ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

炎天下、激坂に負けず、つながりを確かめ…(後編)~2023たいない高原マラソン~

2023-09-11 17:52:15 | RUN

正面には、スタートゲート&ゴールゲートも見えるが、そのおよそ100m手前で、コースは左に折れる。

私の種目の8.9kmコースは、ここから約1.7kmほど上流の胎内第二発電所の手前まで走って折り返すコース。

車で行くと平坦に見えても、「上流の」と書いたことから分かるように、この道は緩やかだけど上り坂なのだ。

この上り坂を感じながら走っていたら、年輩のランナーが後ろから私を抜いて行こうとした。

その姿には見覚えがあり、ゼッケンを見て「KMさん!」と、思わず叫んだ。

「久しぶりに会えてうれしいです。以前、同じレースによく参加し、KMさんのように走れるようになりたいと思っていたのです。今はもう以前のように走れませんが。」

と話しかけると、

「いやあ、もう前のようには走れなくてね。」

との返事。

そう言いながらも、その走りはいいピッチで、少しずつ私をおいていった。

やっぱりKMさん、さすがだなあ…と思いながら、あとを追って走って行った。

この道は、比較的木陰が多いことがうれしかった。

なのに、何百メートルか先で、KMさんが突然歩き始めた。

そうかあ、KMさんもきつくて歩くなんて、やっぱり以前のKMさんじゃないんだなあ、と思いつつ、前に出た。

 

歩いていたのは、KMさんだけじゃなく、もう1組いた。

1組というのは、伴走者もいた2人だからだ。

目の不自由なランナーの伴走をしていた人が着ていたのは、アルビユニ。

「アルビのサポだけじゃなく、ランサポもやるのはすごいですね!」

と、声をかけ通り過ぎた。

「ありがとうございます!」

と、若く見えるその伴走者から返事が返ってきた。

 

第3給水所が見えた。

今まで強い陽射しにさらされていた身は、水を欲していた。

スポーツドリンクとミネラルウオーターをどちらも2カップ、手に取った。

ミネラルウオーターの1杯は、首の後ろにかけた。

 

給水所の先には橋があり、そこを渡ると、胎内第二発電所前。

この種目の折り返し地点を回る。

 

間もなく先ほどの給水所の近くにもう1つの給水所があった。

今度は、ミネラルウオーター2杯を胸と首にかけて冷やした。

その給水所を過ぎて間もなく、先ほどの1組の2人に抜かれた。

アルビユニの男性がこう言いながら。

「実は、昨日もアルビレディースの応援に行ったのですけど、引き分けでした。」

それを聞き、私も、

「いやあ、惜しかったですよね。あと2,3分で勝てたのに。」

「まったく。」

そんな会話をしながら、さっき歩いて元気を取り戻した2人は、私を置いて前へ前へと進んでいった。

 

あと1㎞の標示を過ぎて走っていると、余力のあるランナーが2人、3人と私を追い越していく。

ラスト200mくらいになったら、あのKMさんが横に並んできた。

なんだか負けたくない気持ちが湧いてきて、スパート。

ゴールゲート手前でも抜かれそうになって、さすがKMさんと思いつつも、再スパート。

ぎりぎりで抜かれずにすんだ。

ゴール後、KMさんとまた少し話した。

今年は、笹川流れマラソン、関川マラソンを走り、来月は新潟シティマラソンを走るそうだ。

互いの健闘を祈りながら、別れた。

いい出会いだった。

 

その後、もう一人のランナーとうれしい出会いがあった。

42歳の彼は、30余年前に受け持っていた子たちの隣のクラスにいた子だった。

あのときは、学年3クラスだったが、男女ともに学級を越えて仲の良い学年だった。

小学校時代に長距離走が得意な彼だったが、再び走るようになってから10年もたっていないと言う。

ダイエットが主目的だったが、RUNの大会に出ると、たびたび私の名前も見つけていたから一緒に走りたいと思っていた、と言ってくれた。

30年ぶりの再会だったけど、「会いたい」と言ってくれていたことがうれしかった。

「また、次、新潟シティマラソンで会おう。」

と、握手をして別れた。

 

最後には、16.2㎞を走ったSIさんとも、笹川流れマラソン以来の再会。

「16.2kmでも、後半は急坂じゃないからね」なんて言っていたけど、この暑さをものともしない。

同学年なのに、元気だなあ、と感心。

 

こうして、猛暑+加齢+練習不足がありながら、十分に激坂を満喫して8.9㎞をゴールした。

満喫したのは、走ることの楽しさもあったが、人とのつながりも大きかった。

一緒に走った人とでも、今回書いた、アルビつながりあり、年輩ランナーつながりあり、教え子つながりあり。

書いていないが、ほかにも2つほど「昔の職場つながり」もあって、当時のことを話し合ったりもした。

それもこれも、RUNを、走って大会に出ることをしていなければ、こうした心地よいつながりを味わうこともなかっただろう。

家に帰った後、休んでも疲労から時々くらくらすることがあったが、走ることと人との出会いは、心の健康には欠かせないなあと思ったのであった。

(この日の暑さで、レース後買ったばかりのソフトクリームが、あっという間にとけ始めた…もったいなかった…)

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