フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

新しい世界に

2011-03-28 00:08:45 | Weblog
関東は夕方になって雲が厚くなり、ぽつぽつと雨が落ち始めた。
バスのフロントウィンドウにつく雨粒を見て、ぼくはいやな気がした。

バスはゆっくりと停留所に止まり、ドアが開いたので、ぼくは
降りるしかなかった。一緒に降りた住民二人は雨を避けるように
走っていった。ぼくは傘もなくどうしたものかと一瞬怯んだが、
歩くことにした。雨が頭に落ちるのを感じながら、心なしか
臆病に首を下げて。

家にたどり着いてから11日から続いているニュースを見たり、
ネット記事を読んだりしていた。

12時をすぎて、さて、寝ようと思い、キッチンに立った。
寝る前に水を一杯飲むのが習慣だから。

なにか他のドリンクを探したけれど、適当なものがなかった。
それで水道からコップに水を汲み、口に運んだ。水はいつもの
ようにのどをゆっくりと通って落ちていった。

水を飲んだのはぼくのはっきりとした意思だったと思う。

ぼくは水を飲みながら、なにか新しい世界に踏み込んだ気がしたのだ。

その世界が酸性雨の降りしきる「ブレードランナー」の世界なのか
まったくべつな世界なのかはわからない。どのような世界かは
あとになってしかわからないだろう。しかし、それは明らかに
11日以前の世界とは異なるにちがいない。
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