NHKBSでは、MLBエンゼルスの試合を中継してくれている。
もちろん目当ては、大谷翔平選手。
今季は、WBCでもMLBでも、その活躍がすばらしかった。
ところが、その活躍からくると思われる疲労やけがでここ数日は欠場となってしまった。
大谷見たさのエンゼルス戦の中継なのに、大谷が出場しない試合はつまらないなあと思っていた。
ところが、そのつまらなさをこの2日間払拭してくれたのが、藤浪晋太郎選手だ。
昨日から、エンゼルスの本拠地アナハイムでの試合、エンゼルス-オリオールズ戦。
昨日の試合は、後半接戦となり大谷を欠くエンゼルスが同点に追いついて、延長タイブレークとなった。
オリオールズが、一死3塁から内野ゴロから1点のリードを得た。
その裏に、藤浪投手がマウンドに上がった。
延長タイブレークでは、無死2塁のピンチから試合が始まる。
日本で阪神タイガースにいた時も、また今季メジャーにわたって所属したアスレチックスでも、コントロールを乱すことが多かった藤浪投手。
大丈夫かな…と思った。
2球目でセンターフライを打たれると、2塁ランナーは3塁に進んだ。
一死3塁、大ピンチである。
こういうシーンでは、コントロールが悪くなるのが彼の近年の欠点だった。
少しはらはらしながら試合を見守った。
すると、藤浪は、迷いなく速球勝負に出た。
ファウル、空振りで追い込むと、4球目で空振りの三振を奪った。
これでツーアウト。
そして、次の打者に対しては、すべてストレート勝負。
なんと3球三振で、スリーアウト。
チームを勝利に導き、セーブポイントをあげた。
そのピッチングが実に堂々としていて、頼もしかった。
自信をもって直球を投げ込んでいた。
阪神で十分な活躍ができず、メジャーでも当初ダメダメだったのが、よくここまできたと思う。
投げている姿からは、日本にいたときのような、おどおどした様子は見られない。
コントロールを気にせず、思い切り腕を振ってストレートで勝負する。
そうすれば、打たれることはない。
そんなふうに確信したのだろうか。
自信を持った投げっぷりは、見ていて気持ちよかった。
そして、今日もエンゼルスは、大谷選手の出場がなかった。
しかし、10対3でオリオールズリードで迎えた試合の8回裏、今日もマウンドに上がる藤浪の姿があった。
最初のバッターには、粘られたが、2-2からの7球目を空振りの三振に打ち取った。
次のバッターを、2-2からレフトフライに打ち取る。
3人目の打者には、ライトのまずい守備もあって3塁打を打たれてしまった。
だが、最後の打者を、この日最速の161㎞/hのストレートでレフトライナーに打ち取り、無失点に抑えた。
今日もきちんと押さえたうえ、あの制球に難があった藤浪が、これで10試合連続無四球投球である。
いいなあ。
日本にいるときから、こういう藤浪を見たかったが、メジャーの経験でひと皮むけたようだ。
アスレチックスの先発で4連敗したり、防御率が13点台だったりしたが、短いイニングの救援をするようになり、さらに7月中旬に地区首位のオリオールズにトレードされてから、どんどんよくなっていっている。
今現在、通算成績は55試合(71回1/3)で6勝8敗2セーブ4ホールド、防御率7・32。
直球勝負でぐいぐい押す藤浪の投球は、力感にあふれている。
大阪桐蔭高校時代も、こんな怖いもの知らずの投球だったような気がする。
これからも、こういう直球主体のピッチングで、どんどん活躍してほしい。
がんばれ、藤浪晋太郎!