マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。最近の政治的問題や最近の出来事も更新します。

第49話 特務機関ザースロン

2016-11-12 13:23:06 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月29日ニューエドワーズ基地】

翌日の日の出の頃には決着はついていた。
襲撃してきた可変戦闘機は全機撃墜され、工作員は何者かに全て射殺された。

現場に駆けつけたラウラは工作員の一人に追い込まれてから何も覚えておらず
下手したら工作員扱いされるどころか、何の咎められる事がなく・・・・
治療室のベッドで一旦寝かされ、昼になる頃には帰らされた。
 
マクドミラー「まさか反政府の野良犬が来るとはな」
新統合軍参謀本部参謀.マクドミラー・ハリマン少将  

佐久間昌盛「狙いはゼネラルの新型機、油断なりませんな。」  
新統合軍参謀本部参謀.佐久間昌盛.少将 

マクドミラー「キャピタルの陸軍基地から応援で警備を固めるが、いつ野良犬どもが来るか分からん。使える人材はいつでもスクランブル待機させるしかない。」 

地球.マクロスシティーの参謀本部から来たハリマン提督と佐久間提督は・・・
反統合組織による襲撃や内部活動に対する話し合いを小会議室でしていた。

惑星エデンの中心都市キャピタルシティに駐屯する陸軍基地から
デストロイド部隊や機械化歩兵部隊が派遣され、基地内外の警備が
無事VFーXー10改のロールアウト完了まで強化する事が決定した。

反統合ゲリラが減少傾向とは言えまだまだ戦力は健在であり
死兵となったゲリラがどんな手段を使うか分からない。

佐久間提督は懸念事項に頭を抱えた。

『ニューエドワーズタワーからサイクロプス小隊へ第2滑走路で離陸を許可する。』

『こちらサイクロプスリーダー了解!離陸する。』

午前10時になった頃にニューエドワーズ基地からVFー5000の小隊が離陸した

任務内容は周辺の警戒であり既に複数の部隊が哨戒任務についており
空からだけでなく、デストロイド・シャイアン部隊も陸からの哨戒任務を展開していた

11時になるとマックスやミリアも愛機を駆り哨戒任務に参加し・・・
森林地帯に潜んでいた反統合ゲリラのSvー52を発見・・・・
追跡の末、全機撃墜した。

桐原少佐「VAHー1コマンチまで飛来するとはな・・・・」

吉野大樹「昨日の事件があれば当然でしょ」

桐原少佐「当然ね・・・・基本敵であるゼントラーディ軍の基幹艦隊は数が多くて厄介だが・・・俺としては小さいゲリラの方が厄介だと感じるな~」

新統合軍の基本的な敵は第1次星間大戦で戦ったゼントラーディ軍と・・・・
ゼントラーディ軍の敵であり、マクロスの持ち主の監察軍であるが・・・・
日々戦闘に従事する新統合軍の軍人からしたら規模の低いゲリラが厄介だと感じていた

戦力を出せば戦闘では簡単に勝てるかもしれないが・・・・
すぐに隠れてひょっこり顔を出して攻撃を仕掛けて抵抗する・・・・

殲滅しても戦力は減るどころかむしろ沸いてくるからめんどくさい

桐原少佐「俺たちの初任務地は惑星エデンだが、これからもゲリラやはぐれゼントランの厄介ごとと戦いそうだな。」

吉野大樹「それが嫌だったら銭湯の店主に戻ったらどうです?あの大戦を生き抜いたんです、月で家族と過ごし・・・・・」

桐原少佐「いや一年はやり遂げるよ、お前もまだこの隊を任すには経験は足りんからな・・・・若い奴に苦労押し付けるのは俺は老害だよ。」

茂人はこれからの部隊の運命を想像し厄介ごとに巻き込まれる事を悲観すると・・・・
大樹は皮肉そうに銭湯の店主に戻ったらと勧めた。

銭湯の店主に戻るように勧められた茂人であったが・・・・・
後継として期待している大樹はまだ経験が足りず隊を引き継がせるわけにはいかず
若い連中に厄介ごとを押し付けるのは老害だと断った。

第1次星間大戦で人材を多く失った今、若い兵は貴重な存在である。

どんどん人口が回復しある程度人材不足は解消しなかった。

後継である大樹が育つ1年間は最低でもやらなければならない。
第1次星間大戦を生き抜いた者としての最低限の責務だと茂人は自覚していた。

【2021年3月30日ニューエドワーズ基地】

ニューエドワーズ基地の警備したかいもあってか何事もなく翌日を迎えた。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に向かい大気圏離脱の為の装備を受領する為
地下格納庫では整備班により全機体が整備点検されていた。

自分の愛機が整備されてる所を見ながらラウラはあの日の一件の事を考えた。

ラウラ「地球人の戦争軍事は複雑すぎて嫌だな・・・・」

工作員による内部侵入、反乱分子のゲリラ戦による襲撃・・・・
ここに来て得られた文書を読んで知ってはいたが・・・・
いざ経験すると現実味が感じられず戸惑っていた。

最初の初陣、訓練生時代の戦闘を経て・・・・
嬉しさがあった反面・・・・・・

単純に戦えばいいゼントラーディ軍時代とは違う戦い方に戸惑ったり
工作員による戦闘では初めて生身で死ぬのでは?と言う感覚に襲われたり
今まで感じた事のない底知らぬ恐怖を覚えた。

新統合軍にいる以上、一昨日のような事をまた経験するだろうし・・・
もしあの時、オルガがいなければ・・・・

オルガ「ベルタリア准尉、何ぼーとしてる。軍人ならシャキッとしろ!」

ラウラ「わっブラギナ中尉?なぜここに?」

オルガ「エデン防衛軍司令部に向かう前にベルタリア准尉の顔を見にね~」

そうこう考えている最中、オルガから話しかけられた。

あの夜見たオルガは冷静でクールな性格で、工作員を殺害しラウラを救ったが
背後から話しかけてきた今の姿は陽気な性格な秘書士官・・・・
昨日から特に何事もなかったかのように佐久間提督の秘書として振る舞っている

_____お前は何者だ?

今のラウラがオルガに言いたい事・・
目の前にいる秘書士官は副業で、本業は違う・・・・・
何者なんだ?お前はなんだ?

反統合組織の工作員の一人なのではないか?と疑った・・・・・

オルガ「私の正体は何だとおもったでしょ?」

ラウラ「ラック(なっ)?なんで思ってる事を・・・・・」

オルガ「仕事柄、相手の考えてる事は分かります。安心して反統合組織の一員じゃないから、根も新統合軍人だから」

心の中で想っていた事を見抜かれ、更に根っから新統合軍人だとオルガが言った。

根っからの新統合軍人である発言に敵ではないのかと戸惑いながらも安堵したが
話しぶりからして単なる秘書士官ではなさそうだ・・・・
噂で聞く特務機関・・・諜報機関の人間かもしれない・・・

諜報機関の人間ならばあの晩の出来事も説明がつく・・・・

オルガ「いろいろと察しはしてるけども、深入りしたら味方と言えども消します」

ラウラ「分かっているわ。深入りした結果、変な死に方はしたくありません。」

オルガ「懸命な判断ありがとう」

ラウラ「偶然居合わせただけなので・・・・」

当然の事ながらこれ以上深入りしたら味方とは言え殺されてしまう。
現にオルガはラウラに警告した上で消すと言った。

映画で見た通りの展開だが・・・いざ言われると現実味が湧かない

ゼントラーディ軍にはスパイの概念はあれど、地球のような諜報機関は存在しないし
むしろ組織の概念すらない・・・・・・
マイクローン化し機種転換センターで初めて知った存在なのだ。

目の前に諜報機関の人間がいるのはなんとも現実味が出てこない。

ラウラ「とりあえず私はここで・・・・」

オルガ「ごめんね、話長引かせて・・・・今度またゆっくり話がしたいな~」

ラウラ「その時はよろしくお願いいたします」

逃げるかのようにラウラはその場から立ち去ろうとした・・・

諜報機関に所属してるとは思えない笑顔を浮かべるオルガが怖く感じ・・
一刻も早くなるべく遠くこの場から去りたかった

味方であるのは分かったけれども、苦手なタイプであり
幾多の敵と戦ってきたベテラン兵士のラウラと言えども恐怖に感じ・・・
逃げたしたくなってしまうような感覚に襲われた・・・・

オルガからゆっくり離れ自室へ戻っていった。

オルガ「ラウラ・ベルタリア准尉か・・・・遠からず会える気がするわね。不思議な娘」

自身から離れたラウラの後ろ姿を見て小悪魔のような笑顔を浮かべたオルガは
遠からず会えるような気がすると感じた。

一般部隊であるラウラと諜報機関のオルガ・・・・・
立場も違えば、任務内容は異なっており広大な銀河では会う機会はない
今のオルガの役職は提督秘書であり、地位が違いすぎる

会う確率は低い・・・・
でも根拠はないけど、会えそうな気がする・・・・・そんな気がした

オルガはフッと笑うと秘書士官勤務へ戻った。

【2021年3月30日、エデンプレーリー上空】

アンサーズ中隊と職員を乗せたVCー33マムズ・キッチンは空にいた

目的地はマスドライバー施設のあるニューケネディ基地
新統合宇宙局の施設であり、惑星エデンにおける地上と宇宙を繋ぐ拠点で
隣にある新統合軍ニューケープカナベラル基地が警備を行っている。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に着陸し大気圏離脱装備を装着し
宇宙に向かいエデン軍宇宙艦隊の可変戦闘機部隊との模擬戦を実施
一週間訓練指導した後、本拠地のあるクラビウス基地へ帰還する予定であり
ラウラを始め隊員は早く終わらして帰ろうと張り切っていた。

桐原少佐「そろそろ防空圏内か・・・」

吉野大樹「防空圏に近づくと陸軍機が来るらしいですね。」

桐原少佐「VAHー1コマンチだろ・・・・無骨武者がエスコート役とはな・・・」

アンサーズ中隊をニューケネディ基地まで案内する予定の部隊は陸軍だ。

ニューケネディ基地には陸軍部隊も駐屯しており
デストロイドの他にもVAHー1コマンチで編成された航空隊が所在しており
友軍機が来訪するとカナベラル基地の空軍ではなく陸軍が対応し出迎えてくる

正直に言えば頼りないので空軍機であればと茂人は愚痴っていた

ラウラ「ねぇ大樹、なんで隊長は陸軍機の出迎えに不満なの?」

吉野大樹「いつものVFー1マニアの発症だよ、特に不満じゃない。単なる病気だ!」

ラウラ「病気か・・・・・」

吉野大樹「お前も予備軍だから、あーなるなよ」

ラウラ「なっ、バカにしてるんですか?」

VFー1バルキリーマニアの隊長の愚痴にラウラは不思議そうに大樹に訪ねるが
病気かつお前も予備軍の1人だと返答した。

予備軍の1人だと評されたラウラはバカにしてるのかと怒ったが・・
振り返って見れば海兵隊辞めてマイクローン化し可変戦闘機乗りになった切欠は
VFー1バルキリーと戦ったからであり・・・・・
大樹からの指摘はある意味間違ってはいないと自覚した。

特にVFー1バルキリーに拘っているわけではないが・・・・
クァドランよりかは乗りやすくて気にいっている・・・・

とは言え別に可変戦闘機が好きで気に入ってるだけでVFー1に拘ってないし
むしろ、最新鋭機が配備されたら喜んで積極的に乗り換えたいし
軍にいる限りいろんな可変戦闘機に搭乗出来るなら乗ってみたいと思っていた

ロザ「地球人って凄いよね新型出れば今使ってる機体古くなれば退役して捨てるなんて」

ラウラ「確かに!私達は何万年も昔からある機体使ってたし」

吉野大樹「むしろ俺らから言わせればよくも何万年も同じ機体使い続けてただな」

桐原少佐「そう言われて見ればそうだな。ってそれは種族の価値観だろ!」

地球人とゼントラーディ人の兵器に対する価値観が違う
開発すると言う知識のないゼントラーディ軍はプロトカルチャーが開発した兵器を使うが
国家間の戦争ばかりしていた地球人はより良い兵器を開発し相手国に優位に立つ為
短時間で様々な兵器が登場しては消えていった。

ラウラ達は地球軍兵器の使用期間の短さは驚いたが・・・・・
戦争の歴史を知れば当然の事かと理解した。

地球人は自分達ゼントラーディ人と違ってただ戦ってるわけじゃない
思想.侵略的野心.国土防衛様々な理由が存在しており
単純明快なゼントラーディ軍とは大きく違って理性的だ・・・・・・

ふとラウラはたまたま地球人の戦争の奥深さに触れる機会が得られた事を喜んだ

ゼントラーディ軍軍人のままだったら一生知る事のなかったし・・・
自分達がやってる戦争について頭で深く考える事もなかっただろう・・
やっぱり地球人の歴史は魅力的だとラウラはそう思った。
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第48話 地球から来た中尉

2016-11-11 19:29:51 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月28日ニューエドワーズ基地】

反統合勢力威力偵察から2日が経った。

ラウラ達は再びミリアと共にVFーXー10改プロトカットラスの試験に参加し
ニューエドワーズ基地の大空を飛んでいた。

VFーXー10改プロトカットラスはアルガスにより更なる改良が施され
往来の可変戦闘機より更に高機能と化しておりラウラ達を圧倒
もはや完成されたと言ってもいい機体になっていた。

ミリア「最高ね、機体のバランスもよくなったし私ほどじゃないパイロットでも乗りこなせるようになったわ。」

アルガス「そう言ってもらえると幸いです。まだまだ微調整はありますが、後1ヶ月程お付き合い願います。」

ミリア「1ヶ月?まだそれぐらい時間がかかるわけ?」

アルガス「一応はそうなりますね。」

プロトカットラスはほぼ完成されており・・・・・・
テストパイロットであるミリアは高く評価していたのだが・・・・・・
完成までに後1ヶ月近くかかるらしい・・・・・

聞いていたラウラは何故そんなに時間がかかるのか?
と・・・疑問に思ったが、聞いてもまだ理解できんので質問はしなかった。

「プロトカットラス・・・・もう完成なのか?」

ラウラ「貴女は?」

オルガ「失礼、私は地球マクロスシティー総司令から来ましたオルガ・ブラギナよろしく」
新統合宇宙軍オルガ・ブラギナ中尉

ラウラ「地球の?あっ・・・すいません・・・私は・・・新統合宇宙軍予備艦隊所属のラウラ・ベルタリア准尉です、ブラギナ中尉殿よろしくお願いいたします」

そう考えていると地球から来たと言う赤髪のボブカットヘアーで・・・
クールな印象の強いロシア人女性の中尉オルガ・ブラギナが話しかけてきた。

地球からわざわざ惑星エデンに訪れて来るお偉いさんに従事する秘書であり
士官学校を卒業したエリート士官であり、ノンキャリであるラウラと違って・・・・
佐官以上の階級に進級する事の出来る高嶺の花である。

高嶺の花であるオルガの姿を見たラウラは物凄く緊張していた。

オルガ「どうしたんですか准尉?」

ラウラ「いえ・・・・・なんでもないです。」

オルガ「そう・・・・」

地球のエリートは眩しすぎる・・・・・
階級絶対社会出身のラウラはまともにオルガの顔を見る事が出来なかった。

旧反統合同盟の加盟国家であり、盟主国だったロシアの生まれであり
ましてや旧敵国民の生まれで差別されて来たであろうオルガは・・・・・
総司令部付きのエリート士官になってるのは相当な努力をしたはず・・・・

同じ女性として、旧敵勢力ゼントラーディ軍のラウラからすれば憧れの的だ。

オルガ「おっと失礼、私は佐久間閣下の元に戻らればなりません。ここで失礼します。」

ラウラ「はっ、中尉殿お疲れ様です。」

オルガ「ベルタリア准尉、これからの勤務頑張ってね。」

ラウラ「はっ」

キリッとした表情のままラウラに激励の言葉を送りながら敬礼したオルガは・・・
そのまま元の職務に戻っていった。

凛とした姿勢堂々とした姿勢どれをとっても魅力的・・・・

同じ女性として憧れるし将来はオルガのような軍人になりたい・・・・・
ラウラは心の底で幼い少女のように考えた。

【2021年3月29日ニューエドワーズ基地】

翌日、ラウラ達はいつも通りに朝6時に起床し点呼を取り朝食を食べていた。

朝食を食べ終えればつまんないデスクワークをひたすらやる事になっており・・・・
可変戦闘機に乗れないとラウラの表情は見るからに不満そうであった。

正直な話デスクワークなんて面白くはないし・・・・
戦闘ないにせよ可変戦闘機飛ばしてた方が楽しい・・・・
これも仕事のうちだから仕方がないけども、つまんないもんはつまらない。

カゴメ「あーデスクワーク嫌って表情してる。」

ラウラ「別に嫌って思ってないわよ、単につまらないな~って思っただけ。」

カゴメ「一緒じゃない、ラウラの嫌とかつまらない境界線分からないわ~」

いつも一緒にいるカゴメから見てもラウラの事をよく分かっている。

不満な事があればすぐに顔に出てしまう・・・
この前威力偵察に出て戻ってきたラウラの顔は嬉しさ満点の笑顔で・・・・
人を殺した後なのによく出せる笑顔だなと思った程だ。

楽しい時の顔のラウラと嫌という時の顔のラウラは分かりやすい・・・

カゴメ「戦闘に出れるならば出たい?」

ラウラ「勿論、戦場は私にとって華だからね。ロザもそう思うでしょ?」

ロザ「あ・・・・まぁ」

ラウラ「可変戦闘機に乗ったり、任務で飛べたら最高~」

カゴメ「・・・・・・ゼントラーディ人らしいわぁ」

戦争の為にプロトカルチャーによって造られたゼントラーディ人の娯楽は戦闘だ。
地球の文化に触れたとは言え未だにラウラだが、戦闘となると嬉しい。
軍事学にハマったのも戦闘の奥深さを知ったからだ。

反面、地球文化に触れた期間が長いロザは戦闘は嬉しい反面・・・・
ラウラ程、熱狂的に好きってわけじゃない。

戦闘よりも食事やアニメ見たりファッションに入り浸ったりと・・・
地球文化の方が楽しいし、恋愛だってしたい。
過ごした環境の違いで同じゼントラーディ人とは言え変わってくる。

ラウラ「近いうちに戦えないかなぁ」

ロザ「・・・・・恋愛したいなぁ」

二人の温度差は大きい

元海兵隊員のラウラは文化的な生活よりもゼントラーディ時代と変わらない生活を送り
戦後の過程で一般的な学校に通ってから新統合軍に再入隊したロザの意識は全然異なる

同じゼントラーディ人でも今となっては戦いを好むか否かで分断されつつあった。

【2021年3月28日ニューエドワーズ基地会議室】

ニューエドワーズ基地の会議室ではマックスは・・・・・
ドアを鍵で締め切りながら一人の女性士官と会っていた。

その女性士官はラウラが出会ったオルガであった。

この場にはいつも一緒のミリアはおらず・・・・
会議室にはマックスとオルガ二人っきりであり・・・・
物々しい雰囲気の中、オルガはマックスに近づいた。

オルガ「マクシミリアン・ジーナス大尉、お付き合いありがとうございます。」

マックス「オルガ・ブラギナ中尉、佐久間提督秘書官・・・・いやザースロン機関の君が私に何のようかな?」

オルガ「あら?一瞬で正体を見破るとは流石です。」

マックス「どうも一般的な秘書官の娘と目つき違うし仕草も違う、私の感では君は特務機関・・・・ザースロンの人間かなと思ったまでだ。」

会話が始まった途端、マックスはオルガの正体を見破った。

オルガは地球のマクロスシティーから来た佐久間昌盛提督の秘書官ではなく
対テロ情報特務機関ザースロンに所属する工作員であった。

ザースロン機関は新統合軍特務部隊内部しか知らない秘密機関であり
通常は新統合軍はおろか新統合政府議会や政府機関各種省庁に身分を隠し活動しており
知っている者はごく僅かであった。

何度かザースロン機関と作戦行動を共にした事があるため
初めて会うオルガがザースロン機関の工作員である事を見抜いた。

見破られたのかオルガは息を吐き口を開いた。

オルガ「まぁいいわ、マクシミリアン・ジーナス大尉・・・・一つ警告しますわ。」

マックス「警告?」

オルガ「モアラミア・ファリーナ・ジーナスとVFーXー10関連には群がるスズメバチが来ると・・・・詳しい内容は軍規につき申し上げられませんが・・・・」

マックス「スズメバチか・・・・・気をつけておくよ」

モアラミアとVFーXー10関連には気をつけろ・・・・・と・・・
ザースロン機関工作員オルガがマックスに警告として言った。

VFーXー10プロトカットラスは反統合組織などの反政府ゲリラや・・・
ゼネラル・ギャラクシーと同業他社の産業スパイなどに狙われており・・・・
新統合軍諜報部の警戒度は高まっていた。

カットラスは分かるにせよ、捕虜にしたモアラミアまで気をつけねばならんのか
厄介すぎる二点にマックスは頭を抱えた。

オルガ「ジーナス大尉、産業スパイや反統合の工作員対策は私含むザースロン機関がやります。今は新鋭機VFーXー10とモアラミア・ファリーナ・ジーナスの育児に専念してください。」

マックス「それは君達の上だけの意向かな?」

オルガ「いえ・・・・佐久間提督ら新統合軍上層部の意向でもあります。」

マックス「そうか忠告はありがとう、以後は私はこれ以上深く関わらないで任務に従事しておく。」

ザースロン機関上層部の意向かと問い詰めるマックスだが・・・・
オルガ曰く新統合軍上層部も絡んでくるため、これ以上の介入を止めた・・・・

元々地球統合政府・地球統合軍時代からだが、一枚岩ではないが故に闇が深いし
自身の立場ではこれ以上深入りしてしまうと立場を失ってしまうどころか・・・・
家族も巻き込んで悲惨な結末を迎えてしまうだろう・・・・

それを考慮したマックスはオルガに深く関わらないと告げた。

オルガ「では私は佐久間提督の秘書官としての業務を果たす為ここで失礼いたします。ジーナス大尉の懸命な判断評価しますわ。」

しばらくしてオルガは表向きの業務を果たす為去っていった。
去っていくオルガの後ろ姿を見たマックスは敵にしたら厄介な人間だと思った。

先の大戦からだが、敵対組織出身の女性が常日頃近くにいる。
自身の妻や養女は元敵対組織の人間であり、一度は殺し合いをした事がある。
オルガはかつて対立した反統合同盟の盟主国ロシア連邦の生まれだ。

現在後ろ姿を見せているオルガは味方なれども、一歩違ったら敵だったかも知れない。

優秀な士官であり工作員であるオルガが敵であったら厄介な敵になるだろう。
そう考えただけでも常に冷静沈着なマックスでもある種の恐怖を覚えた。

ラウラ「やっとデスクワーク終わったわ、やっぱり戦闘に出て戦いたいなぁ。」

デスクワークを終え事務棟から出たラウラは愚痴ってた。

ゼントラーディ人であるラウラはデスクワークが退屈でつまらないと感じ・・・
不謹慎ではあるが心の底で反統合ゲリラとの戦闘が発生しないかなと思っていた。
戦闘種族が故、戦闘がないとある種のストレスが溜まってしまう。

いろいろストレスを溜めながら、自室に戻ろうとした。

ラウラ「ん?」

自室に戻る道中、VFーXー10改の格納庫の扉が開いていた。

この時間は誰もいないはずであり、扉には警備兵や管理人がいる。
関係者かなんかが作業しているのか?と思ったが・・・・
何か嫌な臭いが漂ってきたその時・・・・・

ラウラ「警報!?」

『未確認飛行物体接近、数は不明!基地守備隊は迎撃、デストロイド隊は防衛ラインを張れ!』

ラウラ「敵襲!?まさか・・・・だとしたら・・・・」

敵襲を知らせる警報が鳴り、アナウンスが流れた。
未確認飛行物体接近しニューエドワーズ基地に近づいていると・・・
嫌な臭いと敵襲・・・・何かがこの基地で起きているかも知れない・・・

何かを察したラウラは何も躊躇する事なく格納庫に入った。

格納庫に入ると整備兵と管理人、警備兵が射殺されていた。
案の定と言うかなんと言うか・・・・・
更に奥に進むとVFーXー10周辺に人影が見えた。

「くそっロックされてる!」

整備兵に変装し潜入したであろう敵工作員の姿だった。

どうやらVFーXー10のコックピットがロックされ開けられず・・・・
強奪しようにも出来ない様子であった。

この隙を見てラウラは拳銃を取り出し工作員の背後に回り込み銃口を突き付け叫んだ

ラウラ「動くな!」

「!?」

ラウラ「敵襲に乗じて格納庫に侵入ですか・・・・私がいる限り出来ると思うな!降伏しろ!」

工作員に銃口を突き付けたラウラは強気であったが違和感を感じた。
普通だったらここで降参するすぶりを見せるはずだが降参するようには見えない。

もしかしたらここで反撃するのでは?と思ったが・・・・工作員が急に反転した。

「甘いんだよ!」

ラウラ「くっ」

反転した工作員によりラウラの持っていた拳銃を蹴り飛ばされ形勢が逆転した。

工作員がここまで強いとは思ってもおらず反撃するとは思ってもいなかった。
だがラウラの工作員に対しての知識はそこまでついておらず・・・・
間違った認識を持ったまま対処に一気に追い込まれてしまった。

このままではやられるとそう思った時であった。

ラウラ「!?」

突然、激しい銃声と共に工作員の頭が何かが突き抜けた。
力を失った工作員はそのまま倒れ込み辺り一面血だらけになった。

一体何が起きたんだ?とラウラの頭の中は混乱してしまったが答えはすぐ判明した

危ないところだったわね。ベルタリア准尉
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第47話 初陣

2016-11-10 21:27:21 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
飛行し続けて20分が経った頃、ラウラ達は目標の空域に到達した。

まだ未開拓な地域であり、地球人が開発した形跡もなく・・・・
人類が惑星エデンに入植する以前の姿を保っていた。
大型のサウロ・バード「スカイリブ」が飛んでおり至って敵がいる気配がない。

衛星写真でたまたま見つかったらしいが、正直見間違えじゃないかと思った。

「見えたぞ、新統合軍だ!」

「まだ撃つなよ、連中まだ気がついてない!それに数が少ない、連中はパトロール隊だ・・・」

「はっ」

小さな島の森林地帯に旧式の2K22ツングースカとリガードが潜伏していた。

本拠地のある地点を守る為に設置された対空陣地であり・・・・・
惑星エデンに逃れたゼントラーディ軍に所属するリガードと共に警戒していた。

敵の本隊であれば攻撃を仕掛けようと考えてはいたが・・・・
ラウラ達の部隊はパトロール部隊規模であり、攻撃を仕掛ければ・・・・
陣地を露呈させる事になってしまうのでやり過ごそうと考えた。

だが、その考えは一瞬で崩壊した。

マックス「そこか!」

吉野大樹「ジーナス大尉・・・・・何を?おわっ」

「くそ見つかったか・・・・・」

突然、マックスが森林地帯に向けてミサイルを発射し敵を炙り出した。

対空陣地が破壊されたのか、爆発の中から2機のリガードが飛び出し・・・・
周辺の対空陣地から対空砲火や迎撃ミサイルによる攻撃が始まり・・・・
デストロイド・オクトスやリガード、ヌージャデル・ガーの編隊が襲ってきた。

数はそれほど多くはない為やれない事ではない・・・
ラウラはバトロイド形態に変形し敵機を迎撃した。

「この動き、クァドラン・・・・・」

「元直衛艦隊のエースか・・・・マイクローンに下ったか!」

バトロイド形態に変形し戦うラウラの姿を見てゼントラーディ兵の一人は・・・
直衛艦隊所属の出身の兵士であると見抜いた。

今のラウラの戦い方はまるでクァドラン・ローのようであり・・・・
ゼントラーディ軍出身の兵士であれば、ある程度分かる事で・・・・
可変戦闘機に乗り換えても分かる事であった。

ラウラ「初実戦とは言え5機、出来ない事ではない。つい最近、ミリアとやりあえたんだから!」

実戦部隊における初陣にて確実な戦果をあげていったラウラは自信を持った。

月面で可変戦闘機パイロットとしての初陣の経験があるが・・・・
元々のラウラの戦闘能力や兵士としての経験も合わさっており・・・
ベテランの可変戦闘機パイロットよりも実力が上回っていた。

また1機.また1機と次々に敵機を撃墜し・・・・
少しずつだが、少し前の感覚を取り戻していった。

マックス「流石はミリアと上手くやりあったゼントラーディのエースですね。今後の成長が楽しみですよ。」

吉野大樹「まだまだ軍人としては未熟さの強い生意気な奴ですよ。」

マックス「ははははは、ゼントラーディ人の女の子は生意気であった方が可愛いもんですよ。」

次々と敵機を撃墜するラウラの姿にマックスは称賛した。

大樹は地球人の軍人としてまだまだ未熟であり、結構生意気だと苦言を言ったが・・・
ゼントラーディ人の女の子は生意気である方が丁度いいと発言した。

生意気な性格ではあるが、それはそれで可愛げがあり・・・
その上軍人としての技能が高い所は結構魅力的で頼りになる・・・・
ゼントラーディ人の妻ミリアと結婚したマックスはそう思っていた。

そんな二人を横目にラウラの背後に1機のSvー52がついた。

反応に気がつき、バトロイドに変形して迎撃しようとしたが・・・・・
Svー52は突然何者かの攻撃を受け爆散した。

神楽少尉「ベルタリア准尉、昔の感覚を思い出したと言っても後ろががら空きですよ!」

ラウラ「がら空きか・・・・・すいません。」

神楽少尉「昔ゼントラーディのエースだったか知りませんが、気持ちが怠慢ですよ。」

ラウラ「むっ!!」

Svー52を撃墜したのは神楽であり・・・・・
ファイター形態でラウラの横を通りすぎると怠慢だと言い放った。

気持ちが怠慢だと言われたラウラは腹がたち・・・・・
なんだあいつ、人が気にしている事をわざわざ言う嫌な奴だと思いつつ
再びファイター形態に変形して戦場へ戻った。

戦場に戻ったラウラは神楽がガウォーク形態に変形し・・・・
地上の対空陣地や戦闘車両を破壊する光景を目撃した。

ラウラ「あいつ・・・・模擬戦の時よりもイキイキとしてるな・・・・

対空陣地や戦闘車両を破壊する神楽の動きは模擬戦の時よりイキイキとしていた

模擬戦の時よりもキビキビとしていて海面スレスレの移動しながら
攻撃を仕掛けてくる対空陣地と戦闘車両を破壊・・・・・・
リガードやSvー52が神楽の側面より仕掛けてくるが・・・・
バトロイドに変形し上手く迎撃し撃墜した。

神楽少尉「ベルタリア准尉、これが地球流の戦い方です。」

ラウラ「何が地球流よ!嫌な感じするわね。」

神楽少尉「私は別にそんなつもりじゃ・・・・」

華々しい活躍を見せた神楽の発言にラウラは嫌味だと思った。

地球流とドヤ顔で言う事か?なんでわざわざ私に言うのか?と・・・・・
モニター越しで言う必要があるのかと嫌味に感じるし不快に感じ
何が地球流だ・・・・強さ誇って私を下手に見ているのかと不満に思った。

ギスギスした状況の中、大樹が割り込んできた。

吉野大樹「神楽、今のはお前が悪いな。逆にラウラが同じ事をしたら許せるのか?」

神楽少尉「それは・・・許せませんね。」

吉野大樹「発言はある程度深く発言しないとダメだぞ、相手も不幸になるどころか自分自身も不幸になってしまうからな。」

神楽少尉「はい・・・・・ベルタリア准尉、すいませんでした。」

ラウラ「いえ・・・・・・謝ってもらっただけでも十分です・・・・はい・・・・」

二つの会話を聞いていた大樹は神楽に非があると指摘・・・・・
今の自分の言動が自分の立場だったら許せるのかと質問し・・・・
指摘された神楽は自身の立場で考えたのか、大樹からの質問に許せないと解答して・・・
ラウラに対し軽く謝罪した・・・・

自身の軽々しい発言や立ち振舞いは相手に反発を生む・・・・
部隊内でそういったトラブルはあって欲しくないと大樹は思っていた。

マックス「ハンター小隊の皆さん、ここが戦場である事をお忘れなく!敵の攻勢が激しくなってきました、ある程度相手に損害を与えたら撤退します。」

そうした中、マックスの指示がラウラ達を現実に引き戻した。

今は生死が分かれる戦場で戦っており、のんびり話し合いをしている暇もない。
2K22ツングースカや対空戦闘車両がラウラ達に向かって今も攻撃を仕掛けている。

更に増援のSvー52の編隊2個中隊が来襲した。

ラウラ「ゼントラーディ軍なら分かるけど、何故これほどの戦力があるの?」

吉野大樹「武器の密売人・・・・軍の内通者まさかな・・・・」

マックス「その可能性はありえますよ、反乱勢力がこれ程優れた装備を持ってるのは何者かが武器を横流ししている証です。一体誰が流しているのかまでは分かりませんが・・・」

資金的にも劣り正規軍並の技術のない反統合勢力が・・・・・
比較的に最新鋭な機体や数多くの車両などの装備を持つ事はあり得ない話だ・・・・

ゼントラーディ軍のはぐれ部隊と合流しているとは言えこれ程の戦力を持つのは
軍内部や軍需産業からの内通による流出か密売人が関与している可能性が高い。
一体誰が何のために流出させているのか?・・この場にいる面々は分からない

ただ、分かる事は流出させる事によって利益を得ている者がいると言う事だ・・・

とは言え、今の状況は多勢に無勢・・・・・・
流石にこれ以上戦うのは厳しい状況に陥った。

その時であった。

「こちら新統合軍カナール大隊、ダンシング・スカル聞こえるか?」

マックス「こちらダンシング・スカルのマクシミリアン・ジーナス、聞こえています。」

「これより我々は掃討作戦に入る、ただちに撤退されたし。」

マックス「了解」

本来反統合勢力基地を掃討する新統合軍部隊であるカナール大隊が来援した。

カナール大隊は可変戦闘機VFー5Bコルセアを有する空軍部隊であり
モハーヴェ中隊.テハチャピ中隊などで構成された精鋭部隊であった。

VFー5コルセアの他に爆装したVAー3インベーダーや・・・・
何処からか加わったのか最新鋭機VFー5000スターミラージュの中隊も加わっており
かなりの大部隊になっていた。

マックス「これより我が隊はニューエドワーズ基地に帰還する、後はカナール大隊に任せます!」

吉野大樹「了解、神楽.ラウラ聞いての通りだ・・・・・敵の追撃を振り切りニューエドワーズ基地に帰還するぞ!」

カナール大隊の来援によりラウラ達が威力偵察する意味が無くなったので・・・
ニューエドワーズ基地に帰還する事を決めた。

既にラウラ達が使った弾薬やミサイルの数は半数以上使っており・・・・・
これ以上自分達より上回る反統合勢力を相手に戦闘するのは不可能であり・・・・
丁度いいタイミングでカナール大隊が来て内心助かったと思った。

ラウラ自身、まだやり足りてない感じではあったが・・・・
特に不満もなくすんなりと命令に従った。

「くそ新統合政府の犬め!逃げるのか!」

自走式高射機関砲シルカが撤退するラウラ達の背後から強襲した。

銃弾は幸いラウラの機から逸れそのまま飛んでいった。
シルカはこれ以上銃撃を加える事はなかった。

その後、ラウラ達と入れ替わるようにカナール大隊が攻撃を開始した。
攻撃は3時間かけて行われ、周囲の反統合勢力の拠点に打撃を与えたが・・・
完全に破壊しきれておらず、残存する機体はまだ残っている拠点に潜伏した。

まだまだ戦いは続きそうであるが大打撃を被ったので・・・・
惑星エデンにおける反統合勢力の活動力は弱まった。

ラウラ「まだ続くんですよね。」

吉野大樹「敵に打撃は与えたが、完全にアジトは潰しきってない。今後も現地軍の掃討戦は続くだろうな。」

ラウラ達は無事ニューエドワーズ基地に到着し休息を取り談笑していた。

カナール大隊がラウラ達が見つけ出した対空陣地と敵部隊は・・・・
VAー3インベーダーの爆撃などにより壊滅はしたが・・・・・
反統合勢力の拠点は完全に潰しきっておらず残存する部隊は今後も戦い続けるであう

ましてや合流したであろうゼントラーディ軍はぐれ部隊の艦艇は見つかってない。

神楽少尉「とは言え月面軍直下の宇宙軍予備艦隊の我々が長々と居座って相手にする連中じゃない。これはエデン軍の仕事だ!」

吉野大樹「神楽・・・・・本当の事だとしてもその物言い反発を生むからやめておいた方がいいぞ。」

神楽少尉「すいません。」

ラウラと大樹の会話する中で腕を組みながら無言であった神楽は・・・・
月面軍直下のアンサーズ中隊がいつまでも相手にする連中ではなく・・・
惑星エデン防衛の任を担っているエデン軍の仕事だと言いはなった。

流石に発言がキツいと感じたのか大樹は神楽に注意した。

吉野大樹「今後、我々が惑星エデンに滞在している間下手したら駆り出される可能性はあるが・・・基本的には我々の仕事ではない。」

ラウラ「ミリア達は・・・・・・」

吉野大樹「ダンシング・スカル隊はテストの傍ら兼任してるからな・・・・」

ラウラ「そう・・・でしたね・・・・特殊部隊であるし・・・・・」

アンサーズ中隊の仕事にないにせよ・・・
最新鋭機のテストに参加しているダンシング・スカルは別である。

ダンシング・スカルの任務は銀河各地の反統合勢力の掃討であり・・・・
一般部隊では困難な任務を請け負ってる程の精鋭部隊で・・・・
ましてや今はテスト中なので、テスト機の実戦テストも実施してしまう事もある。

マックスやミリア達はしばらく惑星エデンに滞在し・・・・・
ダンシング・スカルの任務をやりつつVFーXー10改革のテストを続けるつもりだ。

ラウラ「でも、これ以上何も出来ないだなんて不満だわ。」

吉野大樹「命令があればやるしかないが、基本的に俺達の任務は仮想敵役(アグレッサー)だからな。反統合勢力の掃討任務ではないからな。」

月面基地所属の一般部隊であるラウラ達は黙って見てるしかなかった。

アンサーズ中隊の任務は仮想的敵役・・・・・アグレッサーで・・・
はぐれゼントラーディや反統合勢力に対しての掃討任務は管轄外であり・・・
基本的に関わる事はない。

ラウラは新統合軍内部の組織の縛りに不満を感じた。
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第46話 神楽少尉

2016-11-10 21:25:01 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
神楽賢二郎と言う男が可変戦闘機パイロットに憧れ志願した切欠は一つだった。
ファイターになりたい、国民を守る翼になりたいと・・・・・

その一新で新統合軍に志願し厳しい訓練を耐え抜いた末
可変戦闘機パイロットになり、国民を守る翼となり・・・・・
日々国民を守る為に誠心誠意頑張っていた。

純粋に単純に国民を守りたいとの一新で・・・

【ニューエドワーズ基地.本部ビル.オフィスエリア】

ラウラ達が食堂で談笑している頃、大樹と神楽はオフィスエリアに向かっていた。

茂人が小隊長と副官からなる各小隊幹部を召集し定期会議を開き・・・・
今後予想される模擬戦や教練、イレギュラーの出撃任務について協議しようとしていた。

イレギュラーの出撃任務は惑星エデンに潜伏した反統合勢力・・・・
狂暴竜鳥の討伐、ゼントラーディ軍はぐれ部隊の征伐に多岐に渡り・・・
エデン軍司令部、もしくはニューエドワーズ基地からの命令・・・・
そして相手方の襲撃があった場合、茂人らは出撃し対応する事になっていた。

当然、現地のエデン軍は出撃はするが・・・・
まだまだ練度は高いわけではなく、人手不足もあり戦力低下を極力避けるべく
練度の高い茂人らも出撃しカバーしなければならない。

吉野大樹「こらぁ、何をボサッとしてるんだ?」

神楽少尉「すいません、原点の事を思い出して・・・・・」

吉野大樹「思い出すのもいいが集中力散漫はよくないな、実戦であれば自分どころか味方の命が危なくなる。」

オフィスエリアに向かう大樹は集中力散漫な神楽を注意した。

神楽の様子は何処か気が抜けてるようであり、これから会議に向かう態度ではなく
今の態度で会議に出すわけにいかないので、少し口調厳しく注意し・・・・
会議に向けて意識の改めを計った。

原点を思い出してて気が抜けてたと神楽は言ったが、それで気が抜けてたら危うい
もし実戦であれば自身どころか味方にまで死の危機に直面してしまう事になる。

本多義輝「よぉお前ら早かったな!」

エラ「中尉、吉野大尉にお前ら呼ばわりは・・・・」

吉野大樹「少尉・・・・いいよ、本多中尉・・・・桐原少佐や他の面々は?」

本多義輝「まだ来てませんよ、俺らが早すぎるわけで」

吉野大樹「なるほどなぁ、分かった少しここで待ってますか・・・」

オフィスエリアの指定された会議室前に先に到着していた義輝とエラがいた。

早く来たのか、まだ茂人ら他の幹部は来ておらず・・・・
しばらく会議室前で待つ事となった。

今日、どんな内容でミーティングが行われるのだろうか?
待っている間、大樹はいろいろと想像していたが・・・・・
少し前に聞いた幹部士官同士の会話を思い出した。

ニューエドワーズ基地から100km離れた地点で・・・・
はぐれゼントラーディ軍が潜伏し、武装反抗を企てていると・・・・

もしかしたらそれを掃討せよと命じられるのか?

と・・・大樹は想像し有力的な事案について考えるが・・・
予想外のイレギュラーがあるかもしれないし、よくてただの定期会議かもしれないので
どんな内容が来ても動けるようにしようと考えた・・・・

【2021年3月27日.8時00分.格納庫】

ラウラは朝起き点呼と朝食の後、大樹と神楽に呼び出された。

一体何のようだとラウラは不貞腐れながらもパイロットスーツに着替え・・・
愛機であるVFー1Pフレイヤバルキリーのある格納庫に出頭した。
格納庫に入るとパイロットスーツを着た大樹と神楽・・・・・
そしてミリアの夫であるマックスがいた。

なんか嫌な予感しかしない・・・・・
イレギュラーすぎるメンツにラウラは不安を覚えた。

そうした中で遅れて茂人と美弥がやってきた。

桐原少佐「すまん、遅れてごめん。」

マックス「予定より10分前ですよ、特に問題ありません。」

桐原少佐「そうか?ならいいんだ。これよりエリア6におけるはぐれゼントラーディ軍と反統合同盟系組織のキャンプに対し威力偵察の作戦内容を話す。」

ラウラ「い・・・威力偵察?」

神楽少尉「敵方の勢力や装備などを把握する為、実際に敵と交戦して能力を知る事ですよ。」

ラウラ「こりゃご丁寧にどうぞ」

今回、ラウラ達が召集されたのはゼントラーディ軍と反統合同盟系のキャンプに対し
威力偵察を行い、後続のエデン軍掃討作戦部隊の突入を支援する作戦の説明の為だ。

惑星エデンには反統合同盟残党が近距離移民船団に密航し、密かに拠点を作り
拠点を元にはぐれゼントラーディ人や非地球反社会的勢力を取り込み戦力を増強し
最終的に武装蜂起し惑星エデンを乗っ取ろうと画策していた。

たまたま密航者がいた為、規模は小さくなんとか討伐出来る事となったが
反統合同盟に加わったゼントラーディ軍の部隊もいるため、戦力は未知数であり
エデン軍掃討作戦部隊を送り込んでも多大な犠牲者を出してしまう事となる為・・
ダンシング・スカル隊長のマックスとアンサーズ中隊が威力偵察と言う名目で・・
主力部隊の犠牲を減らす露払いの役割を担う事となった。

ただ、いるメンバーはハンター小隊のみであり他の小隊は参加してない

状況を踏まえた上で説明を聞いてたラウラは不満そう浮かべながら

ラウラ「何故、ハンター小隊しかいないんですか?」

桐原少佐「威力偵察だからだよ、ベルタリア准尉。まぁ一応、早期警戒機や可変攻撃機部隊も付く」

ラウラ「と言っても戦力足りません、これから敵の・・・・・」

威力偵察すると言っても戦力は足りない。
マックスを含めて僅か4機で反統合同盟系戦力と相手にしなくてはならない。
全部相手しなくてもいいが、4機だけだと心苦しい。

せめてもう1個小隊を参加させてもらえればと・・・・・

吉野大樹「もういいだろう、ラウラ・・・・任務は任務だ。文句は言うんじゃねぇ」

ラウラ「で・・・・でも」

吉野大樹「威力偵察ぐらいゼントラーディ軍でもやったろ、3機編成で・・・」

ラウラ「・・・・・分かりました、しっかり任務に励みます。」

これは命令であり反論はしてもいいが、最後は従わなくてはいけない。
今回の任務はマックスを指揮官とした4機編成での威力偵察であり、変更はない。

もっともな話ではあるが・・・・・
ゼントラーディ軍時代のラウラは3機で監察軍に対し威力偵察を行っており
遥かに過酷なあの頃に比べたら今の方が遥かにマシな方である。

ラウラは大樹に諭され納得しつつも不満は残った。
威力偵察とも言わずに全力で叩き潰せばいいものを・・・・

桐原少佐「ジーナス大尉、ジーナス中尉は?」

マックス「今回は僕だけです、久しぶりに部隊率いて戦ってみたいもので」

桐原少佐「そうか・・・・・」

マックス「まぁ大人しくしていればの話ですが・・・・」

桐原少佐「?」

今回部隊を率いるマックスではあるが、いつも一緒にいるミリアは参加しない

何より今のミリアはテストパイロットであり、やる事が多く
戦闘に参加している暇がなく、今回は不参加と言う形になった。
ただマックスは大人しくしていればと言う意味深な事を発言しており
仕事を放り投げ出撃してくる可能性は捨てきれない・・・・・

桐原少佐「とりあえずだ、反統合同盟残党とゼントラーディ軍の拠点を威力偵察し本隊が突入出来るようにしろ!ジーナス大尉、吉野大尉期待しておるぞ!」

マックス「了解しました。」

吉野大樹「期待に応えしっかり任務を達成いたします。」

その後もブリーフィングは少し進んだのちお開きになり・・・・
ラウラは大樹やマックスの指揮の下、作戦行動に入った。

今回の威力偵察はアンサーズ中隊に配属されてからの初陣であり・・・・
自身も命を失ったり、相手の命を奪う戦場に投入される・・・・・
無論、ゼントラーディ人であるラウラとは言え・・・・
初の可変戦闘機パイロットとしての実戦は緊張してしまう・・・・

訓練生として実戦は経験はしているとは言え・・・・・
実戦部隊ともなると訳が違う・・・・・

神楽少尉「ベルタリア准尉、顔色悪いようですが体調でも悪いのですか?」

ラウラ「えっ?ううん何でもない、可変戦闘機パイロットとして初陣だから緊張してるだけですよ。心配してくれてありがとう・・・・・」

神楽少尉「皆誰だってそうです。最初は怖いから始まります、生き残れば時期には慣れますけどね。」

ラウラ「へぇありがとう、それ聞いて安心したわ。(一応ゼントラーディ人なんだけどね、私)」

不安を感じていたラウラは神楽から然り気無く激励された。

初実戦は誰でも不安であり、いきなり戦死してしまうリスクがある。
生き残れば、時期には慣れ普通に戦えるが最初は不安で上手く戦えない。
そう言う事から初実戦で不安になっているラウラは神楽から激励された。

ただ・・・・・

ラウラは生まれながらの軍人種族ゼントラーディ人であり初実戦ではない。
可変戦闘機の実戦は一度は経験はしている。
それが故に無意識に神楽から若干馬鹿にされたかのような感覚を覚えた。

マックス「総員搭乗、各員は私に続け!」

いよいよ敵地に向けての威力偵察がマックスの号令の下開始された。

今回の任務は全部隊相手にする必要はなく、敵部隊の陣容と能力の確認と・・・
敵対空陣地を破壊すれば本隊に引き継いで任務終了と言う代物だ。

数においては敵の方が上手であるが、天才であるマックスが指揮官であり・・・・
ラウラが所属するアンサーズ中隊の精鋭ハンター小隊が指揮下に入る為・・・
上層部と茂人は損害は出ないだろうと考えていた。

吉野大樹「ラウラ、初陣だがいけるか?」

ラウラ「勿論よ、私はゼントラーディ軍の元軍人よ。それに可変戦闘機パイロットとしての実戦はこれが初陣じゃないわ。」

吉野大樹「そうか・・・・初陣を経験したのであれば心配はないな。期待しているよ。」

愛機のVFー1Pフレイヤバルキリーに乗り込んだラウラは大樹からも心配された。

ラウラは心配してきた大樹に大丈夫だと言う事と今回が別に初陣ではないと伝えると
目を閉じ安心した表情を浮かべ、期待していると言ってその場を去った。
期待しているか・・・・・不快ではないが、更に緊張感が高まったな・・・・
とラウラは苦笑した。

数分後、ラウラ達はニューエドワーズ基地から離陸した。

編隊はマックスが先頭にしたフィンガー・フォーフォーメーションで飛行し・・・
支援としてニューエドワーズ基地所属の早期警戒型のVFー5000Eが随伴した。

マックス「ニューエドワーズ基地の支援も中々ですね、早期警戒機を2機随伴させるとは・・」

吉野大樹「まぁ危険な任務ですからね、むしろあって当然と言いますか・・・・」

マックス「あって当然か・・・・確かにいつも単機で任務を遂行する私達は常に早期警戒機はついてないですね。」

吉野大樹「えっ本当ですか?」

目的空域に向かう道中、戦闘の緊張を和らげる為談笑していた。

早期警戒機2機がついてきているとは言え4機編成であり・・・・
遥かに数倍の戦力がいる敵拠点を威力偵察する任務は相当厳しく・・・・
誰か一人戦死してもおかしくない状況であった。

そんな事はここにいる誰もが分かっている事であるが・・・
無意識に厳しい現実に目を背けたくなるもんである。

しばらくするとIFFに反応する3機編隊の友軍とすれ違った。

ラウラ「ん?友軍機?見たことのない機体ね」

神楽少尉「友軍のVFー5コルセアですよ」

ラウラ「コルセアねぇ、F4UコルセアかAー7コルセアⅡなど数えて5代目かぁ。」

吉野大樹「よく知ってるな。」

ラウラ「戦争史研究していれば自然と覚えるもんよ」

すれ違った友軍機はVFー5コルセアと呼ばれる可変戦闘機であり
アドバンスド・バルキリー計画で開発された機体だ。
威力偵察の後に行われる掃討作戦において主力機体として使われる予定である。

ラウラ達が目撃したコルセアは作戦に参加する為に馳せ参じた部隊の物であり
作戦開始までの間、周辺空域の警戒警護を行っていた。

コルセアの小隊とすれ違うとパイロットはラウラ達に向かって敬礼していた。

ラウラ「この人達のためにも・・・」

すれ違ったコルセア部隊は自分達の成果次第で犠牲者生存者の数と結果が変わる

いい結果を出し少ない犠牲で自分達.新統合軍が勝利し・・・・
惑星エデンの秩序を乱し国民に仇なす反統合勢力を討たねばならない・・・・
今回の作戦は絶対に失敗してはいけないとラウラは意気込んだ。

作戦に熱心に取り組むラウラのバルキリーを左後方から神楽が見つめていた。
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第45話 仲の良い男女の連携の強さ

2016-11-09 22:35:00 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
アンサーズ中隊とミリアが駆る最新鋭機プロトカットラスとの模擬戦は・・・・
16機中14機を喪失と言うアンサーズ中隊全滅の結果で終わった。
14機の半数以上は数分も経たずに撃墜された上での結果であった。

結果を見たアルガスらゼネラル・ギャラクシー幹部は大満足し・・・・
プロトカットラスを基にした最新鋭機のロールアウトは決定だと確信した。

アルガス「これで本社にいい報告が出きるぞ。よくやったぞミリア1級空士長殿!」

ミリア「今の私はミリア・ファリーナ・ジーナス中尉ですわ、主任。」

アルガス「おっとこれまた失敬、しかし精鋭1個中隊を壊滅させるにゃ流石はエース。」

ミリア「ありがとう、でも2機取り逃がしたから私的には負けと思ってますわ。」

ニューエドワーズ基地のプロトカットラスの格納庫ではミリアとアルガスと談笑していた

アルガスから模擬戦の結果を称賛されたが、ミリアは2機取り逃した事から
今回の模擬戦は自身の負けだと思っていた。

普段ならば敵部隊全機撃墜してこそ当たり前なのだが・・・・・
大樹とエラを取り逃がしており、自身としては負けだと思っており・・・
改めてパイロットとしての心構えを改めねばと思った。

ー備えよ常に

マックスが以前言っていたジーナス家代々伝わる家訓
それを基にパイロットとして兵士として1からやり直そうと考えた。

カゴメ「お疲れ様、ラウラ。」

ラウラ「ありがとうカゴメ、戦いには破れてしまったけど。」

カゴメ「まぁいいんじゃない?実戦じゃなかったし」

その頃、ラウラ達はブリーフィングルームで休憩をとっていた。

缶ジュースを飲んで一服していたラウラは・・・・
オペレーターとして業務に携わっていたカゴメから話しかけれており・・・
若干、今回の模擬戦について触れた。

今回の模擬戦はラウラにとっては初陣と同様であり・・・・・
ミリアに惨敗した結果ともあって、落胆していた。

とは言え模擬戦なのでノーカウントでもいいんじゃないかとカゴメから言われたが
ラウラ自身としては模擬戦とは言え敗けは敗けであり、悔しいと言う感情しかなく
前向きに今回の失敗を見つめる事が出来なかった。

桐原少佐「ベルタリア准尉、ご苦労。我が隊としての初陣である模擬戦は散々な結果となりすまんな。」

ラウラ「いえ、悔しい気持ちは一番ですが・・新統合軍上層部やゼネラル・ギャラクシーから見たら成功なので特に気にしてません・・・・自身の私情を軍務に出すつもりはありませんので。」

桐原少佐「そうか・・・・ならいいんだが・・・・」

今回の初陣となる模擬戦は敗北したが、上層部やゼネラル・ギャラクシー的には成功であり
全銀河の新統合軍に対して貢献できた面で考えれば相殺になる。

そして・・・・自身は今回の失敗を糧に、ミリアに一矢報いるようにしなければならない。

ラウラはゼントラーディ軍時代の頃の自分と打って変わって戦略的な見方をし・・・
自身のこれからの戦術について改めて見つめ直し、成長していかねばと・・・・

【2021年3月26日.午後18時00分ニューエドワーズ基地食堂】

模擬戦後、着替えて模擬戦の事務作業を終えたラウラ達は本日の勤務を終え
ニューエドワーズ基地の広い食堂で26日の夕食を食べてようとしていた。

食堂は複数の大型テレビが備えられており
定食に加え様々な多国籍料理の入った小さな小鉢だけでなく
有料ではあるがアルコール飲料やつまみとかも提供されていた。

ラウラはトロピカルピザ.アボカドサラダ.照り焼きチキン小鉢.生春巻き.デザートを取り
ビール瓶を買ってロザと一緒にテーブルに座った。

カゴメ「ラウラ.ロザ、私達もいいかな?」

ラウラ「いいわよ、モンやカゴメは歓迎よ。ところでいつも一緒の相沢中尉は?」

カゴメ「美弥・・・・中尉なら桐原少佐ら小隊幹部とジーナス大尉と一緒よ。相沢中尉がいないから、たまにはラウラ達とね。」

ラウラ「へぇそうなんだ。」

テーブルに座った瞬間、カゴメと夢華がやってきて同席した。

管制官3人衆の筆頭である美弥は茂人や小隊長ら幹部とマックスと同席しているらしく
そのためラウラとロザがいるテーブルにカゴメ達がやってきたのだ。

いつもロザと一緒に食べているラウラは親友であるカゴメのお願いとあって
快く受け入れ空いている前の席に座らせ談笑しながら食事した。

しばらく談笑しながら食事していたが、ラウラはある事に気がついた。

ラウラ「そう言えば、ミリアの姿見えないんだけど?」

カゴメ「ミリア?ジーナス中尉は今艦に戻って子供達と過ごしてるそうよ。」

ラウラ「子供?そう言えばミリアは子供いたんだったな。」

劉夢華「二人の娘に養女一人ねぇ、結構子育て熱心で有名だそうよ。」

ラウラ「ふーん、ミリアも相当変わったなぁあの頃は・・・・・」

ミリアの存在であった。
ニューエドワーズ基地の食堂にミリアの姿が見えず、どうしてるのか気になっていた。
カゴメに質問するとミリアは子育てしていると答えた。

夫婦で編成されるダンシング・スカルが故に任務地に子供同伴と言う事が多かった。

銀河各地に任務地に出撃する事が多く・・・・・
子供と離ればなれにする事が出来ないと言う理由だ。

共働きであり、夫婦当番制で子供と過ごしている。

劉夢華「子供を連れて戦場に連れていくのは何とも言えないわね。」

ラウラ「どうして?」

劉夢華「それは軍には育児士官がいるから預ければいいのに」

軍には育児士官がおり、子供のいる軍人向けの育児所があり
育児所に預ければ子供を連れて戦場に出撃する必要はない

のだが・・・・マックスとミリアは学業のコミリア除き子供を手元で育てていた

結婚当初からマックスとミリアはとんでも夫妻としても有名であり・・・・
二人で天才のエースパイロットとしてもそうだが、私生活でもとんでもない。

カゴメ「まぁあの夫婦だから何が起きても不思議じゃないわね、ラウラ・・・結婚して子供産まれたらあーはしないでね。」

ラウラ「分かってるわよ、と言っても相手はいないけどさ。」

戦場に子供を連れ回すのは普通ではありえない事である為・・・・
カゴメから結婚し子供が産まれても任務地に連れていかないように言った。

そんな問いにラウラも同意した。

機種転換センター訓練生時代に性教育を習っており・・・・
子供を守る為に戦場に連れ回さず育児所に預けるのは必須だと。

ラウラは答えたが、夢華とロザはいやらしい笑みを浮かべた。

ロザ「まぁラウラには吉野副中隊長がいるから安心確定よね。いいよね好い人がいて~」

ラウラ「はぁ?大樹とはそんな関係じゃないんだけど?」

劉夢華「普通、同僚に対してしかも上官に下の名前では呼ばないよ普通。大尉殿の下の名前呼ぶのは恋人関係だからでは?」

ラウラ「いやいや違う違う、単に許可されてるから言ってるわけで・・・・皆は違うの?」

『違う』

カゴメ「普通言わないからそれ・・・・」

ラウラと大樹の関係・・・・・・
クラビウス基地から出撃した当初から噂になっており・・・・
アルタミラのクルーの間では噂になっていた。

たまたま整備班の一人がラウラと大樹が下の名前で呼びあってるのを目撃し
密かにラウラと大樹が付き合ってるのではないかと言う噂が密かに広まった。

本多義輝「流石にモテるねぇ伊達男。」

エミリー「狙ってる女はたくさんいるのに・・・・・」

吉野大樹「べ・・・別にあいつとはそんな関係ではありません。単に友達見たいなもんです。」

ガブラ「そこが怪しいって言うんだ。同胞がマイクローンのお前と友達と言うのは・・・」

吉野大樹「そこまでじゃねぇや!」

ラウラと同じように大樹も他の小隊長からからいじられていた・・・・・

大樹は結構モテる方の人間であり、狙ってる女性が多く・・・・
アルタミラ艦内にも大樹の事が好きな女性兵はある程度いた。
そんな中でラウラとの関係が注目されると、嫉妬する兵も出てきたと言う。

当然だが、ラウラとの関係は単なる友達同士だと否定した。

単に気が合うだけであり恋愛未満・友達以上の関係であり・・・・
決して恋人同士なんかではない・・・・・・・

ラウラ「なんで地球人は男女の関係がいいからって恋人関係と見なすのよ?」

ロザ「それが地球人の習性だからだよ、ラウラ。」

ラウラ「ゼントラーディ人なのに妙に知ってるわね。」

ロザ「歴が長いからね・・・・歴が・・・・」

男女の関係がいいから恋人同士と見なす地球人の習性にラウラは怒っていた。

単に大樹とは戦友として仲間として思っており、恋人だなんて思ってない。
無論・・・・・大樹もラウラの事を恋人だなんて思ってもいないだろう。
それなのに地球人は男女仲いいだけで恋人同士に見なすのか腹正しい。

同じゼントラーディ人のロザも地球人の習性に染まってるのか・・・・・
ラウラの事を見ながらにやけている・・・・・

そんな中、更に厄介な人物が乱入してきた。

ミリア「まぁ男が女に優しいだけでも、妙な噂が立ちますからね。私の夫とか・・・」

ラウラ「げっミリア!」

ミリア「まぁ何がげっミリアですか、みっともない。」

カゴメ「ファリーナ・ジーナス中尉、お疲れ様です。」

ミリア「お疲れ様、ちょっと面白そうな話してるの聞いたから私も混ぜらせてもらおうかしら?」

ラウラ「厄介なのが来た・・・・・」

そんな中、休憩を終え基地に戻ってきたミリアがやってきた。
こんな時に厄介な奴が混ざってくるなんてと、ラウラは頭抱えたが・・・・・
ズガズガとミリアは入っていき、空いてる席に座った。

変に焚き付けられたらどうしよう?
ラウラは懸念した。

ミリア「まぁラウラと吉野大尉の関係は恋人同士と見られても不思議じゃないわね。」

ラウラ「うぐっ、ゲホゲホ・・・・何が言いたい、ジーナス中尉殿?」

ミリア「いや別に?未婚の娘が独身の若い男が友達だったら、恋人同士に見られても不思議じゃないな~って言ったのよ。」

ラウラ「へー既婚者殿はよく嫌な所を突っ込みなさるわぁ。」

懸念した事はそのまま的中し、更に煽ってきた。

未婚の娘であるラウラが独身の若い男である大樹と友達だったら・・・
周りから恋人同士と見なされても不思議ではないとミリアは言った。
ラウラは心の中でそんな偏見言うのかバカと思った。

偏見の言うバカと思われたミリアだが、予想外な事を言った。

ミリア「まぁそれが基でいい連携に繋がるしいいと思うけど」

ロザ「どう言う事ですか中尉?」

ミリア「やぁね、仲が良ければ自然に連携性が優れるって事よ。現にマックスと夫婦関係だから最強の連携出来てるわけで」

ロザ「あぁなるほどねぇ。」

男女の関係の良さで連携が強くなると言う事・・・・・・

関係が良くなりお互いに信頼し合えば強力な連携を構築すれば・・・
作戦全体に大きくいい影響を及ぼし、お互いの生存性を高める事が出来る。

現にミリアはマックスと結婚して以降、連携を強め多大な戦果を上げる事が出来
更にマックスはライバル関係であり、勝ちたい相手であり・・・・
良き競い相手がいるせいか自身の技能が自然と向上していっている。

それが故にラウラと大樹の関係は強めるべきだとミリアは考えていた・・・・

ただ・・・・・・・

ミリア「ハンター小隊は3人、中隊長含めて4人.流石に一般中隊において二人だけでやるのは組織としてどうかと言う悪い面があるわ。」

カゴメ「神楽少尉もいるしねぇ、吉野大尉だけ関係良かったら神楽少尉がねぇ」

ラウラ「神楽少尉かぁ・・・・・」

神楽賢二郎少尉、いつもベレー帽を被っているハンター小隊の副官であり
殆ど会話した事がない、どんな人物なのか分からない。

いつも大樹などと食事したりと同僚なのに疎遠である。

雰囲気的にキリッとしていてクールな性格であり・・・・
真面目で勤勉、大樹と似たようなタイプ・・・・・
実際はどんな性格なんだろうか?

ラウラは今後の事を考え意を決して神楽と喋ってみようかと考えた。
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第44話 激突!ラウラVSミリア

2016-11-09 21:08:19 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
アンサーズ中隊はミリア一人の為に壊滅した。

残存機は僅か3機であり、内1機は戦線を離脱し残るは2機。
なんとかしてミリアを討ち取ろうとしたが・・・・・

結果は大樹が被弾し撤退と言う選択肢を取った。

桐原少佐「ダメだったか・・・・・」

撤退する決断を取った大樹の姿を見て管制室に入った茂人は落胆した。

エースのミリアには勝てなかった・・・・・
最新鋭機VFーXー10改には勝てなかった・・・・

その二点だけでかなりショックだった。

更に言えば虎の子のアンサーズ中隊が呆気なく壊滅したのも痛い・・・

カゴメ「やはりショックですか・・・・」

桐原少佐「ミリア相手ではな・・・・分かりきっていたが、いざ目の前で見るとなぁ」

カゴメ「まぁゼネラル・ギャラクシーや新統合軍上層部的にはいい結果だと喜ぶわけですし」

桐原少佐「うううむ」

今回の模擬戦はVFーXー10改の性能を評価するための試験の一つである。

エースとして名高いミリアが駆り単機で精鋭であるアンサーズ中隊と戦い・・・
単機でも1個中隊とまともに戦えるデータが欲しいと開発者のアルガスは思っており
今回の結果は大喜びであった。

だが、VFー1バルキリーの信者である茂人は納得いかなかった。

マックス「桐原少佐、久しぶりですね。」

桐原少佐「マックスか、いつぞやぶりだな。今は特務隊の隊長か?」

マックス「ダンシング・スカルの隊長ですね。」

桐原少佐「なるほどな・・・新米だったマックスが隊長か、これも時代だな。」

そうこうしているうちにマックスが管制室に入ってきて・・・・
カゴメと談笑している茂人に話しかけてきた。

同じSDFー1マクロスの可変戦闘機乗りとしてお互い知っており・・・
茂人は正規軍人として先輩であり、マックスは後輩と言う間柄であった・・・
そんな二人は今では予備役少佐と宇宙軍大尉兼特務隊長と言う身分であり・・・・
中堅パイロットと新人パイロットとの間柄だったあの頃と状況は激変していた。

予備役ではこれ以上の出世は出来ないし、今じゃスーパー銭湯の店主・・・
特務隊長であるマックスは佐官以上の出世コースを進んでるので天と地だ。
昔と比べて身分は逆転してしまっている。

とは言え予備役になってしまった経緯は自業自得なので・・・・・
茂人自身しょうがないと思っていた。

マックス「吉野大尉、撤退ですか・・・・いい勝負してたのに残念ですね」

桐原少佐「いやあれでいい、実戦であれば変に踏み留まっては吉野やベルタリアが死んでたし無駄に戦力を失うよりかはいい。まぁ我が隊が半分やられた時点で撤退しとけば良かったですが」

マックス「確かに、出来れば桐原少佐がやられた時点で・・・・」

大樹が撤退を決断した事は茂人的にはショックではあるが仕方がないと思っていた

模擬戦でなければ踏み留まって戦った結果、ラウラと大樹は戦死してしまう可能性があり
撤退した茂人の判断は間違ってはおらず、撤退し逃げ延びれば再度部隊を編成したり
自身の技能あげれば、再度戦う事が出来る・・・・・・

ただ逃げ延びれば・・・・・・

マックス「ミリアはそう簡単に相手を逃がすような真似はしませんよ」

桐原少佐「あっ・・・・・そうだったな。」

そう簡単に逃げられる事なんて出来ない。
獰猛なミリアは狙った獲物はきっちり殲滅するタイプの鬼軍人だ・・・・
逃げる敵は執拗に責めては殲滅するのがミリアの追撃スタンスだ。

ラウラが殿を務めているが、上手くカバーできるのか・・・・
マックスの話を聞いて思い出した茂人はある種の不安を覚えた・・・

あのミリアから逃げられる奴なんて早々にいないと・・・

ラウラ「くそ!ミリアとの実力差が大きい」

ミリア「地頭がいいのか、学んで強くなってるわね。そう簡単に前へ行かせてくれないか・・」

模擬戦エリアでは殿を務めているラウラとミリアが激闘を繰り広げていた。

単機になって自身とミリアの実力差が大きいと分かったラウラは衝撃を受けた。
エースのミリアと呼ばれるゼントラーディ軍のエースがこれほどまでに強く・・・
自身がまだまだ可変戦闘機パイロットとしていかに弱いのかを・・・・・

一方、ラウラと戦ってきたミリアも実力の高さを評価していた。

好奇心旺盛で学習する事を好んでいたラウラは無意識にミリアの動きを見て・・・
どのような戦術を取るのかを考えて戦っていた。
それが故に実力もどんどん上がっていきミリアについていけるようになった。

吉野大樹「ラウラ・・・・・無茶するなよ。」

その頃、大樹は戦闘エリア離脱を目指し建物の裏道を通っていた。

自身の為に殿を務めたラウラに罪悪感を感じており・・・・
無事離脱して戦闘エリアを脱出してもらいたいと思っていた

もし実戦であればラウラに死地へ向かわせるようなもんである。
凄く申し訳ないし、胸が苦しくなる・・・・が・・・・・
今の最高指揮官は自身である為、やられるわけにはいかない。
罪悪感感じつつ、大樹は戦線離脱を目指した。

ラウラ「くっ」

ミリア「建物の影に隠れるか!」

ダンス機動で回避し続けるラウラは建物の影に隠れた。

機種転換センター訓練生時代から読み続けた愛読書の一つである・・・・
歩兵による市街地戦術本から戦術を引用した。

バトロイドは本来はゼントラーディ人のような巨人と戦う為の形態であり
人型機動歩兵と言う側面を持っており、歩兵戦術を応用する事が可能であった。
上手く歩兵戦術を応用し大樹が退却する時間を稼げればと考えていたが・・・

ラウラ「ガウォークか!」

ミリア「忘れてるようだけど今私や貴女の乗ってる機体は可変戦闘機なの、それを忘れてるようでは私に勝とうなど笑止千万!」

予想に反してミリアがガウォーク形態で建物の横を滑るように迫ってきた。

バトロイド形態ばかり使っていた為か、ガウォーク形態の存在を忘れており
ミリアがガウォーク形態を使用して迫っている姿を見てやっと思い出したが・・・・
これからやるべき戦術がすべて崩れさってしまった。

また最初からやり直さねば・・・・・

とそうこう思っているうちにラウラは再び劣勢に戻った。

マックス「結構、いいセンスは持ってるけどまだまだ無駄な動きが多いですね。ベルタリア准尉。勿体ないなぁ。」

模擬戦の様子を見ていたマックスはラウラのセンスは評価したが・・・・
各所ところどころ無駄な動きがあると指摘した。

動きがいいのは事実だが、無駄な動きが各所に見られ勿体ない。
まだゼントラン海兵隊から転属したてであり可変戦闘機パイロットとしての経験が少なく
こうなってしまうのも当然なのかもしれない。

が・・・・・・

果たしてラウラと言う新人の可変戦闘機乗りが何処までミリアと戦えるのか?
天才らしからぬ好奇心からマックスはラウラとミリアの模擬戦を見届けようと思った

マックス「まぁ吉野大尉援護と言う点は成功してはいますがね。」

未熟な面が多いラウラだが、大樹支援と言う役目は遂行していた。

ラウラとミリアが戦っている隙に大樹は戦闘エリア外に近い道路に出て
バトロイド形態のまま着々と前へ進んでいった。

今のミリアはラウラに目がなく、大将首を取る事に失敗していた。

このまま逃げ切ればラウラと大樹の勝ちになる。
マックスは冷静さを保ちつつ、模擬戦を見守りながら余興を入れようと考えた。

ミリア「何か忘れてるようだけど、なんだったかしら?」

マックス『それはもしかして吉野大尉の事を言ってるのかな?』

ミリア「吉野大尉・・・・・吉野大尉の撃破、ありがとうマックス忘れてたわ。ラウラは放置して当初の目的を果たさないと!」

大樹の事を忘れていたミリアにマックスは存在を思い出させようと干渉した。

干渉によりミリアは大樹の事を思い出し、ラウラの事を放置し・・・・・
戦闘エリア外に向けて離脱中の大樹を追撃しようと考えた。
有言実行、ラウラと戦闘中だったミリアは戦闘を放棄しファイター形態に変形
そのまま飛び立っていき、ラウラから離れていった。

ラウラ「ミリアが逃げる?まさか大樹の事を気がついたんじゃ!させるか!」

ミリアの思惑に気がついたラウラは追撃戦に入った。

戦線離脱中の大樹はバトロイド形態で動いており・・・・
接敵したら負けるのは大樹であるのは目に見えていた。

それを阻止するには自分自身止めるしかない。

ラウラ「思い通りにさせるかよ、ミリア必ず討ち取ってやる!」

ミリアが進んでいった方向に向けてラウラは、スピードをあげ突撃・・・
背中を向け進むミリアの機体に向けてガンポッドで銃撃した。

自身を無視して大樹を強襲しそのまま撃墜する魂胆は気に入らない。
大樹が撃墜されたら完全に敗北してしまうのも気に入らない。
ラウラは今の気に入らない現状打破し、ミリアを襲撃し妨害し撤退を援護
上手くいけばミリアを撃墜と考えていた。

ミリア「いくら同じゼントラーディ人だからって、可変戦闘機パイロットとしての経験には差があるのよ。そろそろ現実と直面する事が出来るのかしらあの娘?」

ラウラの戦術は簡単に崩れてしまった。

可変戦闘機パイロットとしての差なのか、ミリアに銃撃を加えても・・・
いとも簡単に回避し、一発も命中させる事が出来なかった。

なんとしてでも命中させたいラウラだったが、願い必ず当てる事が出来ない。

ミリア「まぁいいわ、これ以上妨害されたら逃げられるから一気に決めるか!ホルト・ガドラス・デ・ラウラ!!」

パイロットとしての左はあれども、ラウラからの執拗な追撃はうるさい。
うるさいラウラはここで一気に撃墜してやろうとミリアは考え反転した。

ガウォーク形態に変形し、ビルの壁を滑るように移動しながらガンポッドで射撃し・・・
ラウラの近くまで接近してバトロイドに変形し威圧、思いっきりぶん殴り・・・・・
そのまま転倒させた。

ラウラ「くっ・・・・・」

ミリア「残念だけど、貴女と私と技量差は大きかったわね。もうゲームは終わりよ!」

ラウラ「くっまだまだ!」

ミリア「ん・・・・渋いわね、まぁすぐに終わるけど・・・・・・・そろそろ決着をつけるわよ!」

追い詰められたラウラであったが、ギリギリの所でバーニアを使い離脱。
最後の力を振り絞ってミリアに抗おうと踠いた。

渋いラウラに少し腹を立てたミリアは手加減は不要と判断し・・・・
このまま一気に撃墜としてやろうと考え、操縦桿を強く握り・・・・
ラウラに向けてガンポッドとミサイルの照準を定めた。

女の意地にかけて、ゼントラーディ人の意地にかけて負けていられない。
ミリアは自身のプライドにかけて一気に撃墜を目論見・・・・・・
回避に成功したラウラは窮鼠猫を噛むが如く反撃を目論んだ。
二人のゼントラーディ人の意地にかけた最後の一撃が交差した。

ラウラ「よし勝ったぞ!」

ミリア「何を世迷い言を!銃弾をまともにくらって!」

最後の一撃を交わした結果、ラウラは直撃を受け撃墜されミリアは被弾した。
この勝負はミリアが勝利の座を取ったが・・・・・・
ラウラは撃墜された時に勝ったぞと言った。

直撃し撃墜されたのに何が勝ったと思っているのか?
世迷言のようなラウラの発言にミリアは呆れていた。

するとモニターで模擬戦を見ていたマックスが口を開いた。

マックス「ミリア、敵指揮官機を逃したようだね。これはベルタリア准尉の戦略勝ちだね?」

ミリア「逃がした?マックス何を言ってるの?」

マックス「レーダーを見たら分かるよ、まぁ吉野大尉を取り逃がしたけど・・・」

ミリア「取り逃がした?まさか・・・・・やられた。やるわね、ラウラ」

ラウラが勝ったと言う意味が大樹が戦闘域外から離脱した事だった。

一対一の戦闘を繰り広げている最中に大樹は建物の裏の路地を通り・・・・
無事戦闘域外から離脱する事に成功していた。

ミリアはそれに気がつかずラウラ撃墜を優先してしまい取り逃がしてしまった。

もしそのまま大樹撃墜を優先していたら確実に撃墜出来た。
まんまと策に乗せられたミリアは悔しがりつつ、ラウラの勇気を称賛した。
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第43話 接戦

2016-11-08 19:21:17 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
ミリアの放ったガンポッドの銃弾はエラに向かっていった。

回避しようにも必ず何処かに当たるような速さであり・・・・
更に言うならばミリアは短い時間に回避予測地点にも発砲していた。

エラは何とか撃墜を免れるべく回避行動に出るが不運にも左翼に命中した。

吉野大樹「イ少尉、小破だが戦線離脱しろ!」

エラ「しかし副隊長、左翼がやられただけです。援護ぐらいは・・・・」

吉野大樹「少尉の得意分野を活かせない今、やられる一方だ。撤退しろ!」

エラ「・・・・・・了解」

大樹は被弾したエラに回避能力低下を踏まえ退却命令を出した。

小破認定程度ならまだ戦えるとエラは反発したが・・・・・・
回避能力は大幅に低下し特性が活かし切れないまま戦ってはやられるし
模擬戦だからなんとかなるが、実戦だと確実に死ぬ事になる。

実戦を踏まえた上で考えるならば今撤退させた方が実戦において・・・・
エラは生き残る事が生き残る事が出来る。

そう判断したからこそ大樹はエラに戦線離脱を促した。

不満を持ちつつもエラは戦線離脱を離脱を開始。
ミリアが追撃を加えようとするが、ラウラと大樹は阻止に動き妨害した。

相沢美弥『イ少尉、撤退・・・・戦域離脱まで3分。』

ラウラ「アンサーズ中隊、私と大樹だけになってしまうとは・・・・」

吉野大樹「本来なら退却もんだが、仕方がねぇ二人で相手するぞ!」

ラウラ「二人ねぇ、上手くやれるのかしらね。まぁいいけど」

16機いたアンサーズ中隊はエラの離脱によりラウラと大樹の2機のみになった。

本来は全滅扱いでラウラ達も戦線離脱をし撤退しなければならないが・・・・
最後までやり遂げたいと言う理由から今も模擬戦を継続していた。

副隊長である大樹が撃墜されたらアンサーズ中隊の敗北であり
なんとしてでも死守し、ミリアを撃墜しなければならないが・・・・
友軍機はミリアによりラウラと大樹を除いて撃墜された為・・・
攻勢に転じる事が出来なかった。

「ジョンソン大尉、VFーXー10改のデータ合格点越えました。」

ミラード「流石はミリア・ファリーナ・ジーナス中尉だな。」
新統合宇宙軍.ミラード・ジョンソン大尉

その頃、ニューエドワーズ基地の一角でVFーXー10改のデータを収集していた。

この模擬戦におけるVFーXー10改のデータは合格点を越えており
新統合軍総司令部やゼネラル・ギャラクシーに堂々と提出できるデータが完成した。
現時点では模擬戦はテスト試験の余興と化していた。

ニューエドワーズ基地の幹部士官であるミラードはニヤッとしながら
かつてSDFー1マクロスのバルキリー隊として活躍するミリアの姿を見て感動していた

マックス「天才である私の妻だからですよ、ミラード」
新統合軍ダンシング・スカル隊長.マクシミリアン・ジーナス大尉

ミラード「それもそうだったなマックス。天才である君に一番上手く連携できる家族であり戦友だったな。」

マックス「付け加えるならばライバルですね、近くに張り合える相手がいれば私の成長にも繋がりますから」

隣にいたマックスは得意気に自分の妻だからとミラードに絡んだ。
絡まれたミラードは微笑むとマックスの発言を肯定した。

ミリアはゼントラーディ軍のエースであり、有能な指揮官であった。
ゼントラーディ軍から地球統合軍.新統合軍に所属が変わっても変わらず・・・・
天才マックスをライバルにしつつ、自身の能力を高めていった。

当然の事ながらミリアはマックスに上手くついて行く事が出来ている。

ミラード「しかし、桐原少佐は呆気なく落ちましたな。もう少し持ち堪えるかと思ってましたが・・・・・・」

マックス「歴戦の猛者とは言えミリアの敵ではありませんから!」

ミラード「自信満々に言うこだなマックス」

マックス「当然です、いくら桐原少佐やその子飼でもミリアには勝てませんよ。」

ミラードは歴戦の猛者である茂人はもう少し持ち堪えるかと思ってはいたが・・・・
呆気なく撃墜された事に触れると、マックスはミリアの敵ではないと自信満々に言った

茂人は統合戦争.第一次星間大戦中はSDFー1マクロス航空隊として
数々の地獄のような修羅場を潜り抜けてきたエースパイロットではあるが・・・・
流石にミリアでは相手が悪かった。

僅かな時間帯で自身を含め9割が撃墜されてしまった。
そんな茂人に同情しつつマックスは妻を褒めた。

マックス「まぁ吉野大尉そしてベルタリア准尉は中々頑張りますね」

ミラード「桐原少佐の子飼か、火星の英雄とゼントラーディ軍のエースまぁ善戦するのは当たり前だろうな。」

マックス「当たり前だとしてもミリア相手にここまで善戦するのは並大抵な芸当ではありませんね。」

二人はモニターに映るラウラと大樹を見て善戦している事を評価した。

並大抵のパイロットではミリア相手にここまで奮戦する事ができず
15分以内に撃墜されてしまう事が多いが・・・・
ラウラと大樹は15分越えて30分以上戦い続けており
二人でミリア相手に一進一退の攻防を繰り広げている。

マックスはラウラと大樹の成長を期待した。

ラウラ「流石はミリア、ゼントラーディ軍時代よりも更に強くなってる!」

ミリア「大口を叩く暇があるのかしらラウラ・ベルタリア!キヨラの所の一般兵が私についてくだけの実力がない事を改めて教えてあげるわ!」

ラウラ「何ぃ!」

その頃、模擬戦上ではラウラは大樹と連携しながらミリアと交戦していた。

戦闘の最中にオープンチャンネルでミリアの実力を評価したラウラだったが・・・・
ミリアから挑発され、激怒した。

戦闘種族ゼントラーディ人であるラウラはミリアの挑発に許せるものではなかった。

製造されてから今日、様々な戦闘に参加し生き延びており・・・・
1兵士としてのプライドを持っている事から、ミリアの発言は許せない。
ラウラはミリアの挑発に対し攻勢に出ようとした

吉野大樹「バカ!敵の挑発にまんまと乗るバカがいるか!」

ラウラ「だって、私の矜持・・・・」

吉野大樹「今は気にするな!挑発に乗ったらお前は負ける!」

ラウラ「・・・・・・分かったわよ・・・・・了解です」

攻勢に出ようとしたラウラであったが、大樹が挑発に乗るなと制止した。

ミリアの挑発はラウラに隙を出させる為の戦術であり・・・・
まんまと攻勢に出たラウラは隙を出し、ミリアが仕留めるつもりだった。

それに気がついた大樹は制止し、ラウラの攻勢を防いだ。

ラウラは反発はしていたが、大樹の言葉に一理ありと言う事で受け入れた。

ミリア「連携はよし、だがこれはかわせるかしら?」

挑発しこれ以上の成果は見込めないと判断したミリアはバトロイド形態のまま
ビルの壁を蹴ってジャンプし反転し、ラウラと大樹の背後を取った。

背後を取ったミリアは更にビルの壁を蹴って、ジグザグ機動でガンポッドを放ち
多数のミサイルを放つと、ガウォークに変形し地下通路を通って・・・・
ミサイルを迎撃する為反転したラウラ達の背後を取ろうとした。

吉野大樹「うわっ」

ラウラ「早い一瞬でどギツい戦術を・・・・ミサイルでやられるか、奇襲でやられるか・・・」

一瞬に動き、余裕のある回避を封じるミリアの戦術はラウラ達にとってはどギツい。

ガンポッドの銃弾を回避した後に、迎撃しないといけない量のミサイルを迎撃し
その最中に背後からガンポッドをジグザグ機動で放ち、ミサイルを斉射してくる。
適当に撃ってるのではなく、回避予測地点に向けて・・・・・

並大抵のパイロットであれば、一度目の段階で1個小隊が殲滅させられていただろう。

ラウラと大樹は懸命に回避したが・・・・
無慈悲にもラウラの真横にミリアがジグザグ機動で迫った。

ミリア「いい加減格の違いを認識しなさい!ラウラ・ベルタリア3級空士長いや・・・・ラウラ・ベルタリア准尉!」

ラウラの真横から迫ったミリアは確実に撃墜出きると思っていた。

いくら第一次星間大戦を生き抜いたエースパイロットとは言え・・・・
成長した可変戦闘機のエースである自分の敵ではないと
ましてや慣れたクァドラン・ローではなく、不馴れな可変戦闘機に乗って挑んだ

隙は見つけようと思えば見つける事が出きるしそこを突いて撃墜できる。
ミリアはラウラの実力はある程度評価はした上で、確信していた。

疑いようの無い当然の結果であると・・・・

そう思ってたが・・・・・・

ラウラ「舐めるな!」

危機感を覚えたラウラは操縦桿を握り・・・・・・
ミリアからの銃弾をダンスするかのように回避してみせた。

ダンスする姿はストリートダンスかヒップホップのような感じであり・・
攻撃を仕掛けるミリアも思わず認めれてしまったが・・・・
正気を取り戻し再度、執拗にガンポッドで攻撃し続けた。

吉野大樹「ラウラ・・・・いつの間にそんな戦い方を・・・・」

ラウラ「ここに来るまでストリートダンスやヒップホップ見てたから引用させてもらっただけ・・・自作じゃないけどさ」

戦闘しか知らないラウラがダンスのような回避戦術を覚えたのは・・・・・
インターネットで観たストリートダンスやヒップホップの動画を観たからである。

惑星エデンに到着するまでの間・・・・・
ラウラは可変戦闘機バトロイド形態に活かせような戦術を探しており
たまたま動画サイトで見つけたのがヒップホップとストーリーダンスであった。

ヒップホップやストーリーダンスの動きを見たラウラは使えるなと思った。
動き動きがクァドラン・ローの機動戦術に通ずる物があると・・・・

そう考えたラウラはミリアからのガンポッド攻撃の防御戦術として使用した。

ミリア「まるでベルタリア・ダンスね・・・・・だが・・・・・ダンシング・スカルと言う部隊名を持ちその副隊長である私の真の実力を思い知ってもらおうかしら?」

ラウラの動きをベルタリア・ダンスだと評価したミリアだが、逆に火をつけた。

特務部隊ダンシング・スカルの副隊長であるミリアは・・・・
部隊名の名に恥じない戦いをしようと考え、実力を出し惜しみしないと考えた。

楽しむ事よりも、戦闘の結果を勝利の物とせねばと・・・・・

吉野大樹「くっ、本命叩きに来たわけか!」

ミリアはラウラを攻撃をすると見せかけて現時点での防衛目標である大樹を狙った。

連携するラウラと大樹の隙を狙って攻撃し、反撃の隙を殆ど与えておらず
攻撃から防御するしかない大樹はジリジリと追い詰められていった。

ラウラはそれを阻止すべくミリアに対し攻撃を続けるが・・・・・・
攻撃は回避されるどころか、このタイミングで大樹に攻撃をし続け・・・・
今の状況を打開出来ないでいた。

吉野大樹「くそっ」

ラウラ「大樹!」

とうとう、大樹が右翼を被弾した。

ファイター形態は維持できない為、バトロイド形態に変形し・・・・
ガンポッドを構えながらミリアと対峙した。

だが、大樹はある決断した

吉野大樹「戦闘エリアから離脱する」

ラウラ「えっ?嘘でしょ?」

吉野大樹「今となっては戦闘継続が厳しい、ジーナス中尉に勝てない。」

撤退・・・・・・ミリアには勝てない・・・大樹はそう判断した。

ファイター形態に変形出来ず、機動力が低下し勝機は低下しており
ガウォークが使えるうちに撤退しようと考えた。

ラウラは驚いたが、大樹が真剣な眼差しをしてた為・・・・・
この後、何を言おうかと悩んでいたが・・・・・
ミリアと激しい戦闘を繰り広げていた為、考えるのを止め・・・・

ラウラ「分かりました、殿を務め撤退援護するわ。」

吉野大樹「言わずに自分の役割理解したな・・・・・・頼むぞ、やれるなよ!」

ラウラ「了解!ミリアなんかに負けるか!」

撤退を援護するため、ラウラは殿を務めた。

ガウォーク形態で撤退をする大樹の背後を守りある程度ミリアと相手したら撤退し・・・
今回の模擬戦の勝敗はアンサーズ中隊の敗けとなった・・・・・

完全敗北を避けるべくラウラを殿軍に撤退開始した大樹だったが・・・・
エースのミリアはお構い無しに厳しい追撃を開始・・・・・
殿を務めたラウラと激しい戦闘が開始された。

しかし

ラウラとしてはむしろ願ってもない好機であり・・・・
長年の夢であったミリアとの一騎討ちが誰にも邪魔されずできる。

殿軍を務める傍らミリアを討ち取ってやろうと密かに考えていた。
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第42話 市街地戦

2016-11-07 22:59:20 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
囮として奮戦していたエラがバトロイド形態で工場に不時着した。
市街地に入り回避行動を取っている最中にバランスを崩して倒れた事が原因だった。

工場に不時着したエラは機体を起こそうとしたが・・
物凄い勢いでガウォーク形態のミリアのプロトカットラスが接近。
手に持ってたガンポッドのトリガーを引こうとしていた。

ミリア「!!」

ラウラ「真打ち登場!」

潜伏していたラウラが建物の陰からバトロイド形態で飛び出し・・・
ミリアのプロトカットラスに向けガンポッドを放った。

長年培ってきた戦闘のカンから危機一髪回避に成功し・・
一旦上空にジャンプしファイター形態に変形し態勢を整え・・
再起を図ろうとしていた。

桐原少佐「全機、攻撃開始しろ!」

ラウラにより追いたてられたミリアを撃墜すべく茂人は指示を出した。

茂人の元に大樹と神楽が集結しミリアに向け一斉射撃を開始し・・・
銃弾の嵐から逃れようとするミリアに向け後方からレイピア小隊残余が・・・
前方から義輝が迫った。

工場に不時着したエラも状態回復し、茂人と共に攻撃に参加した。

ミリア「形成逆転ね、最初の一手あれキヨラの生意気な隊員いやラウラだわ」

ラウラ「ミリア!貴様を落とすのは私だ!」

ミリア「はぁ、上官に対してなんて言い草ね。本当に昔から生意気なんだから、ラウラ・ベルタリア3級空士長!」

斜め背後からバトロイド形態のラウラが飛び出した。

建物の屋上を蹴ってジャンプしながら、ラウラに向けガンポッドの銃弾を放ち・・
放たれた銃弾をミリアは他方面の攻撃を回避しつつ・・・・・
目の前迫っていた義輝のコックピットにガンポッドを放ち撃墜した

エラ「隊長!」

ミリアにより撃墜されペイント弾で染色された義輝はバトロイド形態に変形し
そのまま戦域から離脱した。

戦域から離脱する義輝とすれ違うかのように・・・・
建物の屋上を蹴って追撃するラウラとレイピア小隊が・・・
地上の大樹や茂人.神楽は走ってミリアを追撃した。

追撃してくるラウラ達に反撃すべく急上昇し反転・・
一瞬にしてレイピア小隊の背後を取った。

ロザ「くっ」

ミリアがレイピア小隊の背後を取った事に気がついたロザは・・・・・
バトロイド形態に変形し降下したが、エミリーは反応が遅れてしまい被弾した。

被弾したエミリーだが撃墜されたわけではないのでバトロイドに変形し
建物の屋上に立ってミリアに反撃を試みようとしたが・・・
ガウォークに変形し、エミリーの死角に回り込まれ止めを刺された。

ロザ「ニクソン小隊長!」

吉野大樹「ベサーズ准尉、待避しろ!」

ロザ「いやまだ戦い続けます!」

吉野大樹「ベサーズ准尉!」

エミリーをやられたロザは憤慨したのか大樹の合流命令を破り
ミリアに反撃を試みようとした。

形成逆転し不利に追い込まれたが機転により一瞬で再度形成逆転し
義輝とエミリーの二人の小隊長を1分も経たずに撃墜したミリア相手に
ゼントラーディ人としては若くラウラやミリアより経験が少ないロザでは勝てない

ましてや冷静さを失い興奮状態に陥っている
大樹は頭を抱えた・・・・・なんでこうなると・・・

ラウラ「ロザ!」

ロザ「ベルタリア准尉とめ・・・・」

ラウラ「冷静になれ!ゼントラーディ人として生まれの若いお前では一人では無茶だ!」

ロザ「!!何が無茶ですか!若い経験の浅いとは言え新統合軍の軍人です、敵を前にみすみす・・・」

ラウラ「新統合軍の軍人だったら、単独で仕掛けるな!」

近くにいたラウラはロザに怒鳴り込み近くに接近した。

マイクローン化したラウラは機種転換センターでの経験や書籍で集団の大切さを知った
それが故に冷静さを失い大樹の命令を無視したロザに腹が立った。
自分より地球の事を知っているはずなのに、冷静さを失い命令を無視するなんて
ましてや命令無視はゼントラーディ軍だったら消去刑物だし・・・・

ラウラは必死にロザに厳しい口調で注意するも逆効果であり・・・・
反発しミリアとの戦闘を続けた。

神楽少尉「うわっ!!」

ラウラ「えっ私の背後に神楽いたの?」

神楽少尉「ずっといたぁ」

そうこうしているうちにラウラの背後から支援していた神楽がやられた。

いつの間に背後からフォローしててやられたのか?
ラウラは背後にいた神楽の存在に気がつかずにロザを注意し続けた。
つまり周りが見えてない証拠だ・・・・・

ロザ「ジーナス中尉!私を舐めるなよ!私だってゼントラーディだ!」

ミリア「感情的になって!地球人と行動をする軍人ならば冷静になって大局を見る事ね!」

ロザ「こしゃくなぁぁぁ!」

ラウラが神楽撃墜に動揺している頃、ロザはミリアに猛攻を加えていた。

ロザは製造年数が若いとは言えゼントラーディ軍時代はエースであり・・・・
ボドル基幹艦隊決戦を生き抜き、新統合軍パイロット時代も実戦を経験してるなど
それなりに実績を積んでいる中堅のパイロットだった。

ミリアも意外すぎるロザの実力に驚いてはいたが・・・・
まだまだ動きは単調であり、時間を少しかければ撃墜出来そうと考えた。

身勝手な動きをするロザにエラは怒った顔を表情を浮かべ

エラ「ベサーズ准尉、いい加減にしなさい!無茶をした結果、他の隊員に迷惑かけてる事を自覚しなさい!」

ロザ「しかし・・・・・」

エラ「無茶した結果迷惑被るのは他の隊員です。冗談抜きで生命奪うわ!」

ロザ「・・・・・了解」

独断専行しミリアと戦っているロザにキツい口調で注意した。

今、ロザがやっている事は軍人として問題行為であり・・・
下手したら他の隊員の命を奪い兼ねない悪質な行動であった。
またまた模擬戦だったから反省の余地はあるが・・・・
実戦だったら反省しても許される事ではない。

まだロザは事の重大さを理解してなかったが・・・・
注意された事でようやく理解する事が出来た。

エラから注意されたロザは謝罪し戦闘を再開させた。

ラウラ「!隊長!!」

桐原少佐「流石にドジ踏んだか・・・・吉野後は任せた!」

模擬戦はその後もしばらく時間経った・・・・・
落伍者なくミリア相手に戦闘を繰り広げていたが・・・・・
一瞬の隙を疲れ茂人が撃墜され、大樹に指揮権が移譲した。

大樹が撃墜されたらこの勝負はミリアの勝ちになってしまう・・・・

ラウラは指揮権移譲され指揮権を持った大樹の動きをよく見て・・・・
他の隊員と連携しながらミリアと交戦した。

戦っていくうちにラウラはミリアの戦闘力の高さに改めて驚いた。
模擬戦の前半でアンサーズ中隊を半壊させ、今は茂人を始め幹部を撃ち取った。
今アンサーズで残っているのは自身を含め4機のみだ。

このままでは大樹を守りきれないとラウラは焦り始めた。

ミリア「後はハンターリーダーを狩れば私の勝ちだけど、ラウラが邪魔だわ。」

ドックファイトを繰り広げるミリアはラウラを勝利への最大の障害と認識した。

ロザは能力的にも優れているが、連携に欠けているし
エラは回避センスは高いが妨害出来る程攻撃力は強力ではない。

大樹を守る最後の砦として相応しいとは見知ったラウラただ一人。

ミリア「もっともラウラは忠誠心は強い。忠誠心の強さがラウラの強さ・・・・・面白い」

ラウラの強さの源は忠誠心・・・・・

ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊キヨラ機動戦隊に所属していたラウラは・・・
上官であるキヨラに対する忠誠心が強く、キヨラの為ならどんな強敵や難局でも・・・
獅子奮迅の強さを見せていた。

元々のステータスでも強いが・・・・
近くに忠誠の対象となると更に技量を発揮する特性をラウラは持っていた。

忠誠の対象とは大樹の事であり・・・
無意識にラウラは大樹の事を忠誠の対象と見なしており
大樹の為に自身の強さが大きく上がっていた。

ロザ「舐めるな!」

ミリア「腕はいい!だけど・・・甘い!」

ロザ「あっ・・・・・」

そうこう考えているミリアにロザは猛攻を仕掛けた。

猛攻を仕掛けたものの、間一髪の所で回避され・・・・
逆にミリアの銃撃が命中し敗北してしまった。

一瞬にして破れた事にロザは呆気に取られた。

エラ「ロザ!!一瞬にしてほぼ壊滅だなんて、歯痒い」

吉野大樹「残ったのは俺とイ少尉とラウラか・・・」

残ったのはラウラ.大樹.エラの3機のみ
やはりエースのミリアは強い・・・

3機で上手くやらなきゃこの戦いは負けてしまう

エラ「回避戦術ばっかりしてたら意味がない。反撃しなくては!」

回避行動をし囮役に徹していたエラであったが・・・・
僚機の数が減りすぎて存在意義を失いかけていた。

囮役として強力であるエラではあるが・・・・
直接戦闘に入り敵機と戦う事を苦手としており・・・
以前ラウラと戦った時に一瞬にして隙を見せてしまった結果撃墜されている

エラ「一かバチか、やってみるか」

回避戦術が得意なエラだが、馬鹿ではない。

難関の短期士官学校を卒業し、義輝後継小隊長として指名され
囮戦術の作戦案を何度も提案し採用されるなどの俊才であり
一般の可変戦闘機パイロットより賢かった。

エラ「ジーナス中尉なら見破られそうだけど、おまけまで見抜けるか!」

ミリア「ん!?あらやる気かしら?見たような技使っても勝てると思わない事ね」

エラ「それはどうかな!!足元は小さな油断で掬われるってね!」

ミリア「何!?」

エラがミリアに対し使った作戦はマクシミリアン・ジーナスが考案した囮撃ちである

囮撃ちとはミサイル攻撃を囮にして、本命はガンポッドで叩き込む戦術であり
マクシミリアン・ジーナスことマックスが生み出した戦術であった。

しかし

マックスの妻であるミリアは囮撃ちをよく知っており
見様見真似で囮撃ちを仕掛けてきたエラの戦術を見抜いていたがそうはいかなかった。
本命であるガンポッド射撃が更に囮であり、第2射のミサイルが迫ってきた。

回避に成功したが、ミリアに次の一手が迫っていた。

ラウラ「まだ敵は残っているんだよ!ミリア!」

ミリア「ラウラか!白々しい!!」

吉野大樹「こっちにもいるんだよ!」

真横からバトロイド形態のラウラと大樹が迫った!

回避による囮専門エラが積極的攻勢に出てミリアに対し一定の成果は出ているが
長期戦になればミリアが有利になり撃墜されてしまう危険性があった。
エラの動きを見ていたラウラと大樹はエラを救う事を第一にして・・・・・
ミリアを仕留めようと考え左右挟撃を仕掛けた。

二人の挟撃に危機感を覚えたミリアだがそう簡単にやられるわけがない。
間一髪の所で攻撃を回避した。

ミリア「戦術はよし、楽勝な戦いはつまらないけど緊張感ある戦いは中々楽しいわ」

油断したらやられる緊張感のある今の現状をミリアは楽しんでいた。

夫のマックスと共に最強のエースコンビとして特務部隊ダンシングスカルとして活躍し
銀河各地で反統合組織相手に高難易度をこなしてきたが、比較的満足しない相手ばかりで
数年前に捕獲し養女にしたモアラミア以外面白味に欠けていた。

だが今は違う・・・・

かつてライバルだったキヨラの部下だったラウラなどの精鋭が相手にいる。
しかも油断できないような戦術を持って襲いかかってくる。

ミリアからしたら興奮しかない展開であり、まさに久しぶりの本格的な戦だった。

エラ「ラウラや副隊長相手に隙を見せてるな、だったら」

ラウラと大樹の二人に相手にしているミリアはエラの存在を忘れていた。

反撃の機会を伺っていたエラはミリアの隙を見つけ強襲を仕掛け・・・・
一気に攻勢に出て撃墜してしまおうと考えた。

ただ

ミリアはゼントラーディ最強のエースであり特務部隊に属している。
それが故に成功するか分からない。

分からないが、エラは唯一のチャンスに賭けに出てミリアに向け照準を合わせた。

エラ「バカな!」

ミリア「隙を見せたつもりだろうけど、甘かったわね。」

次の瞬間、ミリアはエラに向けてガンポッドの照準を向けていた。

ラウラと大樹相手にしていたミリアだが、エラが隙を見て仕掛ける事を把握しており
わざと隙を見せエラが攻撃を仕掛けようとした瞬間、瞬時に撃墜しようと考えていた

僅かな時間であれガンポッドのトリガーを引けばエラに当てる事が出来る
ニヤッと笑ったミリアはトリガーを引き、反転し再び二人との戦闘へ戻り・・・
放たれた銃弾はそのままエラに向かっていった。
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第41話 ニューエドワーズ基地航空戦

2016-11-07 21:11:29 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月26日.ニューエドワーズ基地.午前8時】

ラウラ達はパイロットスーツに着替え格納庫に収納されている愛機に乗り込んでいた。

愛機に乗り込んだラウラは緊張解すため飴を取り出し口に入れたり・・・・
こっそり忍ばせていた軍事学の本を読んでいた。

ゼントラーディ軍時代ミリアと張り合っており・・・・・
いつかミリアより優れたエースになってやろうと思っていたが・・・
模擬戦でまさか戦う事になるとは・・・・

当時の自分が聞いたら嘘だぁと呆れるだろう。
そんな事を考えているとモニターに大樹が映し出された。

吉野大樹「ラウラ、緊張しているのか?」

ラウラ「まさか、大樹こそ私の心配するのはいいけどさ・・・ミリアに怯えているんじゃない?」

吉野大樹「バカを言え・・・・桐原隊長に指揮代行任されているんだ。怯えてる暇なんかねぇよ。」

ラウラ「へぇ」

吉野大樹「怯えるくらいなら、堂々と戦って破れるくらいがマシさ」

大樹に緊張しているのかと少し心配している素振りを見せた事に対し
フッと笑ったラウラは緊張が解れたのか逆にからかった

ラウラにからかわれた大樹は目を閉じて・・・・
茂人にもしもの時の指揮代行任されているから怯えている暇はないと否定し
堂々と戦って破れる方がマシだと言った。

そんな大樹の決意表明を見たラウラは安心感を覚えつつ見直した。

カゴメ『ニューエドワーズベースタワーよりダックリーダーへ、ハンター小隊と共に第1滑走路へ進入し待機願います。』

桐原少佐「ダックリーダー了解」

吉野大樹「ハンターリーダー了解」

劉夢華『タワーよりハウンドリーダーへハウンド小隊は第2滑走路に進入してください。』

いよいよ離陸し模擬戦を開始する時間になった。

管制塔のカゴメ達との間で航空管制が始まりラウラは茂人らと共に第1滑走路へ進入
いつでも離陸出来る状態に入った。

ラウラは真剣な眼差しで操縦桿を握っていると・・・・
第二滑走路からハウンド小隊が次々と離陸し・・・・・
それに続くようにハンティング小隊やレイピア小隊が次々と離陸していった。

レイピア小隊が飛び立つと茂人だけ第1滑走路から離陸し飛び立った。

カゴメ『ニューエドワーズベースタワーからハンターリーダーから各機へ離陸を許可します。』

吉野大樹「了解した。」

茂人が飛び立って数分後、ラウラ達ハンター小隊が離陸する時が来た。

ハンター小隊は他の小隊を追いかけるように飛行したが・・・・・
市街地エリアに近づくとバトロイド形態に変形して降下し・・
指定された建物の中に潜伏した。

指定された建物の中に入ったラウラは息を潜めながら来る時に備えた。

桐原少佐『こちらダックリーダー、会敵せず。まだ時間はたんまりあるようだ。』

吉野大樹「ハンターリーダーからダックリーダー、配置完了。」

桐原少佐『よししばらく待機せよ!』

茂人達は今だにミリアと接敵してなかった。

茂人は余裕を浮かべながら通信をしてはいるが・・・・・
大樹はまもなくミリアと接敵し交戦状態に入るだろうと察した。

ミリアは離陸して作戦行動中・・・・・
いつ接敵してもおかしくない、むしろ予期せぬ強襲をしてくる懸念があり・・・
先行した茂人達が総崩れにならないか心配した。

相手はかつてゼントラーディ軍のエースのミリアと言われたエース。
いつも以上に警戒して取り組まねば勝てる確率は低いままだ・・

ガブラ「レーダーに反応、エースのお出ましだ!」

桐原少佐「よし、ハンティング小隊は前へ各隊は散開しジーナス機を市街地へ誘導しろ!」

ガブラ「了解」

レーダーにミリアが乗るVFーXー10改が反応した。

茂人はガブラ率いるハンティング小隊を前進させ
レイピア小隊とハウンド小隊を散開させ、ミリアを市街地に追い込む作戦を開始した

ハンティング小隊はフォーメーション・アブレストを取り・・・
ミリアとの戦闘に備え各種兵装いつでも撃てるようにしたが・・・・
予想もしてなかった事態が起こった。

カレント「うわっ」
新統合軍.カレント・バーガー准尉

ガブラ「なっ!」

突如、ミリアの乗るVFーXー10改が急降下しカレントを撃墜した。

急降下したミリアのVFーXー10改は一瞬、編隊を通り過ぎるが・・・
バトロイド形態に変形してカレント機の背後にガンポッドで攻撃した。

あまりにも突然の出来事にカレントは回避する間もなく・・・
機体背後がペイント弾の色で染まり呆気なく撃墜されてしまい
近くにいたエリック機が動揺し、バトロイド形態に変形し反転した。

エリック「なめるな!」
新統合軍エリック・ランスロード准尉

ガブラ「よせ!回避行動を取れ!」

カレントがやられたのを見てエリックは激昂し反撃にでた。
当然の如くミリアとエリックとの間では能力の差が大きく・・・
ガブラは必死になって止めようとした。

ゼントラーディ人であるガブラはミリアの実力を知っており
エリック単機で勝負を挑んだら返り討ちに遭うのが目に見えていた。

必死に止めたが、エリックはミリアに勝負を挑む形になり
そのまま返り討ちに遭ってしまい、撃墜判定を喰らった。
これによりハンティング小隊は半数を喪失してしまう形になった

ガブラ「ちっやるしかない、ヘルベルト援護しろ!」

ヘルベルト「ハッ」
新統合軍ヘルベルト・シュタインザー准尉

ガブラらまもなく他の小隊が攻撃に加わる事を踏まえ
ヘルベルトを引き連れミリアに対し格闘戦(ドックファイト)を挑もうと考えた

いくらエースと言われても精鋭10機相手に上手く戦えまい
上手く市街地に誘導し潜伏中のハンター小隊と合流すれば十分勝機はあるはず
と考えたガブラだったが、考えていた戦術は一瞬にして崩れさった

ヘルベルト「おわっ!?」

ガブラ「なんだと!?」

攻撃を仕掛けようとした寸前ミリアが急バック上昇し・・・・
背後からガンポッドの雨を降らしヘルベルトを撃墜した。

ガンポッドの雨から逃れたガブラはバトロイドに変形し反撃を試みたが・・・・

ミリア「甘い!そう簡単に!」

ガブラ「くそ、持ち堪える事が出来なかったか」

バトロイドに変形し180度回転しつつ上昇したミリアに返り討ちに遭った。

戦闘開始して1分も経たずにハンティング小隊が壊滅し
ハウンド小隊やレイピア小隊と共同した策にひびが入った。

もっともハンティング小隊がこうも簡単に壊滅するのは予想外だった。

桐原少佐「想像以上にミリアは強いのか・・・・・」

本多義輝「隊長どうしますか?」

桐原少佐「作戦に変更はない…!行くぞ!」

茂人はハンティング小隊全滅を受けて、当初の予定通り作戦を実施する事を決めた。

ハウンド小隊とレイピア小隊で上手く挟撃し、市街地へ誘い込み
待ち伏せしていたハンター小隊で攻撃を仕掛け撃墜・・・・
ハンティング小隊が全滅しても当初の予定通り戦えると茂人には自信があった。

反面、呆気なく全滅したので予想外な結果になってしまう可能性も捨てきれない
上手くやれるかはその場次第・・・・・と考えていたいたが・・・

エミリー「くっ案外キツいな」

本多義輝「動きが速い」

ミリアの駆るVFーXー10改の動きは予想以上であり
一瞬でロバート、クリス、アリサが撃墜されてしまった。

更に必死に回避行動を取ってる曹涼に狙いを定め猛攻を加え・・・・
反撃の隙を与えないまま、そのまま撃墜しアンサーズ中隊は・・・・
数分もしないうちに8機損失した。

エラ「私が引き付けます、皆は市街地へ」

本多義輝「やれるかハウンド2」

エラ「逃げ足だけは自信ありますのでやれます。」

部隊の半分を失ったアンサーズ中隊は戦術の見直しを迫られる事になったが
事態を憂いたハウンド小隊副隊長エラは囮を志願した。

エラは回避戦術に優れており多数の敵機を引き付ける囮役は強力であった。

事実、ラウラはエラの回避スキルに苦しめられており
撃墜するのに時間がかかっていた。

義輝はエラに囮役を任せ茂人らと共に市街地へ向かった。

ミリア「1機になった?他は・・・・すぐに撃墜して・・・・当たらない」

エラ「何処までやれるか分からないけど、時間稼がねば・・・」

ミリア「回避戦術は一流ね、でも何処まで通用するかしら」

囮になったエラとミリアの戦闘はすぐに始まった。

回避戦術に優れているとは言えいつまで耐えきれるか分からない。
時間を稼いだ後なんとか市街地にミリアを誘導できればいいが・・・・
自身は撃墜されるかもしれない。

エラは回避しながら作戦が成功する為の戦術を考え続けた。

マックス「ミリアと戦ってる相手中々いい腕前だね。」

コミリア「ママ相手から避けられるなんて凄いわぁ」

マックス「とは言えミリアが相手の戦術に乗せられてるのが気になるけどね」

マックスと娘達はRVFー1リコーンバルキリーから撮影されている映像を見ていた。

自分達の母親が単機で精鋭1個中隊相手と戦い半数を撃墜した姿を見て
娘達は目を輝かせていたが、エラの奮戦する姿を見た結果余裕のある表情を止めた

相手はエースであるミリアの攻撃を上手く回避しており・・・・
更にミリアに対し反撃を試みているなど油断したら負けそうだと認識し
ミリアが勝つか負けるかを見届けるためモニターを見続けた。

一方のマックスはミリアがエラによって作戦に乗せられてると察した。

エラがミリアを誘導しながら自部隊の作戦による罠に陥れようとしてると・・・
マックスはそう考えていたがミリアなら潜り抜けると信じモニターを見続けた。

吉野大樹「レーダーに反応、複数だと!?」

ラウラ「こっちも確認したわ、4機編成よ!」

神楽少尉「僅かな時間で半数以上やられたのか?」

吉野大樹「隊長の識別信号は残ってる、とりあえずここで隊長を出迎えるぞ!」

市街地に潜伏していたラウラ達は市街地に接近してくる茂人らを確認した。

16機いたアンサーズ中隊がミリアにより数分で半数近く喪失した事に
中隊長である大樹は危機感を覚えた。

精鋭部隊であるアンサーズ中隊が単機により半数撃墜された・・・
全滅判定食らう程の大損害を被ってしまった・・・・
しかもたった1機の可変戦闘機によって・・・・

第一次星間大戦のエースであるミリアの実力がこれ程とは・・・

ラウラ「大樹、第一次星間大戦のエースである私がいるから安心して」

吉野大樹「ラウラ・・・・・・・そうだな、その通りだな。」

ゼントラーディ人で第一次星間大戦のエースはラウラも同じであった。

ラプラミズ艦隊キヨラ機動戦隊に所属し数々の戦闘を潜り抜けているばかりか
地獄のようなボドル基幹艦隊決戦をも生き残ってきた。
実力は多少違えども、ほぼ一緒だと言う自負がラウラにあった。

ラウラの言葉を聞いた大樹は落ち着きを取り戻し・・・
改めてミリアに勝とうと言う決心がついた。

その直後、レーダーに茂人が来た方向から2機の機影が映った。

1機は友軍、もう1機は敵・・・・ミリアだ!
戦闘態勢に入ると、茂人らが合流した。

桐原少佐「すまん、市街地に追い込むはずが逆に追い込まれた。」

吉野大樹「戦闘だから仕方がないですが、あの友軍機は誰ですか?」

桐原少佐「イ少尉だ、自ら囮としてミリアと戦っているんだ!」

茂人らと合流した大樹はエラが囮としてミリアと戦ってると聞かされた

エラは元軍人で自由共和党のクラビウス議会イ・ジェウク議員の次女で
家系は李氏朝鮮王室の庶流の家柄と言うお姫様みたいな感じの娘であり・・・・
エースパイロットに見えない感じの女性士官だ。

そんな見た目な反面、パイロットの腕は確かであり・・・
女性陣が集まった当初の模擬戦以降どんどん腕前が上がっているばかりか・・・
副官として腕前がよく次期ハウンド小隊の隊長とされる程優秀であるなど
A級エースパイロットの卵であった。

ミリア相手に奮戦してる程とは・・・

感心している大樹だったが、目の前でエラのバルキリーが工場に激突した。
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第40話 戦闘の興奮

2016-11-06 21:43:55 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月26日.ニューエドワーズ基地.午前6時】

ラウラ達は6時に一斉に起床した。

新統合軍の軍人達は基午前6時に起床し着替え、整理整頓し・・・
広場に集まり点呼を取るのが基本的な日課であった。

朝食を終えると、広場にアンサーズ中隊隊員一同整列した

が・・・・・・

吉野大樹「ベルタリア准尉、敬礼不備」

ラウラ「えっ?」

吉野大樹「復唱はどうした?」

ラウラ「はっ敬礼不備!」

吉野大樹「よし、全員腕立て伏せ50回、総員用意!」

整列する最中、ラウラは敬礼する際に他の隊員に合わせる事が出来ず・・
大樹から厳しい指導を受ける事になった。

ラウラのミスもあってかアンサーズ中隊の隊員一同は連帯責任として
腕立て伏せ50回する羽目になり、本日のブリーフィングの時間が遅れる事になり
ミリアの乗るVFーXー10改との模擬戦の時間と休憩時間はずれる事になった。

ミリア「ラウラ、真剣に考えてるのはいいけど日々の軍務が大事よ」

ラウラ「言われなくたっ・・・・」

吉野大樹「軍人としての態度不備」

ラウラ「すいません、以後気をつけます。」

ミリア「・・・・・・気をつけてね(流石は吉野大尉、鬼ね)」

ラウラはミリアから叱られるも反抗しようとしていたが・・・
大樹から睨まれ怯えるように反省した。

この光景を見たミリアは大樹の厳しさに感心した。

士官学校時代の大樹は鬼と恐れられていた事で有名であり
下級生を厳しく指導し更正させていた。

昨日は弱気になってはいたが・・・・
どうやら本調子に戻り反抗的なラウラの更正に取り組んでおり
ミリアはこれならいいコンビになれると確信した。

桐原少佐「とりあえず落ち着いたな、これより模擬戦の説明を始める。」

相沢美弥「補佐としてこの私相沢美弥が務めます。」

静かになった所でブリーフィングが始まった。

今回のブリーフィングは単機で特務任務を遂行する敵機を迎撃についての説明がされた

単記で特務任務を遂行する敵機とはミリアが乗るVFーXー10改であり
ニューエドワーズ基地近隣の航空基地ニューデビスモンサン基地に移動し・・・
そこから離陸しラウラ達と模擬戦する予定である。

美弥の説明する最中、ミリアは作戦予定に則り・・・・
ニューデビスモンサン基地に移動した。

相沢美弥「模擬戦上に都市戦を想定したフィールドがあり、建物を活用した市街戦も可能です」

エミリー「市街戦か、それだったら本多くんの所が得意じゃない?囮としてジーナス中尉の試作機」

本多義輝「得意ですが、ジーナス中尉に通用するか・・・・少尉どう思う?」

エラ「私達ハウンド小隊壊滅は必須でしょうね、市街地戦に追い込もうにも犠牲は出ます。ましてやジーナス中尉・・・・私生き残る自信ありませんわ」

模擬戦するエリアには市街地戦を想定した模擬戦場があった。

エミリーは囮役のハウンド小隊を活用しミリアを市街地エリアに追い込み・・
他の小隊がミリアを包囲し撃破すると言う案を提案するが・・・・
義輝は難色を示した。

第一囮部隊であるハウンド小隊が市街地戦に追い込む前に堪えられるか・・・
ハウンド小隊の副隊長であるエラは壊滅必須と言う見方を出していた。

エラ「囮役は最低でも2個小隊、私的には3個小隊必要だと思います。」

吉野大樹「つまり4分の3の戦力を使うわけか?」

エラ「現実的に3個小隊も囮として使うのは厳しいので2個小隊、ジーナス中尉の腕前はともかく最新鋭機相手では2個小隊は心苦しいですが」

囮役に必要な小隊は最低2個小隊、出来れば3個小隊。
エラが出したミリアと試作機VFーXー10改を市街地戦に追い込むのに必要戦力案
16機4個小隊編成であるアンサーズ中隊からしたら3個小隊を出すは厳しい話だ。

慎重で現実的な案を出して義輝を上手く支えるエラであるが・・・・
今回の案は相当厳しい・・・・

ガブラ「イ少尉、ハンターは誰が務める?」
ハンティング小隊隊長ガブラ・ノーボレス中尉

エラ「私はハンター小隊が務めるべきかと・・・・」

ガブラ「桐原少佐は何処の配置が相応しいか?後小隊の選定は?」

エラ「それは・・・・」

もっとも厳しい判断は中隊長である茂人の配置や小隊の選定である。

茂人は戦線に立って囮でやるのか、それとも市街地で狩人として町伏せるのか
前者であればアンサーズ中隊の指揮系統は喪失してしまう可能性があるし
後者であればミリアに策を気取られてしまう可能性がある。

どちらをとるにせよ難ありである。

更に言えば囮役はハウンド小隊で決まりだが・・・・
追加の囮部隊と町伏せる狩人部隊をどうするか?
部隊の選定によっては戦況も大きく変わってしまう可能性が高い。

歴戦のゼントラーディ人であるガブラから突っ込まれたエラは困惑の表情を浮かべ
どうしたらいいのか分からなくなった。

そんな様子を見ていた茂人が席を立った。

桐原少佐「囮部隊の指揮は私が直接とる。」

ガブラ「いいのですか?」

桐原少佐「あぁ私がやられても吉野に指揮権を任せる。ハンターは吉野隊に任せる。」

吉野大樹「了解です。」

桐原少佐「ハンター小隊はハンター、囮役は現時点でハウンド小隊で決まりだな。」

自ら囮部隊の指揮を取って戦うと宣言しエラのフォローに入った。

やられた時に備えての指揮系統委譲はハンター小隊隊長であり副隊長である大樹に任せ
自身がやられても戦える態勢を取った。

こうしておけば多生の不安要素を排除し満足に戦える事が可能になった。

後はどうするか・・・・・そう考えていると

エミリー「では私達レイピア小隊はハウンド小隊と共に囮役をやります。」

桐原少佐「そうか、ハンティング小隊は?」

ガブラ「私達も囮部隊に参加します。」

桐原少佐「そうか・・・・・イ少尉、最適案になったな。」

エラ「はい、まさかこの形になるとは・・・・勝てる確率は上がりました。」

残り二つの小隊が囮部隊に志願した。

レイピア小隊とハンティング小隊が囮部隊に志願した結果・・・
エラが出した最高3個小隊囮部隊が編成することが出来た。

ミリアを仕留める部隊は大樹率いるハンター小隊が担当。
ハンター小隊の隊員であるラウラは大樹と共にミリア相手に止めを刺す為に
バトロイド形態で待ち伏せる事になった。

吉野大樹「ジーナス中尉とやり合うにはラウラ、お前が基本的に攻めに徹しろ!」

ラウラ「はいぃ?」

吉野大樹「俺と神楽がサポートする、生き残ればの話だが囮部隊も援護してくれるはずだ。」

ラウラ「私なんかに任せても・・・・」

吉野大樹「バカ、お前は俺より戦歴は上だろうよ。たくさん戦場に出ただけでも十分エースさ」

市街地に引き込まれたミリアを追い込む中心はラウラと決まった。

ラウラはゼントラーディ人が故産まれてからずっと戦場におり・・・・
同じゼントラーディ軍人であったミリアとは古い付き合いで・・・
どんな戦い方をするのかを知っていた。

戦士として経験的にはラウラは一番長く実力もある。
ただ可変戦闘機パイロットとしてはまだまだ未熟であるため
上手く戦えるように大樹と神楽は上手くサポートしなければならない為
連携が重視し戦わなければならない。

ロザ「副隊長!」

吉野大樹「なんだベサーズ准尉?」

ロザ「私もベルタリア准尉と共・・・・」

吉野大樹「ダメだ!言いたい事は分かるが、小隊の持ち場を離れるな!」

ロザ「!?・・・・・了解しました。」

ずっとブリーフィングを聞いてたロザは大樹に何か言おうとしたが・・・
最後まで言い切る事なく、大樹から却下されてしまった。
却下を受けロザはショックを受けたが・・・
軍務の事を考え渋々命令を了承し受け入れた。

ロザはラウラと同じ女性ゼントラーディ人(メルトラン)であり・・・
一緒に共闘したい部分があっての要望であったが・・・・
大樹からしたら軍人として個人の私情を優先させるわけにはいかない。

地球の軍人としての自覚を持たせるため大樹は口調厳しく注意した。

吉野大樹「ニクソン中尉」

エミリー「はっ」

吉野大樹「ベサーズ准尉に私情で動く事をやめるように注意せよ!いいな!」

エミリー「はい了解しました。」

私情で動こうとしたロザを危惧した大樹は上官であるエミリーに注意するように言った

ロザが何を思ってラウラと一緒になろうとしたかは分からないが
きちんと決められた配置は軍人である限り守らなくてはいけない。
変に自分勝手な事をされると今回の作戦が台無しになるどころか・・・
実戦では多数の戦死傷者を出してしまう事になってしまう。

早いうちに対処しておかねば後々に大問題になり・・・・
アンサーズ中隊が壊滅の憂き目に遭うので大樹は早々に不安の芽を捥いだ

吉野大樹「俺は右翼に神楽少尉は左翼に展開、ベルタリア准尉は工場の中に潜伏するんだ。」

ラウラ「建物の中ですか?隠れるだなんて以外ですね。」

吉野大樹「お前が戦場の要だからな・・・・」

しばらくしてブリーフィングは小隊ごとに移行し・・・・
ラウラは神楽と共に大樹のハンター小隊の戦術を聞いていた。

工場の中にラウラが潜伏し、大樹と神楽は左右に展開。
囮部隊の誘導により市街地エリアに迷い込んだミリアを襲撃し・・・・
潜伏していたラウラで仕留めると言う物であった。

ただ・・・・・

ラウラ「本当に私がやってしまってもいいの?」

吉野大樹「ん?どう言う事なんだ?ラウラ?」

ラウラ「ずっとやりたかったミリアとの対戦だよ、下手したら楽しむ事を最優先にしてしまうわ。」

神楽少尉「楽しむだっておいおいそれは勘弁してもらいたいぜ!」

ミリアに対する止めを刺す役になったラウラは本来の役割を忘れ・・・
一騎討ちを楽しんでしまうと言った。

ゼントラーディ人であるラウラは戦う事が好きで・・・
かつて目の敵にしていたミリアと模擬戦とは言え戦う事に興奮しており。
軍人としての責務を忘れて楽しんでやろうと思っていた。

とは言え流石に隠して戦うのは不味いのでその事を大樹に告白した。

吉野大樹「上手く止めを刺せるのであれば許可する。」

神楽少尉「いいのですか?」

吉野大樹「ラウラの性格を上手く利用しこっちが上手く戦略立てれば問題はない。」

ラウラがゼントラーディ人が故の問題に大樹は考えた。

むしろ問題点を利用して上手く戦略立てる事が出来れば問題はなく・・・・
ミリア相手に戦うラウラを釣りのブイの如く扱えばなんとかなるだろうと・・・

大樹はラウラの考えを認め、ミリアとの戦闘に挑もうと決心した。

吉野大樹「とりあえず他の小隊もバックアップしてくれるはずだ。それまでは堪えろよ。」

ラウラ「分かってます。私は我慢できないような我が儘な性格ではありませんから。」

吉野大樹「十分我が儘なんだけどな。」

ラウラ「なっ」

ミリアと戦うラウラにはある程度の支援機が戦闘を支える予定である。

市街地エリアに追い込んだ囮部隊の残存機がミリアの背後から追撃し・・・・
大樹と神楽が左右に牽制するなどと言った支援攻撃を実施。
そして戦場を楽しむが如く戦うラウラがミリアに対し止めを刺すのが大樹の策である。

吉野大樹「まっ新型のVFーXー10改の試験だ。勝っても負けてもどうでもいいが、頑張ろうぜ!」

ラウラ「昨日の・・・・ひっ」

吉野大樹「ん?なんか言ったか?」

ラウラ「な・・・なんでもないです。はい」

今回の模擬戦の目的はVFーXー10改の運用データをしる為である。

特に勝っても負けてもどうでもいいが・・・・
模擬戦だからと言っても真剣さを捨てずに全力でやるしかない。

もっとも相手はミリアだから尚更。
ゼントラーディ人の誇りとして負けたくはないし。
軍人として真剣に戦って勝ちたいとラウラは思っていた。

大樹を始めとしたアンサーズ隊員達も考え方は違えど・・・
真剣に戦って勝ちたいと思っていた。

桐原少佐「吉野、俺がやられたら中隊の指揮は任せたぞ!」

吉野大樹「了解です」

桐原少佐「期待しているよ。吉野がやられたら負けなんだから。」

今回の模擬戦はただの試作機の性能を確かめる模擬戦ではない。
可変戦闘機パイロットとしての矜持を懸けた戦いとなっており・・・
大樹は茂人から撃墜された時の指揮代行を頼んだ。

試験用の模擬戦であれ負けられない。
ラウラや大樹達はそう考えながら戦いの時に備えた。
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第39話 戦闘前夜

2016-11-03 22:02:22 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月25日ニューエドワーズ基地】

模擬戦を明日に控えラウラ達アンサーズ隊員達は基地内で休息をとった。

隊員は趣味の時間に費やしたりミリアに対する戦術を考えたりなど・・・
それぞれ違う事をやりながら束の間の休息を楽しんでいた。

一方で・・・・・・

ニューエドワーズ基地に一機のVCー27タニーが来訪し・・・・
エデン防衛軍の幹部らが司令室を訪問した。

ゴメス大佐「わざわざクラビウス基地から来訪するとはな・・・」
新統合軍エデン防衛軍.開発部長ゴメス・トランプ大佐

エーベルト「はい。」

佐々木中佐「しかもあの桐原茂人の指揮する部隊か・・・・」
新統合軍エデン防衛軍副官.佐々木隆文中佐

司令室を訪れていたエデン軍の幹部は開発部長のゴメス・トランプ大佐とその副官だった。

トランプ大佐が訪れた理由は表向きはVF-Xー10の視察だが・・・・・
真の目的はクラビウス基地から派遣されたアンサーズ中隊の様子を見る事であった。

白川提督がミリアの訴えに答える形で派遣されたアンサーズ中隊は・・・・
人手不足である新統合軍の各可変戦闘機中隊から人材を引き抜き顰蹙を買い・・・
ましてや変人で有名な第一次星間大戦のエースが指揮官の部隊として知られており・・
各地の統合軍の幹部はいい顔をしてなかった・・・・

もっとも白川提督の私兵と言ってもいいような部隊だ・・・・

ゴメス大佐「まぁ赤い稲妻の異名を持つジーナス中尉が満足するような腕前でなければ白川の権威は失墜でしょうな。」

エーベルト「言うなトランプ、我々は最新鋭機を各地の戦線に派遣しなければならんのだぞ。」

ゴメス大佐「ふん言っておけ・・・VF-Xー8の二の舞にはしないっての。」

茂人とアンサーズ中隊の評判は内心低い・・・・・

第二次世界大戦時にあったかつての日本の第343海軍航空隊のような実力を発揮できるのか
ただ優秀な人材を集めただけの張り子の虎のような組織になるのか・・・・・
もっとも茂人は源田実大佐のような優秀な人間だとは思えないが・・・・

トランプ大佐らエデン軍の幹部らは茂人の指揮官としての実力に疑念を抱いており・・・
ミリアそして開発者のアルガスの期待に応えれないと考えていた。

吉野大樹「相手はミリアなのか・・・・」

大樹は官舎に荷物を置いた後・・・・
自分の愛機が格納されている格納庫付近で煙草を吸っていた。

自身が副官として所属しているアンサーズ中隊の初陣の相手が・・・
第1次星間大戦のゼントラーディ軍.地球統合軍のエースであり・・・
特務部隊ダンシング・スカルの副隊長であるミリアとは・・・

軍に身を置いてエースと呼ばれる実績を持っているが・・・・
ミリアに勝てる自信はない・・・・・

そう考えながら吸ってた煙草を捨て格納庫に入った・・・・

ラウラ「明日なのか・・・・・・」

大樹が煙草を捨てた頃・・・・・
格納庫で愛機と向かい合いながらラウラは明日について考えていた。

明日はゼントラーディ軍時代目の敵にしていたミリアと戦えるが・・
だけど、今は個人による戦闘よりも組織で戦う事が重視されており
大樹や神楽を初めとする僚機の事を考えなくてはいけない・・・・

自身の闘争本能を抑えて戦う事が出来るのか・・・・
それとも・・・・・

吉野大樹「ん?ラウラ、お前いたのか?」

ラウラ「ちょっとね・・・・部屋でのんびり出来なくてね。」

吉野大樹「そうか・・・・・」

深く考えていると大樹が話しかけてきた・・・・・

大樹は戦歴は自身より少ないが階級は上官であり・・・
自身が所属するハンター小隊の隊長で・・・・
更に言えばアンサーズ中隊のナンバー2である副隊長だ。

ラウラは大樹に部屋でのんびりできなかったと告げると・・・
大樹は寂しそうな表情を浮かべた。

吉野大樹「なぁラウラ・・・・」

ラウラ「なんですか?」

吉野大樹「軍の学校知ってるか?」

ラウラ「軍の学校ですか?」

大樹は優し気な雰囲気でラウラに軍の学校を知っているかと聞いてきた。

軍の学校を知っているかどうかの質問に戸惑った・・・
何故今そのような質問をするのかと・・・・
それにいつもの大樹ならそのような事を質問するはずがない・・・だって

いつもの大樹は鬼のように怖いから・・・・・

ラウラ「知ってますよ士官学校などとかですよね、確か大樹は士官学校の出のエリートだと知ってます。」

吉野大樹「よく知っているな、俺は航空課に属していた。」

ラウラ「士官学校の出だと大佐以上の階級になれるとかで、そうじゃない私からしたら羨ましいですよ。」

質問に対し士官学校を知っていると答えた。

士官学校は軍の将校を育成する学校である。
ゼントラーディ軍の軍人であったラウラは軍の指揮官として教育する学校の存在に驚いており
もし地球人であれば進学してみたいと思っていた。

もっともな話士官学校の出身ではないラウラは・・・・
規定により将官に昇進する事ができないため猶更

とは言えなぜ今そんな話を大樹がするのか?ラウラは気になった・・・

ラウラ「なるほどって・・・でもなんでそんな話をするんですか?」

吉野大樹「・・・・・明日の演習・・・・新兵のように怖くなったからな・・・・」

ラウラ「えっ・・・・・・」

明日のミリアとの演習が新兵のように怖くなった・・・・
いつもの強い姿ではなく弱弱しい表情で大樹は語った。

ゼントラーディ人であるラウラは内心楽しみであり・・・
大樹の言う新兵のように怖くなった発言に驚く・・・・・
一体何故・・・新兵のように怖いのか・・・・

もっともな話大樹は卒業後、マーズウォーズ事件を始め
数多くの戦線で戦い抜いてきたエースパイロットである・・・・
向かう所敵なしであり、ラウラもいつかタイマンで勝負してみたいと思っていた
その大樹が新兵のように震えているとは・・・・

ラウラはいろいろ察しながら大樹は語り始めた。

吉野大樹「士官学校で軍人として厳しい指導を先輩方や教官らに教わり・・・卒業し今に至るが・・・・初陣と明日の戦闘程、恐怖と思った事はない・・・・」

ラウラ「初陣は分かります、でも・・・・なぜ明日は・・・・・」

吉野大樹「赤い稲妻であるミリア・ファリーナ・ジーナス中尉だからこそだ・・・・分かっているとは言え、勝てる自信はない・・・・」

ラウラ「それは・・・・・」

ミリアに勝てる自信がない大樹が語った言葉だった・・・・・

いつもの大樹だったら軍人として凛とした態度で挑むかと思ったが・・・
今の大樹にはその欠片一つすらない・・・・・・
言ってしまえば、ラウラが忌み嫌う負け犬そのものだった。

大樹はその後も、弱音を吐き続けたがラウラからしたら段々と腹が立ってきた
ラウラ自身、強い相手だろうと挑んできた・・・・・
先の大戦で言えば圧倒的に勝てないボドル基幹艦隊に挑んで生き延びてきた・・・
それなのに大樹は死にもしない演習ごときで怯えるのがウザい・・・

ラウラ「やはり日本人は平和に溺れた犬なのか・・・・」

吉野大樹「なんだと!!上官に向かって・・・・」

ラウラ「勝てない相手だからってそう簡単に諦める平和に溺れた負け犬と言って何が悪い!!」

吉野大樹「言ったな一端教官仕草だな。」

腹が立ったラウラは大樹に日本人は平和に溺れた犬だと罵声を浴びせた。
上官に罵声を浴びせたラウラに当然のように大樹は激怒した。

普通であれば上官侮辱罪としてラウラは警務官に連行されてしまう・・
それでもラウラは情けない姿を晒す大樹に更に罵声を浴びせる・・・・
警務官に見つかったら確実に懲戒処分になってしまう・・・

そんな時・・・・・

ミリア「へぇラウラ・・・・上官に一端の言葉を浴びせるのね・・・・ベルタリア准尉・・・・二度とするな」

ラウラ「ミリ・・・・ジーナス中尉・・・・」

ミリア「吉野大尉も言われっぱなしね、ここは上官侮辱罪で警務隊に通報すればいいのに・・・・」

吉野大樹「・・・・・」

ミリア「まぁ部下にここまで言われたら不問にすべきね、大尉殿。」

吉野大樹「す・・・すいません」

偶然、ダンシング・スカル制服を着たミリアが通りかかった。

ミリアはラウラと大樹両方を叱った。
まず最初にラウラは上官に対して侮辱罵声を浴びせた事を叱り・・・・
大樹には部下にここまで言われるのは流石に上官としての威厳に関わる事を叱った

ラウラと大樹は冷静になり、自身の今している行為を反省した。
軍人としてではなく人としてどうかしていたと・・・・・

二人の反省を見たミリアはラウラに近づいた。

ミリア「どうせ浴びせるなら新人の軍人にしなさい。」

ラウラ「はぁ?」

ミリア「将来的、軍の訓練教官になって見たらどう?」

ラウラ「訓練教官ですか?」

ミリア「さっきの罵声、新人の甘え軍人に理不尽に耐える能力を教えられそうだわ。」

ラウラに近づいたミリアは軍の訓練教官にならないかと言ってきた。

軍の訓練教官は新人軍人の育成を務める軍人であり
ラウラは機種転換センター時代に民間人から軍人を育てる教官職があるのを知った。
戦闘知識もない民間人を軍人として育てるのは魅力的であり・・・・・
今後の将来なろうかなと考えていた。

そんなラウラの考えをミリアは見抜いており・・・・
さっきのラウラの言動を見て軍教官として推そうと考えた。

ミリア「吉野大尉。ラウラが言う言葉の意味を考えなさい。」

吉野大樹「えっ・・・・」

ミリア「ラウラはね私と同じく絶望的なボドル基幹艦隊決戦を生き抜いた戦士なの、勝てにくい相手だろうとあの娘は戦ったわ。貴方も自信持ちなさい。パイロットでしょ」

吉野大樹「ハッ」

ミリア「ふっ・・・・バカね、貴方は上官でしょ。」

吉野大樹「す・・・すいません。」

大樹の方には戦士としての心がけを授けた。

ラウラが激怒し罵声を浴びせたのは地獄のボドル基幹艦隊決戦を生き延びたからであり
少なくない戦友を失いかつての同胞を殺す決断を下し決戦から生還した。
普通なら誰もが勝てるとは思えない戦場を戦い抜くのは普通じゃない。

あの戦場で戦い抜いた者・・皆・・・自分が何者で何であるかを貫いた

同じ戦場でラウラと共に生き抜いてきたから分かる・・・
ミリアはそう考えていた。

ミリア「二人とも仲直りしなさい、いざって言う時後ろにいる国民の皆さまが困るでしょ。」

「「はい」」

ミリア「後・・・・・大事なパートナーが戦友だと連携強くなるから仲良くなって相棒と言える関係になりなさい。」

「「え・・・・」」

ミリア「ふふふふ・・・・以上よ」

官舎に戻ろうとするミリアはラウラと大樹に仲直りする事と・・・
相棒と言えるような関係になるように言った。

ミリアは第一次星間大戦で敵でありライバルであり戦友であり・・・・
そして大事な家族となったマクシミリアン・ジーナスと結婚し・・・・
結婚してから強力な連携を構築し更に戦果をあげるようになった。

もっともラウラそして大樹・・・上手くいけばいい相棒関係になれるかも

と・・・・・ミリアはそう期待していた

だが・・・・・・・

ラウラ「・・・・」

吉野大樹「・・・・・・」

ラウラ「と・・・とりあえず戻ろうか・・・・吉野君」

吉野大樹「そうだね・・・・・ベルタリアさん。」

ミリアの最後に言った言葉はラウラと大樹は変な風に受け取ってしまった。

男女の仲を深めて戦場を生き抜けば最強の連携を作れ・・・・
先の大戦で実績を作ったミリアなら言い出しかねない・・・・

ラウラと大樹は顔を赤くしながら官舎に向かう・・・・

吉野大樹「ラウラ・・・・一ついいか?」

ラウラ「何?恋人とやらになるの?」

吉野大樹「ちげぇよ・・・・・俺が可変戦闘機パイロットになった理由聞いてくれないか?」

ラウラ「大樹が可変戦闘機パイロットになった理由?」

官舎へ向かう道中・・・・
ラウラは大樹から可変戦闘機パイロットになった理由を聞いてくれないかと言われた。

大樹が可変戦闘機パイロットになった理由・・・・・・・
いきなりなんだと言う感想がラウラから出た・・・・
むしろさっきのムードが台無しになってしまったと考えた。

ラウラ「やめとくわ・・・・・」

吉野大樹「なっ・・・・・」

ラウラ「聞かなくても、戦いの最中で分かるかも知れないんで!」

吉野大樹「はぁなんだよそれ!?」

ラウラ「怖い大樹の方が大樹らしいし」

吉野大樹「馬鹿にしてんのかテメェ」

正直大樹の可変戦闘機パイロットになった理由は今聞く必要がなかったので
じと目でラウラは拒否した。

今聞かなくてもいずれは分かる事だし、大樹の事を慌てて知る必要はない。
もっとも大樹は鬼のような軍人の姿が相応しく、弱々しい姿は似合わない。
ミリアの言うような関係になるのであれば、自身は鬼の相棒として相応しい存在になりたい
ラウラはそう考えていた。

それから二人は官舎に到着し分かれ、部屋に戻り就寝した。

お互いミリアの言う事について考えながら明日の演習に備えた。
もっともテスト機の模擬敵としてではなく、一人の軍人として・・・

そして・・・・・日付は演習当日
西暦2021年3月26日を迎えた・・・・・
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第38話 ミリアと再会

2016-11-03 21:18:51 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月25日、惑星エデン ニューエドワーズ基地】

アンサーズ中隊とサポート班を乗せたスター・グースは・・・・
行政区ニューランカスターにあるニューエドワーズ基地の滑走路に着陸をした。

辺り一面は乾燥地帯が故か何もなく・・・・
特に面白味のあるような所ではない・・・・・
唯一の楽しみは竜鳥を眺める事ぐらいと・・・

エーベルト「ようこそ、ニューエドワーズ基地へ。」
新統合宇宙軍エーベルト・ショルツ大佐

桐原少佐「こちらこそ、ショルツ大佐殿」

エーベルト「変人エースの少佐と出会えるとは光栄です。」

桐原少佐「変人エースは余計なんだけどな。」

隊員一同整列し終え、ニューエドワーズ基地の面々と対面し・・・
茂人は隊員の一歩前に出ると基地司令官のショルツ大佐と握手をした。

ショルツ大佐は茂人がVFー1好きで機種転換しなかった変人と知っており
その事を振れ茂人を困惑させるなどのハプニングが起きたが・・・・
最初の馴れ合いは問題なく進んだ。

ラウラからしたら面白くなくつまんなそうにしており・・・・
馴れ合いの最中は眠そうであり、ぼんやりしていた。

ミリア「久しぶりね桐原少佐、いつぶりだったかしら?」

桐原少佐「確か数年前の来店ですかね?」

ミリア「スーパー銭湯ね、あの時は中々いい湯だったわよ。デワントンや子供達は元気?」

桐原少佐「元気すぎて困ってるくらいです。」

続いてはテストパイロットであるミリアとの挨拶を行った。

SDFー1マクロス関係で旧知の間柄であった二人は世間話から始まり
ミリアは茂人の妻であるデワントンや二人の子供達の事を聞くなど・・・・
軍人らしからぬ会話が続いた。

夫でダンシング・スカル隊長のマックスは不在でおらず・・・
昔話で花を咲かそうと思っていた茂人は残念がった。

ミリア「あら?あっちにいるのは・・・・メサーラかしら?」

桐原少佐「メサーラ?」

ミリア「私の部下・・・・って冗談よ、あれはラウラでしょ?」

桐原少佐「・・・・・そのラウラですね、うちに入った新米で・・・・」

会話が進む中、ミリアは眠そうでうとうとしているラウラを見つけた。

最初はラウラの同位体であり、部下であったメサーラと言うボケをかまし
茂人にうとうとと眠そうにしているラウラが本人かどうかを確認した。

確認しラウラ本人だと確認したミリアは・・・・・

ラウラ「痛!!何をするん・・・・あっ」

ミリア「起きろ!キヨラの所のバカ娘!」

眠そうにしているラウラに平手打ちをかました。

この出来事はアンサーズ隊員一同やカゴメ達を驚かせたが・・・
一番驚いたのが、ラウラ本人であった。

いきなり凄い痛みがしたらゼントラーディ軍時代目の敵にし
嫉妬の対象だったミリアがおり、最初は頭が混乱し分けが分からなかったが
混乱から回復するとラウラはミリアに睨み付けた。

ラウラ「あっ!お前はミリア、なんでここに!?」

ミリア「私は新型機のテストパイロットとしてここにいるのよ、風の噂でバルキリーのパイロットになったと聞いたけどまさか私の所に来るなんてね。」

ラウラ「それはそっちのセリフよ!エースのミリアと浮かれたおばさんは!」

ミリア「なっ誰がおばさんですって!歳も変わらないのに、その言葉どこで覚えたのよ!」

平手打ちで起こされたラウラは声を荒くしながらミリアがここにいるのかと問い詰めた。

まさか最初の任務地にミリアがいるとは思ってもおらず ・・・・
それどころか新型機のテストパイロットをやってるなんて・・・・
ラウラは目の前で起きている事が現実であるとは思ってもいなかった。

しかし

これは現実であり・・・・
ミリアは新型機のテストパイロットをしている。

それに・・・・

ミリア「ラウラ・・・・・私はゼントラーディ軍同様貴女の上官よ、私は中尉で貴女の階級は何?」

ラウラ「准尉です・・・・・」

ミリア「そう私より階級が下、地球人の一員になったから上下関係はきっちりしなさい。モーアは私と同階級だから呼び捨てでいいけど、貴女は部下・・・・上官に対する態度じゃないわ!」

ゼントラーディ軍時代と変わらず上下関係はミリアが上である。
あの頃と違った事はゼントラーディ軍時代同様感情的に突っかかる事が出来ない事。

今のラウラは理性のある新統合軍の軍人であり・・・
地球人社会の一員に組み込まれているため、あの頃と同じような真似はできず・・
上官であるミリアに平伏するしかない・・・・・

正直目の敵にしていたミリアに平伏したくはないが・・・

桐原少佐「ベルタリア准尉、軍人なら上官には最低限の敬意は必要だぞ。」

ラウラ「す・・・・・すいません、以後気を付けます。」

ミリア「あら?素直・・・・」

桐原少佐「彼女は根は真面目なので・・・はい」

ミリア「へぇ以外、人の事言えた事じゃないけど変わるもんね。」

基本的に上官の命令は絶対であるので素直に従うしかない。

ラウラの性格は元々そうであり、ゼントラーディ軍人としての精神
そして地球軍人としての精神が叩き込まれており基本的に礼儀正しい。
ゼントラーディ軍時代はキヨラやラプラミズなどに対しては礼儀正しく接していた。

無論、目の敵にしていたミリアからしたら知るはずもなく・・・
礼儀正しい振る舞いをするラウラを見て変わったと感じた。

その後、基地の面々との会話が続いたが・・・・
ミリアがにやっとしてこんな事を言った

ミリア「まぁいいわ、これが終わったら皆様に見せたい物があるわ。」

桐原少佐「見せたい物ですか?」

ミリア「今回の計画の目玉をお見せしますわ」

今回の計画の目玉であるVFーXー10を見せると・・・・

ラウラ達はVFーXー10がどんな物なのか知りたがっていたのか
それを聞いて待っていましたと言わんばかりの表情を浮かべた。

ゼネラル・ギャラクシー社が開発した最新鋭機の可変試作機であり・・・
現在正式採用が有力となっている唯一の機体。
軍事機密の面でメディアの露出がない・・・・
それが見られると言うのは僥倖だ・・・・・

一同は期待に胸を膨らませている中でミリアはショルツ大佐の承諾を得て・・・
VFーXー10が格納されている格納庫へ向かった。

【ニューエドワーズ基地格納庫】

ニューエドワーズ基地内にある格納庫・・・・
格納庫周辺には多数の警備兵や警備車両が展開しており・・・
まさに最高機密の最新鋭機があると言う雰囲気が出ていた。

ラウラは重苦しい雰囲気に圧倒され武者震いなのか・・・
かなり体が震えていた。

カゴメ「ラウラ・・・・体震えているけど大丈夫?」

ラウラ「え・・・・・いや・・・・なんともないよ、大丈夫・・・・・・あはははは」

カゴメ「・・・・・・そう(大丈夫そうに見えないんだけどな)」

武者震いで震えるラウラを見たカゴメは心配したが・・・・
ラウラ本人は体調が悪いわけではないので大丈夫と返答したが・・・
どう見ても大丈夫そうに見えない・・・・

それもそのはず重苦しい雰囲気に圧倒され武者震いしてしまった結果
かなりパニックになり脳がまともに機能していなかった。

それを見たミリアは武者震いしているラウラに近づいた。

ミリア「ラウラ・・・・そんなに緊張しなくてもいいのよ、ただの最新鋭機だから」

ラウラ「ただって・・・・ジーナス中尉はよく言えますね。」

ミリア「機体を信頼できるから言える事よ、ラウラはまだまだ未熟だからまだ早いかしらね」

ラウラ「むっ」

武者震いしているラウラにミリアはただの最新鋭機と言った。

突然のミリアの言葉にラウラは驚きつつ苦言を言ったものの・・・
まだまだ未熟だから機体を信頼できてないと言われてしまった。

当然の事ながらラウラはむっとしたが・・・・
よくよく考えて見れば可変戦闘機パイロットとしての人生は浅く・・・・
自身の愛機であるVFー1Pフレイヤバルキリーとの関係も浅いし・・・・
愛機に対しそこまでの愛情がない。

その事もあってか・・・ミリアの言葉に反論できなかった。

格納庫内に入ると警備兵とゼネラル・ギャラクシーの社員を引き連れた男が近づいてきた

ラウラやロザなどのゼントラーディ人隊員達は・・・・・
近づいてきた男が一目見ただけで同胞だと分かった。

その男はVFーXー10の開発者であるゼントラーディ人技師のアルガス。

アルガスはアンサーズの隊員がゼントラーディ人複数人いると聞いて・・・
わくわくしながら出向いてきたのだ。

アルガス「やぁ私はゼネラル・ギャラクシーの技師のアルガス・セルザーです。」

桐原少佐「新統合宇宙軍SVFー64アンサーズの桐原茂人予備役少佐です。」

アルガス「第一次星間大戦から戦後にかけての少佐の噂は伺っております。私の作品は嫌いですか?」

桐原少佐「嫌いではないですけども私はVFー1バルキリーに愛情が強いだけで・・・・」

アルガス「なるほど!」

まず最初は茂人とアルガスの挨拶から始まった。

アルガスは茂人に自身の作品が嫌いですかと質問すると・・・・
茂人は嫌いではないしVFー1に対する愛情が強いだけど答えた。

返答を聞いたアルガスは茂人はVFー1に対する信頼が強いと捉え満足そうな笑みを浮かべた。

ラウラ「なるほどね・・・・・・」

吉野大樹「何がなるほどね・・・・なんだラウラ?」

ラウラ「えっ・・・・なんでもない」

吉野大樹「?そうか?」

二人のやり取りを見てラウラは気がついた。

機体に対する信頼・・・・・
それは激しい戦場を共に生き抜いた戦友である事・・・
愛機は兵器であるが、人間同様戦地で無くてはならない存在である。

それがあるからこそあの絶望的な先の大戦を生き延びたんだ・・・

と・・・・ラウラは心の中で変な感想を抱いていた・・・・
もっとも先の大戦における地球統合側の辛勝の要因とは違うが・・・・

ロザ「なんか不思議な機影ね・・・・・なんか私達がゼントラーディ軍時代に乗っていた機体達に似た雰囲気がある・・・・」

アルガス「うむそれもそのはず、私が設計開発した機体であるからね。」

神楽少尉「そう言えばさっき言ってましたね。」

アルガス「まぁ同じゼントランの同胞が親しみやすく乗りやすいように私なりにゼントランの技術を積極的に取り入れたからね。」

VFーX-10改を見ていたロザはゼントラーディ軍の機体に似た雰囲気があると指摘すると
アルガスはゼントラーディの技術を積極的に採用したと言った。

まだまだ可変戦闘機に慣れていないゼントラーディ人が多く・・・
不満の声を上げる者が結構おり、ゼントラーディ人でも扱いやすい機体が要望されていた

そんな要望を取り入れるべく・・・
同じゼントラーディ人でありエースであるミリアをテストパイロットとして招集し・・・
ゼントラーディで使えそうな技術を集め集約し導入した。

ミリア「最高な機体よ、これぞゼントラーディのバルキリーね」

VFーXー10の性能はミリアがこれぞゼントラーディのバルキリーと絶賛する程で・・
実際のゼントラーディ人

更に言えば機体の小型化させる為に各パーツの配置はかなり独特になっており
複雑に折り畳まれ折り紙のように胸部装甲を構成するのが特徴である事から
オリガミファイターとアルガス達は呼んでいた。

そうした事からミリアによるテストが順調に進んでいたが・・・・
まだ実戦的な試験が行われていない

今回ラウラ達が呼ばれた目的は・・・・

ミリア「今までは私が操縦テストしていたけど、まだ演習テストは行われていないわ」

桐原少佐「そのために我々を呼んだと?」

ミリア「そうよ、桐原少佐が優秀なパイロットを集めた教導隊機能を持つ飛行隊を編成したと聞いて私のいい相手役になってもらうと考えたわ・・・・それに・・・」

桐原少佐「それに?」

ミリア「ん・・・・なんでもないわ、明日から模擬戦に入るからよろしくね。」

VFーXー10の実戦的な演習が行われていない事・・・・・

とは言え基地飛行隊がミリア相手に模擬戦を行っているのだが・・・・
毎回ミリアが完勝する結果になっており、満足のいく結果が出ていない。

ミリア本人も満足してはおらず・・・
もう少し腕の立つ部隊でなければ意味がないと上層部に対し訴えており・・・
訴えた結果、白川提督が名乗りをあげアンサーズ中隊を派遣する事が決定した。

しばらく茂人とミリアらとの会話が続いた後整列して敬礼し解散となった。

解散になりラウラは隊員らと共に指定された官舎の方へ向かおうとすると・・
後ろから近づいてきたミリアに呼び止められた。

ラウラ「何?」

ミリア「ラウラ・・・・明日の演習楽しみね・・・演習なら本気であの頃の鬱憤晴らせるわよ。」

ラウラ「えっ・・・・・!?」

ミリア「私のことを目の敵にしていたでしょ、明日思う存分私と戦えるわよ。」

ラウラ「何が言いたいミリア・・・ミリア1級空士長・・・・・」

ミリア「それ以上は秘密よ、まぁ明日になれば分かるわ。私もラウラ3級空士長と戦える事が楽しみだわ。」

明日の演習、ゼントラーディ軍時代の鬱憤を晴らせる・・・・・
ラウラを呼び止めたミリアが言った言葉だった・・・・

ゼントラーディ軍時代にミリアを目の敵にしていたラウラからしたら衝撃的な言葉であり
心の中で何か熱くなるのを感じた・・・・・
願ってもない好機であると言う事・・・・・・

もっと聞きたい事があるがミリアは明日になれば分かると言った・・・・・

明日になれ分かる・・・・・・・
一体どんな意味が・・・・妙に突っかかる言葉にラウラは困惑した・・・
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第37話 交流

2016-11-02 22:42:25 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
目の前でアリサの回避がしにくい攻撃を回避したエリントシーカー。

その姿を目撃したラウラは長年の勘から・・・・
エリントシーカーのパイロットがエースだと認識した。

更に言ってしまえば・・・・・

最初から早期警戒任務や偵察任務に就いていたパイロットではなく・・・
様々な戦闘機パイロットとしての任務に従事した歴戦の猛者であり・・・・
本来早期警戒機のパイロットとしてやってて勿体無い人物だと・・・

ラウラ「見惚れてる場合じゃなかった!早く助けないと・・・・」

エリントシーカーのエースが見せる回避術に見惚れていたラウラは・・・・
本来の任務に復帰し、援護のためアリサ機への迎撃に入った。

今見事な動きを見せているエリントシーカーは護衛対象であり・・・
撃墜されてはいけない、最重要防衛目標である・・・・・
守らねばこの場にいる意味が無くなってしまう・・・・

そう思ったラウラはアリサの背後に素早く飛び込み・・・・
バトロイドに変形し照準を捉えガンポッドによる銃撃を開始した。

アリサ「くっ新人のゼントラーディのエース様の到着かよ!防衛目標は素早いし・・・ここで終わり・・・やめだやめだ!」

ラウラが放ったペイント弾の銃弾はアリサの機の後方に命中。
慌てて回避しようとしたが、一瞬にして撃墜に追い込まれてしまった。

撃墜に追い込まれたアリサはヤケになり、ヘルメットを投げ捨てた。

本多義輝「潮時か・・・・・」

ハウンド小隊の半分を失った事を確認した義輝は発光信号を出し・・・・
戦闘停止命令を出した。

これに伴い今回の模擬戦は終了となった。

本多義輝「部隊の半数を損失、俺らの負けとなったねぇ。」

吉野大樹「もう少し続けて見ては?」

本多義輝「いやいや半分もやられたんじゃこのまま作戦続行は無理でしょ。撤退する判定を出すかなぁ俺は・・・」

ハウンド小隊はエラとアリサに損失判定が出し、クリスが損傷により・・・
作戦続行は不可能となり、撤退したと言う事を義輝は判断した。

対して大樹率いるハンター小隊は損失損傷機無しと・・・・
防衛目標の護衛成功により勝利判定が出たが・・・・
呆気なく終わりすぎて一同は唖然とした。

ラウラ「・・・・・・」

吉野大樹「どうしたラウラ?」

ラウラ「あのエリントシーカーのパイロット誰ですか?」

吉野大樹「誰って?」

ラウラ「早期警戒機のパイロットとにしては腕が良すぎます。まるで可変戦闘機のエースパイロットのような腕前だよ。」

エリントシーカーの動きを見たラウラは大樹にパイロットは誰かと質問した。

早期警戒機のパイロットにしては腕が良すぎるどころか・・・
可変戦闘機のエースパイロットのように見える腕前・・・・
一体何者なのか?ラウラは気になって仕方がなかった。

ラウラの疑問に大樹は呆れ顔をしながらパイロットの名前を言った。

吉野大樹「カール・インメルマン中尉だ!元可変戦闘機のエースパイロットのな。」

ラウラ「やっぱり・・・・」

吉野大樹「早期警戒機部隊には優れたパイロットはいないと言う理由でやってるそうだ。」

ラウラ「変わってますね・・・・」

カール・インメルマン・・・
第一次星間大戦後第一期の元可変戦闘機エースパイロットであり・・・
月面アポロ基地に所属し、星村和也.葛西信之と並ぶアポロ三羽カラスの一人である

早期警戒機のパイロットにエースとしての技能を持つパイロットがいない為か・・・
自ら早期警戒機部隊に転属する事を志願し今に至っている。

吉野大樹「一応、俺が訓練生の時にレクチャーしたのもインメルマン中尉なんだ。」

ラウラ「へぇ」

神楽少尉「結構もったいないと当時は言われてたな。」

吉野大樹「あぁ・・・・だが、個人の意思だから仕方がないけど」

早期警戒機のパイロットになった当時・・・・・
多くの可変戦闘機パイロットがカールの才能を惜しんだ。

アポロ三羽カラスの一人であり・・・・
優れた技能を持つ異才のエースであったため・・・・
可変戦闘機パイロットを辞め・・・・
早期警戒機のパイロットになった事をもったいないと考えた人は少なくなかった。

その後

ラウラ達は空母アルタミラに帰還し収容作業に入った。
収容作業を終えると艦隊は最初の任務地であるグロームブリッジ星系惑星エデンに進路をとり
フォールドする目的の宙域に向かった。

カール「さっきは世話になったな吉野いや大尉殿」
新統合軍カール・インメルマン中尉

吉野大樹「昔のまま吉野でいいですよ、中尉。こちらは新人のラウラ・ベルタリア准尉。」

ラウラ「ラウラ・ベルタリア准尉です。よろしくお願いします。」

カール「ゼントラーディ人の女の子ねぇ、和也の嫁思い出すわ。カール・インメルマンだ!よろしくな准尉。後隣にいるのは・・・・」

ゼノビア「後座要員のゼノビア・ケーンです、よろしくお願いします准尉殿」

収容作業を終え帰還したラウラ達は・・・・
更衣室で制服に着替えるとアルタミラに所属するパイロット達との交流会をしていた。

交流会とは言えちょっとしたパーティであり・・・・・
会場の部屋にはアルタミラ調理班が作った軽食と飲み物が置かれており・・・・
参加者は飲み食いしていた。

ラウラは大樹と共にカールとゼノビアに挨拶をしていた。

凄腕早期警戒機パイロットであるカールは・・・
特にエースらしいエースには見えない程の好青年と言う印象があった。
人を殺す事が本当に出来るのかと疑うかのように・・・・

実物を見たラウラは複雑な心境になりながらカールらと会話し続けた。

カール「まぁ俺らが自らの目で先に敵を見つけるから大船に乗った気でいろよな!」

吉野大樹「はい、頼りにさせてもらいます。」

ラウラ「インメルマン中尉の前ではかなりペコぺコしてるのね?」

吉野大樹「おっほん、恩師だからな。当たり前だ!」

いつも厳しめの大樹だがカールの前では物凄くペコペコしている・・・・
ラウラは普段の大樹とカールの前での大樹のギャップに面白いと感じ・・
大樹に冷やかしをいい、顔を赤くさせた。

もっともカールもフレンドリーで話しやすくてとても印象が良い・・・・
とラウラは思った。

【西暦2021年3月25日、グロームブリッジ星系】

ラウラが機種転換センターを卒業しアンサーズ中隊に配属されてから5日経った。

アルタミラを旗艦とする艦隊はフォールドの成功を果たし・・・
目的地のグロームブリッジ星系のデフォールドを完了させていた。

デフォールド完了後しばらくして前方から艦隊が近づいてきた。

相沢美弥「艦長、エデン防衛軍艦隊が接近してきました。」

ジェイル「キメリコラ=レア工廠を改修した宇宙基地から来たな・・・・大層な事で」

相沢美弥「エデン軍第8戦隊旗艦オーベルト級ダブリンより入電、我に続けだそうです。」

ジェイル「分かった。ダブリンに返信、歓迎感謝し我追随すと。」

エデン軍の駆逐艦ダブリンから通信が入ったアルタミラは・・・
直ぐ様返信し感謝の意と追随すると伝えた。

通信を終えるとエデン軍艦隊は反転しエデン軍宇宙基地への航路をとり
アルタミラもエデン軍艦隊に追随したが・・・・・
この時、ジェイルは違和感を覚えた。

ジェイル「ん?ダブリンに伝えろ、この航路は基地に向かってないと」

艦隊の航路が宇宙軍基地に向かっていない事・・・

普通であれば宇宙軍基地に誘導するのだが向かっているのは惑星エデン・・・
ジェイルは補給せず直接任務地に向かうのではないかと察した。

そう考えているとそれを裏付ける報告がカゴメから入った。

カゴメ「それに関して今、連絡が入りました。基地には寄らずそのまま惑星エデンに衛星軌道上に展開しアンサーズ中隊とサポートスタッフをニューエドワーズ基地に向け降下せよと・・・・」

ジェイル「やはりな・・・・・」

カゴメ「はい、エデン軍司令部の直々の命令とニューエドワーズ基地にいるゼネラル・ギャラクシーの・・・・」

ジェイル「皆まで言わなくていい、とりあえず君もスタッフだから降りる準備しろ!」

カゴメ「ハッ」

アルタミラは惑星エデンの衛星軌道上に移動し・・・・
アンサーズ中隊とサポートスタッフをニューエドワーズ基地に向け降下せよ・・・
と言う命令が先導艦ダブリンを通じ伝えられた。

やはりかとジェイルは考えるとカゴメらにシャトルに搭乗し・・・・
大気圏降下するように命じた。

それから数十分後

桐原少佐「いきなり降下とはな。」

吉野大樹「とは言え予定より早まっただけですが・・・・」

桐原少佐「確かにな・・・・・せめて宇宙基地で補給はしたかったなぁ。」

茂人と大樹は隊員と共に惑星エデンに対する降下準備に入ってる中・・・
エデン軍宇宙基地で補給出来ず直接降下に不満を述べていた。

月面から5日経過しある程度の疲労が貯まっており
宇宙基地で1日でもいいから休息を取ってから・・・・
大気圏降下してニューエドワーズ基地に向かいたかった。

そうした不満があったが命令は絶対なので渋々従う事にした。
なんせ地球の参謀本部からお偉いさんが来ている話らしいし・・・・・

ラウラ「大気圏内か・・・・・」

神楽少尉「ん?大気圏内は初めてか?」

ラウラ「初めても何も宇宙しかいた事ないし・・・・・」

吉野大樹「海兵隊だったな、これを機会に体験しておくがいいさ。」

ラウラ「はい」

今回の惑星エデンに対する大気圏降下はラウラが経験する初の大気圏突入だった。

まだマイクローン化して数ヵ月のラウラは惑星に降り立った事がなく・・・・
月の重力しかしらないヒヨッコだった。

それが故に大気圏降下に不安を抱えていた。

吉野大樹「と言うかゼントラーディ人も怖い物あるんだな?」

ラウラ「それはどう言う事で?」

吉野大樹「いや、ゼントラーディ人は怖い物がないイメージがあったからさそれだけさ。」

ラウラ「こ・・・怖い物なんて、普通にあるわよ。」

そんなラウラの様子を見て大樹は不思議な表情をしながら・・・
ゼントラーディ人に怖い物があるんだなと発言した。

ラウラは大樹の発言に驚いていた・・・・・・
ーゼントラーディ人にどんなイメージが今まであったのか?
ーそこまで変だったのか?
・・・・・と

吉野大樹「まぁ悪くは思わんでくれ、なんか可愛い所があるんだなって・・・・」

ラウラ「私が普通の女じゃないと言う意味ですか?」

吉野大樹「うっ・・・・・・」

神楽少尉「鬼の吉野もメルトラン相手にはダメですかい?」

吉野大樹「うるせぇな、早く搭乗しろ!!すぐ大気圏降下だ!」

ラウラに対し変な不信感を払拭しようとした大樹だが・・・・
反って地雷を踏んでしまった。

今のラウラは地球人として生きるようになってから半年未満であり・・・
純粋地球人女性とメルトランとの差に結構敏感になっており・・・・
大樹からの発言は余計むっとさせる結果になった。

顔を赤くした大樹は搭乗するように命令すると・・・・
そのまま愛機に乗り込み、出撃態勢に入った。

【同時刻.ニューエドワーズ基地】

惑星エデン乾燥地帯にあるニューエドワーズ基地の滑走路に一機の機体が着陸した。

機体名はVFーXー10・・・
テストパイロットはダンシング・スカルから出向しているミリアである。

ミリアはVFーXー10から降り立つと空を見上げた・・・・

ミリア「何か中隊規模の編隊が降下してきているわね?」

「中尉殿知らないのですか?仮想敵役ですよ。」

ミリア「仮想敵?あぁ例の?」

空を見上げたミリアは・・・・
近くにいた士官の発言からアンサーズ中隊が降下してくる事を知った。

ようやくテスト機の実戦に近い訓練ができるのかと・・・・
ミリアは心の中でガッツポーズを決め・・・
来るアンサーズとの模擬戦を楽しみにしていた。

とは言え・・・・必ず勝つのは自分・・・
余裕で相手にできるとミリアは確信し少しにやけた。

だが・・

余裕そうな態度を浮かべるミリアはこの後
想像を越える戦いを経験する事をこの時知らなかった。
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第36話 ハンター小隊VSハウンド小隊

2016-10-31 22:31:56 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月20日、アームド級空母アルタミラ】

月面クラビウス基地防宙圏を離脱し・・・・
オーベルト級改宇宙駆逐艦セレウコスとベルグラーノに護衛され・・・
惑星エデンに向かっている空母アルタミラは2個小隊の発艦準備に入っていた。

目的は茂人発案の模擬戦であり・・・・・
ラウラの歓迎パーティーとして実施しようとしていた。

ジェイル「卒業し配属して早々演習か・・・・・早くないか?」

桐原少佐「早くありませんよ、むしろご褒美で・・・・」

ジェイル「ご褒美ねぇ。」

アルタミラの艦長のジェイルは葉巻を咥えながら・・・・・
ラウラが卒業と配属して早々模擬戦について疑念を抱いていた。

茂人はラウラが配属したら歓迎パーティーすると聞いていたが・・・・
まさか模擬戦すると思ってもいなかった・・・・・
卒業し配属して早々、模擬戦とは早すぎる・・・・・・

ジェイルは茂人に模擬戦について問いかけると・・・
反って来た答えはご褒美だと・・・・

何がご褒美だ・・・・・・

相沢美弥「ハウンド小隊、逐次発艦。ハンター小隊はハウンド小隊全機発艦から10分後に発艦してください。」

吉野大樹『ハンターリーダー了解!』

本多義輝『ハウンドリーダー了解!』

大樹率いるハンター小隊は・・・・・・・・
義輝率いるハウンド小隊が発進して10分後に出撃を予定していた。

スーパーパックを装着したハウンド小隊全機発艦する中・・・・
ハンター小隊のVFー1Pフレイヤバルキリーにスーパーパックが装着され・・・
ハウンド小隊が出撃を終え10分後に1番機の大樹と2番機の神楽が・・・・
アルタミラのエレベーターでカタパルトまで上昇し発艦体制に入った。

吉野大樹『ハンターリーダー、出る!』

神楽少尉『ハンターツー出るぞ!』

大樹と神楽は同時に発艦した。

二人が発艦した後、ラウラもエレベーターでカタパルトで発艦準備に入っていたが
ラウラの隣にレドームがついたVFー1も発艦しようとしていた。

自分達以外にも模擬戦に参加する人がいるのか?ラウラはそう考えていると・・・

カゴメ『発艦どうぞ!』

ラウラ「ハンター3、行きます!」

考える暇もなく、大樹達に追いつくべく発艦した。

レドームのついたVFー1もラウラの後ろをついていく形で発艦・・・・
大樹達と合流目指している最中、後方のレドーム機について考えた。

あのレドーム機はEWACを搭載した可変早期警戒管制機で・・・
VFー1Gやファニーチャイニーズの発展型かつ・・・・
早期警戒機キャッツアイの後継機のVEー1エリントシーカー。

ラウラ「今回の任務は護衛の任務なのかな・・・・電子戦機でもあるしいや早期警戒任務か」

今回エリントシーカーが投入されたのは早期警戒任務であり・・・

ハウンド小隊が敵役として襲撃してくるので・・・・
早期警戒任務に従事するエリントシーカーを防衛しつつ・・・
襲撃してきたハウンド小隊の殲滅または撃退するのが今回の模擬戦の任務・・・・

ラウラは今回の任務内容を考察しながら大樹と合流した。

その直後・・・・・

吉野大樹『よし揃ったな!今回の任務は早期警戒パトロール機の護衛である。今回の任務を妨害する反統合軍の敵可変戦闘機から早期警戒機を防衛し、敵の撃退または殲滅し艦隊へ帰還するのが任務である!』

神楽少尉「了解!」

ラウラ「了解いたしました!(やはり私の想像した通りなのか・・・・)」

大樹から今回の模擬戦の内容が早期警戒機パトロール護衛任務と伝えられた。

予測していた通り今回の模擬戦の内容は護衛任務・・・・・・
ハウンド小隊は敵可変戦闘機部隊として戦う相手・・・・
単に小隊同士で戦うのではなく、護衛対象を抱えて・・・・

ーいや、今後実任務で似たような事例がある・・・・覚えなきゃ・・・・

ラウラは心して模擬戦をやり遂げようと思った。

一方、大樹と神楽はハウンド小隊との模擬戦は初めてであり・・
これを機会に実力を知ろうと意気込んでいた。

ゼノビア「エリア1から2機接近!」
観測員.ゼノビア・ケーン伍長

カゴメ『ハンター小隊、ドック1を防衛せよ!オールウェポンズフリー』

吉野大樹「ハンターリーダー了解!全機、敵機を迎撃しろ!」

『了解!!』

エリントシーカーのレーダーに敵2機の反応が映った。

報告を受けたカゴメはハンター小隊に武器使用を許可。
ハンター小隊は大樹を先頭にエリントシーカーを周囲を囲んだ。

ただハウンド小隊の半数の行方が不明なので・・・・・
何か策を講じた

エラ「さて、新人はどう動くかな?」

クリス「新人?例のゼントランですか?」
新統合軍.クリス・マクドナルド准尉

エラ「そうよ、話じゃラプラミズ艦隊の元エースであり直近では海兵隊員やってたそうで・・・・」

接敵を目指すエラはラウラの動きに注目していた。

ラウラはゼントラーディ軍時代はラプラミズ艦隊に・・・・・
つい最近は海兵隊員のエースとして活躍しており・・・・
そのエースが配属されてきた。

ハウンド小隊の副小隊長であるエラは・・・・・・
ラウラの実力を確認しなければと責任感に燃えていた・・・・

エラ「我々の小隊としての役割をベルタリア准尉に教えなきゃね!クリス、分かってるわね?」

クリス「うっす、分かってまさ!」

エラ「では突撃!(実力は全力で戦えば確認できるか)」

今回の模擬戦における自身の役割を全うする事が優先事項しつつ
ラウラの実力は戦いながら確認しようと考えた。

もっともどれだけ実力の差があるのか気になるし・・・・・

エラはクリスを引き連れ、ラウラらハンター小隊に攻撃をしかけた。

ラウラ「2機であんな素人みたいな突撃をしてくるの!?舐めてやがって・・・」

突撃を仕掛けてくるエラの姿を見たラウラは驚き・・・・・
舐めているのかと怒った。

まるで素人みたいな突撃だったので、ラウラからしたら舐めているとしか・・・

ラウラは得意のバトロイド形態に変形し、エラの真上に展開。
上からガンポッドによる掃射を加えようとした。

エラ「甘い!」

ラウラ「消えた!いや背後!」

エラ「腕がよくても頭は使わないと!」

掃射を加えようとした直後、エラが一瞬で消えた。

突然の出来事にラウラは慌ててしまうが・・・・
レーダーを見ると背後機影が背後にいる事を確認し・・・
エラのいる背後に向けて機種を動かした。

背後にいるエラはラウラとの距離が一定数離れており・・・
ガンポッドで掃射しながら突撃し、反撃しようとすると・・・・
今度は急降下し、再びラウラの背後に展開しガンポッドを掃射・・
反撃しようとしても・・・・・
またパターンを変えて繰り返さ、ラウラを翻弄した。

ラウラ「くそ、素早い腕はいいけど遊ばれてる!」

エラ「ふふふ、私を捉える事ができるのかしらね?」

ラウラ「ハウンドリーダー、応援を・・・・」

吉野大樹『こっちも翻弄されてる!応援しようにも行けない!』

ラウラ「くぅ・・・・・・」

エラを撃墜すべく大樹に応援を頼もうとしたラウラだったが・・・・
大樹の方もクリスに翻弄され動けないでいた。

神楽はエリントシーカーを護衛しているので動けず・・・
ラウラは中々命中しないエラの撃墜が困難になった。
そればかりか、ラウラの災難は続く・・・・

ゼノビア『エリア3よりエレメント編隊確認!』

ラウラ「エリア3から反応?、2機・・・・あっ」

本多義輝「よし仕留めるぞ!ハウンド4」

アリサ「了解」
新統合軍アリサ・バレンタイン准尉

ラウラ「しまった!4機いるのを忘れていた!」

義輝率いるもう一つの隊が、ラウラより離れた位置から出現した。

エラとクリスと戦ってる宙域よりかなり離れた位置からであり・・・
ハウンド小隊の本隊は真っ直ぐ神楽が守るエリントシーカーに向かっていた。

ラウラ「くそ!させる・・・・ちぃ!」

エラ「そう簡単に行かせるわけに行かないんだよね!私達の役割思い知れ!」

ラウラ「くっ」

迎撃に向かおうとしてもエラがガンポッドによる掃射し・・・・
怯んだラウラにミサイル攻撃を仕掛けた。

ミサイルを迎撃するラウラであったが、エラの姿を見失い・・・
レーダーを見ると背後至近距離まで接近しており・・・・・
振り向くと、バトロイド形態のエラのバルキリーが銃口を向けていた。

ラウラ「わ...私を舐めるな!」

エラ「何!」

危機感を感じたラウラはエラにタックルするかのように急接近し・・・
エラが驚き怯むのを確認すると、急バックしてガンポッドの銃口を向けた。

ラウラが向けた銃口は急接近し怯み隙が生まれたエラを捉え・・・・
怯んだ状態から回復する前にガンポッドを発砲・・・・・
銃弾の雨はエラに降り注いだ・・・・・・・

降り注いだ銃弾の雨はエラに命中し・・・・
機体はペイント弾の色が付着した。

エラ「油断した、私はここまでか・・・・・流石、ゼントラーディのエースか・・・」

機体に付着したペイント弾により撃墜判定が出たエラは残念そうに呟いた。

ラウラのバルキリーはエラの撃墜を確認してすぐファイター形態に変形し・・・・・
急いでエリントシーカー援護に向かっていった。

一瞬の隙を突いて自身を撃墜したラウラ・・・・・
ゼントラーディ軍のエースの実力なのか・・・・・・・
エラはヘルメットを取り、笑顔を浮かべラウラの実力に触れ満足した。

神楽少尉「余裕がねぇ!」

本多義輝「流石だねぇ神楽くん、俺とハウンド4相手に奮戦するとは」

神楽少尉「これでも幾度も修羅場潜り抜けていますんでね!」

本多義輝「なるほどねぇ、その口いつまで続くか試してみようか?神楽くん」

その頃、神楽はエリントシーカーの防衛の為奮戦していた。

エリントシーカー撃墜を目指す義輝とアリサの攻撃相手に奮戦する神楽だが・・・
エース二人を相手に戦うのはかなり部が悪い・・・・

レーダーにラウラがエラを降し援軍として向かって来ているが・・・
それまでに自身を抜かしエリントシーカーに直接攻撃されたら・・・
防衛対象が撃墜されてしまう可能性が高まってしまう・・・・

神楽はそうならないようにラウラが到着するまでの間・・・
義輝とアリサ相手に戦い耐えようとするが・・・・

アリサ「よし抜けたぞ!」

神楽少尉「くそ!やられたか!」

一瞬の隙を突いてアリサが防衛ラインを突破した。

神楽は防衛ラインを突破したアリサを追撃しようとしたが・・・・
義輝からの猛攻に妨害され思うようにいかない・・・・

頼みのラウラが到着するまで後1分45秒かかってしまう・・・

それまでに持ち堪えなければ・・・・
そう考えていたが・・・・

アリサ「動きが鈍いエリントシーカーは止まっている的に等しいんだよ!」

神楽少尉「しまった!抜かれてしまったか!このままでは間に合わない!」

必死に耐えてた防衛網が突破された。

防衛網を突破したアリサはエリントシーカーへと向かって行き・・・
撃墜するため、ロックオンしミサイル発射態勢に入った。

神楽は義輝を振り切ってアリサを迎撃しようとするも・・・・
実力は義輝の方が上だったが為に・・・・・
逆に撃墜されてしまうリスクがあるため出来ない・・・・

ラウラ「ヤバい・・・・間に合えぇぇぇ!」

現場に到着したラウラであったが・・・・・

既にアリサがエリントシーカーに攻撃を仕掛けようとする所であり・・・
距離的にも迎撃に間に合うかどうかの瀬戸際であった。

操縦桿を強く握ったラウラはアリサを迎撃する為・・・・
猛スピードでエリントシーカー救援に向かうが・・・・・・
今いる距離から間に合うかどうか分からない・・・・
むしろ間に合わない可能性が高い・・・・・

ラウラは必死の形相で自身の愛機を動かし・・・・・
アリサを撃墜しようとした・・・・

ゼノビア「敵機接近!!」

「来たか・・・・」

エリントシーカーは接近してくるアリサ機に備え退避行動を開始した。

早期警戒機は特に武装らしい武装は搭載しておらず・・・・
敵への対処は待避行動しか出来る事がない。

アリサは待避するエリントシーカーに迫り・・・・
ペイント弾を装填したガンポッドで襲撃し・・・・・
一気に勝負をつけようとしたが・・・・

アリサ「外した!?」

「さて俺の逃げ足についてこれるか?」

誰しも避けられそうにない攻撃を回避した。

アリサからの攻撃を避けたエリントシーカーのパイロットは・・・
不敵な笑みを浮かべ、呆気に取られるアリサを挑発した。

今のエリントシーカーの回避を目撃をしたラウラは・・・・
驚いた反面エリントシーカーのパイロットを見て・・・・
長年の戦場の勘からある事を察した。

奴はエースだ

と・・・・・

とんでもないエースパイロットだと・・・・
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第35話 配属して早々

2016-10-28 22:12:13 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【西暦2021年3月20日、機種転換センター】

この日、機種転換センターで卒業式が執り行われた。

ラウラが可変戦闘機パイロットを志望し、マイクローン化して・・
機種転換センターに入学してから2ヶ月あまり、短くも長かった。
この日を持って訓練生の身分を卒業し、可変戦闘機パイロットの仲間入りとなる。

ようやくラウラの夢が実現した。

メリル「離れ離れだけど、今後また会えたらお酒一緒にどうですか?」

ラウラ「勿論、いい酒飲みましょう」

卒業式を終えるとラウラとメリルは別れの握手をした。

ラウラは空母アルタミラ所属のアンサーズ中隊に配属・・・
メリルはコペルニクス基地に所在する第12試験飛行団に配属と・・・
それぞれ違う場所で勤務する事になる。

2ヶ月と短い期間だったが、ライバルとして切磋琢磨し・・・
同期として仲良く楽しく生活出来てきた。

二人にとっては一生残る大切な思い出となった。

ラウラ「!?ベサーズ准尉・・・・・」

ロザ「ベルタリア准尉、お迎えに参りました。」

ラウラ「こんなに早くですか?」

ロザ「はい、とりあえず私が運転する車に乗ってください。」

ラウラ「分かったわ。」

官舎に向け帰宅しようとすると、駐車場にロザがいた。

まだまだクラビウス基地の官舎でゆっくり過ごせると思っていたが・・・
案外早くお迎えがやってくるとは・・・・・・
ラウラはちょっとがっかりしたが、どの道向かう道と腹を括り・・・
ロザが運転するジープに乗り込んだ。

ロザ「案外早くお迎えに来たと思ったでしょ?」

ラウラ「えっなんで分かったの?」

ロザ「顔に書いてあります。まぁ早く慣れてもらわないと。」

ジープに乗っている最中、ラウラはロザと会話していた。

主な会話の内容は何故こんなに早く迎えに来たのかと・・・
ラウラは心の中で思ってた事だが、ロザにあっさり見破られ・・・
思わずラウラは赤面してしまった。

早めに迎えに行った理由はラウラに部隊の雰囲気に慣れてもらう為である。

部隊の雰囲気に慣れてもらい、大樹の小隊隊員として勤務してもらい・・・
間もなく開始される惑星エデンにおける仮想敵任務に従事してもらう狙いがあった。

2人が乗るジープは軍港の駐車場に到着した。

吉野大樹「ベサーズ准尉ご苦労だった。ベルタリア准尉もな。」

ロザ「ハッ」

ラウラ「大樹、私の事は呼び捨て・・・」

吉野大樹「おっホン、ベルタリア准尉・・・・今は勤務中だ!立場を弁える事。」

ラウラ「あっはい、吉野大尉。」

軍港の中で待ち受けていたのは制帽を被った大樹だった。

いつもの雰囲気とは違い真面目で、一切のおふざけも許さないような雰囲気であり・・
ラウラが呼び捨てで話しかけたら即座に厳しく注意してきた。

ーこれが大樹の現場の雰囲気か・・・・・

現場の大樹の姿を見たラウラは自身の機の緩めを自覚した。

吉野大樹「艦内の説明は以上だ。」

ラウラ「了解です。」

その後は大樹から説明をきっちり聞いていた。

自室の事だったり、艦内の事だったりと・・・・
特に変わった事案はなかった・・・・・

が・・・・・

吉野大樹「以上だ・・・・・後、いきなりで悪いが・・・・第2小隊との模擬戦に参加してもらう。」

ラウラ「えっ・・・・・」

吉野大樹「偶然スケジュールが重なってたようだ、指定された部屋に荷物置いたらパイロットスーツに着替えるように・・・・」

ラウラ「・・・・・了解しました。」

この後すぐアンサーズ中隊第2小隊と演習するように言われた。

たまたまスケジュールが重なっていたらしく大樹はうっかりしてたと惚けていたが
今日演習するとは思ってもいなかったラウラからすれば迷惑な話だ。

来て早々いきなり模擬戦とは・・・・・

ロザ「まぁ頑張ってください。」

ラウラ「来て早々、だなんて・・・・・」

吉野大樹「私語を慎め!」

ロザ「は・・・」

ラウラ「す・・・・すいません。」

ロザ「大尉、更衣室まで案内してきます」

吉野大樹「うむ、頼むぞ」

気乗りしない模擬戦・・・・・

来て早々模擬戦なんてやりたくはない。
最初は模擬戦なんかよりも、部隊のその他の業務を覚えたい

と思ってても軍人である以上、どの道やるしかないが・・・・

ラウラはロザの案内の元パイロットスーツに着替えるため・・
空母アルタミラに乗艦し艦内の更衣室に向かった。

ロザ「あっエ・・・・少尉殿、お疲れ様です。」

エラ「お疲れ様、ロザちゃん・・・・彼女が・・・・」

ロザ「ラウラ・ベルタリア准尉、今日から入る新人です。」

ラウラ「ラウラ・ベルタリア准尉です、よろしくお願いいたします。」

エラ「ハウンド小隊の副隊長のイ・エラです、階級とかはいいからエラって呼んでね。」

更衣室には模擬戦に備えエラが着替えていた折・・・
ラウラは失礼がないようにロザに促され挨拶した。

第一印象的にはゼントラーディ人にいないようなおっとりとした感じであり・・
階級は少尉で上官であり、模擬戦の対戦相手のハウンド小隊の副隊長。
見た感じ、戦闘に向いているようなタイプには見えない・・・

とは言え表で発言したら大樹に怒られそう・・・
そうこう考えていると・・・・

ロザ「ラウラ、弱そうと思ったでしょ?」

ラウラ「そ・・・そんなことは・・・」

エラ「慣れてますのでお気になさらず」

ロザにエラが弱いと思ってる事を指摘された。

指摘されるとすぐにラウラは慌てて否定したが・・・
エラは笑顔で慣れていると特に気にする事はなく・・・
そのままパイロットスーツのチャックを締めた。

気にしてないと言われたラウラはホッとしたが・・・
他の人だったらかなり怒られそうなので気をつけようと思った。

ロザ「あれ?アリサは?」

エラ「アリサならとっくにハンガーに行ったわよ。」

ラウラ「アリサ?」

エラ「アリサ・バレンタイン准尉、私の部下よ。今はいないから、後でで」

ラウラ「了解です(へ〜どんな人なんだろう。)」

この場にはいなかったが、エラが副隊長を務めるハウンド小隊には・・
アリサ・バレンタイン准尉と言う女性隊員がいた。
たまたま更衣室におらず、ハンガーにいるためラウラはどんな人物か想像した。

また、見た目だけで判断したらロザに感づかれ指摘されたり・・・
大樹に見つかったら怒られるだけだから、止めておこう。

と思ったラウラはエラと別れ・・・・・
ロザに自身のパイロットスーツの説明を受けた後、着替え始め・・・
着替え終わると更衣室を出た。

カゴメ「ラウラ!」

ラウラ「ん?カゴメ!?カゴメじゃない!」

カゴメ「ようやく、アルタミラに来たわね。またよろしくね。」

ラウラ「うん、こちらこそ!」

更衣室を出たらカゴメと再会した。

ラウラが機種転換センターを卒業する前に離れて以来であり・・・
二人は懐かしさのあまり、手を取り合ってわいわいした。

これから一緒に勤務できる・・・ラウラは一種の幸福を感じた。

相沢美弥「少尉、彼女は?」
新統合軍相沢美弥.中尉

カゴメ「紹介します、ラウラ・ベルタリア准尉です。」

ラウラ「本日配属になりましたラウラ・ベルタリア准尉です、よろしくお願いいたします。」

相沢美弥「管制主任の相沢美弥よ!こっちは劉夢華少尉。」

劉夢華「劉夢華です、よろしく。」
新統合軍.劉夢華少尉

ラウラはカゴメとの再会して喜ぶのも束の間。
カゴメの上官である相沢美弥と同僚である劉夢華と挨拶を交わした。

美弥は管制主任の中尉であり、カゴメや夢華の上官である。
見た目的には物静かな感じであり、クールな性格そうだが・・・
話している感じ、ハキハキと喋ってるあたり真面目で面倒見が良さそうであり
夢華はボブカットで、性格的にキツそう・・・・・

ロザ「また見た目の事を考えていたでしょ。」

ラウラ「私がどう考えようとロザは相手に伝えないで!」

ロザ「はいはい。」

またしてもロザは心の中を読み取って相手に伝えようとしており・・
ラウラはロザがカゴメ達に伝える前に止めた。

何か言われると美弥や夢華に悪い印象を持たれてしまう。
それだけはなんとかして止めなくてはならないし・・・・
口が軽いロザを抑えなければならない。

ロザを止めた結果、了承してくれたが・・・本気で止めるのか不安。

そうこうしているうちに・・・・・

吉野大樹「ラウラ!遅いぞ!」

ラウラ「あっそうだった、カゴメや中尉殿達も後ほどね。」

カゴメ「えぇ頑張ってね。」

ロザ「とりあえず最初は負けんなよ!」

大樹がやってきて遅いと怒ってきた。

他人と喋る事に夢中になっていたラウラはハッとなり・・・・
ヘルメットを持ちカゴメやロザ達と別れハンガーに向かった。

カゴメ達と別れハンガーに着くと一人の男性が立っていた。

神楽少尉「お待ちしておりました。」
新統合軍.神楽賢二郎.少尉

吉野大樹「待たせたな、紹介するよ副隊長の神楽賢二郎だ!」

神楽少尉「神楽だ!よろしく」

ラウラ「ラウラ・ベルタリアです。よろしくお願いします」

神楽賢二郎・・・・大樹の指揮するハンター小隊の副隊長であり・・・
大樹が最も信頼する同僚パイロットの一人である。

ハンター小隊は大樹が小隊長であるが・・・・・・
アンサーズ中隊第1小隊ハンター小隊は茂人直属の小隊であり
実質、大樹が副小隊であり隊員は神楽しかいない状態であった。

神楽とのやり取りの後ブリーフィングが始まった。

吉野大樹「俺が105番機、神楽は108番機搭乗だが・・・・ラウラはまだだったな愛機。」

ラウラ「はい」

吉野大樹「機体番号は110号機、覚えておくんだぞ!」

ラウラ「分かりました、覚えておきます。」

吉野大樹「前にも・・・・いや忘れてると思うが、機種はVFー5000ではなくVFー1Pフレイヤバルキリー見た目は旧式だが最新鋭機に劣らない改修がされている。相手も同じ機体だからパイロットの腕の差で決まる。心するように」

ラウラ「ハッ」

ブリーフィングが進む中でラウラの搭乗する機体の番号が伝えられた。

大樹は105号機、神楽は108号機そしてラウラの110号機であり・・・・
機種は最新鋭機であるVFー5000や後継機のVFー4ではなく・・・・
旧式のVFー1バルキリーの近代改修型のP型フレイヤバルキリーである。

フレイヤバルキリーは改修により・・・・・
VFー5000などの最新鋭機に劣らない性能を持っている。

吉野大樹「各員搭乗!母艦アルタミラが惑星エデンに向けて出港後1時間後に演習を実施する。」

大樹から搭乗命令が発令された。

母艦アルタミラが惑星エデンに向けて出港して1時間後に行われる模擬戦に備え
ラウラ達はVFー1Pフレイヤバルキリーに搭乗した。

コックピットの中に入ったラウラは模擬戦とは言え・・・・・・
これが実戦パイロットとして最初の戦いであり・・・
他の隊員とのコミュニケーションを高めるイベントを踏まえ
とてつもない緊張に押し潰されそうになった。

神楽少尉「ベルタリア准尉、緊張しているのか?」

ラウラ「いえ・・・・・別に・・・・」

神楽少尉「ゼントラーディ人と聞いたけど、地球人とかわんねぇんだな。機にすんな」

ラウラ「はぁ・・・・」

モニター越しでラウラが緊張している姿を見たのか神楽が心配してきた。

ラウラの事を気にして心配にしたのではなく・・・・
ゼントラーディ人が緊張している姿を見た事に対しての好奇心あっての事で・・・
好奇心で心配された事にラウラは落胆しため息を吐いた。

地球人とゼントラーディ人は根本的に違うのは分かっているが・・
こんな扱いされるのは・・・・・・・・

カゴメ『まもなく月面クラビウス基地防宙圏を出ます。』

吉野大樹「そろそろ模擬戦を開始する備えるぞ!桐原少佐も見ている事を気にしろよ!」

1時間が過ぎ月面クラビウス基地防宙圏を越え・・・
大樹率いるハンター小隊と本多義輝率いるハウンド小隊との模擬戦が始まる。

ラウラにとっては初めての正規隊員としての勤務であり・・・・
可変戦闘機パイロットとしての戦闘であるので緊張している。
上手くやれるのかどうか・・・・・・

戸惑っているうちにラウラ部隊員として初の戦闘の火蓋はどんどん近づいていった。
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