阿部ブログ

日々思うこと

医療大麻解禁を巡る動向

2016年11月23日 | 雑感
4月21日、米国の人気歌手プリンス(本名:Prince Rogers Nelson)が急死した。死亡原因は、医療麻薬(麻薬性鎮痛剤)の過剰摂取が原因ではないかと報道されている。医療麻薬に関しては、昨年5月、トヨタ自動車初の女性役員ジュリー・ハンプが麻薬取締法違反容疑で逮捕されたことが記憶に新しいが、欧米では、麻薬を医療現場で積極的に利用し、癌など激痛を伴う疾病に対しては、麻薬を投与し患者を痛みから解放する無痛治療を志向するのが一般的である。特に医療向け大麻(以下、医療大麻)については、欧米各国が合法化に動いている。

米国の調査会社によると米国での合法大麻の売上は、2020年には220億ドルに急拡大すると予測している。この背景には、米国23州が既に医療大麻の利用を解禁し、ワシントンDCを含む5州では、成人の嗜好目的の使用まで合法化していることがある。また10以上の州が大麻法改正に向けて議論している状況にあり、早晩全ての州で医療大麻は合法化されることになる。大麻合法化の動きは米国だけではない。オランダ、スペイン、カナダ、オーストラリアなどは既に解禁済みであり、ドイツも2017年に医療大麻解禁に踏み出す方針である。大麻合法化の動きを受け、大麻ビジネスに参入するスタートアップ企業も増え続けており、米国の投資家ピーター・ティールが医療大麻ビジネスを手掛ける投資会社に出資を行ったことが注目されている。また日本企業としては大塚製薬が米国での医療大麻Sativex®の独占的販売権を獲得している。しかし日本では大麻取締法により(世界で唯一)医療での利用が禁止され、国内で医療大麻の利用は出来ないのが現状である。

元来大麻は、衣・食・住など日本の生活文化に深く根付いた伝統的植物であり、戦前において大麻は米に次ぐ商品作物であった。また国家的祭祀(大嘗祭や式年遷宮など)では、天皇や神職は、必ず大麻を身に帯びて儀式に臨むのが慣例であり、歴史的にも大麻は神聖な植物として位置づけられてきた。昭和23年、連合国軍最高司令部GHQ/SCAPの命令で大麻取締法が制定され、大麻の医療利用が禁止され、国内の大麻関連産業も衰退し、現在に至っているが、21世紀に入り、欧米では大麻の薬効と利用用途の広さが認められ、大麻関連ビジネスが勃興しつつある。我が国においても「大麻=悪」と言う短絡的な認識を改め、大麻を商材とした国内外での新規ビジネスを具体的に検討する時期に来ている。

最後に、最近も元女優の高樹さんが逮捕されるなどしているが、SCAP/GHQが制定させた昭和22年制定の大麻取締法そのものが、間違いであり、速やかに廃止するべきである。同胞を逮捕歴のある犯罪者にしてどうする。実にバカバカしい。大麻は人類に有益な神聖植物である。

最新の画像もっと見る