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阿部ブログ

日々思うこと

原子力潜水艦の衝突事件

2010年12月26日 | 日記
アメリカの原子力潜水艦は、仮想敵国の潜水艦を尾行することで有名だ。ただ、想像できるように水上艦と違い「音」をたよりにする為、現在まで数々の衝突事故を引き起こしている。

1967年、太平洋において米攻撃型原潜と旧ソビエトのSSB629Aが衝突。
1986年10月、ロサンゼルス級攻撃型原潜SSN710オーガスタが、ロシア原潜K219と衝突。ミサイルの発射台が破壊されミサイルが爆発し、バミューダ沖で沈没。
1989年6月、ロサンゼルス級ヒューストン浮上直後、タグボートと衝突。
1992年2月、ロサンゼルス級SSNバトンリュージュとロシア原潜945A型コストラマを追尾中に衝突。米原潜の速度計算の間違いが原因。
1993年、ロシアK407SSBNと、米攻撃型原潜グレーリングが衝突。原因はバトンリュージュと同じ。結局、グレーリングはスクラップとなった。
1998年2月、ロサンゼルス級は韓国の漁船と衝突し沈没させ、翌3月にはロングアイランド沖で同型のロサンゼルス級がロシアの原潜と衝突。2000年にはクルスク原潜が浮上開始直後、米原潜メンフィスに衝突され沈没した。
2000年8月、総排水量2万4000トンの巨大原潜クルスクがバレンツ海で、米原潜SSN691メンフィスに衝突され沈没した。
2001年2月には米攻撃型原潜SSN772グリーンビルが浮上直後、愛媛丸と衝突し同船を沈没させた。あろうことかグリーンビルを操艦していたのは石油業者で富豪のジョン・M・ホールであった。

21世紀に入っても衝突事件は起きている。今年2010年3月の韓国哨戒艦「天安」の沈没も米原潜SSN776コロンビアとの衝突が原因とする向きがあるが、不思議でも何でもなく、ありそうな話だ。

原子力潜水艦による情報作戦は、一般に想像されるより多岐にわたる。例えば仮想敵国の港湾や造船所の偵察、ミサイル実験の監視、海底ケーブルの盗聴や、ミサイルなど海中にある破片などの回収、安全保障貿易上問題とされる積荷を積載する輸送船の追跡など。米国の攻撃型原潜はソビエト・ロシアの潜水艦追尾など2000件を超える情報任務をこなしたと言われる。