阿部ブログ

日々思うこと

イギリスの国防力見直しの概要

2011年12月08日 | 日記
イギリスの通常戦力削減についてもう少々詳しく情報提供をと言う要請あり。以下に概要を記載致します。
以下情報の根拠は、イギリス国防省 Command 794(2010年10月20日)である。

■国防省の文官削減
・定員:60000人。2015年までに25000人削減して新体制に移行。

■陸軍: 
・定員:2015年までに95000万人体制とする。削減は7000人規模。追加削減の可能性あり。2020年までに94000人体制か?
・地方師団本部(Regional Divisional Headquarters)の第2師団本部、第4師団本部、第5師団本部、戦域部隊Theater Troops を「英国支援コマンド(UK Support Command)」に再編する。
・ 現在、10個旅団ある地方旅団本部の2個旅団を解隊する。
  現有の地方旅団本部は、第2旅団本部、第15旅団本部、第38旅団本部、第42旅団本部、第43旅団本部、第49旅団本部、第51旅団本部、第143旅団本部、第145旅団本部、第160旅団本部である。
・緊急展開可能旅団の数を、6個部隊から5部隊に減らす。現有戦力は第1旅団、第4旅団、第7旅団、第12旅団、第19旅団、第20旅団。
・第16空中強襲旅団は現有戦力を維持。
・特殊部隊(第22陸軍連隊、予備23連隊)は現状戦力を維持。

装備:
・ 戦車ティアレンジャー2 を40%削減する。即ち、現存ティアレンジャー2345 台を207 台に削減。
・ AS90 を35%削減する。即ち、現存のAS90143 門を93 門に削減。
撤収:
・ ドイツ駐留部隊20,000 人のうち、2015 年までに半数を、残りを2020 年までに帰国させる。

■海軍:
・定員:2015年までに35000人体制から5000人削減し30000人体制へ移行。陸軍同様、更に2020年までに29000人へ削減可能性あり。

・戦略原子力潜水艦(SSBN)バンガード級4隻の運用期間を2020年代後半から2030年代前半まで延長する。
・後継のSSBNに関しての決定は、2015年まで先送り。
・攻撃型原子力潜水艦(SSN)アステュート級7隻体制で運用。
・アークロイヤルは速やかに退役。
・アークロイヤルの後継空母であるクイーンエリザベス級空母は2隻予定通り建造。但し第一線での運用は1隻で就役予定は2016年から2020年に延期。理由はカタパルト装備の空母として就役させる為、当初の設計を変更し改装する為。
クイーンエリザベス、及びプリンス・オブ・ウェールズのいづれを長期間予備艦(Extended Readiness)として係留措置とするかは2015年決定予定。
・空母艦載機は当初予定のF-35Bから変更し、F-35Cを購入する。
・軽空母イラストリアスかヘリ空母オーシャンかいずれかを退役とする。
・フリゲート艦は4隻を退役させ、22型フリゲート艦4隻体制での運用。
・駆逐艦は現有戦力を維持し45型駆逐艦6隻、23型駆逐艦13隻の19隻体制。及び2020年から26型駆逐艦を新規導入し23型と順次置き換える。
・上陸指揮艦アルビオン、若しくはブルワークのいずれかをクイーンエリザベス級空母と同様長期間予備艦として係留措置。
・ベイ級支援艦4隻のうち1隻を退役させ3隻体制での運用とする。

■空軍:
・定員:2015年までに38000人を5000人削減して33000人体制とする。
陸・海軍同様に2020年までに追加削減で31500人体制となる可能性。

・2011年度中にハリアー退役。
・当初計画のジョイントストライクファイター138機調達を削減。
・対潜哨戒機ニムロッドMR4Aの配備中止。
・チヌークヘリコプターの追加調達数を22機から12機調達へ変更。チヌークの配備数は、10機減って60機体制となる。
・偵察機センチネルは、アフガニスタン戦線で必要なくなった段階で本国へ撤退。
・老朽化したトライスターとVC10を2013年から退役させ、次世代戦略給油機A330を配備。これは戦略空中給油機(FSTA)計画に基づく措置。
・輸送機C130Jハーキュリーズは、2022年までに退役させA400Mを配備。

以上

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