◎帝銀事件と天地真理さん(『氷の福音』より)
一昨日および昨日は、高群逸枝『母系制の研究』厚生閣版から、「例言」を紹介した。同書の紹介は、このあとも続ける予定だが、本日は、一旦、話題を変える。
先月二三日の当ブログに、「『氷の福音』を自費出版しました(塩崎雪生)」という記事を載せた。これより先、一九日から、塩崎雪生氏の長文を分載の形で紹介してきて、その五回目にあたる文章であった。
その中で、塩崎氏は、『氷の福音』と題する天地真理さんの研究書を自費出版されたと書いておられた。「天地真理」(あまち・まり)と言っても、今日では、中高年以上の世代でないと、その存在すら知らない可能性が高い。しかし、彼女は、一九七〇年代初めのアイドル歌手であり、しかも、一時は間違いなく、小柳ルミ子さんや南沙織さん以上に、人気があった。
畏敬する思想家である塩崎雪生氏が、天地真理さんについての研究書を出されることになった経緯は知るよしもない。しかし、とにかく、その研究書を拝読したいと思って、代金と送料を送った。本が送られてきたのは、先月二六日の火曜日であった。
A4判三一二ページの堂々たる大著である。この本については、いずれ、キチンと紹介をさせていただくつもりだが、同書にザッと目を通しているときに、ひとつ驚いたことがある。それは、かなりのページ数を割いて、「帝銀事件」が論じられていたことである。帝銀事件と天地真理さんとが、どう関わるのか。これを簡潔に説明することは難しい。しかし、両者にわずかな接点があることは疑いがない。もう少し言えば、帝銀事件死刑囚の平沢貞道と、往年のアイドル歌手・天地真理さんとをつなぐ、ひとりの人物が存在するということである。関心を持たれた方は、塩崎氏の労作を繙いて、この点をご確認いただきたい。
ところで私は、先月二四日から二九日まで、帝銀事件に関する記事を紹介してみたが、二四日の時点では、まだ『氷の福音』を拝受していなかった。帝銀事件に話題を振ったのは、全くの偶然である。
なお、二三日の記事中に、「定価3500円 送料360円」とあったが、このうち「送料360円」とあるのは、「送料370円」と訂正さるべきであろう。レターパックライトの料金が値上げされたからである。