わが家の植木台の上に、ミセバヤという植物の鉢植えがある。
ミセバヤは、普段は葉が水色で、肉厚なので少しサボテンの仲間を思わせるところもある植物だ。
百人一首に「みせばやな」で始まる歌があって、それと関係があるのかと思ったが、全く関係ないと分かった。
ちなみに、こんな歌。
見せばやな 雄島(をじま)の蜑(あま)の 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変はらず
殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)
ちなみに、「見せばやな」の意味は、「ばや」は願望の終助詞で、「な」は詠嘆の終助詞。「見せたいものだ」という意味。
…だそうだ。
ただ、この「ミセバヤ」という名は、ウィキによれば、
和名は「見せたい」という意味の古語が変形したもので、高野山の法師が詠んだ和歌にちなんでいるといわれている。
ということだから、やっぱり何か関係があるのではないかと思ってしまう。
そんなミセバヤ、いくつか種類があるそうだが、わが家のものの正確な名前は知らない。
だが、今月は、その鉢植えにずいぶん楽しませてもらった。
花の美しさから紅葉の美しさに変わっていった。
ひと月で、2度おいしかった(!?)
11月3日。
葉のふちは赤みがあるが、ピンクの花が咲いていた。
こんもりとした花がとてもきれいだった。
ミセバヤの花って、こんなに可愛いものだったかなあ。
11月19日
花びらがしおれたり枯れたりしてきて、ミセバヤの花は美しくなくなった。
でも、半月以上咲いていたのだから、なかなかすごい。
でも、その代わりに、葉の色がずいぶん赤くなった。
11月24日
花はすっかり枯れてしまった。
しかし、葉の紅葉が見事なこと、この上ない。
美しい。
今まで、ミセバヤの紅葉がこれほどきれいだと思ったことはない。
なるほど、花も紅葉も、ほかの人にも「見せたい」と思ったよ。
名前のとおりだね。
ちなみに、花言葉は、「つつましさ」「大切なあなた」なのだとか。
たしかに、11月3日の花の咲き方には、咲き誇るのではなく、さりげなく咲いている感じだった。
そして、花で紅葉でと楽しませてくれたのは、見る人を「大切にしてくれている」ようだった。
うん、見せたい、ミセバヤだったよ。