礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

高群逸枝著作後援会に苦境を救けられた

2019-12-08 02:42:40 | コラムと名言

◎高群逸枝著作後援会に苦境を救けられた

 高群逸枝の『大日本女性史 母系制の研究』(厚生閣、一九四一年再版)から、「跋」を紹介している本日は、その三回目(最後)。

 本書の基礎的準備を終る頃、予期しなかつた家主の失業に遭遇し、一時前途暗黒の状態に立到つた時、図らずも私の為めに著作後援会を作つて、苦境を救け〈タスケ〉られたのは友人諸氏の高義である。会(高群逸枝著作後援会)には、
 市川房枝氏 生田花世氏 今井邦子氏 石原清子氏 原 信子氏 長谷川時雨〈シグレ〉氏 新妻伊都子〈ニイヅマ・イトコ〉氏 帆足みゆき氏 市守ふみ氏 細川武子氏 星野 愛氏 徳富猪一郎〔蘇峰〕 宮本一枝氏 岡田禎子氏 奥むめお氏 加藤タカ氏 嘉悦 孝〈カエツ・タカ〉氏 河崎なつ氏 金子 茂氏 ガントレツト恒子氏 吉岡彌生氏 横山美智子氏 高楠順次郎氏 高島平三郎氏 竹田 菊氏 竹中 繁氏 竹内 茂氏 中河幹子氏 武藤千世子〈チセコ〉氏 村上秀子氏 村岡花子氏 野上彌生子氏 窪川稲子氏 久布白 落実〈クブシロ・オチミ〉氏 山川菊栄〈キクエ〉氏 山本 杉氏 丸岡秀子氏 松岡久子氏 松田解子〈トキコ〉氏 深尾須磨子氏 福島四郎氏 福島貞子氏 藤田たき氏 奈良富子氏 円地文子氏 佐藤俊子氏 木田 開氏 木内キヤウ氏 北川千代氏 三輪田元造氏 三谷民子氏 志垣 寛氏 正田俶子氏 島中雄三氏 島中雄作氏 下田次郎氏 下中彌三郎氏 白井喬二氏 平林たい子氏 平田のぶ氏 平塚 明〈ハル〉氏 平井恒氏 守谷 東氏 千本木 道氏
 の方々が発起人とおなりい下さつた。本書の漸く成るを得たのも一に〈イツニ〉これ等の方々及び会に芳志をお寄せ下さつた二百余賜物であることを感謝し、なほ最後迄お見届け賜はらんことを冀ふ〈コウネガウ〉。
 この首途〔かどで〕に際し、郷里の先輩徳富〔蘇峰〕老先生は御慈愛の序文を賜はり、婦人界の先輩吉岡〔彌生〕老女史は書名の御染筆を賜はつた。まことに有難き極〈キワミ〉である。又、出版に就いては前著に引続いて厚生閣岡本正一氏の御快諾を頂き、麻生正蔵氏、市川房枝氏、尾崎行雄氏、金子しげり氏、下田次郎氏、下中彌三郎氏、高嶋米峰氏、竹内茂代氏、竹田菊氏、新妻伊都子氏、福島四郎氏、三木清氏、吉岡彌生氏、〔平塚〕らいてう氏よりは、江湖への身に余る御紹介の言葉を忝う〈カタジケノウ〉した。御紹介の御言葉は特に内容見本のためにお恵み下さつたものであるが、本書にも掲げさせて傾いた。このほか、陰に陽に鞭撻と援助を賜つた先輩友人の方々につゝしみて謝しまつる。
    しき島の大和をみならが越えて来し
            幾山坂ゆなみだぐましも
   二五九八年五月
                  満中在家独思茅屋にて  高 群 逸 枝

 人名中の、「平塚 明」は、平塚らいてうの本名。なお、当時の平塚らいてうは、「らいてう」を筆名としていたもようである。末尾の「満中在家」は地名。読みは、たぶん「みつなかざいけ」。
 明日は、話題を変える。

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