘まである。そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシを
やろうとしている…《人柱》だ」
「新基地は完成を見ることはない。おまけに、普天間飛行場の全面返還など
成されない。まさに、辺野古は単なる破壊「損」だ」
N値はゼロ、工期と費用は「∞」…今日もひたすらドブガネし、ジャブジャブと大量の土砂を美ら海にぶちまけている。いまも日々続いているデタラメな《工期も費用も言えない》辺野古破壊。いくらドブガネしても新基地は出来ない、普天間も返還されない。辺野古は単なる破壊「損」にすぎないし、原状回復も不可能。加えて、デタラメ・ヒトデナシをやろうとしている…《人柱》だ。
さらには《日本全土の基地化が進行》。
『●米中戦争の「防波堤」:
与那国駐屯地による「活性化」? 「島民との融和」か分断か?』
『●石垣島陸上自衛隊ミサイル部隊配備:
《菩提樹》を切り倒すのか? ささやかな願いさえも打ち砕くのか?』
『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》』
『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)』
『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
…《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至』
『●《弾薬庫は置かない》…平気で嘘つくよなぁ。ことごとく約束は
反故にされ、市民はバカにされていて、やはり受け入れてはいけなかった』
デモクラシータイムスのこの映像もご覧ください。
【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)。《デモクラシータイムス》《沖縄タイムスとお届けする11月の沖縄。今月は三上智恵さんを迎えて、いまの沖縄のなまなましい問題を取り上げます。国の辺野古マヨネーズ地盤の埋立設計変更申請に根拠はないと誰でも思うはずなんですが、ごり押しが続きます。実は自衛隊の基地化を考えているのかも…。県内全域が自衛隊の基地化してきた沖縄の現状もお伝えします。地元の声を詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ
◆島々シンポジウム 第6回
2021年12月18日(土)15時~
琉球新報ギャラリーでの公開+Zoomビデオウェビナー
(入場無料、Zoomウェビナーは先着1000人の事前登録制です)
https://us06web.zoom.us/webinar/regis
収録は2021年11月29日》
【辺野古埋立変更申請、知事は不承認 自衛隊を桜が止めた【新沖縄通信】20211129】
(https://www.youtube.com/watch?v=UPr4-8BIJ7k&t=599s)
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【https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/22215】
解決策ない辺野古の軟弱地盤 できもせぬ基地建設で翻弄する一方、日本全土の基地化が進行
2021年12月6日
沖縄県名護市の辺野古新基地建設予定地について、防衛省は地盤改良工事のための設計変更を沖縄県に提出したが、沖縄県の玉城デニー知事は11月25日、不承認とした。今後、国側は法廷闘争に持ち込む構えを見せているが、沖縄県が不承認とした背景には「新たな米軍基地は沖縄に必要ない」という県民世論だけでなく、建設予定地に横たわる物理的な問題がある。埋め立てに着工できていない大浦湾側の予定海域は「マヨネーズ状」ともいわれる軟弱地盤が大半を占めており、技術的問題も含めて不確実性が高く、見通しの立たない膨大な時間と公費を投入した新基地建設は無意味な工事になる可能性が高い。一方、何十年も人々の視線を辺野古に釘付けにするなかで、それを上回る規模で南西諸島のミサイル基地配備や自衛隊や民間施設の米軍使用など日本全土の前線基地化がノンストップで進んでおり、そのなかでの辺野古基地建設の位置づけについても改めて検証する必要がある。
沖縄県民や日本全国を愚弄し続けた辺野古問題24年
大浦湾の軟弱地盤については、国は埋め立て着工の数年前から把握していたにもかかわらず、その存在を認めることなく、2018年12月に辺野古沿岸部の海域から土砂投入に踏み切った。県民の情報公開請求で明らかになった防衛省の土質調査報告書(2016年3月作成)では、ボーリング調査によって、この海域の大部分に軟弱地盤があり、その厚さは水深30㍍から最大90㍍までの深さにまで広がっていることが明らかになっている【地図参照】。
この事実を根拠にして2018年8月、沖縄県は故・翁長前知事の遺志に従い、仲井眞県政時代に出した埋め立て承認を撤回したが、対抗する防衛省は本来は国民の権利を守るためにある行政不服審査法にもとづいて国交省に効力停止を申し立て、国交省が沖縄県の権限を停止。裁判所もそれを「適法」として追認するという問答無用の措置に踏み切った。
そのさい政府は、軟弱地盤について「一般的で施工実績が豊富な工法で、護岸や埋め立て等の工事を所要の安定性を確保しておこなうことが可能」として土砂投入へと見切り発車したが、その後の2019年1月に「地盤改良工事が必要」(安倍元首相)と認めた。地盤改良をおこなうためには設計変更が必要になり、沖縄県の承認が必要になるため、その前に土砂投入を先行させて既成事実化を図った形だ。
防衛省の調査結果によると、大浦湾の海底地盤には水深90㍍に及ぶ深い谷があり、そこに比較的新しい時代に堆積した砂と粘土の軟弱地盤が形成されている。とくに建設が予定されているV字型滑走路の先端部分に位置する東側護岸では、海面下30~70㍍までの深さで、地盤の強度をあらわす「N値」がゼロの地点が多く確認された。
「N値」とは、63・5㌔のハンマーを75㌢の高さから落下させ、直径51㍉のサンプラー(試掘用の杭)が30㌢貫入するまでに要した落下回数をいう。杭が30㌢下まで到達するのにハンマーを1回打ち下ろした場合は「N値1」、2回なら「N値2」として地盤の強度をあらわし、数字が大きいほど地盤が固いことを意味する。通常、大型構造物の基礎としては「N値50」以上が必要とされているが、防衛省は2013年の埋立承認申請時に、この地点を「N値11」と想定していた。
実際の調査で連発した「N値ゼロ」とは、ハンマーを使わずとも杭を設置しただけで30㌢以上も下にズブズブと沈んでいったことを意味する。護岸に設置するケーソン(鋼鉄製の箱)は総数38函におよび、大型ケーソンの重量は7000㌧以上にもなる。ケーソンの土台となる基礎捨石も最大200㌔㌘の巨大石材であるため、いずれもN値ゼロの地盤に置くだけでたちまち40㍍下まで沈み込んでしまうことになる。そのため「マヨネーズ状地盤」「豆腐並み」と呼ばれ、「とても構造物を設置できるような地盤ではない」と専門家たちは指摘してきた。
これらを受けて防衛省が作成した設計変更では、水深30㍍の海底地盤に存在する軟弱地盤の厚さを約40㍍と想定し、水深70㍍までの軟弱地盤(面積66㌶)に3年半かけて砂杭など7万1000本(砂量は東京ドーム5杯分)を打ち込むサンドコンパクションパイル(SCP)工法で地盤を固めるとした。そのため、これまで沖縄県北地域に限定していた土砂の調達先を県内全域に広げ、沖縄戦激戦地であった糸満や八重瀬などの県南部からも戦没者の遺骨が未収集のまま眠っている土砂を大量に集める計画になっている。
ところがその数カ月後に、新たな調査で軟弱地盤の厚さが60㍍であることが判明。つまり水深90㍍の深さにまで軟弱地盤が存在していることになるが、防衛省は「調査の精度に信憑性がない」「(70㍍以下は)非常に固い粘土層」などとして、70㍍以下の地盤改良は不要であるとの見解を示している。
だが、その判断の根底には、日本の作業船の施工深度は最大70㍍までしか届かず、90㍍までになると機械が届かないという現実がある【断面図参照】。水深70㍍であっても難工事であるうえに、水深90㍍の地盤改良は世界に前例がない。
土木工学を専門とする鎌尾彰司日本大理工学部准教授は、今年9月の沖縄県主催シンポジウムで、「わが国が保有する海上での地盤改良船では、数億円を掛けて改装しても海面下70㍍までしか地盤改良をすることができない。すなわち、施工機械が届かない20㍍の部分は未改良のままにするしかない。軟弱地盤を未改良のままにして埋立工事をおこなうと、地盤が圧縮して密度が大きくなる(強度が高くなる)までに長い時間を要することになる。さらに改良できない部分は粘土質であるため、埋立工事中の沈下量が大きくなることはもちろんのこと、埋立工事が終了しても長期にわたり未改良の粘土地盤に継続して大きな沈下が発生することになる」と指摘した。
改良工事は長期間におよび、軟弱地盤の上に設置された滑走路は恒常的に沈下するため、くり返し補修工事が必要になり、沈下によって護岸が倒れる「滑り破壊」によって埋め立てた土砂が海に流れ出る恐れもあると警鐘を鳴らしている。
しかも政府は、最も深くまで軟弱地盤が堆積している東側護岸の「B27」地点については、別地点のサンプル調査から推測するだけで、地盤強度の調査をおこなっていない。そのため国の設計変更書には、地盤改良工事における砂杭の大きさや打ち込む本数などの具体的な記述がない。
総工費も当初の3500億円の2・7倍となる9300億円としているが、沖縄県は7カ所分の護岸工事だけで政府の資金計画書で示した額の12倍(928億円)となっていることから、埋め立て費用は当初の10倍の2兆5500億円に膨らむと試算している。
基地建設の工期も当初の8年から12年に延長され、移設を条件とした普天間基地の返還は2030年代半ば以降となり、事実上先の見通せない状況だ。今後も「全体の経費については答えられない」(防衛省)というほど膨大な血税を投入しながら、完了するメドのない工事が延々と続くことになる。
地下には2つの活断層も 地盤調査せず
さらに辺野古沿岸部から沖合にかけては、辺野古断層と楚久断層という2つの断層が走っており、いずれも活断層と分類されている【地図参照】。
政府は活断層の存在を否定しているが、軟弱地盤が堆積する大浦湾海底の落ち込みは、これら2つの活断層の交差によって形成されたとみられており、この海域を調査した東北大学講師・遅沢壮一氏(地学)は「大浦湾の海底谷地形成は辺野古断層である。同断層は2万年前以降にくり返し活動した、極めて危険な活断層である」(知事撤回理由書)と指摘している。
原発建設の場合を見ても、原子力規制委員会は、将来活動する可能性の高い断層を約一2万~13万年前かそれより新しい時期に動いたものと認定しており、2万年前以降に動いたとされる辺野古断層は今後も活発に動く可能性がある比較的新しい活断層とみなされている。
活断層に挟まれた軟弱地盤の上に、弾薬や化学物質などを扱う軍事施設や滑走路を建設すること自体、無謀極まりないもので、直下地震や津波が発生すれば、その被害は想像を絶するものとなる。地質学の専門家は「新基地を建設することは非常に危険である。活断層の存在を否定するならば、国は早急に調査結果を公表すべき」(加藤祐三琉球大学名誉教授)と批判を強めている。
玉城知事は11月25日、軟弱地盤の改良工事に必要な国の設計変更について、「地盤の安定性等にかかる設計に関して最も重要な地点において必要な調査が実施されておらず、災害防止に十分配慮した検討が実施されていない」「『埋め立ての必要性』について合理性があるとは認められない」として不承認とした。
大浦湾はジュゴンなど絶滅危惧種262種を含む、5334種もの生物が生息する全国有数の地域であり、環境保全についての国の調査や対策がまるでなされていないことも挙げ、「公有水面埋立法に適合しない」と断定。「そもそも今般の変更申請が必要となったのは、本来、沖縄防衛局が事業実施前に必要最低限の地盤調査を実施すべきであったのにもかかわらず、これを実施せず、不確実な要素を抱えたまま見切り発車したことにすべて起因する」と政府側の責任を追及した。
設計変更の不承認によって大浦湾の該当海域では埋め立て工事ができなくなるが、国はふたたび知事権限の執行停止や法廷闘争に持ち込み、地方自治を蹂躙してはばからない姿勢を見せている。
南西諸島で進む基地化 普天間は改修して恒久化
1997年に日米政府のあいだで辺野古新基地建設計画が浮上してから24年。はじめは「普天間基地の危険性除去」だった問題が、いつの間にか「辺野古移設」にすり替わり、数十年にわたって沖縄県内では、新基地建設を許さない島ぐるみの世論と政府との激突状況が続いてきた。あいつぐ国政選挙では辺野古新基地を推進する与党が大敗し、県知事選では「辺野古新基地反対」を掲げるオール沖縄陣営が勝利し、辺野古の是非を問う県民投票でも反対票が多数を占めた。
そして、オール沖縄を率いた翁長前知事の死去後も、その遺志を継いで新基地反対を唱えた玉城現知事が過去最多得票で当選するなど、20万県民の命を奪った沖縄戦を経験し、以来70年以上にわたって米軍支配に晒されてきた沖縄県民の揺らぐことのない頑強な意志が幾度となく示されてきた。
だが、それを無視して建設工事が強行される辺野古新基地は、軟弱地盤で沈下や陥没の危険性が高く、完成時期も見通せないうえに基地として使い物になるか否かも定かではない。例え整備されたとしても「普天間の代替機能は果たせない」と米側が主張することで返還の約束など簡単に反古になる関係だ。肝心の普天間基地は「閉鎖」どころか、さらに長期使用を可能にするため施設の改修工事が進められている。
先行きの見えない辺野古問題に人々の視線を何十年も釘付けにする一方で、沖縄県内外を問わず、米軍と自衛隊が一体となった基地や港湾の共同運用が進み、さらに与那国、石垣、宮古などの南西諸島では新たな自衛隊ミサイル基地があいついで建設されてきた。沖縄本島でも、勝連半島で自衛隊のミサイル部隊新設や、米軍の後方支援施設の建設計画が明らかになっている。
米軍は対中国包囲網として、日本列島から沖縄、フィリピン西部、南沙諸島にかけて「第一列島線」とし、日本からグアム・サイパン・テニアンにかけてを「第二列島線」とする構想を打ち出している。本州、九州、馬毛島、奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島にわたって出撃基地やミサイル包囲網をつくり、日本を不沈空母に見立てて中国に圧力を掛け、同時に米本土を防衛するというものだ。軍事費圧縮が迫られている米軍は、日本に軍事費や人員を肩代わりさせ、自衛隊を二軍として自国のアジア戦略に主体的にかかわらせる方針へとシフトしているからだ。この構想に基づけば、有事のさいには沖縄や南西諸島だけでなく、九州や本州も含める日本全土が戦場になり、攻撃対象になる可能性が出てくる。それは基地負担を沖縄が負うか、本土が負うかといった問題ではなく、日本全土を米軍の鉄砲玉として差し出すか否かの問題といえる。
大増強進む岩国や九州の基地 辺野古釘付けの間に
「普天間基地の負担軽減」や「辺野古移設の是非」が騒がれ、辺野古問題だけに目を奪われるなかで、本土でもそれを上回る規模で米軍基地強化や自衛隊基地の共同使用が進められてきた。
米海軍基地がある長崎県佐世保では、自衛隊水陸機動団が配備され、それにともなって佐賀空港へのオスプレイ配備計画が浮上した。「普天間の負担軽減」を名目にして新田原基地(宮崎県)とともに米軍との共同使用施設へと変わりつつある空自築城基地(福岡県)では、滑走路を普天間基地と同規模(2700㍍)にまで延長するための拡張工事が始まっている。また米軍使用が常態化している福岡空港にも新たな米軍専用施設が建設された。
新田原基地でもステルス戦闘機F35Bを配備するための新たな駐機場や燃料タンクが建設される。3000㍍級の滑走路を持つ大分空港や、熊本空港でも米軍オスプレイ等の緊急着陸が増えるなど、民間空港の米軍使用が格段に増えたのも近年の特徴だ。
15年間かけて沖合に1・5倍拡張された米軍岩国基地(山口県)では、埋め立て総工費は2500億円だが、そのために切り崩した愛宕山開発費(米軍住宅建設)を含めると防衛省発注事業は4000億円以上にのぼる。辺野古の埋め立て費用を上回る公費を注ぎ込んで海側にも山側にも米軍基地が拡張され、厚木からの空母艦載機部隊の移駐によって米軍関係者約1万200人、軍用機約120機を擁する極東最大の基地となり、原子力空母、大型強襲揚陸艦、ヘリ空母などを本格展開する出撃拠点へと変貌している。
また首都圏でも、在日米軍司令部を置く「横田幕府」こと米軍横田基地では、オスプレイ配備を五機から10機に増やすための新駐機場、グアムから飛来する無人偵察機RQ4グローバル・ホークの駐機施設、さらに今後4年間で大型輸送機九機を追加配備できる新駐機場の建設など、大規模な増強工事がおこなわれている。
さらに政府は、硫黄島でおこなわれてきた米空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)の飛行場として馬毛島(鹿児島県)を買収。奄美大島には陸自ミサイル部隊を配備し、宮古島、石垣島にもミサイル部隊、台湾や尖閣諸島の目と鼻の先にある与那国島には陸自沿岸警備隊を配備した。
近年、沖縄周辺でおこなわれる自衛隊の統合演習には常に米軍が参加し、民間港や民有地を使用した実戦訓練となっている。12月に米海兵隊と陸上自衛隊が実施する共同訓練は、米軍の「遠征前方基地作戦(EABO)」にもとづき、米海兵隊が遠隔地から最新鋭高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)と陸自の地対艦誘導弾(SMM)を使って中国のミサイル網に対抗するもので、八戸演習場(青森県)や矢臼別演習場(北海道)などを含んでおこなわれる。
米軍基地問題を「辺野古問題」ないし「普天間問題」へと矮小化して、その是非だけを焦点とすることで、それ以外の地域や本土でそれを上回る基地機能強化がノンストップで進められてきたのがこの数十年の現実であり、この問題についてはオール沖縄が抱える玉城知事も立場をあいまいにしたまま事実上黙認してきた。現在、来年1月に辺野古を抱える名護市長選、秋には県知事選が控えるなかで、「辺野古を選挙の争点にするか否か」「基地問題か経済か」といった図式で政局がとり沙汰され、基地問題では「普天間の負担軽減」だけが叫ばれ、その枠内で革新系も含めて「県内移設か、県外移設か」といった沖縄vs本土の構図が煽られてきた。
だが現実を冷静に見るならば、辺野古問題で目先をフェイクしながら、その外側で南西諸島を含む日本全土を対中国の鉄砲玉にするという大規模な戦争策動が動いており、沖縄で起きている現実と本土で進行してきた軍事基地化の教訓を互いに共有し、これと対峙する沖縄全島と全国を結んだ力の結集が求められている。
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琉球新報のコラム【<金口木舌>中村哲さんの生き方に学ぶ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1038281.html)。
東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019120602000127.html)。
《「すべて剣をとるものは剣にて滅ぶ」。伊江島の土地闘争のリーダー、故・阿波根昌鴻さんが反戦平和資料館ヌチドゥタカラの家の前に掲げた言葉だ…▼阿波根さんの生き方は、非政府組織(NGO)「ペシャワール会」代表の中村哲さんに重なる。「非暴力による平和の貢献として沖縄県民が認めてくれた」「暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、人類史上の鉄則である」》。
《▼生きる希望が尽きそうになっていた人たちの前に現れ、三十年以上の長きにわたって共に汗を流してきた。遠い国で本望という言葉を使って感謝の言葉を贈られる日本人は多くないだろう…治安が悪化しても人々を見捨てず、見下すこともなかった。その生き方は忘れることができない》。
東京新聞の記事【中村哲さん、福岡に帰郷 NGO会長「全て継ぐ」】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019120901002423.html)によると、《アフガニスタン東部で殺害された福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さん(73)の遺体が9日朝、羽田空港から遺族と共に福岡空港に到着した。中村さんは福岡県大牟田市に自宅がある。同会によると、11日に福岡市の斎場で告別式が執り行われる予定。ペシャワール会の村上優会長(70)は「中村先生が実践してきた全てを継続していきたい」と遺志を継ぐ決意を表明。国内外の多くの人が喪失感を共有し、励ましの言葉を寄せてくれたことで「今後の事業継続への力となった」と述べた。福岡空港では、九州在住のアフガン人らも花や中村さんの顔写真を手に集まった》。
『●NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…《平和憲法の
もとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》』
「NGO「ペシャワール会」の中村哲さんが亡くなる…
《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》。
《「治安を良くするのは武力ではない」という先生の志を、
絶やしてはいけない》」
先日お亡くなりになった中村哲さんが、家族に付き添われて帰国されました。警備のアフガンの方々も含めて、銃弾により命を落とされました。
「ペシャワール会」は、《「中村先生が実践してきた全てを継続していきたい」と遺志を継ぐ決意》をしたそうです。《平和憲法のもとでの日本の国際貢献のありようを体現した人だった》《「治安を良くするのは武力ではない」という先生の志を、絶やしてはいけない》と。
《「非暴力による平和の貢献…」「暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、人類史上の鉄則である」》ことを肝に銘じ、《戦争という名前で他国の人々を殺したことがない》平和憲法の下、アベ様らによって日本〝軍〟が暴走するような世の中にしてはいけない。《未来はわれわれ主権者に託されている》、日本は《非暴力による平和の貢献》を。戦争や暴力に頼らない国際貢献を。《近代国家の強制ではなく、現地の慣習や風土、文化を尊重し「一番いい治療法、一番いい生き方を準備するというのが私たちの仕事」》と中村さんは仰っていたそうだ。《平和主義を貫》くべき。
『●「防衛装備移転三原則」と「武器見本市」…《歴代政権が
踏襲していた武器輸出禁止政策に立ち戻るべき》(琉球新報)』
『●《戦争という名前で他国の人々を殺したことがない》
『憲法くん』の《未来はわれわれ主権者に託されている》』
涌井雅之さん「中村哲さんにこそ、国民栄誉賞を」(2019年12月8日 サンデーモーニング)。アベ様は、「嵐」にあげたいようですが…。一方、ニッポンは再び「化石賞」を受賞する恥さらし。3.11のモラトリアムは終了しているのに…。この国は、本当に、恥ずかしい。
『●内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~』
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【https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1038281.html】
<金口木舌>中村哲さんの生き方に学ぶ
2019年12月7日 06:00
中村哲 非暴力 沖縄戦 金口木舌
「すべて剣をとるものは剣にて滅ぶ」。伊江島の土地闘争のリーダー、故・阿波根昌鴻さんが反戦平和資料館ヌチドゥタカラの家の前に掲げた言葉だ
▼「聖書と歴史から学んだことである」と著書「命こそ宝」に記す。阿波根さんは沖縄戦で一人息子を失った。戦後は軍用地契約に応じない「反戦地主」として非暴力の闘いを続けた
▼阿波根さんの生き方は、非政府組織(NGO)「ペシャワール会」代表の中村哲さんに重なる。「非暴力による平和の貢献として沖縄県民が認めてくれた」「暴力によって立つ者が暴力によって滅びることは、人類史上の鉄則である」。2002年、第1回沖縄平和賞の授賞式でこう述べた
▼1984年、パキスタンのペシャワールに赴任し難民らの治療に従事する。その後、アフガニスタンでかんがい事業や医療支援に尽力した
▼活動は危険と隣り合わせだった。アフガン東部で銃撃され、志半ばで命を奪われた。無念でならない。この地域は反政府武装勢力タリバン、過激派組織「イスラム国」も活動していて治安が悪い
▼アフガンの復興支援について中村さんは、近代国家の強制ではなく、現地の慣習や風土、文化を尊重し「一番いい治療法、一番いい生き方を準備するというのが私たちの仕事」と著書で説いた。平和主義を貫いた医師の理念を深く心に刻む。魂の安息を祈るばかりだ。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019120602000127.html】
【コラム】
筆洗
2019年12月6日
掘っていた井戸で事故が起きた。地元のアフガニスタン人作業員が死亡している。非政府組織代表の中村哲さんが作業員の村を訪ねると、高齢の父親は悲しみを押し殺して言ったという▼「こんなところに自ら入って助けてくれる外国人はいませんでした。息子はあなたたちと共に働き、村を救う仕事で死んだのですから、本望です…泉が涸(か)れ果て、小川の水も尽きたとき…あなたたちが現れたのです」(著書『医者井戸を掘る』)▼生きる希望が尽きそうになっていた人たちの前に現れ、三十年以上の長きにわたって共に汗を流してきた。遠い国で本望という言葉を使って感謝の言葉を贈られる日本人は多くないだろう。アフガニスタンでも、中村さんの突然の死に悲しみが広がっている▼「生きるとは旅である」と書いている。昆虫が好きで山を愛した。登山隊に参加したのが、かの地との出会いだった。数年後、医師として難民救援などにかかわることになる。やがて活動を「天命」と知ったという▼作家火野葦平は伯父。葦平が『花と龍』で主人公にした玉井金五郎は祖父にあたる。四国から流れて来た福岡・若松で零細な港湾労働者たちのために、命をはったと伝えられる人物だ。生き方は重なる▼凶弾で旅は突然終わった。治安が悪化しても人々を見捨てず、見下すこともなかった。その生き方は忘れることができない。
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[【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]
琉球新報の高田佳典記者の記事【「沖縄、民意より米軍」 戦後の重荷、74年変わらず】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-927743.html)。
《51年前の1968年6月2日、福岡市の九州大学箱崎キャンパスに米空軍F4ファントム偵察機が墜落した事故を目撃した県民が宜野湾市にいる。当時、九大理学部の助手だった安仁屋眞昭さん(79)だ》。
沖縄では、《広大な基地の配備で県民生活はゆがめられたまま》、何も変わらない。
『●《広大な基地の配備で県民生活はゆがめられたまま…
調和のある振興策を講じ、真の意味での自治を実現》』
宮森小ジェット機墜落事故(1959)、沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事故(2004)、オスプレイ墜落……何が起ころうとも、何も変わらない沖縄。今も《不条理の連鎖》が続く。《一方、沖縄では何度事故が起きようとも主要な基地は撤去されない》。安仁屋眞昭さんは、《沖縄では民意よりも米軍が優先。沖縄の戦後は終わっていない》《戦後74年がたっても沖縄は重荷を背負っている》と言います。
『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件』
『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散』
『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中』
『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」』
『●高江ヘリ「墜落」、何時もの如く「見え透いた
“茶番劇”が再び繰り返されるようなら、事故はまた起きる」』
『●「在日米軍特権」…《事故の検証すらできない日本は
むしろ、法的従属を“放置”した国家》<金口木舌>』
『●横浜米軍機墜落事件: 「米軍が現場を占拠し、
警察は蚊帳の外。被害者のための救急車は一番最後に…」』
《▼墜落前に脱出し、傷一つない米兵救出のためだけに自衛隊ヘリは出動した。
米軍が現場を占拠し、警察は蚊帳の外。被害者のための救急車は
一番最後に来たという。石川・宮森小や沖国大、安部の墜落であらわに
なった不条理さと変わらない》。
「《不条理の連鎖》は、今もなお沖縄では続く。《米軍機は沖国大墜落など
「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる》。
「在日米軍特権」も、「日米共犯」も、何も変わらない沖縄。
《沖縄の人たちは逃げられない》《墜落であらわになった不条理さ》…
今もなお、何も変わらない」
『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」
(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖』
『●「まるで空襲に襲われた戦時下のような異常な訓練」に加えて、
アベ様は沖縄にさらなる「我慢」を強いる』
《頻発するヘリの墜落に、突如、凶器と化した落下物が子どもたちの頭上に
降って落ちてくる恐怖。2016年には米軍属による強かん殺人事件も
起こった。それでも平然と、自分たちの植民地であるかのように横柄な
態度をとりつづける米軍──。この暴力を許しているのは、言うまでもなく
日本政府、安倍政権だ》
『●「米軍機接近による児童の避難は…39日間に合計242回」、
「最も多い日は一日に29回」…異常な現実』
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【https://ryukyushimpo.jp/news/entry-927743.html】
「沖縄、民意より米軍」 戦後の重荷、74年変わらず
2019年5月31日 06:30
安仁屋眞昭 基地撤去 ファントム オスプレイ 米軍 墜落事故
(米軍普天間飛行場のフェンスの前で51年前の九大の墜落事故について
語る安仁屋眞昭さん =宜野湾市大山)
51年前、九大の現場目撃
安仁屋 眞昭さん (79、宜野湾市)
51年前の1968年6月2日、福岡市の九州大学箱崎キャンパスに米空軍F4ファントム偵察機が墜落した事故を目撃した県民が宜野湾市にいる。当時、九大理学部の助手だった安仁屋眞昭さん(79)だ。事故は基地撤去の運動に火をつけ、ファントムが所属していた米軍板付基地の大部分の返還につながった。一方、沖縄では何度事故が起きようとも主要な基地は撤去されない。安仁屋さんは「沖縄では民意よりも米軍が優先。沖縄の戦後は終わっていない」と憤る。
墜落事故、福岡は基地返還
夜、自宅アパートで風呂に入っている時だった。突然けたたましい音がした。周辺は航空機の飛行経路。「妻と冗談で飛行機でも落ちたかなと話していたら、大家さんから『九大に墜落した』と聞かされた」。300メートルしか離れていないキャンパスまで走った。
墜落した現場は建設中の大型電算機センターだった。研究室から約100メートルの目と鼻の先。ごうごうと燃えさかる機体は今も忘れられない。「近くには住宅が立ち並び、キャンパスには放射線の研究施設もあった。ぞっとした」と顔をしかめる。
当時はベトナム戦争の最中。学生や教職員が一体となって基地撤去運動に乗り出した。学長も先頭に立って街頭をデモ行進した。事故現場は学生らがバリケードで取り囲み、米軍が機体を回収するのを阻止した。残骸は約7カ月にわたって宙づり状態でさらされ、反戦の象徴になった。これらの運動もあり板付基地の大半が返還され、72年4月に「福岡空港」となった。
翻って沖縄はどうか。2004年8月、米軍ヘリが沖縄国際大(宜野湾市)に墜落。16年12月には米海兵隊輸送機MV22オスプレイが名護市安部の海岸に落ちた。17年10月にも東村高江に大型輸送ヘリが不時着、炎上した。いずれも米軍普天間飛行場所属の機体だ。
「政府は普天間の危険性を認識していると言う。ではなぜ、飛行をやめさせないのか。(名護市)辺野古への移設を語る前にすべきことがあるはずだ」。飛行場のすぐそばで生まれ育ち、今も生活する安仁屋さんは憤る。さらに、九大の事故では警察や消防の現場検証が認められたものの、沖縄のこれらの事故では、米軍は日米地位協定などを盾に日本側の検証を拒否した。なぜ九大で認められたことが沖縄では許されないのか。なぜ政府は米軍の意向を優先するのか―。
安仁屋さんは6月2日、福岡市で開かれる集会に出席し、思いを語る。「戦後74年がたっても沖縄は重荷を背負っている。沖縄の戦後を終わらせるために活動していきたい」
(高田佳典)
<用語>九州大学ファントム墜落事故
1968年6月2日午後10時45分すぎ、米軍板付飛行場所属のRF―4Cファントム偵察機が九州大学箱崎キャンパスに建設中の大型電算機センターに墜落、炎上した。乗員2人はパラシュートで脱出。建物も日曜の夜で工事がなかったこともあり、けが人はいなかった。
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asahi.comの記事【辺野古埋め立て承認へ最終調整 沖縄知事27日にも表明】(http://www.asahi.com/articles/ASF0SEB201312240046.html)、
琉球新報の記事【14年度予算 「厚遇」は印象操作だ 基地強要の正当化やめよ】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217117-storytopic-11.html)、
沖縄タイムズの記事【社説[公開質問状]不可解な事が多すぎる】(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59469)。
asahi.comの記事【仲井真知事「いい正月になる」 沖縄振興予算を評価】(http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312250150.html?ref=com_top6)、
東京新聞の記事【見せかけの沖縄振興策 関係薄い予算 多数計上】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013122802000149.html)。
外堀を埋めるための報道かもしれないが、失望した・・・・・・と当初思っていたが、やはりそれが現実に。
2010年11月の沖縄知事選の予想が、やはりこれまた現実に。
『●菅総理の内心』(2010年11月30日)
「菅総理は内心小躍りしていることでしょう、これで県「内」移設の目途が
立ったということですから・・再選された知事は、直後に、「県外」堅持と
ししつつ、「議論の門戸は閉ざさない」としている」
番犬様・アメリカ本土にお返しするのが本筋でしょうに。そのうえで、「沖縄振興予算や基地負担軽減」。
選挙は沖縄県民の選択の結果だったのかもしれないけれども、そう仕向けたのは本土の仕業・・・・・・。自公政権が復権し、さらに悪い方向へ。このまま自公政権、安倍政権を続けていて本当に大丈夫ですか?
仲井真知事は「いい正月を迎え」られただろうか? 三が日が明け、さて、どうだろう・・・・・・。
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【http://www.asahi.com/articles/ASF0SEB201312240046.html】
辺野古埋め立て承認へ最終調整 沖縄知事27日にも表明
2013年12月25日03時13分
沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古へ移設するための国の埋め立て申請について、承認する方向で最終調整に入った。25日に安倍晋三首相と首相官邸で会談する。県が求めていた沖縄振興予算や基地負担軽減への説明をふまえ、27日にも態度を明らかにする。
安倍首相は24日の閣議で、沖縄の要望に応じて、振興予算を2021年度まで毎年3千億円台を確保するよう指示した。仲井真氏は「政府の決意を示していただいた。格別のご高配に深く感謝申し上げる」とするコメントを発表した。
県は、17日の沖縄政策協議会で「普天間の5年以内の運用停止」「米軍牧港補給地区(浦添市)の7年以内の全面返還」などのほかに、振興予算の確保や鉄軌道の導入なども要望。政府の回答にも「担保」を求めていた。閣議での指示は、これに応えた形だ。
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【http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217117-storytopic-11.html】
社説
14年度予算 「厚遇」は印象操作だ 基地強要の正当化やめよ
2013年12月25日
2014年度沖縄関係予算が前年度比15・3%増の3460億円で決まった。増額となったのはともかく、政府が「厚遇」を強調する点に強い違和感を抱く。
政府は躍起になって「沖縄に対し他の都道府県ではあり得ないほど特別に国費をつぎこんでいる」というイメージを振りまいている。だがそれは事実と異なる。むしろ他府県にはあり得ない水増しやごまかしがまかり通っている。政府はこれで基地強要を正当化したつもりだろうが、不当な印象操作は直ちにやめてもらいたい。
数ある「かさ上げ」
「水増し」「ごまかし」の最たるものは那覇空港の整備予算だ。
那覇空港は1990年代の段階で既に、2010年代半ばでの「ボトルネック」が懸念されていた。つまり、空港利用の需要が高まり、滑走路1本ではさばききれないという見立てだ。滑走路増設の必要性は全国でも福岡空港に次ぐ二番手の位置付けだった。福岡は既に整備され、那覇に着手するのは自然な流れのはずだ。
那覇は国管理の空港だから整備は政府の空港整備勘定(旧空港整備特別会計)で計上すべきだ。だが政府はこれを沖縄関係予算に組み込んだ。県の注文で辛うじて一括交付金と別枠になったとはいえ、沖縄以外なら国の予算となるところ、さも沖縄のため特別に計上したかのように装うのは不当な「演出」だ。他の沖縄関係事業にしわ寄せも生じたはずである。
沖縄関係予算を「かさ上げ」しているのは沖縄科学技術大学院大学も同様だ。2001年に構想が浮上した際は、この経費捻出のため通常の沖縄関係予算が削られるのを警戒する声があった。政府はその点をうやむやにし、一時は文部科学省予算で一部賄うと説明したが、雲散霧消した。今や完全に沖縄関係予算だ。
本来、入るべきでないこれらを除くと、14年度の沖縄関係予算は2930億円だ。99年度は3282億円だから15年で1割減った。国全体ではこの間、逆に1割以上増えている。
財政学が専門の池宮城秀正・明治大教授によると、沖縄の2011年度1人当たり依存財源(国からの財政移転)額は32万円で全国18位。類似9県平均41万円の8割弱だ。「沖縄優遇」は印象操作にすぎない。
戦後通算で見ると沖縄への1人当たり財政援助額は全国平均の6割にすぎず、むしろ「冷遇」だった。復帰後の沖縄への高率補助は戦中戦後の「償い」の意味があったが、今や露骨に基地押し付けの材料だ。どこまで沖縄の尊厳を踏みにじれば気が済むのだろうか。
程遠い自由裁量
確かに沖縄振興一括交付金制度は沖縄予算だけにある制度である。だがこれはカネ目当てというより予算の効率化、財政の地方分権論として出た構想だ。地方の実需にあった予算編成とするため、省庁ごとのひも付き補助金でなく、地方の自由裁量で支出できるようにするのが本来の狙いだ。
しかし制約が多く、自由裁量とは程遠いのが現状だ。沖縄の振興には人材育成が欠かせないのに、例えば教員の加配には使えない。人件費支出を伴うのは予算の単年度主義に反するからという理由のようだが、制約は本来の趣旨に反する。例えば無償の奨学金の大幅創設、留学の大幅増に向けた大胆な支援策などを可能とすべきだ。県は15年度以降、裁量権を広げるべく国を説得してほしい。
全国予算を見ても解せない点は多々ある。歳出削減に向けた切り込みどころか、各省庁の要求をほぼ受け入れた。増税は財政再建が目的のはずが、従来型の公共事業増加に振り向けられた感がある。
税制改正の方向も疑問だ。低所得者に負担増を強いる一方、大企業への優遇策が目立つ。「強きを助け、弱きをくじく」構図だ。
防衛費も増えた。「強権国家」づくりに税金を使うのが安倍政権らしい。予算編成の「哲学」が正しかったのか、疑問は尽きない。
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【http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=59469】
社説[公開質問状]不可解な事が多すぎる
2013年12月25日 06:42
17日に開かれた沖縄政策協議会で、仲井真弘多知事が唐突ともいえる「要請書」を安倍晋三首相に提出して以来、県内では「条件闘争だ」「承認への布石か」など、さまざな臆測が広がり、異常な事態に陥っている。
そもそも要請書はどういう性格のものなのか。3月の政策協で知事は米軍普天間飛行場の県外移設を求める立場を主張していた。それが基地負担軽減を求めた今回の要請書に「県外移設」が見当たらないのはどういうわけか。
あまりに不可解なことが多すぎるのである。知事は政府への要請書に関する疑問に答えてもらいたい。
まず第1に「普天間飛行場の5年以内運用停止、早期返還」だ。なぜ5年なのか。県は政府が提出した埋め立て申請で工期5年とされていることなどを根拠としている。しかし、知事はこれまで「辺野古移設は事実上不可能。5年も10年もかかるなら固定化そのもの。県外が一番よい」と一貫して県外を主張している。要請書が辺野古移設の容認を前提としているのなら、県民への背信行為となる。
第2に「オスプレイ12機程度を県外の拠点に配備」。文面からは普天間配備24機のうち12機の常駐を容認すると受け取られる。全41市町村長らが署名した「建白書」で求めたのはオスプレイの配備撤回である。
知事は8月に県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の会長として、首相にオスプレイ配備中止を要請した。整合性はどうなるのか。
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第3に「日米地位協定の条項の追加等、改定」の項だ。要請書では従来の改定要請にあった「抜本」の文字が消えている。返還前の基地の環境・文化財の立ち入り調査などを求めているが、軍転協が求めていた「起訴前の身柄の引き渡し」など「日米地位協定の抜本的見直し」という表現は見当たらず、後退していると言わざるを得ない。
さらに「次のステップへ(沖縄のさらなる発展に向けて)」とした項目では、鉄軌道の導入決定、早期着工などとともに「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案を踏まえた候補地として検討」と明記した。いわゆる「カジノ法案」である。
県はカジノを含む統合リゾートについて法制化と県民の合意形成を前提としている。その前提で国家戦略特区に「沖縄統合リゾート」を提案しているが、候補地域として検討するよう踏み込んだ。意思決定に正当性はあるのか。
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要請書は知事と一部の県幹部のみが関与し、まとめられた。首相と全閣僚が出席する公の場に提出する要請書である。過去の政策協でも同じ手法をとっているのか。それとも今回は「例外中の例外」なのか。
安倍政権はあらゆる手を使って、知事の年内埋め立て承認を得ようと必死だ。25日には首相と知事が会談する。だが、知事が真っ先にやるべきことは沖縄に戻り、要請の趣旨を県民に説明することである。後先が逆であるというほかない
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【http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312250150.html?ref=com_top6】
仲井真知事「いい正月になる」 沖縄振興予算を評価
2013年12月25日14時46分
安倍晋三首相は25日午後の仲井真弘多(ひろかず)・沖縄県知事との会談後、首相官邸で記者団に「政府としてできることはすべて行っていく。日米地位協定は1度も改定が行われていない。改定交渉すら行われなかったが、交渉することで合意できた。しっかり結果を出していきたいと決意している」と述べ、沖縄の基地負担軽減に取り組む考えを改めて示した。
仲井真氏も記者団の取材に応じ、首相による基地負担軽減と沖縄振興予算確保の説明について、「有史以来の予算だ。長年の基地に絡む性格の違う内容のものの解決をお願いしたら、早く取りかかっていただいて前に進み始めた実感がある。いい正月になるというのが実感だ」と語った。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013122802000149.html】
見せかけの沖縄振興策 関係薄い予算 多数計上
2013年12月28日 朝刊
沖縄県の仲井真弘多(なかいまひろかず)知事は米軍普天間飛行場の移設に関し、名護市辺野古(へのこ)の埋め立て申請を承認した主な理由として、政府の沖縄振興策と在沖縄米軍基地負担軽減策を評価したことを挙げた。だが、政府の提案には沖縄振興とは直接関係ないものも少なくない。基地負担軽減策も実現の保証はない。 (城島建治、大杉はるか)
仲井真氏は記者会見で「安倍内閣の沖縄に対する思いが、かつてのどの内閣にも増して強いと感じた」と述べた。安倍晋三首相も記者団に「知事に約束したことは全力でやる」と強調した。政府は二〇一四年度予算案に沖縄振興費として概算要求を五十二億円上回る三千四百六十億円を盛り込んだ。政府関係者は「異例の大盤振る舞いだ」と指摘した。
しかし、中身を点検すると、公共事業関係費千三百八十二億円のうち学校施設の耐震化九十四億九千万円を計上。不発弾等対策費二十五億五千万円も含まれている。
琉球大の我部政明(がべまさあき)教授(国際関係論)は学校耐震化や不発弾処理などについて「国が全国で行っているのに沖縄振興予算といえるのか」と批判。
那覇空港滑走路増設事業費三百三十億円も含まれていることについても「国が管理する空港なのだから、国が整備するのは当然だ。それなのに沖縄振興とことさら強調されても困る」と述べた。
沖縄県が二一年度までの振興計画期間中の予算措置を要望したのに対して、政府は毎年度三千億円以上を確保すると約束した。しかし、安倍首相がそれまで政権を担うかは分からない。法的な裏付けがない「口約束」にすぎないため、財政事業が厳しくなれば、予算が減らされる可能性は否定できない。
基地負担の軽減に関して、首相は米軍が普天間に配備している新型輸送機オスプレイの訓練の半分程度を県外に移すと約束した。ただ、オスプレイの運用は米軍の専権事項。受け入れ側の他の自治体の理解も必要で、ハードルは高い。在日米軍の法的地位や基地の管理・運営に関する日米地位協定に関しては補足する新たな協定に関する協議を米側と開始することになった。だが、協議対象は国会承認が必要な拘束力のある協定とは限らない。これまでも話し合われてきた運用改善と違うのかどうかも明らかになっていない。
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