阿部ブログ

日々思うこと

『次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)』 の幹部人事と活動概要

2013年05月30日 | 雑感
インドネシア訪問中の新藤義孝総務相が4月29日に明らかにした「次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)」が、5月2日に一般社団法人として発足しているが、同フォーラムの主要幹部の人事が決まり本格的に活動を開始する。

フォーラムのトップである会長には、トヨタ自動車の渡辺捷昭相談役(経団連副会長)が就任。理事長には、総務省系の東京大学大学院・須藤修教授が就任。教授は「放送サービスの高度化に関する検討会」で座長を務めており、5月24日に参議院を通過し成立したマイナンバー法案に尽力されている。副理事長には、NHKの松本正之会長と、ソニーの平井一夫社長が就任。

当初、須藤教授は理事長就任を固辞していた。
地上デジタル投資が一段落して間がない事や、安部政権の成長戦略が必ずしも成功するとは限らず、自分のスキルも勘案して就任する事を断り続けていたが、渡辺氏から全面的に支援するとの言質を取り付け、更に松本氏と平井氏も理事長を完全にサポートする事を確約した事から、理事長就任を承諾した。但し無給。

「次世代放送推進フォーラム」は、現在の2Kを大幅に凌駕する超高精細テレビ4K、8Kといった次世代テレビの段階的な普及と、新しいアプリケーションの開発を促進させる為の様々な取り組みを官民連携で行う事となる。この次世代放送は、6月に発表される成長戦略にも盛り込まれる。

このフォーラムにはNHK、TBSテレビ、テレビ朝日、テレビ東京、フジテレビジョン、日本テレビ放送網など放送局、CATVのジュピターテレコム、衛星放送のスカパーJSATや、テレビメーカーのソニー、東芝、パナソニック、シャープ、そして通信会社、広告代理店、商社など21社が参画。

総務省の計画では、2014年のワールドカップに向けて、CSの124から128チャンネルの間で4Kの試験放送を開始。CS以外のBS、地上波と順次、使用電波を拡大させ、2016年に8Kの実用化試験放送、2020年に次世代放送が本格的に放送サービスを開始する。

「次世代放送推進フォーラム」が、放送免許を得てテストベッドの運営を行い、2014年からの4K試験放送の実証に着手する。4Kや8Kといった次世代放送については、アメリカ、EU、韓国がプロジェクト計画を始動しつつあり、日本としては、これに乗り遅れる事による家電企業への影響を最小化し、凋落傾向にあるテレビ関連ビジネスにおいて日本発のイノベーションを引き起こし、一気に挽回を期することを企図している。

さて、新しいアプリケーションとしては、リモコン操作から音声認識でお年寄りや障害者でもテレビを操作できるようにするとか、マイナンバー法案で実現するであろう行政サービスのプッシュ型のワンストップサービスを次世代テレビで提供するとか、個人認証も可能となるから電子投票や大容量インターネットを通じたショッピングや、通話機能も搭載するなど、素人でも様々考えられる。
2015年以降だと、HTML5も完全に普及し成熟し、次世代放送を見据えた機能が追加され、それこそ次世代HTMLが登場している可能性もあり、ユーザーインターフェースを含めた革新的サービスの提供を可能とするだろう。

個人的にはテレビを観ないので、4K、8Kテレビがどのくらい普及するかは???だが、最新技術で一新した次世代放送基盤は、新たなビジネスを生み出す温床となる可能性は十分ある。

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