マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

2021年 デストロイド小隊 東京近辺で敵ゲリラと交戦す

2021-10-08 01:39:44 | マクロス短編
【西暦2021年9月27日.地球.極東太平洋行政区.トーキョー】  

第一次星間大戦終結から11年経ったトーキョーシティーは戦後復興が進み
地球上に存在するマクロスシティーを始めとする重要都市として機能していた。

トーキョーシティーは横須賀基地、厚木基地、横田基地などの外縁基地を指揮下に・・・
新統合軍トーキョー統合運用基地を開設しており、街全体が軍都として機能し始め・・・・
街には多数の軍人の姿が目立つようになった。

佐竹義仲「ふぅ・・・・休憩中のたばこは染み渡るな」
新統合陸軍.佐竹義仲.大尉

トーキョーシティー基地に勤務する佐竹義仲大尉は基地内の喫煙所で煙草を楽しんでいた。

佐竹大尉は11年前の第一次星間大戦で日本における砲撃から逃れた生存者であり・・・
若い地球統合陸軍のデストロイド・パイロットとして、大戦を生き延び新統合軍に入隊
現在はゼントラーディ人の女性と結婚し、娘と息子を持つパパになっている・・・・

煙草を吸うのをやめると、ヘルメットを持って格納庫へ向かった。

「あっ佐竹大尉、お疲れ様です」

佐竹義仲「うむ、俺の愛機の方はどうだ?」

「機体の調子は良好です、ご命令あればいつでも出撃可能です」

佐竹義仲「上出来だ、少し時間あるから雑談でもしようか」

格納庫へ入るとADRー03ーMkIIIシャイアンが整備班により整備されていた。
シャイアンはデストロイドシリーズの初期の機体であり、現在は近代改修され・・・
陸軍機甲部隊の一角を担っている・・・・・

主な任務は街の治安維持、警備警戒・・・・
反統合勢力の鎮圧など多岐に渡る

しかし・・・・・

現在軍の主流になっているのは宇宙軍であり・・・・

かつて軍の花形であった陸軍や海軍は冷や飯軍隊となっており・・・・
まだ空軍の方がマシと言われている・・・・

ー分かってはいるが、直接耳に入るようだと苛立つな・・・・・

陸軍パイロットとして誇りを持っている佐竹大尉は・・・・
今の陸軍の現状を理解しているし仕方はないと思っているが・・・
直接耳に入るように陸海空の三軍を馬鹿にされるような話をされると
腹が立つ・・・・・・

日々そう言った陸軍の厳しい現状を意識しながら軍務に就いていた。

話を戻して・・・・・

佐竹大尉は自分の愛機を整備していた整備班の兵士達と世間話をした

若い新人の女性兵士は友人たちと休日している事を話し
中堅の男性兵士は筋トレでやっている事を話すなど盛り上がった

そうした中で・・・・・

「移民船団でどんどん旅立つ人増えてますね」

佐竹義仲「そりゃそうだろう、地球がこんな目に遭ったしな・・・」

「私的にはなんか宇宙のほうが危険だと・・・・ゼントラーディ軍は想像を超える大艦隊でしょ、私は怖くて」

「宇宙軍が毎日のように連中とやりあってると聞く、そんなあぶねえ賭けによく政府はやるよな」

佐竹義仲「それが当たり前の反応怖くない人間の方がおかしい話だ」

移民船団に関する話題が出た

移民船団とは超長距離移民船団や近距離移民船団、調査船団の事であり・・・・

新統合政府発足当初から進められている全銀河に人類の生活圏を広めたり・・・
ゼントラーディ軍の攻撃から人類の存続や文化の保存を目的とした計画である

SDFー2メガロードを移民船に改修したメガロード01を旗艦とした
第一次超長距離移民船団が2012年に出航したのを皮切りに・・・・・
多数のメガロード級移民船や近距離船団が銀河の新天地に向け旅立っている

成果の一つとして10光年先にある惑星エデンなどの複数の植民惑星や・・・・
多数の星間国家との国交を結んだり、新統合政府に編入されたりしている

だが・・・・
地球に残り続ける人達からすればゼントラーディ軍がいる・・・・
更に言えば未知の存在の脅威のある宇宙に旅立つ事に恐怖心を抱いており
移民船団に志願しないで地球永住を選んだ

佐竹大尉自身、地球いや日本に愛着を持っている・・・・
今更地球から離れる選択肢を取るなんて真似はできないと言う事から
地球永住を決め込んだ。

それから数時間後

トーキョーシティー近郊の荒野・・・・・・

「こちらヤマネコ3、左舷異常なし」

「こちらヤマネコ2、右舷異常なし・・・・・」

佐竹義仲「よし本日のルートは今の所、異常はなしだな・・・・そろそろ交代の小隊に業務を引き継ぐが・・・・」

佐竹大尉率いるヤマネコ小隊は機体の整備を終え出撃していた。

定期パトロールの異常なし、特に問題が起きているわけでもなかった。
だが、気を抜く事ができない・・・・日本でも反統合勢力によるテロ事件は発生している
常に抜かずいつ敵が現れて対処できるようにしなければならない

それが新統合陸軍デストロイド小隊の一つヤマネコ小隊の日課だ

しばらく、パトロールルートを進んでいると

「右舷後方にミサイル反応!?敵です!!」

佐竹義仲「全機チャフを散布しろ!、すぐさま迎撃に移る!」

僚機ヤマネコ2が右舷後方からミサイル反応を確認した。

佐竹大尉は報告を受けるとチャフ散布を指示し、迎撃態勢を取らせた。
その直後、10発以上のミサイルが右舷後方から飛んできたが・・・・
チャフの影響により命中することなく、地面に激突し爆発した

爆発した直後、MIMー31カリョービン2個小隊が飛来した

「くそ、連中まだあのような兵器保有してたのか。相手は航空兵器、油断ならないぞ」

「前方より改造ジープの車両部隊、兵士がロケットランチャー持ってるぞ」

最初はカリョービンだけの編成だったが、前方より改造ジープの車両部隊が襲撃してきた 
ジープに乗ってた兵士はロケットランチャーを装備する者がおり、威力は低いが・・・
足止め要員としてはかなり厄介な部類の相手だった

この事態に佐竹大尉は基地に応援を要請した

佐竹義仲「可変攻撃ヘリ一個小隊の応援を要請する、頼む」

『了解、すぐさま可変攻撃ヘリ一個小隊を派遣する。座標データを送れ』

佐竹義仲「了解した」

佐竹大尉からの要請に基地から可変攻撃ヘリ一個小隊が派遣されると言う連絡が入った

可変攻撃ヘリ・・・・・VAHー1コマンチ小隊の任務は地上部隊の排除であり
陸軍における地上部隊攻撃における切り札であった。

攻撃ヘリ部隊が到着するまでの間、佐竹大尉率いるヤマネコ小隊は・・・・
反統合同盟残党ゲリラ部隊と激しい戦闘を強いられる事になった。
それはさておき・・・佐竹大尉はある物の来週を警戒していた。

それは地上用デストロイド・・・・

佐竹大尉的にも敵地上デストロイド部隊の来週を警戒しており・・・
反統合同盟残党の地上デストロイドとの戦闘による僚機の損失を恐れていた。
なんせ今いるヤマネコ小隊の戦力はデストロイド3機しかいない
友軍の可変攻撃ヘリ部隊の掩護前に損失とかがあったらかなり戦況が不利になる
それだけは防ぎたい・・・

だが・・・佐竹大尉の願いは空しく恐れていた物が出現した

「こちらヤマネコ3、敵デストロイド・・・・・陸戦型オクトスです」

佐竹義仲「恐れていた奴が来襲したのか、各機散開、ハイエナどもからの攻撃を回避しろ!」

『2了解』
『3了解』

陸戦型オクトス・・・・
反統合同盟が統合戦争末期に実戦投入した陸戦型デストロイドであり・・・・
水陸両用デストロイド・オクトスのバリエーション機である。

佐竹大尉率いるヤマネコ小隊は何度も陸戦型オクトスとの戦闘を経験しており・・・・
統合戦争の戦闘の一つである平壌攻防戦で北朝鮮軍の陸戦型オクトスに苦しめられた
それが故に陸戦型オクトスの出現を恐れていた

「隊長、統合軍のデストロイド小隊のようですが・・・・・・・」

「殲滅しろ、リベラリスト共め・・・・勝手に統一国家を名乗りやがって・・・陣営に組した事を後悔させろ!」

『ハッ』

反統合同盟残党の陸戦型オクトス小隊は佐竹大尉率いる小隊を見て闘志を燃やしていた。
彼らは日本国内における反米左派勢力であり、統合戦争時日本国から離反し
反統合同盟に属していた面々であり、日本国内を荒らしていた
第1次星間大戦を生き延び地球統合政府の後継である新統合政府に・・・
一矢報いようと必死であった・・・

そんな彼らは佐竹大尉率いるヤマネコ小隊を発見し新統合政府の戦力を少しでも減らそうと
かなり必死になっている・・・・・・陸戦型オクトス小隊は廃墟となった野を駆ける・・

「隊長・・・・このままではゲリラ・・・航空部隊・・・オクトス小隊に・・・・」

佐竹義仲「分かってる・・・・今は耐えろもうじき救援は来る」

陸・陸・空の挟撃に佐竹大尉率いるヤマネコ小隊は苦戦を強いられた・・・・
反撃しようにも、どの方面反撃する隙が見えてこない・・・・・
デストロイドに劣る車両部隊にすら苦戦している・・・・・

このままでは反統合同盟の残党に一方的にやられてしまう・・・

「ぐわっ・・・・・・第1アーマー破損・・・・このままでは・・・・・・」

佐竹義仲「ちっ・・・・・・・・命運尽きたか・・・・・ハイエナどもめ」

次第に佐竹大尉率いるヤマネコ小隊は機体の一部に損傷が出るなどの被害が出始めた

特に改造車両に乗る反統合同盟残党兵がうるさい・・・・・
カリョービンや陸戦型オクトスに反撃を加えようと方向を向けると・・・・
反対方向から改造車両による残党兵部隊が機動力を生かし攻撃を仕掛けてくる・・・

流石にこれには参る・・・・・・・

流石にストレスがたまりすぎたのか・・・・・・

佐竹義仲「舐めるなクソボケトラが!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

佐竹義仲「舐めくさった報いだ!ボケ!」

勢いで急旋回し改造車両の1両を破壊した・・・・・

急に佐竹大尉のシャイアンが旋回しガトリング砲で叩き潰されたので・・・
車両は回避することなくペシャンコに潰され大破した

これで一両を減らしたがまだまだ敵は残っている・・・・・・

このままでは小隊は戦死者を出すどころか部隊全体が全滅してしまう・・・・
佐竹大尉は極度のストレスに襲われながら反統合ゲリラとの戦闘を継続した・・・・
その時だ・・・・・・・

「こちらフェザントリーダー、戦闘空域到着!これより攻撃開始する!」

佐竹義仲「来たか!」

「俺たちだけじゃないぜ、空の抜刀隊の到着だ!」

佐竹義仲「宇宙軍か・・・・・」

レーダーに友軍3個小隊が接近してきた・・・・

その正体は新統合陸軍極東第3航空群フェザント航空隊である。
可変攻撃ヘリVAHー1コマンチで編成した精鋭部隊であり・・・
ヤマネコ小隊と何度も共闘し反統合ゲリラに対処している縁の深い部隊だ・・・

それだけでなく

宇宙軍のVFー5000スターミラージュで編成された・・・・
イエローハリケーン中隊も参戦し・・・・・・
苦戦中だった佐竹大尉達を救った・・・・・・

「これで連中は壊滅した、ヤマネコ小隊を無事に基地まで帰還できるように護衛する」

佐竹義仲「頼む、自力で帰還できる余力がない・・・・・」

すべての戦闘を終えるとイエローハリケーン中隊はさっさと帰っていったが・・・・
フェザント航空隊は被弾した佐竹大尉のヤマネコ小隊の護衛のため、基地帰還に同行した
今回の戦闘で佐竹大尉含む全機が戦闘継続が難しい状態であり・・・

このままの状態で帰還しその途中で襲撃されたら全滅する・・・・・

佐竹大尉はフェザント航空隊に護衛を要請し基地への帰還の途についた・・・・・

これが新統合軍と反統合勢力との紛争であり・・・・・
統合戦争や第一次星間大戦が終わっても戦闘継続し続けていた。

更に反統合勢力は不穏ゼントラーディ人も加わるようになり
更に戦禍は止むどころか更に広がりを見せつつあった。
地球人類の戦争は今日も続く・・・・・・

今日も明日も明後日も戦争をし人の命を奪い続ける・・・・・・
この戦いの終局は一体いつ来るのだろうか?

人々は果てしなき戦争の終局を求め戦い彷徨い続ける
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政治家への道 

2021-09-29 04:34:34 | マクロス短編
【西暦2016年6月2日.新統合宇宙軍月面クラビウス第3エリア防衛隊司令室】

この日、新統合宇宙軍イ・ジェウク大佐はある手紙を読んで震えていた。

その手紙とはフランシス・ベルナール上院議員ら自由共和党から・・・・
クラビウス議会選挙に出馬要請であり、突然の出馬要請にジェウクは震えていた 

上野義政「顔色悪いですが、どうかなされましたか?」
新統合宇宙軍.第3エリア防衛隊副司令.上野義政.中佐

イ・ジェウク「顔色も悪いもあるものか、出馬要請だよ。」
新統合宇宙軍.第3エリア防衛隊司令.イ・ジェウク大佐

上野義政「まさか、大佐は現役ですよ。だとしたら・・・・」

イ・ジェウク「予備役編入だな、司令官職は辞任。ベルナール議員や木村議員、なんで私なんかを・・・落選したら無職だぞ、無職」

副司令である上野中佐から心配される程、ジェウクの顔色が悪く・・・
今回の出馬要請はかなりショックだった。

出馬するとなれば司令官職辞任かつ予備役編入・・・
落選すれば無職になってしまう可能性があり、学生の娘達がいる。
もしそうなったら路頭に迷う事になるので、どうしても出馬したくない

上野義政「司令、電話が」

イ・ ジェウク「こんな時に誰だ・・・・私だ。」

白川秀康『イ大佐か、私だ白川だ。』
新統合宇宙軍クラビウス基地司令官.白川秀康中将

イ・ジェウク「提督ですか、どうかなされたのですか?」

白川秀康『うむ、クラビウス議会選挙についてだが直接来て話と。クラビウスにおける韓国軍閥のカン中将もいるが』

イ・ジェウク「選挙ですか!?分かりました。」

そんなジェウクをあざ笑うかのように白川提督の直々の出頭要請

しかも、クラビウス基地の韓国軍閥の長で白川提督と同じ程の権力があり
月面方面軍第二防衛軍司令官のカン・ソンヨプ中将までいる・・・・

完全に逃げられない
ジェウクは白川提督の直々のお呼び出しと、宇宙軍韓国軍閥の幹部カン・ヨンソプまでいる
断ったら人生詰んだのも同然だった。

上野義政「司令落ち込まないでくださいよ」

イ・ ジェウク「落ち込むわ!娘のエラ、ソルミ 、イェジンは学生で、エラは士官学校に志望して」

上野義政「あ〜エラちゃんか。息子の義信がお世話に」

イ・ジェウク「これはどうもって違う。あ〜どうしようっかぁ」

上野義政「司令、厳格軍人のイメージ崩れますよ」

イ・ジェウク「車の中ならいーだろうが、かつての大韓民国陸軍第25歩兵師団71歩兵連隊が懐かしい」

車で白川提督の元に向かう途中、ジェウクは隣の席にいる義政に愚痴った。
正直政治家になりたくないし、軍人としてのキャリアを歩んで行きたい。
とは言え、あの二人には恩があるのと立場が・・・・

特に白川提督は自身がカン中将の元、クラビウスにおける韓国軍閥の勢力拡大のため
連携した盟友であり、尚更断れない。

「止まれ!止まれ!」

「ここはクラビウス基地第1エリアである、通行証を確認したい。」

そうしているうちに基地司令部や軍港施設などがある基地中枢の第1エリアに到着し
ゲート付近に入ろうとすると守衛の警備兵がやってきて、通行証の確認を求めてきた。

ジェウクの車を運転してた士官は警備兵に通行証のカードを渡し、確認が終わると
そのまま車は基地のゲートの中へ入って行っていき、基地司令部のあるビルに向かった。
車は数分間走行し、中央にある基地司令部のビルに到着した。

イ・ジェウク「第3エリア防衛隊司令官のイ・ジェウク大佐だ、白川提督との面談で参った。」

「分かりました、今すぐ白川提督に連絡いたします。」

基地司令部の受付に白川提督との面談があると伝えたジェウクと義政と2名の士官は・・・・
エントランスでしばらく待った後、迎えに来た女性士官の案内の元基地司令室に向かった。
ジェウクは堂々とした態度を取っているが、内心不安でガチガチで緊張しており・・・

正直早く帰りたいと思っていた。

女性士官に案内され基地司令室に入るとそこには白川提督とカン中将
更に白川提督の副官の井上飛鳥准将.クラビウス統合機動艦隊司令長官の草鹿三郎中将
白川提督のボディガードの中村芳夫.大尉.和賀辰巳.大尉.秘書官の宮村裕美子.中尉

カン中将の副官.キム・ギョンドゥ少将.ボディーガードのチョン・ヨンドク大尉
チャン・ソンニョン大尉、秘書官のイ・ミニョン中尉

更にクラビウス議会自由共和党.堀田拓郎議員.ジム・マクドミラー議員がいた

それらの姿を見たジェウクは表情を変えてはいないが、心の中で絶句した
特にイ・ミニョン中尉は従兄弟の一人娘であり、まだ21歳の若い士官
顔見知りともあり、ミニョンの表情はかなり険しい・・・・

白川提督「イ大佐、是非ともクラビウス議会選挙に出馬してもらいたい。冷静沈着、堂々布陣の君ならば成し遂げられるはずだ」

カン提督「韓国軍閥の幹部らは君に期待している、頼むぞイ大佐」 
新統合宇宙軍カン・ヨンソプ.中将

イ・ジェウク「ハッ、了解いたしました。」

圧倒的な圧に押され、ジェウクはあっさり出馬要請を承諾してしまう。

気がついた時には時すでに遅し、もう後戻りできない所までの状況になってしまった。
表情は普段どおりではあるが、心の中では後悔の念で一杯だった。
クラビウス議会の自由共和党の議員からも激励され、淡々と対応し・・・

早く家に帰って落ち込もうと考えた

しばらくして

イ・ ミニョン「おじさん」

イ・ジェウク「ミニョンか、まだ若いのにカン中将の秘書官とは出世・・・・」

イ・ミニョン「絶対に落選するなよ・・・俳優のジェウクと同姓同名だから尚更ね」

イ・ジェウク「・・・・・当たり前だ、私が落ちるわけがない」

話し合いが終わって親戚でカン中将の秘書官のミニョンが話しかけてきた。
気安く話しかけようとしたジェウクだったが、ミニョンは物凄い剣幕で

落選するな

と訴えかけてきた。

そう言われてジェウクは普段通りの堂々とした態度で落選しないと言ったが
ミニョンの発言でジェウクの胃は更に痛める結果になり、かなり固まってしまった。

余計に逃げられない

ジェウクは肩を落としながら自宅に帰った

イ・エラ「パパ、お帰りなさい」
ジェウクの次女、イ・エラ

イ・ ジェウク「ただいまエラ、一人かい?」

イ・エラ「皆、それぞれの用事でいない。私だけよ」

家に帰ると次女のエラが出迎えた。
妻やエラの二人の妹は在宅しておらず、エラだけが出迎えた形になった。

エラは家族の中で髪が白いと言う特殊な雰囲気の少女だ・・・

そんな特殊な事情にも負けず、可変戦闘機パイロットになるため
高校には行かず新統合宇宙軍短期士官学校に進学する予定だ。

イ・エラ「軍辞めて議員さんになるんだ、パパ」

イ・ ジェウク「選挙に出馬してな、本音としては軍続けたいが・・・・エラはどう思う?」

イ・ エラ「そうだね・・・」

ソファに座ったジェウクは隣に座りコーヒーを飲むエラに選挙に出ると言った。

特に驚く様子もなく、普段どおりの日常会話のように接している
ジェウクはエラは父親が選挙に出馬する事に興味はないを察しながら・・・・
自身の本音である軍に居続けたい事を打ち明けた

すると・・・・

イ・エラ「任せられたんなら、意を決して全力でやればいいんじゃない?」

イ・ジェウク「全力だと?」

イ・エラ「腹を括りなよ、パーパ」

エラは任せられたのなら全力でやればいいんじゃないと言ってきた。

最初エラの言う事に首を傾げたジェウクだが・・・
エラはそのまま腹を括りなよと言った

更に話を進め

イ・エラ「パパ上から信頼されているから、出馬の話が出てきたのよ」

イ・ジェウク「そうか・・・ 」

イ・エラ「だから頑張って、私だって頑張れるから」

ジェウクが自由共和党や軍上層部から信頼されているから出馬要請を出したと指摘し

そうした上で出馬要請を受け入れ、選挙戦を戦って欲しいと伝えた。
愛娘エラからの言葉を聞いたジェウクは目を閉じて深く考え・・・
深く考えた結果・・・・

イ・ジェウク「分かった、きちんと選挙戦を戦い抜こう。勝っても負けても精一杯やり遂げて見せる」

イ・エラ「流石はパパ」

イ・ジェウク「他の皆にも相談してからの話だがな、やるべき事はやるつもりだ。」

選挙に出馬して勝ちぬく事を決めた。

乗り気ではないが、娘にそう言われた以上やるしかないし。
逃げるという選択肢はないだろう、だったらきっちりやり遂げて父親として見本見せなくては
ジェウクは腹を括る気持ちで、クラビウス議会選挙に挑んだ

しばらくして

「バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ」

ー当確してしまった、ど偉い事に巻き込まれた気がする

クラビウス議会選挙に挑んだ結果、当選を果たしてしまった。
腹を括って選挙に出馬してみて、当選しても落選してもいいかなと思っていたが
結果は当選してしまった・・・勝ったのは嬉しかったが実感わかない

これからどうしようか
ジェウクはいろいろ悩んだが、愛娘エラから言われた事を思い出し
改めてクラビウスシティー政治に取り組もうと考えた

白川提督「イ予備役大佐、いやイ・ジェウク議員当選おめでとう。軍部から君のような人材が当選できて鼻が高いよ」

イ・ジェウク「提督こそ、私の為に支援してくださってありがとうございます。」

白川提督「これからの御活躍期待しておりますぞ」

選挙が終わった翌日、クラビウス基地から白川提督が訪問してきた。

突然の訪問にジェウクは驚いたが、白川提督の心遣いに感激した。
自ら訪問し、激励に来てくれた・・・・それほどまでに自分自身に期待してくれている
だったらきっちり議員としての務めを果たし期待に応えねば・:・・・

ジェウクは白川提督と熱い握手をし・・・・

イ・ジェウク「しっかり議員としての務めを果たして参ります。」

白川提督「そうか、頑張れよ。」

イ・ジェウク「頑張って国政進出します。」

白川提督「おおそれは頼もしい」

国政に進出すると大々的に宣言した。

それを聞いた白川提督は嬉しそうな表情を浮かべ
そのまま基地へ戻っていった。

白川提督を見送ったジェウクは明日からの議員人生に腹を括って
国のため国民のために働こうと誓った

あれから5年が経った。

西暦2021年9月、ジェウクは今もクラビウス議会議員を続けていた。
あの時学生だったエラは反対を押し切って新統合宇宙軍の可変戦闘機パイロットになっており
先月のフィッツ・ロイの叛乱事件をエラの所属部隊が解決し・・・・
ロイ・フォッカー章を獲得するなどのエースパイロットになっていた

イ・ジェウク「あれから5年か随分歳くっちまったな」

ジェウクも5年も経ち今では少しベテランの議員と言われるようになった。

まだまだクラビウス議会政治には山積みの課題や自由共和党の国政の公募もない状態で
今後しばらくクラビウス議会の議員として活動していく事になるだろう
とは言え一つ心配な事がある・・・・

イ・ジェウク「エラが心配だな、反対を押し切って可変戦闘機パイロット・・・心配だな」

エラが可変戦闘機パイロットになったこと

ロイ・フォッカー章を得たエースパイロットとは言え、常に最前線にいる・・・・
いつ事故で失ったり、大怪我をして一生引きずるような生活を送るような懸念があり
ジェウクはそれが心配であった・・・・・

議員になったとは言え、軍現役時代から変わらずエラの心配をしていた。

本音としてはパイロットになって欲しくなかった。
あんな危険な最前線に愛娘を行かせたくない
最前線に赴く愛娘エラを、ジェウクは胃を痛めながら身を案じていた

まだまだジェウクの悩みは今後しばらく続く事になるであろう
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戦う!ガール、叫ぶ!ボーイズ!ムーンウォーフェアー 後編

2021-09-07 02:08:07 | マクロス短編
ミックピッドに襲撃され、ガンポッドを破壊された絵里はパルスレーザーで反撃しながら
敵司令官の駆るミックピッドからの攻撃を避けていた。

このミックピッドを駆る敵指揮官は有能であり最新鋭機のMDー3000を
じりじりと追い込んで来る中々の強敵であった。

星村絵里「敵は負けも同然だけど、私はこいつに勝てるかどうか」

絵里は死の危機を感じ始めていた。

ゼントラーディ軍ラプラミズ艦隊ミリア機動戦隊の兵士として 
地球統合軍や新統合軍の兵士としてとして戦場を生き延びてきたが 
今回の敵はかなり不味い 

圧倒的に強い自身よりも強い、最新鋭機に乗ってたから差は縮められてるが

普段乗ってる機体だったら死んでる

VFー1Jバルキリーだったら確実に勝てないと・・・・・

「どんどん追い詰めてやる、どうせ我々は終わりだ。終わるなら貴様を屠ってから死んでやる」

敵司令官は死の覚悟を決めて戦いに望んでいるようであり、絵里撃墜に固執していた。

折角ブリタイ艦隊を追い詰めてたのに逆に追い詰められ敗戦濃厚
だったら堂々と敵をたくさん屠って

「大丈夫か、そこの友軍機」

「我々が援護する」

星村絵里「待ってその敵は・・・・」

「邪魔だ!」

星村絵里「あっ・・・・・」

近くにいた友軍のVFー1Aバルキリー2機が絵里の危機に気が付き駆けつけた
だが・・・・相手の実力を知ってた絵里は逃げるように言おうとしたが呆気なく瞬殺された

無人攻撃機ゴースト5機が接近し、攻撃を仕掛けるも全滅

合計7機を3分も経たずに撃墜されてしまった。

星村絵里「ば・・・・化け物め!」

「そろそろ貴様の命運を終わらせてやる!」

星村絵里「私が死ぬと思うかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ちっ猪口才な」

敵指揮官の強さに絵里は恐怖を覚えるも、意識を変え気を強くし

撃墜されたVFー1Aのガンポッドを拾い、緊急回避を行い・・・
急激に迫ってきた敵司令官のミックピッドの背後を取り、銃撃を加えた
当然の事か敵指揮官はギリギリの所で回避に成功し逆襲してきた。

絵里は一度恐怖を覚えたが生き残りたいが故に気を強くし
ミックピッドの気迫に負けないように戦った

星村絵里「あんた何かに負けない、何があっても私は家族の元に帰る!」

「本気で戦う気になったか面白い!殺してやるぞ!」

絵里が生き残りたいと言う気持ちの源は家族

家族を残して戦死したくない、敵を打ち破り必ず生き残ってやる
それに自分が戦死してしまっては和也が悲しむ・・・・
心を鬼にし生き残りたい強い想いを胸に絵里はミックピッドと戦う

「小賢しい動きそろそろ止めるぞ」

星村絵里「奴を殺すにはどうしたら・・・・」

絵里はミックピッドと激戦を繰り広げながら確実に撃墜できるチャンスを探った

チャンスを探っても、敵司令官のミックピッドの動きは想像以上であり
中々反撃の一歩に出づらい状況が続いていたどころか逆に自身が撃墜される危険性の方が高い
自身が勝てるような状況じゃなく、いつこっちが死ぬか分からない状況だった

どうにかして打ち破らないと生き残れない。
厳しい表情で絵里は敵司令官のミックピッドと戦い続けた

星村和也「絵里!」

星村絵里「和也!助かった、援護を・・・」

星村和也「分かってる、こいつをなんとかしなければな」

星村絵里「ありがとう、私は左翼をやる。和也は右翼を!」

絵里が敵司令官のミックピッドに苦戦していると和也が来援した。

すぐさま和也に共闘を要請し受理された絵里は・・・・
バトロイド形態でミックピッドの左翼に展開し、和也に右翼を任せた。
左右に展開した事により敵司令官のミックピッドは次第に

優勢から劣勢に追い込まれ始めた。

「くそ、貴様ら如きに・・・」

敵司令官は心の余裕を持つ事が出来ず徐々に隙を見せ始めるようになった。
絵里と和也がどちらかがチャンスを掴み撃墜してしまう事がおかしくない状態となり
戦場はどんどん絵里達に追い風が吹く事となった。

更に他の戦闘地域での戦闘の光が見えなくなり
聞こえてくる友軍同士通信から既に掃討戦に移行したようだ

絵里と和也は敵司令官のミックピッドを片付けて掃討戦に参加しようと考え
連携を強め、敵司令官のミックピッドに対し激しい攻撃を加えたのであった。

その時であった

星村和也「沈めぇぇぇぇ」

「ぐっ」

星村絵里「止めは私が刺す!」

ミックピッドの右腕を和也がミサイルとレーザーで集中攻撃で破壊した。

右腕を破壊された事によりミックピッドは動きが停止し
完全に攻撃を加えるチャンスが出来た・・・

絵里はチャンスを逃さず、バトロイド形態で正面に立った

「ぐぁぁぁ貴様らに負け・・・・」

星村和也「消えろ!」

「・・・!?」

絵里はガンポッドとミサイルの一斉射撃を行いミックピッドを大破させ
止めに和也が放ったミサイルが機体中枢に命中した。

ミックピッドはガンポッドで完全に動けなくなった所にミサイルの命中が決まったため
機体は呆気なく木っ端微塵に吹き飛び、宇宙の塵と消えた。

星村絵里「やったのか・・・・・・・」

星村和也「余韻に浸っている場合じゃない、絵里掃討戦に参加しよう」

星村絵里「そうね・・・・」

撃墜に成功した絵里と和也は強敵を倒した余韻に浸る事なく・・・
そのままエレメント飛行を行いながら掃討戦に参加
合計23機の敵機を撃墜し、母艦へ帰還した。

帰還した時の絵里の顔は物凄く疲れ切っていた。

その後

ブリタイ艦隊と増援艦隊はゼントラーディ軍の掃討作戦を完了・・・・
生き残った残存部隊はアポロ基地からの増援第二部隊により包囲され投降した。

和也と絵里はアポロ基地帰還後、基地で待機していた警務隊により連行され・・・
そのままMDー3000の無断使用の件で軍事裁判所に送られた

「主文.新統合宇宙軍.星村絵里.少尉、貴官を新型機無断使用に伴い謹慎処分を申し付ける。」

軍事裁判にかけられた絵里は、謹慎処分を申し付けられた。

義父である謙三が全ての責任を取ろうとしたが、軍事裁判長や裁判官から認められず
MDー3000無断使用の責任は絵里にあるとし、法廷に出ることはなく
結果、絵里は謹慎処分と言う軽い処分がくだされる事となった。

当然この処置を絵里は受け入れ、期限終わるまで謹慎処分に服す事となり
和也も連座し自宅謹慎する処分が下され自宅謹慎をする事になった

星村絵里「ごめんね・・・・私のわがままのせいで部隊から抜けて」

星村和也「気にする事はないよ、若さ故の過ちは誰にでもあるから」

刑に服す事になった絵里は自宅で和也に謝罪をした。

自分の我儘で和也まで巻き込んでしまった事により
絵里は自責の念に駆られてしまった
本当に申し訳ない事をしてしまったと・・・・

和也からすれば生きてくれて良かったと思っているが・・・・
申し訳ない気持ちが強く絵里は涙を流してしまった・・・・

しばらく無言の間が続くが突然絵里が自身の口を押え始めた

星村絵里「うっ・・・・・気持ち悪い」

星村和也「絵里!?」

気持ち悪いと訴えた・・・・・

顔色が優れず、トイレに向かった・・・・
一体何があったのだろうか和也はトイレに向かう絵里を心配そうに見ながら様子を伺った

しばらくして絵里がトイレから戻ってくると・・・・・・・・
ものすごくぐったりしていた。

星村絵里「こんな変な感覚は初めてだ・・・・」

星村和也「まさか・・・・・今すぐ産婦人科に行こう・・・・もしかしたらだけど」

星村絵里「えっ・・・」

星村和也「絵里は妊娠しているかもしれない・・・・・・」

ぐったりしていた絵里を見た和也はもしかして妊娠しているのではないかと思い
絵里を市内の産婦人科に連れて行こうとした・・・・・・

妊娠しているかもしれないと言う和也の言葉に絵里は戸惑うも・・・・
そのまま和也の愛車に乗せられアポロシティーにある産婦人科に連れていかれる・・・
産婦人科に付くとすぐさま検査が行われた・・・・・

それからしばらく・・・・・・・・・

「星村絵里さんから陽性反応が出ました。」

星村和也「となると・・・・・・・・」

「妊娠してますね、しばらく勤務などは控えてください」

絵里は妊娠していた・・・・・・・・

その言葉を聞いて絵里と和也はしばらくポカンとしていた・・・・
特に絵里は自分が妊娠したと言う実感が持てず・・・・・・
驚いたまま口をポカンと開けたままだった・・・・

「とりあえず、お腹が大きくなり始めましたら当院で入院してください」

星村絵里「あっ・・・・はい・・・どうもありがとうございます」

絵里のお腹が大きくなり始めたら入院・・・・・・
突然すぎる妊娠と妊娠による入院のお知らせに絵里は何とも言えなかった。

謹慎処分解除され勤務に復帰する時期に入院するかもしれない・・・
そうしたら和也と一緒に勤務する時期が伸びてしまい・・・
更に迷惑をかけてしまう・・・・・

そうした事から自宅に帰宅中に車内で・・・・

星村絵里「また迷惑かけてしまってごめんね・・・」

星村和也「えっ・・・・・」

星村絵里「私はいつも迷惑ばかり・・・・」

妊娠して更に迷惑かけてしまった事に自責の念からか和也に謝罪をした。

ゼントラーディ人である絵里は妊娠して軍務に服せない事に
多大な迷惑をかけてしまってると思っており絵里の顔は涙目になっていた。

そんな絵里に・・・・

星村和也「絵里、別に気にしなくていいよ」 

星村絵里「えっ?」

星村和也「妊娠した子供は僕と絵里のかけがえのない宝だし、そこまで自分を責めちゃだめだ」

気にしなくていい、子供はかけがえのない宝だと伝え慰めた。

和也としても自身に娘を授かったと聞いた時嬉しかった。

地球人とゼントラーディ人のハーフとは言え、かわいい我が娘なのには代わりがなく
産まれてきたら絵里と共に大事に育てあげていこうと思っていた・・・・

だからこそ絵里に落ち込んだまま我が娘を産んでほしくない
元気になって!立派な我が娘を産んでほしい
それが今の和也の気持ちだった。

星村絵里「確かに、でも和也は私にどうしろと言うの?」

星村和也「安静にしてほしいかな、それだけだよ」

絵里は和也の言葉に一応の納得はするも、まだまだ理解しきれてない

ゼントラーディ人が故に責任感が強く、中途半端に投げ出す気はない・・・
そんな絵里に和也は優しく安静にしてもらいたいとお願いした。

和也からのお願いに絵里はコクリと頷き了承し、そのまま車の中で自宅に着くまで寝た
家に着くと絵里はすぐさま寝室のベッドの中に入り、そのまま就寝した

翌日

星村瑞穂「おはよう、起きて朝だよ!!」

星村絵里「おわっ!?」

絵里が眠っているベッドに義妹の瑞穂がやってきて起こしてきた。

あまりにも爆睡しており中々起きなさそうだったから体を大きく触った結果
何事かと思った絵里は驚き飛び上がるように起きた。
瑞穂の姿を見て、絵里は呆れた顔をした

星村絵里「和也は?」

星村瑞穂「買い物に行ったわよ、今日は絵里姉貴のために料理作りたいんだってさ」

星村絵里「料理・・・・」

星村瑞穂「姉貴、赤ちゃん産むんでしょ。しっかり栄養つけなきゃだめよ」

絵里は和也の姿が見えない事に不安を覚えたのか、瑞穂に行方を聞いた。

義姉からの質問に瑞穂は和也が絵里のために料理作るために買い物に行ったと答えた
和也が自分のために料理作るために買い物に行ってる事に驚いた
そんな絵里の表情を見た瑞穂は・・・・・

星村瑞穂「姉貴、そろそろ塞ぎ込むのをやめたら。新しい家族増えるし」

星村絵里「別に塞ぎ込んだわけじゃ」

星村瑞穂「誰が見たって塞ぎ込んでいるわよ。顔に出てる」

絵里に塞ぎ込むのをやめたらと言ってきた。

塞ぎ込んでいる姿は絵里らしくなく、瑞穂としては元に戻って・・・
数カ月後元気な子供を無事出産できるようになってもらいたいと思っていた。
瑞穂の言葉に絵里は塞ぎ込んでいる事を否定するも、更に指摘され・・・

完全に瑞穂に対して何も言葉が出ない状態になった。

星村瑞穂「それに今日.兄貴がこの前の戦いで、絵里姉貴が生きてくれて良かったと言ってたわ」

星村絵里「えっ」

星村瑞穂「それに新たな命を授かった事もね。兄貴は絵里姉貴の事を本当に大事にしてるし、私も親父やお袋、おじさん達も皆、姉貴の事好きだし」

瑞穂は更に和也が絵里が生きてくれて良かったと言ってた事と絵里が新たな命を授かった事を喜んでた事を語り始めた。

和也は戦闘が終わった後、絵里が戦場を生き抜いた事に泣いて喜び・・・
絵里がMDー3000を無断使用し軍事裁判で処分され連座する事になっても・・・
共に処分を受け入れ、絵里と同じ時を過ごそうと思っていた。

妊娠が分かった時、新たな家族が出来て喜んだが・・・
絵里がお腹が大きくなる頃には戦線に戻らなくてはならない。

妊娠のため戦線に戻れない事を知った絵里は足手まといになるんじゃないかと悲しんだ

などなど瑞穂は絵里に和也の本音を淡々と伝える

星村瑞穂「兄貴はそれだけ姉貴を大切にしてるの。」

絵里は瑞穂からの言葉を聞いて顔を赤らめた。

ーそれほどまでに私を大切にしてくれるなんて

和也が自身を大切を物凄く大切にしてくれているのが分かり・・・
今後、恥ずかしくてどう和也と向き合えばいいのか分からない
本当にどう顔を合わせたらいいか

絵里は一度悩んだ末

星村絵里「瑞穂、私.和也の子を産むわ。とても元気な子に」

星村瑞穂「おっやる気出たじゃん、その息よ」

きちんと和也の子どもを産むことを決めた。

やはりいつまでも落ち込んでいたら和也にもっと迷惑がかかる。
ここまで大切にされているのだから、立派な子供を産んでやる・・・・
謹慎処分も妊娠して勤務できない状況なんて気にしていられない。

絵里は総意気込み、来たるべき出産に備え安静にしとく事を決め
そして今回のMDー3000無断使用による失敗はきっちり反省し
今後に活かそうと決心した。

それからしばらくして長女が産まれ
その二年後シーアンタレス隊が結成し無断使用したMDー3000の正式型である
VFー3000スタークルセイダーを受領し、和也と共に戦場を駆けている
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戦う!ガール、叫ぶ!ボーイズ!ムーンウォーフェアー 前編

2021-04-24 14:56:06 | マクロス短編
ボーマン基地は突然のゼントラーディ軍の強襲により混乱に陥っていた。

レーザー砲とミサイルによる攻撃は基地全域に砲撃し

敗残艦艇の艦砲射撃はノプティ・バガニスを始めとした艦艇に命中。 
基地施設にも一部被害が出てしまい死傷者を出してしまった。  

ブリタイ「折角、修復し艦隊も再編できたが・・・・」 
新統合宇宙軍ブリタイ・ クリダニク中将

ランドル『そんな事を言ってる場合ではありませんな、閣下。今は敵の迎撃を!』
新統合宇宙軍ランドル・オルカ少将

ブリタイ「確かにな、全部隊迎撃せよ!揉み潰せ!ケアドウル・マグドミラ級メルトラスに連絡、奴らの予想逃走経路を抑えろ!」

ブリタイは混乱に陥った自軍を纏めつつ敗残艦隊を迎え撃った。

ゼントラーディ軍時代の副司令官のランドル・ オルカは
自身のヌージャデル・ガー部隊を砲撃のあった方向に向かわせ

遊撃部隊として搭載機のクァドラン・ローとクァドラン・ノナの編隊を別方向に派遣し
奇襲するように命令した。

『こちら第10機甲中隊、敵部隊確認かなりの数だ!迎撃する』

ランドル「我々の本隊が出るまで時間がかかる、少し持ちこたえろ!」

『ハッ』

ヌージャデル・ガーの編隊はリガードやジナールを随伴させ接敵した

敗残艦隊の艦載機は同じような編成だが
シュルケル・ウーが少数いるなど、少々厄介だった。
新統合宇宙軍のゼントラーディ兵士は意を決して、突撃戦闘に突入した。

「ラック?奴ら、ただの敗残兵じゃないぞ!統制の取れた正規軍だ!敗残兵の集まりじゃない」

「くそ、攻撃で本隊の発進が遅れてる。食い止めるぞ!」

蓋を開けてみれば統制の取れた練度の高い
敗残兵が集まった部隊ではない、きちんと部隊統制の出来ている
正規のゼントラーディ軍と言ってもいい程だった。

新統合宇宙軍のゼントラーディ部隊は敗残部隊と激しく衝突した

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「グレスラ!?くそ強い、敗残兵と見て油断見てると痛い目を見るぞ」

戦況は新統合宇宙軍若干劣勢の一進一退の攻防であり

新統合宇宙軍ゼントラーディ部隊は敗残部隊の猛攻を抑える
抑えてはいるが徐々に数を減らしていき、敗残部隊は艦隊と基地に近づく

それでも陣形を整え、応戦するが・・・・

「裏切り者のブリタイ艦隊、ラプラミズ直衛艦隊の兵は消えろ!消去刑だ!」

「師団長機だ!気をつけろ、まともじゃないぞ!」

師団長の駆るミック・ピッドが防衛線を突き崩してきた。

ヌージャデル・ガー2機とリガード10機が行く手を阻むも
ミック・ピッドは圧倒的火力と師団長の戦略により全機撃滅

圧倒的な強さに新統合宇宙軍のゼントラーディ部隊は後退を呼びなくされ

側面から奇襲したクァドラン部隊による一撃離脱戦法は空振りに終わり
敗残ゼントラーディ部隊の進撃を止める事が出来なかった。

『こちらボーマン基地管制室、クリダニク中将。基地の侵入を防いで欲しい。当基地にはメガロード改修などの必要な資材がある。破壊や奪われたりすると、今後の支障が出る、なんとしても防いでください。』

ブリタイ「了解した、全艦艇基地の前へ、敵を1機たりとも入れるな!」

次々と進撃してくる敗残部隊に対し、基地管制室は基地守備隊のデストロイド部隊を出撃させ
ブリタイに対し基地内部に侵入しないように要請した

基地施設にはメガロードやゼントラーディ工業衛星で生産された資材があり
武器弾薬などの物資が保管されている 
破壊などされたら戦略的に大きなマイナス的影響が出てしまう

なんとしてでも守り通さねば

【月面表面】  

その頃

和也と絵里は所属中隊と共に新統合宇宙軍艦隊の周囲に展開しボーマン基地に向かっていた。
艦隊からは2個飛行中隊が離艦し、前方に展開。

アームド艦内では後続の部隊も出撃に備え待機していた

星村和也「すまんな、うちの絵里が迷惑を」

葛西信之「絵里ちゃんのいつもの事でしょ、」
新統合宇宙軍.葛西信之少尉

カール「まぁ評価される事があれば相殺だし」
新統合宇宙軍カール・インメルマン少尉

星村和也「怒られるのは小隊長の俺なんだけどね」

和也は妻の絵里が愛機のVFー1Jに乗らず試作機を勝手に乗った事を
部下でもあり戦友でもあり、親友である信之とカールに謝罪した

絵里の駆るMDー3000ー02を見て和也の部下兼悪友の二人は驚くも
最新型の可変戦闘機の試作機だとすぐに理解し
絵里が無断使用した件についても、いつもの事だと認識した

第1次星間大戦末期、絵里は無断出撃し特殊任務を受けた歩兵を支援した事がある。

今更感しかないので信之とカールは気にしてない

星村和也「にしても、絵里そいつはどうなんだ?」

星村絵里「凄い、VFー1よりパワーがある。VFーXー4とも違う。私はこっちが好みかな」

MDー3000に乗る絵里に和也から性能について聞かれた。

性能はVFー1よりパワーがあり、同じ試作機のVFーXー4と違う
好みで言わられたら、こっちが好きだと・・・・

機体を操縦する絵里の感想だった

絵里はMDー3000と言う機体を気に入っていた。
VFーXー4には任務で乗ったが、MDー3000の方が断然いい

正式採用されるならばVFー4よりもこっちを配備してもらいたい

操縦しながら絵里は思った。

『全軍、艦隊前へ。間もなく戦闘エリアに入る。ブリタイ・クリダニク中将の艦隊が苦戦中、二手に分かれて援護せよ!』 

艦隊司令官から前進命令が出た。

艦載機部隊と随伴飛行隊は直掩部隊以外、二手に分かれて前進せよ!
部隊を二手に分け、ブリタイ艦隊への直接支援と敗残艦隊強襲の2面攻撃で・・・
和也と絵里達の所属していた飛行隊は強襲攻撃部隊に属していたため
艦隊からは離れていった。

星村和也「見えたな、あれが敗残部隊の艦隊だな。どう攻めるか?」   

星村絵里「2つ手はあるけど、艦橋制圧か弾薬庫の爆破による撃沈だね。」

敗残部隊の艦隊が見えてきたが、敵艦隊は巨大艦なので 
可変戦闘機単独で撃沈するのは難しい。

和也はゼントラーディ人だった絵里に判断を仰いだ

絵里は艦橋制圧と弾薬庫の爆破による撃沈を提案した。

任務としてはかなり困難極まりない内容だが 
巨大艦であるゼントラーディ艦艇を制圧するには妥当

和也は絵里と信之、カールの4人で危険極まりない作戦を実施しようとした

しかし

「「その案は必要無い」」

星村和也「中隊長」 

澤村少佐「我が艦隊から反応弾搭載VAー3Aが出撃しているからな。」 
新統合宇宙軍.澤村賢一少佐

絵里の作戦を実施する必要がなかった。

理由は簡単、反応弾を搭載しているVAー3インベーダーが出撃してるから

インベーダー部隊はワイルドキャット中隊と呼ばれる白と黒のカラーリングが特徴の部隊で
8機のVAー3と各4機のVAー1とVAー2の護衛で編成された打撃部隊だ!

編成は横一列に並び、護衛編隊が前に出ての2列編成

いつでも攻撃出来るような状態だった。

和也達がその存在に気がついた頃

星村絵里「攻撃を始めた!?」

反応弾や対艦ミサイルを一斉に発射し、敗残艦隊に向けて飛んでいった。

発射されたミサイル群は艦隊に命中し、次々と大破撃沈に追い込んだ
無論、側面より攻撃していたクァドラン・ロー部隊は退避してるし誤射はない  

ただ・・・・・・・

星村絵里「戦いがつまんなくなるわ〜これ」

葛西信之「いやぁ仕事が楽になるからいいんじゃね絵里ちゃん」

カール「命の危険はないぞ」

星村絵里「でも、呆気なくてつまらない気がするわ」

ゼントラーディ人である絵里は呆気なく敗残艦隊が打撃を被る姿を見て  
つまらないと言う発言をした。

信之とカールは安全性も高まり、敵の掃討のしやすさから今の状況を歓迎してるが
思いっきり戦闘をやりたかった絵里からしたらつまらない。
和也はこの会話を見て、信之達の意見よりの考えだったため絵里に対して苦笑いした

確かに戦い好きの絵里からしたらつまらないかもと

「我々は通常装備による第二攻撃のため、艦隊に戻ります」

澤村少佐「うむ、後は任せろ!各小隊につぐ、先行するクァドラン・ロー部隊共に敵を挟撃する。気合を入れておけ!一気に形勢を優勢に傾けるぞ!」

反応弾と対艦ミサイルの攻撃が完了し攻撃部隊は通常装備換装のため元いた艦隊へ帰還した。
帰還を確認した和也と絵里の上官である澤村少佐は各小隊にクァドラン・ロー部隊と共に敵を挟撃
一気に形勢を優勢に傾けると言った。

敗残艦隊は大打撃を被っており 
現にクァドラン・ロー部隊による猛攻で守勢に立たされている。

クァドラン・ロー部隊と共闘し一気に戦闘を有利に進め、敗残艦隊を殲滅

澤村少佐はそう考えていた。

星村絵里「別部隊の連中も上手くやってるし・・・・まぁやるか」

星村和也「なんだその塩対応?」

星村絵里「折角の新型を活かす機会なし、強敵なし。つまんない戦いだから塩対応になるでしょ。」

絵里はこの命令に対し塩対応で対応した。

強敵なし、新型MDー3000を活かす機会がなし。
そして戦場は優勢すぎてつまらない。
退屈極まりない戦闘は絵里からしたら真面目にやらなくても勝てる

和也達はそんな絵里を見て大した自信だと言う目で見た。

現に途中で分かれた攻撃部隊はブリタイ艦隊と合流し
敗残艦隊の艦載機部隊を一気に追い詰め

先程のミサイル攻撃もあり、新統合軍の勢いは更にました  

葛西信之「しかし、気をつけなきゃいけない情報はあるらしいぜ」

星村和也「なんだ?」

葛西信之「精鋭の一部が撤退したと、しかも敵の一番強い所だとよ」

敗残艦隊の一部が突如、撤退し行方知らずになった。

行方知らずになった部隊はエース機ばかりであり
戦場には多くの一般兵士たちが彷徨っていた。

エース機ばかりが行方知れずになった・・・和也はふと考えた

何処かにひっそり敗走しているのか?

だとしたら・・・・

星村和也「絵里!起きろ!!」

星村絵里「へっ!?」

星村和也「敵が何処に潜んでいるか分からないのだぞ!君は僕の妻である前に、新統合軍の兵士だ!兵士だったら、最後まで油断するな!気を抜くな!勝ちそうな戦いでもな!」

和也は異様な違和感から、危機感を覚えやる気を無くした絵里を叱咤した

このやる気では絵里は行方知らずになったエース級にやられてしまう。
敵は追い詰められたから死を覚悟している、覚悟した敵は恐ろしい

そんな相手に絵里が相対したら確実に勝てない。

それだけじゃない。
 
信之やカールと言った小隊全体危ない
絵里の意識変えないと意味がない。

早く何とかして異様な違和感の正体に備えなくては

そう思ってた時

星村絵里「!?」

星村和也「なっ・・・・・・」

絵里の機体背後からレーザーの粒子が見えた。

数秒反応が遅れていたら完全に絵里がやられていた位置で完全に危なかった。

更に一発のレーザーの後、周辺に多数のレーザーの粒子が襲ってきた
和也や信之、カールも回避するも被撃墜はないが他の友軍機が被弾し戦力が低下した
当然、攻撃していたのはシュルケル・ ウーなどで編成された敗残部隊の精鋭兵部隊

統率がとれており、白兵戦に突入すると数機が撃墜され更に苦戦していた

星村絵里「突破口を切り開く」

星村和也「絵里、無茶はするな!」 
 
星村絵里「するわけない、和也。バックアップお願い。」

星村和也「まったく・・・・信之、カールお前らで編隊を組み要撃。俺と絵里で敵を抑える!」

戦況を打開すべく、絵里が敵陣を切り開くと宣言した。

この宣言に和也は絵里は一人で無茶をするのではと危惧したが・・・・
絵里は元々無茶をするつもりではなく、和也が共に来る事を前提にしており

前衛は自分でやるから、後方の支援を任せたと和也に言う。

それを聞いた和也は相変わらず人使いが荒いと呆れつつ了承した。

星村絵里「1機、次に2機。和也のバックアップも上手いけど、この機体やはり凄い。流石は新型ね。」

和也のバックアップを受けつつ、絵里は敵陣を切り開いた。

MDー3000の性能はこの絵里の敵陣を切り開く行為に呼応するかの如く
最新鋭機に相応しい性能を遺憾なく発揮し、絵里を驚かされた。

絵里との相性がよく、一瞬にして敵を数機撃墜できる程だ。

星村絵里「次は・・・・ハッ」

「くそ、マイクローンどもめ!よくも!」

次の敵を探そうとした絵里だが・・・・・
姿を消していた敵司令官の駆るミックピッドに襲撃された

突然の襲撃に絵里は驚き、ミックピッドにガンポッドを破壊されてしまった。

武器を失った絵里は、パルスレーザーで反撃するも避けられてしまう。
このままでは、死ぬ・・・・絵里は自身の死への危機感を募らせた
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第一次星間大戦月面の動向 後編

2021-03-20 20:24:37 | マクロス短編
戦争終結から1年以上が経過した。 

SDFー1マクロスのパイロットであるマクシミリアン・ ジーナスと
ゼントラーディ軍のエースであるミリア・ファリーナ・ジーナスとの間に
初の星間混成児であるコミリア・マリア・ジーナスが生まれた。
 
人々はコミリアの誕生を祝福し新たな時代の幕開けを実感した。 

そんなご時世の中、月面では・・・:

【西暦2011年3月25日、月面アポロ基地】

新統合宇宙軍総司令部が置かれ
戦前の面影をそのまま残す月面アポロ基地。

ストンウェル・ベルコムや新中州重工、センチネンタルなどの軍需産業が
新統合軍軍備再編計画に基づき各種兵器を生産し・・・・
複合企業体ルミナスグループがメガロード02とメガロード03を建造するなど
月面は賑わってた

新統合宇宙軍は地球マクロスシティの参謀本部の許可を取り
YVFー3000とVFーXー4の開発を行いアポロ基地の外縁部にて
テストが行われていた。

テストパイロットとして訓練教官を兼任していた
スカル中隊の隊長である一条輝らが着任。

一時期、はぐれゼントラーディの襲撃を受けるも
順調に各種の機体の開発が順調に進んだ

そんな中

星村和也「父さん、彼女がモーアです。」
新統合宇宙軍星村和也中尉

モーア「改めてよろしくおねがいします、星村提督」
新統合宇宙軍モーア・カリダム少尉

息子の和也がテストパイロットの一人であるモーア・カリダムを紹介した 
モーアと言う女性兵士は地球人ではなく、この前まで敵だった 

ゼントラーディ人だ!!
 
ショートヘアに可愛らしい雰囲気
とは言え一度会った事はあるが・・・・
息子が地球人以外の女性と恋人関係になる  

なんとも実感が沸かない  
 
星村苑子「和也がいい娘と恋仲になるなんて、私は幸せだわ。」
謙三の妻、星村苑子

星村謙三「幸せか・・・」

星村瑞穂「別にいいじゃない、私からしたら姉貴ができた気分だよ。年下だけど」
新統合宇宙軍.星村瑞穂.少尉

妻苑子と娘瑞穂は新しい家族になりうるモーアを歓迎していた。

モーアの可愛らしい雰囲気は苑子と瑞穂に胸キュンする程好印象
苑子は実娘のように、瑞穂は妹が出来たかのように喜ぶ。

その姿を見た謙三は感覚の違いを思い知った。

そして翌日の昼

星村隆之「はははは兄上の生真面目坊主も嫁か、しかもゼントラーディと来たか」

星村謙三「笑うな、隆之。」
 
星村隆之「俺の高良や義之は結婚し、クラビクスやアポロに住んでいるが・・・ 和也はゼントランか」

星村謙三「息子が決めたんだ、これ以上笑うな。」

星村勝宣「私も息子と娘が結婚した時も相手に驚かされた事が、あったが、謙三の所はゼントランか。中々面白くていいな」
新統合宇宙軍星村勝宣少将

弟の隆之や遠縁で仕事でアポロに来ていたクラビクス基地所属の星村勝宣
に話したらかなりいじられた

なんせ隆之からしたら甥がゼントラーディ人の女性を嫁にする事は
かなり珍しくて笑える話であり、周りへの話の種になる。 
そんな弟の態度に謙三葉恥ずかしくなってしまう。

星村謙三「まぁ義娘になるかもしれないモーアだが、地球人の名前が欲しいらしいんだが・・・」

星村隆之「それなら俺の養女になればいい」

星村謙三「は?」  

星村隆之「カリダム少尉は俺の養女になればいい、そこで地球名に改名すればいいさ。その上で兄上のとこの和也の嫁に」

モーアが地球人としての名前を欲しがってた事も話すと
隆之は自分の家の養女になればいいと言ってきた。

いきなり何言ってんだこいつ?と謙三は思ったが

よく考えたら一理あると思った

星村姓であるし地球人としての苗字は日本系になる。
モーア自身日本の名前が言いとか言ってたから、この手は使えるかもしれない。
謙三はニヤリと呟き

後日

モーア「養女ですか?」  

星村謙三「そうだ、義父は愚弟だが一応の父親になる」

星村隆之「愚弟とは余計なお世話だ。俺が養父になる星村隆之だ、仕事では上官だが父親になる。まぁ甥の和也をよろしくとこれからよろしく」

モーア「よろしくおねがいします」

モーアに養子縁組の話をし、養父となる隆之を紹介した。 

養子縁組の件にモーアは不思議そうな顔をしてたが・・・ 
家族になる事と地球人名を手に入れられると理解し、納得した。

隆之本人はモーアにきちんと挨拶し、モーアも返す

結構いい感じになるな、謙三は挨拶を見てそう思った

星村隆之「戸籍は編入済みだから、今日から俺の娘だ。絵里。」

モーア「絵里?」

星村謙三「そう絵里だ!君はモーアではなく、星村絵里。絵里は絵に書いた里のような女性になってもらいたいと言うのが由来だな」

モーア「なるほど」

戸籍は挨拶する前に編入されており、モーアの名前は星村絵里になった。
絵に書いた里は謙三が防衛大学校の頃に描いたイラストを元になっており
明るく自然味豊かな里のようになってほしいと分けの分からない意味が由来だ。

隆之はもっとマシな理由があるだろと呆れるが
モーアはもとい絵里は納得した…

その会合からしばらく

和也と絵里は結婚した。

星村謙三「和也」

星村和也「ハッ」

星村謙三「絶対に泣かすような真似、裏切る行為はやるなよ。」

星村和也「分かってます、絵里を幸せで思い出一杯にします。」

謙三は和也に絵里を泣かせたり裏切る真似をするなと釘を刺した
ゼントラーディ人とは言え、女性である。
これからやっていく家族である。

家族を裏切るような真似はするなと

謙三の言葉に和也は結婚した絵里を幸せにすると誓った
和也自身も絵里を幸せにしたいと思っており

ゼントラーディ人が故に戦い以外の幸せを教えてあげたいと思っていた

息子和也の言葉を聞いた謙三は安心したかのような表情を浮かべ
自宅にある日本庭園を見つめた

それからしばらくして

星村謙三「地球各地で不穏ゼントラーディ分子による反乱か」

鷹原克昭「マクロスシティー周辺の都市であるビヨン・シティなどで、マクロスシティーではマイクローン化してないゼントラーディ人の・・・・」

星村謙三「なるほどな、急激な社会の変化をやれば反発がある。明治維新の士族の反乱のようだな。」

地球各地でゼントラーディ人の反乱や暴動が相次いでいると言う報告を受けた。

地球文明になじめないゼントラーディ人が暴れており
静止した他のゼントラーディ人との衝突に治まらず治安部隊と交戦する事態にまで発展
地球の新統合軍参謀本部や新統合政府は頭を悩ませていた

反乱や暴動を引き起こすゼントラーディ人は
ブリタイやラプラミズなどの艦隊出身者よりも、戦後恭順したそれ以外の出身者が多く
中にはゼントラーディ軍の別の基幹艦隊へ合流し、原隊復帰を望む者もいる。
更に過激化しそうだな、謙三は悩む

星村謙三「月面のゼントラーディ人はどうだ?」

鷹原克昭「いえ、特に何も・・・」

星村謙三「そうか、それはよかった。」

マイクローン化し、月に移住したゼントラーディ人は幸い暴動や反乱がない。
新統合宇宙軍主導の軍備再編計画もあり、志願兵の雇用による受け入れや

戦前から続く安定と戦後における混乱のない一般企業のしっかりとした教育体制により
ゼントラーディ人の軍以外の就業状況が殆ど上手くいっており
アルガス・セルザーのように才能を開花し成功した者がいる。

反乱が起きる地球と反乱のない月の成功の差であった。

鷹原克昭「ただ・・・提督・・・これを・・・」

星村謙三「むぅ?行方不明のラプラミズ艦隊司令がカムジンとの同席?」

鷹原克昭「キャッツアイからの報告からの新統合軍参謀本部よりの情報です。」

かつて 
マクロスと共にブリタイ・ クリダニクと共に同盟艦隊を成した
ラプラミズとカムジン・クラヴシェラが同席していた報告

彼らは戦後行方不明になっていたが・・・・
今になって現れる。
いい話ではない、悪い話でだ・・・・

カムジンらは反乱勢力の一つとして動いていた

星村絵里「うそ・・・・うそですよね・・・嘘だと言ってくださいお義父さん。」

星村謙三「嘘じゃない、事実だ。ラプラミズ直衛艦隊司令官ラプラミズは、国家テロリストになった可能性が高い。」

星村絵里「テロリスト・・・・ 私の敵」

すぐさま、謙三は自身の執務室に絵里を呼び出した。
絵里はラプラミズの元部下であり、ミリア・ファリーナの部隊に所属していた。

当然ながら、謙三から話した事実に絵里の顔が真っ青になるなど
かなりショックを受けていた。
無理もない、絵里自身ラプラミズに対する忠誠心は高かった。

それが故の葛藤もある

星村謙三「星村少尉、俺の倅と結婚したとは言え、かつての上官を殺す事が出来るのか?」

ラプラミズを殺す事が出来るのか?

謙三は義理の娘である絵里に問いかけてみた。
地球への忠誠か、元上官ラプラミズへの忠誠か・・・・

当然迷うはず、謙三はそう考えていたが・・・・

星村絵里「義父さん私は軍人です、ゼントラーディ軍ではなく新統合軍のです。例えラプラミズ司令であろうと、平和を乱すならば私の手で殺します。」

星村謙三「即答だな」 

星村絵里「当然です、今着ている制服の着ている意味がありませんから」

絵里の判断は即決、ラプラミズを殺す事が出来ると

まさかの答えに謙三は驚くが、絵里の表情を見ておふざけではない真剣だ!
答え終わると絵里は敬礼して部屋から退室した。

ー驚いた話だ・・・・
ー息子は恐ろしくも頼もしい嫁をもらったと

謙三は絵里を嫁に迎えた和也に畏怖の念を覚えた

【月面ボーマン補給基地】

アポロ基地から南東部にあるボーマン基地

ボーマン補給基地はメガロード01などの移民艦やゼントラーディ艦の資材があり

新統合宇宙軍にとって最重要防衛基地として指定されていた。
ここにはブリタイ・クリダニク中将率いる同盟ゼントラーディ残存艦艇で編成した
新統合軍独立遊撃海兵艦隊が展開している。

「師団長、我が軍の艦隊です。何故こんな所に?」

「ノプティ・バガニスが1隻、ケアドウル・マグドミラ2隻、キルトラ・ケルエール1隻、スヴァール・サラン6隻、キルトラ・ケラミッツ4隻、トゥ・レディール10隻かなりいる。友軍か?」

ボーマン基地近くになる地点で

ミックピッドやシュルケル・ ウーが展開していた。  
彼らはゼントラーディ軍残存艦艇であり、フォールド離脱ができず月で彷徨ってた

敗残艦艇を率いていたゼントラーディ軍の師団長は愛機を駆り自ら偵察に出ていた  

そんな中で遭遇したのがブリタイ艦隊とボーマン基地だ!

「待て!5631、あれは裏切り者ブリタイの艦だな。」

「ブリタイ?」

「師団長、それは・・・・」

「連中はマイクローンと手を組み、ここにいるのだろう。奇襲しかけるぞ!連中から物資を奪え!」

師団長は物資確保のため、奇襲仕掛ける事を決め
艦隊に連絡しブリタイ艦隊に向け、艦砲射撃を仕掛けるように命令した。  

ケアドウル・マグドミラ級1隻 
スヴァール・サラン級8隻
キルトラ・ケルエール級1隻 
で編成された敗残艦隊はブリタイ艦隊に向けて艦隊射撃を行った。

それと同時にジナール、ヌージャデル・ガー、リガードの編隊が
ボーマン基地に殺到した。

「報告します。ボーマン補給基地がはぐれゼントラーディの攻撃を受けました。」

星村謙三「なんだと?すぐ基地の飛行隊に救援を・・・・」

「ハッ」

月面ボーマンクレーターに建設された補給基地が
はぐれゼントラーディの襲撃の襲撃を受けたと報告が入った 

最重要防衛基地であるため、すぐさま、被害少なく抑えるため
基地守備艦隊や基地飛行隊を出撃する事を決めた。   

ブリタイ艦隊がいるとは言え早期解決しなくてはならない。 
謙三は部屋から出て基地管制室に向かった

それに伴い

基地ゲートからアームド級宇宙空母コンステレーションと
オーベルト級宇宙駆逐艦ゴダード、ツィオルコフスキー、デズデモーナ(右翼)
左翼にディードー、デイダミア、ヘルミオネー、コゼットが出港した。

これらは戦前からの残存艦艇であり
新造のオーベルト級を配備する代わりに第1機動艦隊再建のため
アポロ基地に集められていた。

この艦隊と同時に基地飛行隊も出撃要請が出され、可変戦闘機用ゲートが開いた

星村和也「まさか、ボーマン補給基地が狙われるとはね・・・・」  

星村絵里「ちょっと待って!」

星村和也「なんだい絵里?」  

星村絵里「これは何?大型化した可変戦闘機見た事ないし、例の新型じゃない」
 
星村和也「なに・・・・これは?」

先程謙三に呼び出され、退出していた絵里は部屋に戻る道中出撃命令が出され
和也や他の飛行中隊員と共に愛機のVFー1Jバルキリーに向かってた

が・・・・ その道中

ある物を見つけてしまう。

VFー1やVFーXー4とは違う機種、大型化の巨大な可変戦闘機
こんなものがこの基地に配備されてたとは

「ストンウェル・ベルコムの連中のYFー3000の試作機2号機MDー3000ー02ですよ」

星村和也「MDー3000だと?」  

「末端の整備兵である私には分かりません、詳しくはストンウェル・ベルコムの方が・・・・」

ここに置かれていた機体は整備兵曰くMDー3000ー02と言う名称の試験機だった。

MDー3000ー02とは
第一次星間大戦に開発が進められ中止となったYFー1000の発展型である。 
戦後、開発が密かに再スタートになり地上に試作1号機

ここ月面アポロ基地に試作2号機が配備され、試験飛行が行われていた。

「これからテスト飛行で、武装もって君何をしている!?」

星村絵里「折角だから、使わせてもらうわ」 

星村和也「絵里、降りなさい!」

星村絵里「私はVFーXー4のテストパイロットやってたのよ、この娘も使いこなして見せる!」

星村和也「くっ、止めても無駄か・・・・」

そのMDー3000ー02を絵里が勝手に乗り込み出撃しようとしていた。
和也は止めようとするも、時既に遅し絵里は発進ゲートに向けて動いており

止める事をやめ、自らの愛機であるVFー1Jに向かった。

次々と可変戦闘機が出撃し、艦隊周囲に展開 

謙三はその姿を見守っていた

「格納庫より報告、星村少尉がMDー3000ー02を無断使用してます」

星村謙三「あのバカ娘が、まぁ地上にいた頃、命令違反して謹慎したらしい。許可する、今回は相殺として試験評価せよ!」

「いいんですか?提督?」

「ストンウェルの連中と開発部がなんと言うか・・・・」

星村謙三「構わん、責任は私が取る」

絵里の無断使用報告があがると、驚きはしたが

MDー3000の試験評価ができるとし
無断使用による処分は試験評価の実績による相殺として出撃を許可した

西暦2011年、第1次星間大戦から1年・・・

世界は新たな戦争の時代に幕を開けた
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第一次星間大戦月面の動向 中編

2021-03-10 14:55:59 | マクロス短編
月面の戒厳令は暴動が治まった現在も続いている・・・・・
治安出動した部隊の数は減っているが、今だに厳戒態勢をとっており・・・

買い物客や通勤する人の往来を横に防弾ヘルメットを被り
M4カービンを装備しながら、暴動が起きないか警戒している・・・
宇宙軍兵が展開していた。

人々は平然を装っているが、内心は畏怖を覚えており・・・

不安は消されていない

【月面アポロ基地統合管制センター】

地球統合宇宙軍管制センターでは地球との交信を試みていた。
長らく通信が途絶しており、地球の状態がどうなっているかまだ分からない
地球に帰還したとだけ分かってるマクロスすら通信がない

それでもなお通信は続けられており・・・・・

諦める人はいつつも最後まで諦めようとしなかった。

ボドル基幹艦隊戦から翌月のある日

「こちら地球統合宇宙軍月面アポロ基地管制センター、地球にいる統合軍部隊応答願います。」

『こち・・・・北米・・・・部・・・・・友軍か・・・・こちら北米方面・・・・・』

「!?長官・・・・・」

星村謙三「地球の友軍はまだ生きていたのか」

北米地域を担当していた地球統合軍北米方面軍司令部と連絡がとれるようになった
雑音ではあるが地球に生存していた人がいる事実に一同は歓喜した。

北米地域だけじゃない。
地球各地の方面軍司令部との通信がどんどん繋がるようになった。
月にいる統合軍将兵や月に住む一般市民は歓喜の声を上げた。

その反面 親戚を失った人間は落ち込んだままだったり

中には行政に怒りの声を上げ、政府機関に乗り込もうとして
警備していた宇宙軍兵士に取り押さえるなど一部では混乱が見られた。

【アポロ基地大型造船所】

この日、謙三は副官.鷹原中佐と宇宙軍副長官を連れて
SDFー2メガロード建造現場を視察していた。

メガロードはSDFー1マクロス2番艦であるが・・・
実際は地球人が一から建造した超巨大要塞戦艦であり・・・
規模は一番艦すら上回る、地球統合宇宙軍が誇る本命であった。

まだ建造中ともあり、決戦には間に合わなかったが・・・・

鷹原中佐「かなり進みましたね。」
星村謙三副官.鷹原克昭.中佐

星村謙三「決戦には間に合わなかったがな・・・・」

アーネスト「にしても、艦隊行動するには人が足りんな。」
宇宙軍副長官アーネスト・シェパード中将

建造は進んではいるが、問題は艦隊編成
先のボドル基幹艦隊との戦いで9割の艦艇と艦載機を失ってる。
その為、残存艦隊とアームド級やオーベルト級各種艦艇の建造就役
艦載機などの戦力再編を急がせている。



人材は豊富ではなくむしろ不足している。
仮にメガロードが完成しても動かせる人材はいるかどうか
明らかに足りないのが目に見えているし

無事が確認されている衛星都市や地球の残存人数では

こうした不安が残る
艦はできても人がいなければ無用の長物でしかない。
悩ましい話である

「失礼します、地球より星村宇宙軍長官宛に通信が来てます。」

星村謙三「通信?もしかしてグローバルか?」

「いえ地球統合軍アラスカ総司令部管制主任の早瀬未沙大尉からです」

星村謙三「早瀬・・・・未沙からか、確かマクロスから報告に戻ったらそのままアラスカに・・・うむ分かった。私の部屋にまわせ、すぐ行く。」

そんな中、若い連絡員の女性兵士が来て地球から謙三宛に通信が来てると報告した。

謙三に連絡してきたのはマクロス艦長であるブルーノ・J・グローバル准将ではなく
マクロス管制主任からアラスカ総司令部管制主任になってた早瀬未沙からだった

女性兵士から未沙の名前が出てきて
謙三は驚いた顔を一瞬したが、すぐ真顔に戻り・・・
直ぐ様、視察を一時中断して自室に向かった。

それから20分後

星村謙三「すまなかったね、早瀬大尉。メガロードの視察してたもんで、遅れたよ」

早瀬未沙「突然連絡してきてすいません、提督。いろいろとお話したくて。当然、グローバル艦長から月面に向けての命令なども伝えておきます」
地球統合宇宙軍.早瀬未沙.大尉

星村謙三「分かった、まずは命令から聞いていこうか。私的な話は後にしてな」

謙三は未沙からの通信に応じていた。

地球から同期早瀬隆司の娘、未沙がグローバル艦長からの命令があると報告

その報告を聞いた謙三はグローバル艦長からの命令と言う単語に不満を覚えた。
グローバル艦長は自分より階級下で、自分の方が上官の立場
戦争の一番の功労者

星村謙三「つまり地球統合政府臨時政権並びに臨時参謀本部、そして我が宇宙軍全軍は新政権に帰属そして、アポロ基地で建設中のSDFー2メガロードの接収か・・・・」

早瀬未沙「それがグローバル艦長からの命令です」

星村謙三「気に食わんな、同じ宇宙軍とは言え命令が過大だ」

淡々とグローバルからの命令を伝える未沙に対し
謙三は声をきつめにモニター越しで、睨むかのように反抗した。

格下であるグローバルからの命令は気にくわない

態々応じる必要のない話

早瀬未沙「提督、もしや」

星村謙三「応じる気にもならない、むしろグローバルも我々の事を信用してないのだろう?」

早瀬未沙「それは・・・そうですけど」

星村謙三「こちらに対し信用が最低限あれば、応じる考えの余地はあるが・・・なければこの話はなしだ。」

お互い信用してない

グローバルは地球統合軍アラスカ総司令部から散々な目に遭わされた。
この事からもアポロ基地などの月面基地にいる地球統合軍の高官を信用してない

逆に

謙三はグローバルの事を嫌っており、そもそも信用してない
その上で下の立場から命令してきた事は侮辱と感じており腹が立ってる

ギャスバル提督から引き継ぎ宇宙軍総司令官たる地位にいる自分が
一般の准幹部士官であるグローバルに命令されると言う事は侮辱でしかない
相当な無礼

とは言え

星村謙三「我々、ルナリアンを恭順させたくば信用するかつ、今後の我々の地位を保証するのだな」

早瀬未沙「保証・・・・しなかったら」

星村謙三「独立も辞さないかつ、一戦も辞さない」

妥協しなくてはならない部分もある
だけど、脅しめいた発言をして少しでも有利になるようにするのが前提で

交渉のカードの切り札にグローバルが欲しがるSDFー2メガロードがあり
必ず相手からこちらの交渉のテーブルに座ってくるはず
謙三は不敵に笑う、既に未沙が手にとったカードがジョーカーだからだ

勝つのはこちらだと・・・・

星村謙三「どうする?でないと我々は共倒れになる、地球統合軍の規律のとれた組織は我々にある。ストンウェル・ベルコム、新中州重工、センチネンタルの工場も組織もな。」

早瀬未沙「やり手ですね、提督。分かりました、グローバル艦長に報告します」

星村謙三「いい結果を望む」

勝敗の結果はこっちが握りとった
いや、まだ完全に勝ちを握ったわけではないがこちらが有利なのは変わりがない

さてグローバルは承諾するかどうか

楽しみな話だ、楽しみで待ってられん

謙三は今の会談に満足し、制帽を被り司令部に戻った

その頃、アラスカでは

早瀬未沙「艦長、星村提督の件。星村提督からかなり厳しい条件つきつけました」

グローバル「カミソリ星村なだけはあるな」
地球統合宇宙軍.ブルーノ・J・グローバル准将

早瀬未沙「お父様の盟友ともあり、断りきれません。それに同じ統合軍同士で」

グローバル「ぬぅ・・・・」

未沙は謙三との会談結果をグローバルに報告した。

謙三が地球統合政府から独立を計画し、地位を保証しなければ実現すると
このままでは、SDFー2メガロードの接収は愚か統合政府再建が出来なくなる
などと持論を交えつつ、星村提督ら月面の面々が恭順しない事による危機感を
訴えた

月面だけではない、各地の地球人のコロニーも恭順しない可能性がある

強気な態度を望むのはいいが

相手は星村謙三

下手な対応する事ができない

グローバル「条件は受け入れるしかないな」

早瀬未沙「受け入れるのですか?」

グローバル「しかしだな、条件付きでの話だ」

早瀬未沙「条件付き?」

条件は受け入れる、グローバルは受け入れる条件として・・・
自分達の更なる条件を謙三に突き付ける事にした。

この条件ならば謙三も受け入れられるだろうと思って・・・・・

グローバルは机に置いてあるパソコンからUSBを取り出し・・・・
SDFー1マクロス艦内にある通信室に向かった。
通信室には・・・・・・・・・

エマ「艦長、早瀬大尉お待ちしてました」
地球統合宇宙軍エマ・グレンジャー中尉

グローバル「うむ、星村提督と繋がっているかね?」

エマ「はい・・・・今・・・・」

未沙の士官学校の後輩でガンサイト2で指揮をしている女性士官
エマ・グレンジャー中尉が通信室で待っていた。

現在、謙三からの通信が来ており保留にしていたため・・・

グローバルが来るとエマはすぐさまモニターに謙三の姿を出した
モニターに映し出された謙三の姿は堂々としており・・・・
威圧感があった・・・・・・

星村謙三「ブルーノ・J・グローバル准将、交渉の席に応じる気になったかね?」

グローバル「そう言う事だが、これは取引だ」

星村謙三「取引?面白い」

グローバル

グローバル「星村提督、このUSBのデータを送る・・・これが私が提示する条件だ。」

星村謙三「ほぅ・・・面白い・・・いいだろう」

グローバルは堂々としている謙三に条件は受け入れるが・・・
これは取引だと発言した。

取引・・・・・・・どんな取引をするのやら・・・・・

謙三はグローバルの言葉に期待しつつ
USBから送られてきたデータを見た。

通信機器も回復し、地球から月への長距離のデータ送信は可能になっており
時間はかかかったが、謙三の元にUSBのデータが届いた。

すぐさま、自前のパソコンでUSBのデータを見た謙三は

星村謙三「・・・・正気かね?」

グローバル「正気だ・・・恭順と送信したデータ・・・それが私が提示する条件だ・・・」

声を上げて驚いた 

中身は種の保存、それに伴うSDFー2メガロードの移民艦への改修
終戦後の先を見据えた計画、謙三からは信じられない内容だ。

いや考えもつかない

むしろ面白い

星村謙三「分かった、提督に報告し恭順を受け入れよう」
 
グローバル「本当ですか?」

星村謙三「例の件も含めてな・・・ 受け入れよう」

謙三はグローバルからの提案と恭順を受け入れた

素直に従うつもりはなかったが・・・・
グローバルからの提案は魅力的だ・・・・

メガロードを改装して移民船を作る・・・
ノアの箱舟のようだ。
地球が壊滅して、どう移民のための人口を確保するのかと言う疑念はあるが
そこまで考えるつもりはない

ただ言えるのは、宇宙軍にとって大きな利権と利益になる事
つまり新政権にて宇宙軍再編OR増強の予算が出る。

謙三はそんな思惑を懐き、グローバルの案を受け入れた。

それからしばらくして
地球統合軍とブリタイ・ラプラミズら親地球派ゼントラーディ軍は・・
地球に降下したゼントラーディ軍に大打撃を与え・・・

3月末、地球統合政府とゼントラーディ軍は終戦協定が結ばれ

翌月、地球統合政府はゼントラーディ勢力を接収し
新たな統一国家である新統合政府が樹立した。

新統合宇宙軍はすぐさま、再編され
航行可能なブリタイ艦隊やラプラミズ艦隊の艦艇を接収し・・・
新たな軍事力の構築と、失われた戦力の回復に全力をあげた。

ギャスバルは退役、国政に進出し・・・
謙三は後任の座に就いた。

新たな時代が始まる

後任な座についた謙三が最初に放った一言だ。
新統合政府ブルーノ・J・グローバル臨時政権下で新しい政治が始まる
無論、始まるのは政治ではない

軍事も同じ

そう噛みしめる謙三は自分のいる地位の職務を全うした

それから一年後・・・
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第一次星間大戦月面の動向 前編

2020-12-30 16:50:22 | マクロス短編
【西暦2010年2月11日月面アポロ基地軍閣僚会議室】

第一次星間大戦の最大の戦い基幹艦隊決戦終了から三時間経った。
月面アポロ基地の閣僚会議室では

宇宙軍総司令ギャスバル・イゴール提督を始め、宇宙軍幹部が集まり・・・
月面クラビウス基地司令官山崎五郎提督、副官の白川秀康・・
そして月面の各基地の司令官や幹部がモニター越しで参加・・・
更に月面の地球統合政府行政府の与野党議員も集まり
これからについての会議を始めた。

星村謙三「現在、SDF-1マクロスと同盟艦隊がゼントラーディ艦隊を撃退、地球に帰還してます。しかし、地球統合軍総司令部と通信が途絶、早瀬参謀長らの生死は不明となってます。」
地球統合宇宙軍.星村謙三中将

イオン「次に我々地球統合政府は首都ワシントンDCにいるロバート・A・ライスリング大統領と上院下院議会議員らの安否は絶望的、行政が混乱しております。」
自由共和党月面アポロ議会イオン・プレザン議員

最初に出たのは地球統合政府首脳と議会議員の安否と
そして彼らの上位組織である地球統合軍上層部の安否について

地球のアラスカ地球統合軍総司令部基地はグランドキャノン発射前は
なんとか通信できたが、ゼントラーディ軍基幹艦隊の再度の攻撃以降
まったく連絡出来ない程通信が途絶

結果、事実上地球統合政府と地球統合軍は月面と衛星都市を除いて全滅した。

残された軍首脳と月面行政府で構成された地球統合臨時政府の首脳らは・・・
人類再編のための今後の模索を始める事となった。

ペク大佐「地球本国は壊滅状態、生きている人はいるのか・・・」
地球統合宇宙軍ペク・ウンジュン.大佐

ツァヒアギーン「ペク参謀、我が軍はこの日のために敵艦隊の砲撃に備え地下施設は強化したのだぞ!全滅はありえないし、アラスカ基地のように直撃を免れた箇所もある可能性がある!生存者はいる可能性がある。マクロスも彼らと合流しているはずだ!」
地球統合宇宙軍ツァヒアギーン・エンフバヤル大佐

ペク大佐「それは楽観論だ!生存者がいるとは限らんぞ!」

意見が割れるに割れる。
地球にいる統合軍や地球統合政府の議員、そして守るべき国民が生きてるかについて
二つに分類されるなど、かなり揉めた。

地球は壊滅し地球統合軍と議員・国民の安否に希望あり派閥と
地球は壊滅し地球統合軍と議員・国民の安否は絶望的派に分裂

激論を繰り返し、二時間はその分野に費やした。
そしてその分野の話し合いは落ち着き、別の議題に入ろうとした時

山崎五郎「大統領ら各閣僚以下政府首脳並びに軍最高司令部幹部らの生死不明となれば、臨時政府の必要がありますな。イゴール宇宙軍長官、星村宇宙軍参謀総長?」
クラビウス基地司令官兼宇宙軍副長官.山崎五郎.大将

クラビウス基地司令官の山崎提督が臨時政府大統領についての話をする
ロバート・A・ライスリング大統領の生死不明の今
臨時政府の樹立とそれを指揮する臨時大統領が必要であり・・

次期参謀長は自分がやりたいと考えていた

しかし・・・・・・

星村謙三「山崎副長官、現在の地球統合政府の臨時大統領は白洲月面知事です。」

山崎五郎「何?」

星村謙三「早瀬参謀長の後任はイゴール宇宙軍長官に決まってます、まぁ終戦後に関しては白洲臨時大統領曰く臨時大統領職を辞職し戦争の功労者であるグローバル准将に新たな体制を作ると仰せです。」

ペグ大佐「しかし生きてるのか?、生死不明だし。それにグローバル准将が生きてなかったら?」

星村謙三「月を中心とした大統領選ですかな」

既に人事は決定していた

参謀長はイゴール長官、臨時大統領は白洲月面知事。
これはあくまでも正式な政権発足までの臨時的な措置であり・・・・最終決定ではない・・・・

とは言え、山崎提督は不満げな表情を浮かべている・・・・

山崎五郎「とは言え宇宙軍長官がある・・・その座は未定なのでしょうな。」

星村謙三「うむ、そうだが・・・・」

山崎五郎「ならばその地位は私だな・・・・なんせ副長官なのだからな」

だけど

宇宙軍総司令官たる宇宙軍長官の地位は空席である・・・・・

イゴールが参謀長になれば当然、宇宙軍長官の席は空席に・・・・・
参謀長にはなれなかったが宇宙軍長官になれればそれでよしと・・・
山崎提督は宇宙軍長官地位につけばいいと考えた・・・・・

星村謙三「それは心外ですな、山崎提督・・・・私も宇宙軍長官の地位を狙ってます。」

山崎五郎「何・・・・宇宙軍参謀総長は宇宙軍副長官より下・・・・なれるわけ・・・・・」

星村謙三「それは軍内部において信を問うべきでは?」

山崎五郎「信を問うべきだと・・・・・」

当然のように宇宙軍長官になれると信じている山崎提督に対し・・・
謙三が反発し、宇宙軍部内で信を問うべきだと発言した。

まさかの発言に山崎提督は謙三を睨むが・・・・

他の軍人の反応は・・・・

ペク大佐「その通りだな。」

ツァヒアギーン「投票すべきだな。」

「星村参謀総長のほうがふさわしい」

「投票で決めるのは賛成だ!」

謙三に賛同する発言の多く・・・・過半数の幹部らが賛同した。
宇宙軍副長官として当然のようになれると思っていた山崎提督は・・・・
予想に反して投票で信を問う派の多い事に驚き・・・・

反発しようにも逆に宇宙軍長官になれない事を悟り・・・・
投票による宇宙軍長官の座を決める事に賛同した。

星村隆之「流石・・・兄上、イゴール提督の後任の宇宙軍総司令官の道開けましたな」
地球統合宇宙軍参謀副総長.星村隆之.少将

星村謙三「隆之、軽率すぎるぞ。我々軍人の役目は残された月面の人々と月に移住した陛下らの未来を守る事。私欲のために宇宙軍総司令官になるわけじゃない。」

星村隆之「すいません。」

星村謙三「まずは地球にいるブルーノ・J・グローバル准将とのコンタクトだ!彼こそが軍においてこの最大の功労者だ!戦後体制の大統領は与野党のバカどもの誰かではない。戦後初期は我々軍による軍事政権こその統治が正しいのだ!」

星村隆之「ごもっともです。」

謙三は弟の隆之から称賛されながら歩いていた。
当の本人は私利私欲で宇宙軍長官になるつもりではなく

これから起きうるであろう月面都市における地球壊滅による混乱を抑えなくてはいけない

地球を故郷とする地球人類であるため・・・
地球がゼントラーディ軍により壊滅したと聞いたらパニックになる
どうにかして纏めなくては・・・・・・・

星村謙三「鷹原、アポロ基地残存艦隊の橋田少将の艦隊はどうか?」

鷹原克昭「ハッ、地球軌道上に到達した報告ありとの事。現在、地球側についたアドクラス艦隊とラプラミズ直衛艦隊らゼントラーディ軍残存部隊と地球に降下しなかったマクロスの部隊と合流との事。部隊再編成後、アポロ基地に向かうとの事」
地球統合宇宙軍星村副官.鷹原克昭.少佐

星村謙三「そうか、田沼。俺の従兄弟の勝宣の派閥はの様子はどうだ?」

田沼意家「星村勝宣少将の派閥は、閣下を宇宙軍総司令官後任支持しました。」

さっそく謙三は行動に移す

今の自分を支持する人間を増やし、宇宙軍総司令官になる・・・・

どんなにいい発言でも人脈や支持基盤がなければ意味がない。
それに終戦を迎えた場合、宇宙軍の発言力が高まり・・・・

ゼントラーディ軍に対する軍備増強もしなくてはいけない。
残存するゼントラーディ軍の戦力の参入・・・・・
大きな仕事を上手く成功させるには自信の影響力を高めるしかない
謙三はそう考えながら自室へ向かった

【同時刻・クラビウス基地】

その頃、クラビウス基地では会議を終えた白川秀康が山崎と共に出てきた。
制帽を被りながら、共に参加してた直属の派閥メンバーと合流・・・

副官の井上飛鳥に別件を頼み、何処かに行かせ

柿沼雄太郎少将と女性幹部.崎沼美弥子少将と共にクラビウス基地の廊下を歩く。

白川秀康「流石に気に食わないな、星村には」
地球統合宇宙軍クラビウス基地副司令官.白川秀康.中将

柿沼少将「はぁ?」
地球統合宇宙軍.柿沼雄太郎.少将

崎沼少将「秀くん、何をため息吐いてるのよ。」
地球統合宇宙軍.崎沼美弥子.少将

歩く白川は突然、星村への不満を露にする。

次の宇宙軍長官すなわち宇宙軍総司令官は星村になると言われている。
同期であり早瀬と共に活躍した身としては嫉妬心を感じてしまう。

宇宙軍総司令官・・・羨ましいな



柿沼少将「しかし閣下、我々はこのクラビウスを地盤として固めては?」

崎沼少将「まだ発展途上ですが、閣下の地盤として強く固め政界進出をお考えください。」

白川秀康「政界進出か・・・・・」

星村の嫉妬からの不満を露にする白川に部下達は諌める。
むしろ、今いるクラビウス基地とクラビウスシティーを守るためには・・・・・
宇宙軍長官の有無よりも混乱に備える準備が必要

どちらが宇宙軍長官になろうと関係がない・・・・・・
今は自分にできる事を専念するのみ・・・・・

そう考えるのであった

その後

宇宙軍長官投票は圧倒的大差をつけ謙三が当確・・・・
宇宙軍長官の地位を手に入れた・・・

しかし・・・

謙三の嫌な予感がこの直後に的中した

白洲雄二郎「地球統合政府臨時大統領、白洲雄二郎より地球統合軍へ・・・地球壊滅の情報を月面各都市の市民に伝わった事による暴動と反統合勢力のテロリズム抑止のために戒厳令による治安出動を」
民主連邦党・白洲雄二郎.地球統合政府臨時大統領

地球が壊滅したと言う情報が洩れアポロシティーやクラビウスシティで暴動が発生した。
各商店が壊されたり、負傷者が続出したりと混乱が発生・・・・・

既に警察が出動したが、対応が仕切れておらず・・・・・
等々、一部のバリケードが崩壊してしまった。

それに対し白洲臨時大統領は治安悪化を危惧し
軍と警察に治安出動を命じる案を議会に提出

当然、与野党の反発もあり・・・・かなりもめたが・・・・

民主連邦党の半分が賛成、自由共和党の4分の1が賛成した結果
治安出動が命じられ、各地の基地から軍隊が出動した

星村謙三「宇宙軍陸戦歩兵部隊、イゴール提督の命令である。戒厳令が発令した、市内各地に展開し、警察と協力して市内警護に当たれ!乗車」

『ハッ』

宇宙軍陸戦歩兵部隊の兵士はM939.5tトラックやCBC180に乗り込み
ストライカー装甲車・82式指揮通信車・高機動車を先頭に市街地へ出た。
まるで戦場に出るかのような姿であり、基地ゲートの警備兵は敬礼

横には偵察用バイクに乗った若い男女の警務官が護衛しながら走っている。

更に陸軍駐屯地からデストロイド・スパルタン、デストロイド・シャイアンが出動
市中の要所を固めた。

白川秀康「まるで軍部のクーデターだな、まったく」

同時刻、クラビウス基地でも戒厳令発令
宇宙軍陸戦歩兵部隊や海兵隊歩兵を乗せた73式大型トラックやM9395tトラックが出発
そればかりか、M1エイブラムスやルクレールそして90式戦車も威圧のため出動。

白川は事実上の軍部のクーデターだと評し
制帽を被り警務官2名引き連れルナハイウェイを使いアポロ基地へ向かった。

「なんだなんだ?」

「軍部の連中、クーデター起こしたのか?おい家から出るな!」

「お・・・横暴だぞ・・・・」

「大人しく従え!さもなくば拘束するぞ!!」

街の人々はクーデターだと考え込み、家の中へ引きこもった。

突然の市内における軍の警備にそう考えるのは当然だろう。

後から警察のパトカーや機動隊のバス
警察特殊部隊UN・SWATの装甲車が到着・・・
小銃や拳銃を持ち、市内警護にあたった。

この状態は終戦から二年間以上、数を減らされつつも続けられる事になるのであった。
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カゴメとエミリーの絆 後編

2020-09-30 01:59:27 | マクロス短編
カゴメは自分乗る指揮挺であるトルネード級対宙哨戒挺シャマルに乗り込んだ。

指揮挺となる哨戒挺シャマルはアルタミラの訓練のために派遣された艦であり・・・
正式に部隊が稼働するまではアルタミラの暫定的僚艦として機能する。

シャマルに乗り込んだカゴメは艦内乗員に敬礼し、管制席の一つを貸してもらった。

カゴメ「カゴメ・バッカニア少尉です。本日、よろしくお願いします」

ベルナデット「よろしく、私は管制官のベルナデット・リブル中尉」

エリン「私はサブのエリン・シェダー少尉」

由良瀬菜「あたしは由良瀬菜少尉です」

カゴメ「皆よろしく」

席につくと改めて周りにいるオペレーターに挨拶する。
この艦は少数運用されており、乗員はそこまで多くない。

艦長、オペレーター3人でブリッジ運用されており
カゴメの座っている席は予備席である。
全員着席し、艦長のアダムは制帽を整えると・・

アダム「主席管制官、基地管制室から出港認められたか?」

ベルナデット「ハッ、基地管制室より第4ゲートからの出港が認められました。」

アダム「うむ・・・・哨戒挺シャマル出港」

カゴメを乗せた指揮挺シャマルは出港した。

出港した先には本来の母艦アルタミラがオーベルト級宇宙駆逐艦1隻を伴って航行しており
出港して三分後、VF-1Pフレイヤバルキリー4機が飛び立つ。

エミリー達のバルキリーだ

編隊は
・エミリー、ロザ
・アリサ、エラ
の形で分かれ、それぞれ展開していく。

ジェイル『バッカニア少尉、艦長のジェイルだ!準備は・・・』

カゴメ「はい、こちらいつでも準備いいです」

ジェイル『俺から準備いいかと聞こうとしたが、まぁいいこれより演習を始める。バッカニア少尉はエミリー分隊を、劉少尉はイ分隊の管制を行え!』

『了解』

茂人からの命令がカゴメの元に届く

カゴメはエミリーの分隊の管制を担当せよと・・・・

そろそろ演習が始まる。

エミリー達の勝敗は自身との管制による連携によって決まる
緊張感持ってやらないと敗北に繋がってしまう。

そう考えたカゴメはヘッドホンを被り、目の前の画面をしっかり見た。
画面にはエミリーとロザの姿が確認できる。
二人とも緊張しているのか顔が強張っている。

カゴメ「ドッグベアからオルカ1とオルカ2へ、エリア4ー2Vにて編隊を組みフォーメーション・アブレストを展開せよ!」

エミリー『オルカ1、了解』

ロザ『オルカ2、了解』

そんな事を言っている暇はない。

演習はそろそろ始まるのだ
緊張していようが、なんだろうがアリサ達に勝たないといけない。

カゴメはエミリー達の航空管制を始める。

全てはアリサ達に勝つために・・・・

一方その頃

ジェイル「桐原少佐の部下は威勢があって優秀でいいな、副長」

グリーン「男性陣も個性的なメンバーですが、女性も中々ですね。」

ジェイル「ふっ・・・まさに優秀な指揮官だが、変人であるのが残念な桐原少佐の部下らしいな。」

アルタミラの艦長ジェイルは演習の様子を見てこう呟いていた。

夢華とアリサ達のやり取りとスムーズに進む演習
まだまだ甘い所はあるが、実戦で十分役に立つし安心する。

言ってしまえば
更に質をあげれば既にある二個飛行隊合わせて最強の航空部隊になる
ジェイルはそう確信していた。

アリサ「あの女・・・偉そうな口を叩いて・・・素人がそう簡単に実戦経験のある奴に勝てない事を教えてやる」

エラ「スピア2、私の横に」

アリサ「了解、スピア1」

劉夢華『各機へ、まもなくエンゲージゾーンに入ります。気を引き締めて』

エラ「スピア1了解」

アリサ「スピア2了解」

アリサはエミリーを倒す気満々だった。

同じアメリカ合衆国出身、それか故に負けられない
喧嘩を先に売ったのはアリサ、その喧嘩を買ったのはエミリー
実戦経験のある身として、実戦経験がないエミリーに負けたくない。

エラは自分の上官だが、自分の喧嘩のために利用している。
なんか申し訳ない気分だ。

エラ「スピア2・・・アリサ・・・」

若い女性パイロット、エラはアリサを見て心配していた。

アリサはエラの一期下の隊員の17歳
若い年齢ながらもはぐれゼントラーディや海賊・武装組織相手にかなり活躍している
反面、自信家であり過信する部分がある。

見た目に反して大人っぽい性格

真面目ではあるが、自身の研究した戦術を用いて実戦で活用するなど
1つの事には特化しない臨機応変な性格

だが

それが故に傲慢な態度をとってしまう
エラとしてはその性格を直してもらいたいと強く願っていた。

カゴメ「まもなくエンゲージゾーンに入ります、オルカ隊準備はいいですか?」

エミリー『準備はよしだけど、ロザ』

ロザ『はい』

エミリー『マイクロミサイル左右二発、私と共に発射して!』

ロザ『へっ、マイクロミサイル左右発射するのですか?何のために?』

エミリー『いいからマイクロミサイル左右二発発射して、模擬ミサイルだからと言って遠慮しない!』

アリサ達との接敵に向けて飛行していたエミリーは・・・
ロザにマイクロミサイルを左右に撃つように指示した。

マイクロミサイルは可変戦闘機の左右に装備しており・・・

エミリーからの指示はその中の1つずつを撃てとの事だった。

一体何のために発射

カゴメもエミリーの行動に疑問を感じつつも・・・
管制の仕事を続ける。

アリサ「ミサイルが4発、しかもマイクロミサイル・・・舐めやがって」

アリサは先行してバトロイド形態に変形し飛んできたミサイルを迎撃し撃墜した。

撃墜した直後に、更に続けてミサイルが2倍に増えて飛んできて・・・
舌打ちしながらも、アリサは続けて二波目のミサイル8機を撃墜した。

エラと合流しミサイル発討した先に移動すると

エラ「散開」

アリサ「三波目、無闇にミサイル撃てばいいと思っているのか・・・あの女は・・・」

エラ「一応、上官よ。ロザもニクソン中尉のにいるけど、納得してるかどうか分からないけど。上官には敬意は必要よ」

アリサ「すいませんでした」

第三波のミサイルが飛んできた。

ミサイルの数は大した数ではなく・・・・
実戦経験をしているアリサとエラにとっては苦になるようなもんじゃない
大した事のない素人攻撃にしか過ぎなかった。

その時、アリサはミサイルの第三波にエミリーをバカにするような発言をし
発言を聞いたエラに注意された。

一応エミリーはアリサの上官であり、少尉であるエラはアリサに厳重注意する義務があった
エラからの注意にアリサは不満げな表情を浮かべつつも平謝りする。

とは言えアリサは攻撃方向にいるエミリー達と距離を詰めており
エミリー達との接敵は間近であむた。

アリサ「ガンポッドで反撃、相当慌てているようだね。でもこれでおしまい」

アリサはエミリー達の様子を悟りながら、エミリーチームとの距離を更に縮める。
接近して格闘戦に持ち込み、エラと連携してエミリー達を仕留めようと考えた

実戦経験があるからエラと協同していけば一気に蹴りをつけられる

しかし

ある程度の距離に近づくと違和感を覚え始める

相手は1機しかいない・・・
目の前にいるのは誰なのか?
アリサは考えるが、すぐにどうでもいいと考えた。

エミリーであれば一対一でも、対応は十分出きる
残ったロザはエラに任せればいいと

アリサは自身満々に思ってたが・・・

ロザ「うわぁぁぁぁぁぁ」

アリサ「何、ロザお前一人なのか!?」

ロザ「陽動を任されたんだ、やるしかないぃぃぃ」

実際にいたのはロザだった。

エミリーがいると思ったアリサは一時的に動揺するが・・・
ロザはバトロイド形態で攻撃したまま後退を始める。

動揺していたアリサであるが、正気を取り戻しロザを追撃した。

が・・・・

エラ「嘘、上空から・・・・あっ・・・後ろ喰われた!」

アリサ「何!?あの女、いつの間に・・・・ぐっ」

ロザ「中尉の所には行かせない!」

アリサ「くそ、ロザの奴め・・・上手くサポートして」

エミリーがエラに対し上空から攻撃を仕掛けてきた。
急降下銃撃であり、エラはなんとか回避するが・・・・・エミリーはエラの後方につき
ガンポッドを発砲しながら追撃をする。

ガンポッドの発砲だけじゃない、マイクロミサイルが数発発射し・・・
エラを追い詰めていく・・・・

エラ「なめるな!」

エミリー「甘いわね、動きは読めている」

エラ「翔んだ!月面に着地し翔んだ勢いを・・・」

エミリー「グッバイ・エラ」

エラは反転反撃しミサイルなどをフレアで回避しながらバトロイドに変形する

が・・・・

エミリーが月面に一度着手しその勢いでジャンプし
エラにガンポッドを向けた

向けられたガンポッドを見たエラは顔面蒼白になる。
この角度と距離では回避は難しい・・・・
回避するのは無理、エミリーはただの新人ではない・・・
人を読むのが上手い、エースの卵では・・・

エラが感じているうちに・・・

エミリー「オルカ1、エネミースプラッシュワン」

エラ「くっ・・・・やられた、母艦へ帰艦します!?」

エミリーにより撃墜される。

回避する暇もない程の実力・・・的確な判断力
これがアンサーズ中隊に配属された理由か・・・
だったら小隊長としての地位は相応しい

エラは上記の事を悟り、母艦へ戻っていく・・・

カゴメ『ドッグベアからオルカ1へ、オルカ2が敵に追尾されてる援護せよ!』

エネミー「オルカ1、了解。ロザちゃんには少し辛い目に遇わせたけど、今から解放するわ」

カゴメ『早くお願いね、中尉』

カゴメはエミリーにロザ救援を指示した。

ロザはアリサなどの敵を引き付ける陽動の任についていたため
現在、アリサに執拗な攻撃を受けている
この演習にケリをつける意味でも、ロザ救出はかなり大きい

だけどエミリー的には普通に終わらせる事が面白くない
アリサを懲らしめる、ロザを教育する意味でも

一つ余興を入れねば

と・・・エミリーはニヤッと笑う

ロザ「来ないで!」

アリサ「ベサーズ准尉、ゼントラーディ人なのに気が弱いわね。腕はいいけど、精神面が未熟では・・」

ロザ「ゼントラーディ軍時代から言われてますけど、これでも今日まで生きてこられました~」

その頃

ロザはアリサと激しい戦闘を繰り広げていた。
基本はロザが逃げ回り、アリサがエミリーの元へ行こうとしたら攻めての・・・
一進一退の攻防を繰り広げていたが・・・・

エラの撃墜判定を確認した為
エミリーとロザの挟撃に遭わないよう、徹底的にロザ撃墜に専念し・・・
一対一の対決に持ち込もうと考えた。
ロザは逃げ足が早く接近戦、近接戦に弱い・・・

退路を絶ちロザを撃墜してやる・・・
アリサはロザ撃墜に力を入れ、接近戦に持ち込もうとしている・・・

アリサ「!?」

エミリー「流石は実戦経験のベテラン小娘どの、私の攻撃を外しましたか」

アリサ「やっと会えた、エミリー・ニクソン中尉・・・ケリをつける」

そんな中

エミリーの乗るVF-1Pフレイアバルキリーがファイター形態で強襲してきた

強襲に対しアリサの操縦センスを駆使しバトロイドからガウォークに回転変形し回避
再びバトロイドに変形し、ミサイルとガンポッドの銃弾を放った

エミリーは水平方向に高速移動しながら迎撃

銃弾回避し、ミサイルをガンポッドで攻撃する

アリサ「面白いね、エミリー!これが実戦だよ!」

エミリー「流石は実戦済み、私を追い詰めるわね。」

アリサ「言ってる割には余裕そうだな、なんだその自信は!?」

アリサはエミリーに執拗に超至近距離でバトロイドによる戦闘を仕掛けた
流石は実戦経験済みの実力と言わんばかりに、実力経験のないエミリーを追い詰める

絶対に勝てると踏み込んだアリサだが・・・・・

エミリーは言ってる言葉、状況の割にはそれほどつらそうな表情をしてない
むしろ平然としていると言ってもいい。

アリサはそんなエミリーに不信がるが、エミリーはこんな事を言った

エミリー「アリサ、私ばかりに固執しているけどさぁ」

アリサ「何が言いたい?負け惜しみか、素人め」

エミリー「貴女の負けよ!」

アリサ「何!?」

エミリーはアリサに勝利宣言をする。

突然の勝利宣言にアリサは驚くが、戯れ言だと信じなかった。
むしろ、戦闘で有利なのは自分・・・・エミリーではない。

勝つのは自分で間違いない

自分が不利だから、動揺させる言葉を言ったんだろう。

そう確信しアリサはエミリーに攻撃を続け・・・
チャンスが来たら一気に攻めて、エミリーを撃墜してやろうと考えた

だが

そのチャンスはある存在を忘れたが故に来なかった

アリサ「なっ」

ロザ「こちらオルカ2、スプラッシュツー」

アリサ「背後からガンポッド」

エミリー「よく周りとレーダーを見る事ね、自身の腕に過信して怠った結果がこれよ」

ロザがアリサの背後をファイター形態での一撃離脱戦法による銃撃で襲う

ガンポッドの銃弾はほぼアリサのVF-1Pの背後に命中
結果的にアリサは撃墜された判定を下されてしまう

何故、アリサはロザに撃墜されたのか?

それはアリサはエミリーに集中しすぎた結果
レーダーを見る事とロザの存在を忘れた事により背後に隙を作り
ロザに奇襲を仕掛けられる事になった。

エミリーはアリサの性格を分析しており必ず自分と接敵したら固執する
戦闘前にロザにアリサが自身に固執した動きを見せたら一旦距離を取り・・・
最大限のスピードでアリサに対し一撃離脱戦法で強襲せよと命令している。

結果的にアリサはロザの存在に気がつく事なく敗北した。

この事実にアリサは現実を受け入れないでいた。

エミリー「貴女は自分の自信に過信しすぎてイ少尉との連携を怠った、自信持ちすぎてレーダーや視認距離における周りの警戒を怠ったのが貴女の敗因。いつまでもこうじゃ死ぬわよ」

アリサ「あっ・・・・・なるほどね・・・完敗だよ。なんで小隊長に任命されたか分かった、腕はともかく人を見る目がある・・・相手の性格を見抜いた上で戦術を考える、参りました・・・ごめん・・・私が貴女・・・中尉の事を舐めてた・・自分過信してた・・・負けだよ」

エミリー「私も実戦経験がなくて、この業務に舐めてた気でいたわ。バレンタイン准尉、貴女には感謝しています」

とは言え、不満のある戦いではなかった。

今回の戦いで、エミリーとアリサはお互いの欠点を露呈した。
その欠点を露呈させたのは双方であり、それぞれ反省すべき点であったので・・・
それに気がつかせた相手は感謝しかない

感謝する理由は

気がつかせなかったら、戦場で死ぬ腫瘍になっていたからである。

付き合わされたロザとエラはその光景を見て・・
学ばされるし勉強になったが、二度と私的に私達を使わないでもらいたいと思った。

ジェイル「女性陣の訓練演習だが、事実上の二人のための演習ですな」

アダム『全くですな、ベレスフォード大佐』

ジェイル「まぁ練度の向上に」

ジェイルたちも呆れていたものの

練度向上とチームのコミュニケーションがとれた事で満足していた。
まぁ、機会あればまたアルタミラ所属の航空隊員全員で演習し

相手の欠点を見つけ、どう改善していくのか考える場を設けたい

とジェイルは考えた。

アリサ「本当に失礼な事を言ってすいませんでした」

エミリー「あらら私も現場舐めてたから、私もごめんなさい。これから同じ部隊だからよろしくね。」

基地に帰還後、アリサはエミリーに謝罪した。

エミリーの実力軽視、上官侮辱、そして自分の能力の過信・・・・・
全て露呈し、自らの若いが故の過ちに気がつき・・・・エミリーに謝罪したのだ

一方のエミリーもアリサとの戦いで現場を無意識に舐めてた事が露呈し・・・
自分の現場への認識の甘さを痛感しアリサに謝罪した。
この演習を気にエミリーとアリサの関係は改善され、以降は仲良しになる

カゴメ「エミリーもお疲れ様です」

エミリー「ありがとう、まぁ今回の演習は有意義な物になったわ」

カゴメ「見ていて分かります、私も見ていて感動しました」

カゴメはエミリーに駆け寄った。

今回の戦いはカゴメの心を震わすような感じであり・・・感動
エミリーの指揮能力と洞察力の高さに驚いたし、尊敬する

エミリーならば確実に優秀なエースパイロットになれる
とカゴメに思わせる程である

エミリー「カゴメ、職種は変わるけどこれからもよろしく」

カゴメ「もちろん、私こそこれからもよろしくね。」

カゴメとエミリーは握手をした。

別々の職種になるが、同じ艦で戦う仲間である事実は変わらない。
二人はこれからも一緒に頑張ろうと誓い・・・・・・
握手の後に強くハグをしあった。

その後

エミリー達は男性隊員らと編成訓練のためクラビウス基地の配属になった。
カゴメも同様にアルタミラでは勤務せず、クラビウス基地の管制室に勤務した。
しばらくの後  

カゴメはアンサーズ隊員を見つける為、茂人と共に機種転換センターに配属された
前任者から仕事を引き継ぎ、茂人共にアンサーズ隊となる人材を探しながら・・・
訓練生達を指導していった

そんなある日



カゴメはアンサーズ中隊隊長である茂人に呼ばれた。
茂人は重い顔をしながらカゴメの顔を見ており、平常心は保ってたが・・・
心の中でビクッとなった。

何を言われるのだろうか?カゴメは不安がってたが・・・
返ってきたのは・・・・

桐原少佐「バッカニア少尉、一つ頼みがある」

カゴメ「はい、なんでしょう」

桐原少佐「ある人物を教育してもらいたい。」

カゴメ「ある人物ですか?」

ある人物を教育してもらいたい・・・・

その言葉にカゴメはキョトンとした

茂人はあるファイルを取り出しキョトンとしているカゴメに見せた
取り出したファイルを見たカゴメは書かれていた書類と写真に映っていた人物に注目
内容の隅々まで確認した。

カゴメ「ラウラ・ベルタリア曹長・・・・・・・・ベサーズ准尉と同じ女性ゼントラーディいやメルトランですね」

桐原少佐「まだ海兵隊籍に入るがマイクローン化し機種転換する予定だ。白川提督自ら話があってな、俺は教官として赴きベルタリア曹長を教育し部隊に引き取る予定だ。」

ラウラ・ベルタリア曹長
海兵隊に所属していた女性ゼントラーディ人(メルトラン)・・・・・・
ラプラミズ艦隊のエースで、海兵隊に移っても優秀な成績を修めた猛者

ラウラが可変戦闘機パイロット志望になり
マイクローン化し機種転換センターに配属されるとの事

経歴的にも欲しい人材であり・・・・・・
茂人が直接ラウラを教育し引き取る予定

そのラウラが可変戦闘機パイロットになるため
機種転換センターに配属されると言う事であった。 
(当のラウラ本人はマイクローン化し、隣のアポロ基地に滞在してるが)

もう一つは・・・・

桐原少佐「バッカニア少尉、貴官も士官学校で修めた優秀なスキルを生かしてもらいたい。」

カゴメ「つまり私の教育で少しでも彼女に士官学校で学べる教養を教えろと言う事ですね」

桐原少佐「そうだ、その通り。彼女はまだ精神年齢は戦闘以外ではガキだ。少しでも大人になれるように教養面でも指導せんにゃあかん。」

カゴメ「確かに必要ですね、彼女は戦う事しか知らない世界の出身ですからね。」

ラウラに教養を教える事

ゼントラーディ人であるラウラには教養がない。
戦う事以外での精神年齢は幼すぎるのと、一般常識はない。

だからこそ士官学校を優秀な成績で卒業したカゴメが必要になる。
優秀な軍人にするにはラウラをしっかり教育しなければならない。

桐原少佐「バッカニア少尉、君に期待している。これは我が隊にとって重要な事案である。頼んだぞ」

カゴメ「ハッ、了解しました。しっかり、桐原少佐を補佐しベルタリア准尉を育成します」

桐原少佐「忘れてはいけないが、他の訓練生も忘れずに」

カゴメ「分かってます、きちんと平等にですよね。いつもどおりに」

カゴメの人格と教養を高く評価していた茂人から激励と期待の言葉がかけられる

期待された以上はやりとげないといけない・・・・・
ラウラを育成するのもいいが、他候補生の育成もしっかり平等にやらないといけない
これは私に与えられた重要任務であり、命かけてでもやり通さなくてはならない

とカゴメは思っており・・・・改めて・・・
機種転換センターに配属されたらラウラを含めた候補生をしっかり育成しようと
心に誓うのであった。

茂人の話を聞いたカゴメはラウラの教育の事を深く考えながら
部屋から退室した。

そして

カゴメ「さてベルタリア准尉はどんな娘かな・・・・・」

ラウラ・ベルタリアが機種転換センターに来る直前

カゴメは上官である茂人の後ろをついて行きながら・・・・
これから自分達の部隊に配属されるラウラと言うパイロットについて考える

実際のラウラはどんな人なんだろうか
そんな事を気にしながら茂人の後ろをついていく

エミリー「今頃、カゴメは我が部隊の新人ちゃんを出迎えている頃だろうな~」

アリサ「へぇニクソン中尉殿はバッカニア少尉の事を気にするのですね。」

エミリー「まぁね、同期だし。何よりね・・・・・ほっとけないのよ」

アリサ「ほっとけない、面倒見がいいんですね」

カゴメが機種転換センターでラウラの事を考えている頃

エミリーはカゴメとこれから入ってくる新人ことラウラの身を案じた。
心配するほどではないが、それでも心配してしまうのはエミリーの性格

とは言え・・・・・・エミリーが常に思う事は

カゴメを始め仲間達が上手く軍人として成功する事であった。

頑張っている姿を見て、自分も頑張れる・・・・・
お節介かもしれないけど

エミリーはそう心の中で思いながら小隊長としての業務を従事するのであった。


カゴメ・バッカニア



エミリー・ニクソン



アリサ・バレンタイン



イ・エラ



ロザ・ベサーズ

作画いわしぃ

【出演】
◆アームド級空母アルタミラ
◆カゴメ・バッカニア
安野希世乃

◆エミリー・ニクソン
遠藤綾

◆相沢美弥
平田絵里子

◆劉夢華
柚木涼香

◆桐原茂人
諏訪部順一

◆アリサ・バレンタイン
千本木彩花

◆イ・エラ
中島愛

◆ロザ・ベサーズ
黒沢ともよ

◆ジェイル・ベレスフォード
大友龍三郎

◆グリーン・ビーダーシュタット
楠大典

◆新統合宇宙軍

◆ベルナデット・リブル
永島由子

◆エリン・シェダー
吉田小百合

◆由良瀬菜
椎名へきる

◆アダム・カーク
田中秀幸
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カゴメとエミリーの絆 中編

2020-08-19 06:35:39 | マクロス短編
カゴメはアンサーズ中隊長の桐原茂人、アルタミラの相沢美弥・・・・
同じく出頭した憲兵出身の女性士官.劉夢華による話し合いに参加した。

これからの事について等々

話が進むうちにアンサーズ中隊で活躍する部隊員の話題になる。
既に男性の隊員は内定済みであり、既にアンサーズ母艦アルタミラに配属済みであり
中隊長である吉野大樹.大尉は自身の修行からか部隊指導までの間
テストパイロットなどを転々していると・・・・

そんな事もあるのかとカゴメは真剣に聞いていると
女性兵士4人が入ってきた。

カゴメ「エミリー・・・・」

その中に赤いベレー帽を被ったエミリーがおり・・・・
他三名の女性兵士の前に立ち敬礼する。

軍人としての凛々しさ・・・・

オペレーター時代とは異なる兵士らしい視線
カゴメは緊張のあまり固まってしまう。

桐原少佐「バッカニア少尉・劉少尉、相沢中尉と共に研修を受けてもらうメンバーだ!各人は優秀だが、君達の連携は不十分だ。きっちり上手く信頼関係と連携を強めてもらいたい。ニクソン中尉から返事を」

エミリー「小隊長候補エミリー・ニクソン中尉です」

イ少尉「イ・エラ少尉です。」

アリサ「私はアリサ・バレンタイン准尉だよ。」

ロザ「ロザ・べサーズ准尉です。」

エミリーなどの女性隊員たちは名前の紹介をした。
よく見てみるとエミリーの隊員たちも癖が強そうだ。

アリサはやる気の無さそうな雰囲気
エラは韓国人かつ東アジア人種なのに黒髪じゃない白髪。
ロザはゼントラーディ人らしからぬ大人しい印象

カゴメは隊員たちの人間観察を行う

エミリー「桐原少佐殿、よろしくお願いします。」

桐原少佐「こちらこそ頼むよ、ニクソン中尉。」

そんな中

エミリーは一歩前に出て茂人と握手をする

これからエミリーはアンサーズ中隊の中の小隊を率いる身であり
茂人の幹部になり、副隊長や他の小隊長と共に支える立場だ。
茂人と握手をしているエミリーは緊張ぎみであり顔が強張ってる

エラやロザは真剣な眼差しで見てるが
アリサは少し違った

握手を終え戻るエミリーに

アリサ「ニクソン中尉はオペレーター出身なんですよね、何故小隊長なのですかね?」

エラ「ちょっとアリサ!」

ロザ「まずいよ」

アリサ「実戦経験がなく、機種転換してなくて小隊長。私は納得いないねぇ」

オペレーター出身で実戦経験がなく小隊長になることに納得しないとアリサは言った
カゴメはやる気の無さそうな印象のアリサの態度に驚く・・・・

やる気の無さそうな態度ではあるのは変わりはない
だけど、アリサの目は鋭く・・・・根はやる気のない態度ではなく
なんだか分からないけど、油断できない強者の目をしてる

劉夢華「バッカニア少尉」

カゴメ「あっ・・・・はい」

劉夢華「彼女の経歴知ってるかしら?」

カゴメ「経歴ですか?」

劉夢華「そうよ、バレンタイン准尉はフライングフリーズ中隊出身よ」

困惑しているカゴメの横から夢華が口を開く
アリサは戦術攻撃部隊フライングフリーズ中隊出身であると

夢華はアリサの過去の経歴を知っているようであり・・・・
カゴメは夢華に対し・・・・・

カゴメ「戦術攻撃部隊のフライングフリーズ中隊ですよね?」

劉夢華「そうよ、かなり有能でここにくるまでに24機撃墜しているわ。まぁあの性格だから勲章もらえるだけに評価はされてないけれどね」

カゴメ「そんなに・・・・・・」

劉夢華「他にベサーズ准尉は機種転換しダルエスカラック中隊、イ准尉は北米アトランタ基地に所属していたシューフィッター。まぁ全員実戦参加済みよ。」

カゴメ「へぇ」

いろいろと質問し持っている情報を引き出そうと画策した。

結果は・・・予想通り話してくれた

アリサの撃墜数や勲章もらえてない事情
そして他の面々の過去の経歴を・・・・・・
全員、実戦経験のあると言う事を・・・・

劉夢華「ニクソン中尉の経歴見させてもらったけど、予備訓練と資格はあるだけで実戦経験なし。あれじゃバカにされてとう・・・」

カゴメ「エミリーをバカにしているんですか?」

劉夢華「ごめん・・・そんなわけじゃ、それに桐原少佐と相沢中尉の前で喧嘩はやめてよね。」

カゴメ「う・・・分かったわ」

夢華はエミリーについて厳しい指摘をした。

元々オペレーターであり実戦経験のないエミリーは馬鹿にされても当然と考えた。

その発言に悪気はないとは言え、カゴメの怒りを買う事になり反発
夢華は慌てて謝罪し、上官である茂人と美弥の見ている前なので喧嘩はやめようと言った。
カゴメも事情を察したのか、一時的に感情的になった自分を恥ずかしく思った。

だけど

このままエミリーを馬鹿にされたまま終わりたくない・・・・
どうにかしないと・・・・・・

と考えていると・・・・・・

エミリー「桐原少佐」

桐原少佐「なんだニクソン中尉?」

エミリー「私たち女性陣で演習してもいいでしょうか?」

桐原少佐「演習だと?」

エミリー「バレンタイン准尉も中々のご自信があるようで、少しお仕置きしないと・・・」

桐原少佐「ほう・・・・・・・」

エミリーが茂人に女性陣で演習してもいいかと聞いてくる。

まさかの反応に茂人も驚き、当然周りの面々も驚く

馬鹿にされて落ち込むかと思ったら・・・・
性格的に考えたら負けず嫌いなのは当然か・・・・・
カゴメはエミリーの発言にいろいろと考えるが・・・・

真っ先に反応したのは・・・・・・

アリサ「ど素人が私に喧嘩ね・・・・イ少尉」

エラ「私?」

アリサ「この素人小隊長叩き潰すから、リーダーやってよ」

エラ「私は賛成や反対とも・・・・・・わかったわ・・・」

アリサであり、エミリーの発言にプライドを傷つけられ・・・・
逆に痛い目見せてあげようと意気込んでいた。

階級は低いので上位階級のエラにリーダーを任せ・・・・
エミリーに素人が小隊長が無理だって事を教えようと燃えていた。
リーダーを任されたエラは困惑しつつも受け入れ、演習参加を決める

そして・・・・・

エミリー「そんじゃロザちゃん」

ロザ「ロザ・・・・ちゃん?」

エミリー「バディお願いね~」

ロザ「えぇぇぇぇぇ!?」

残ったロザはエミリーのバディになった。
ロザは状況を理解してなかったらしく・・・・・・・
エミリーにバディ任された時驚きの声をあげていた。

カゴメはロザを見て・・・・

何処か抜けていて可愛いなと思った。

桐原少佐「勝手に話は進んでいるようだが・・・・・・・・・・・・・相沢中尉」

相沢美弥「ハッ」

桐原少佐「彼女らが乗る可変戦闘機の準備はどうだ?」

相沢美弥「受領した機体がクラビウス基地の第1格納庫に・・・・いつでも出撃できます」

桐原少佐「そうか・・・・・・」

エミリーの演習の申し出に茂人は好意的に受け取る・・・
美弥を近づけさせ、機体の準備ができているかどうか確認した。

結果はいつでも出撃が可能な状態
つまりいつでも演習が出来る状態であり・・・・・・
茂人は少しニヤッと笑って

桐原少佐「ニクソン中尉、君達の機体の準備してある。演習を許可しよう。」

エミリー「本当ですか?」

桐原少佐「ただし、既に出航している空母アルタミラへの着艦を条件で」

エミリー「勿論です喜んで」

桐原少佐「君達の機体はパイロットスーツに着替える前に確認してもらう、相沢・・・案内しろ!」

相沢美弥「はい」

エミリーの演習を承認
美弥にエミリー達が乗る可変戦闘機のある第1格納庫まで案内させる。
カゴメもエミリーが乗る可変戦闘機が気になるので
一緒に行く夢華の後ろをついていくように、第1格納庫まで向かった。

第1格納庫に到着するとVF-4ライトニングやVF-5000などが駐機しており
数多くの整備兵が働いていた。

その中に・・・・・・

カゴメ「VF-1バルキリー・・・・・・・・」

10年前の第1次星間大戦の主力戦闘機VF-1バルキリーが駐機していた。
既に二世代可変戦闘機の前では旧型であり、一線を退きつつある機体・・・・・・

まさかこの可変戦闘機がエミリー達の機体になるのか・・・・・・

カゴメが驚いているのは勿論、エミリー・エラ・アリサ・ロザはポカンとしており
特にアリサは手が震える程驚いていた。

そんな状況下で美弥が口を開いた。

相沢美弥「旧型に見えるけど改修型のX型を二世代可変戦闘機の性能に匹敵する改修型VF-1Pフレイヤバルキリーよ。」

劉夢華「二世代可変戦闘機ってVF-5000と・・・・・」

相沢美弥「同等の性能があるわ、新設される桐原少佐のアンサーズ中隊は実験部隊だから、このフレイヤが配備されたわ。」

このバルキリーはVF-1Pフレイヤバルキリーと言うバルキリーであり・・・
主力可変戦闘機として問題のあったVF-4を補完すべく・・・・・
最新の機器やOSを用いて改修したVF-1Xの更なる改修型である。

このクラビウス基地では主にXタイプのVFー1バルキリーが配備されており・・・・・・
アンサーズ中隊のようにPタイプのフレイヤはまだ少数配備である・・・・

その性能を試験すべくアンサーズ中隊が創設され・・・・・
アグレッサーや独立遊撃部隊など実質なんでも屋部隊として機能する事になる・・・・・

アリサ「まぁ古い機体だけど、問題ないわ。ニクソン中尉殿」

エミリー「何か?」

アリサ「貴女のような温室育ちに戦場の恐ろしさを教えてあげるわ。」

エミリー「上等じゃない、泣きべそかかせてやるわ。」

機体を確認した二人はお互いに火花を飛ばす
それぞれのプライドをかけた戦いであり
特にエミリーは散々実戦経験済みのアリサに馬鹿にされているので
ここで見返すチャンスであった。

桐原少佐「バッカニア少尉」

カゴメ「ハッ」

桐原少佐「同じ艦で航宙管制出来ないから指揮挺シャマルにてニクソン隊をオペートせよ。劉少尉」

劉夢華「ハッ」

桐原少佐「アルタミラにてイ隊の航宙管制せよ!」

カゴメは夢華と共に茂人から航宙管制の配置場所を言い渡される。

指揮挺シャマル(トルネード級対宙哨戒挺)にカゴメを
自分たちの今後の活動の拠点になるアームド級宇宙空母アルタミラには夢華と・・・
二つのチームに分かれ、配置した。

これは同じ艦にいてお互いの作戦内容が相手にバレないようにする処置であり・・・
指揮官の茂人的にもアルタミラに配属になるカゴメと夢華のオペレーターとしての実力
いや、パイロットとの信頼関係を築ける能力がどれ程なのか知るいい機会である。

さっそく両陣営の面々は動き出す。
夢華は連絡挺に乗り、アルタミラに向かい
エミリーたちは制服を脱ぎパイロットに着替える・・・・・

チャックを締めて、黒いスポーツブラに包まれている豊満な胸を隠し・・・
パイロットスポーツ用の更衣室から出た。

カゴメ「エミリー・・・・」

エミリー「何?」

カゴメ「頑張ってね、応援している。エミリーが馬鹿にされるのは、私も辛いから」

エミリー「安心して、馬鹿にされたんだから私はむしろやる気が出るわ。自信満々だから己の力を過信している小娘に私の実力を教えてあげないとね。大丈夫、勝ってくるから」

カゴメはエミリーが更衣室から出るのを待っており・・・
更衣室から出てくるとエミリーに激励の言葉を送った。

カゴメの激励にエミリーは笑顔で応えた・・・・

女の意地としてアリサに負けたくはない
女同士きっちり自分の矜持をぶつける。
エミリーはそう考えており、カゴメを安心させる。

エミリー「しっかり私たちに指示お願いね」

カゴメ「うん、しっかり指示するわ。だから負けないでね」

エミリー「分かってるわ、ロザちゃん早く早く」

ロザ「まだチャック締めてない待ってよ」

エミリーはロザを引き連れ出撃していく・・・・

カゴメは内心実戦経験がなく、資格持ち程度でしかないエミリーを心配していた

本当に実戦経験豊富なアリサに勝てるのだろうか・・・・
やる気だけでアリサに勝てるのだろうか?
出撃していくエミリーの後ろ姿を見ながらカゴメはそう思ってしまった。


カゴメ・バッカニア



エミリー・ニクソン



アリサ・バレンタイン



イ・エラ



ロザ・ベサーズ

作画いわしぃ

【出演】
◆カゴメ・バッカニア
安野希世乃

◆エミリー・ニクソン
遠藤綾

◆相沢美弥
平田絵里子

◆劉夢華
柚木涼香

◆桐原茂人
諏訪部順一

◆アリサ・バレンタイン
千本木彩花

◆イ・エラ
中島愛

◆ロザ・ベサーズ
黒沢ともよ
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月の夏

2020-08-10 23:42:52 | マクロス短編
【2013年7月25日クラビウス軍病院】

大戦の記憶がまだ浅い・・・・・・2013年

絵里は第2子である次女真理を出産した。
第2子出産に絵里は勿論、和也を始めとする星村一家は喜んだ。

去年2月には第1子志保美が生まれており、通常なら厳しい出産だが・・・・・・

「2年連続出産で余病の心配がないなんて凄い体ですね、ドクター」

「本当にそうだな、学会で発表された通りだ。純粋な地球人女性が12カ月以内妊娠出産は危険だと言うのに・・・・女性とは言えゼントラーディ人・・・・体は丈夫か」

ゼントラーディ人は体が地球人より丈夫らしく
絵里が妊娠出産しても余病などの危険なリスクが地球人女性より低く・・・・・

それどころか早くも現場復帰できる程の元気の良さであり
絵里は早く可変戦闘機パイロットとして中隊勤務を楽しみにしていたが・・・・・・・

だが・・・・・・・

星村絵里「育休ですか、私は大丈夫・・・・・」

「大丈夫じゃない・・・・当面の間は生まれた子供の事を考えてしっかり子育てしなさい。」

所属している中隊の隊長に育休しろと言われる。
2年間で育休1年以上の時間を使っており、絵里が満足に勤務できない状況が続いていた。

絵里は仕事復帰したいが、上官から止められる。

勿論、他の同僚からも・・・・・・

星村和也「当面育休だね・・・・・・」

星村絵里「えー・・・・」

星村和也「まぁ2年連続妊娠出産じゃそうなるね、もう少し期間設けよう。」

和也からも育休を要請される。
更に第3子を妊娠出産する場合、ある程度の期間を設けるように提案され・・・

絵里は育休については不満を述べていたが・・・・・・
第3子の妊娠出産に関してはきっちり守り・・・・・
真理に続いての子である有理の妊娠出産に数年の期間を設けている。

半面、和也の育休要請に不満を感じており・・・・・
一時期和也に邪見にされているのではと疑問に感じたが・・・・・・

星村絵里「和也も育休?中隊勤務は・・・・」

星村和也「絵里一人だけ負担させるのは良くないからね、妻が育児に励んでいるのに・・・・・僕だけおめおめといけないからね。それに給料保障あるし、なんとかなるよ。」

星村絵里「そんな事をしなくても・・・・・・」

星村和也「要請した身で絵里を一人っきりじゃ、なんか命令みたいでさ・・・・・・・僕も手伝うよ。」

と和也も絵里の育児を助けるべく育休をとった。

絵里に要請だけして自分だけ勤務するのも申し訳ないと思っていた。
和也の心使いに和也が自分を邪見にしている疑念を持った事に恥ずかしく感じ・・・・
素直に和也の好意を受け取った・・・・・・・

星村瑞穂「やっほーお邪魔かな?」

星村和也「瑞穂じゃないか、仕事は?」

星村瑞穂「今日は午後非番だよ、今私の飛行隊のハンガー大規模だから。」

二人が会話している中
和也の妹瑞穂が私服姿で入ってきた。

どうやら今日は午後から飛行隊のハンガーの大規模点検があり・・・・
瑞穂の中隊は午前中だけで業務が終わったという。

しばらく和也と絵里は瑞穂と会話をする・・・・・
会話している中で瑞穂はある事を言う

星村瑞穂「兄貴、姉貴 父さんから8月15日の式典に参加するようにだってさ。」

星村和也「あー去年行けなかった奴か。」

8月15日の式典の参加要請・・・・・

去年任務の関係上参加できなかった式典であり・・・・・・
第二次世界大戦における故国日本が玉音放送を放送した日にちなみ・・・
自衛隊閥の軍人により開催されている。

9月2日に他の派閥の軍人と共に第二次世界大戦終戦式典が行われており・・・・・・・
和也と絵里は軍人関係の親戚と共に参加している

が・・・・堅苦しい場が苦手な絵里は苦手としており・・・・・・
瑞穂が言った式典参加要請に嫌な表情を浮かべた

そして

8月15日
絵里と和也は和也の父謙三を始めとする星村一族32名が他の自衛隊閥の軍人と共に・・・
今までの古代から統合戦争までの日本の戦争で戦死したを祀る鎮魂神社の行事に参加した。

絵里は軍服を着て和也と共に参列・・・・・・

神社に掲げられる日章旗と旭日旗に対し敬礼
正午になると全員黙とう

それからかつての日本国の皇族と旧皇族が神官として勤める吹上大社に参列・・・・
午後15時に各人解散した。

星村絵里「なんかお堅い行事は疲れる。」

星村和也「仕方がないよ、それにキリがない程お堅い行事はまだまだあるし。」

星村絵里「なんか嫌だな~」

これからも続くお堅い行事
地球人の文明はかなり楽しくて美味しくて素晴らしいが・・・・・・
堅ぐるしい行事だけは嫌・・・・・・

絵里は不機嫌な表情を浮かべる・・・・・

軍の託児所に預けた二人の娘をベビーカーに乗せ・・・・・
可愛がりながら、駐車場に向かうが・・・・・・
絵里の表情は不機嫌・・・・・・

和也はそんな絵里を心配しながら・・・・車に乗せ自宅に帰る

『ただいま』

星村苑子「お帰り」

星村和也「親父は?」

星村苑子「会議よ」

星村和也「親父も忙しいんだな。」

二人が自宅に帰ると和也と瑞穂の母苑子が出迎えた。
父の謙三は宇宙軍総司令官なので今軍の会議に出かけている。

そんな父に和也は忙しそうだなと思った。

一方の絵里は二人の娘を抱っこしながらベッドまで連れていった・・・・・

星村苑子「絵里ちゃんちょっと来なさい。」

星村絵里「はいお義母様」

娘たちをベッドで寝かしつけた絵里は苑子に呼ばれた。
苑子についていくと浴衣がハンガーにかかっており・・・・・
目の前にある浴衣に絵里は見とれてしまう

絵里は不思議そうに見ていると・・・・・・苑子に着替えてみてと言われ・・・・・
言われるとおりに着替え・・・・

細かい所は苑子が手伝ってくれた

星村苑子「ほらできた。」

星村絵里「これが浴衣なのですね?」

星村苑子「そうよ、去年は長期任務もあって行けなかったでしょ。今年こそは着せたくて」

苑子の手伝いもあって絵里は浴衣に着替えた。
今まで浴衣など着た事がなく、目の前にいる自分が別人に見える・・・・・

ウェディングドレス以来の驚きだ・・・・・

服装を変えただけでここまで印象が変わるとは・・・・・

更に言ってしまえば少し髪型も変わっており・・・
浴衣と合わさって普段の自分【2013年7月25日クラビウス軍病院】

大戦の記憶がまだ浅い・・・・・・2013年

絵里は第2子である次女真理を出産した。
第2子出産に絵里は勿論、和也を始めとする星村一家は喜んだ。

去年2月には第1子志保美が生まれており、通常なら厳しい出産だが・・・・・・

「2年連続出産で余病の心配がないなんて凄い体ですね、ドクター」

「本当にそうだな、学会で発表された通りだ。純粋な地球人女性が12カ月以内妊娠出産は危険だと言うのに・・・・女性とは言えゼントラーディ人・・・・体は丈夫か」

ゼントラーディ人は体が地球人より丈夫らしく
絵里が妊娠出産しても余病などの危険なリスクが地球人女性より低く・・・・・

それどころか早くも現場復帰できる程の元気の良さであり
絵里は早く可変戦闘機パイロットとして中隊勤務を楽しみにしていたが・・・・・・・

だが・・・・・・・

星村絵里「育休ですか、私は大丈夫・・・・・」

「大丈夫じゃない・・・・当面の間は生まれた子供の事を考えてしっかり子育てしなさい。」

所属している中隊の隊長に育休しろと言われる。
2年間で育休1年以上の時間を使っており、絵里が満足に勤務できない状況が続いていた。

絵里は仕事復帰したいが、上官から止められる。

勿論、他の同僚からも・・・・・・

星村和也「当面育休だね・・・・・・」

星村絵里「えー・・・・」

星村和也「まぁ2年連続妊娠出産じゃそうなるね、もう少し期間設けよう。」

和也からも育休を要請される。
更に第3子を妊娠出産する場合、ある程度の期間を設けるように提案され・・・

絵里は育休については不満を述べていたが・・・・・・
第3子の妊娠出産に関してはきっちり守り・・・・・
真理に続いての子である有理の妊娠出産に数年の期間を設けている。

半面、和也の育休要請に不満を感じており・・・・・
一時期和也に邪見にされているのではと疑問に感じたが・・・・・・

星村絵里「和也も育休?中隊勤務は・・・・」

星村和也「絵里一人だけ負担させるのは良くないからね、妻が育児に励んでいるのに・・・・・僕だけおめおめといけないからね。それに給料保障あるし、なんとかなるよ。」

星村絵里「そんな事をしなくても・・・・・・」

星村和也「要請した身で絵里を一人っきりじゃ、なんか命令みたいでさ・・・・・・・僕も手伝うよ。」

と和也も絵里の育児を助けるべく育休をとった。

絵里に要請だけして自分だけ勤務するのも申し訳ないと思っていた。
和也の心使いに和也が自分を邪見にしている疑念を持った事に恥ずかしく感じ・・・・
素直に和也の好意を受け取った・・・・・・・

星村瑞穂「やっほーお邪魔かな?」

星村和也「瑞穂じゃないか、仕事は?」

星村瑞穂「今日は午後非番だよ、今私の飛行隊のハンガー大規模だから。」

二人が会話している中
和也の妹瑞穂が私服姿で入ってきた。

どうやら今日は午後から飛行隊のハンガーの大規模点検があり・・・・
瑞穂の中隊は午前中だけで業務が終わったという。

しばらく和也と絵里は瑞穂と会話をする・・・・・
会話している中で瑞穂はある事を言う

星村瑞穂「兄貴、姉貴 父さんから8月15日の式典に参加するようにだってさ。」

星村和也「あー去年行けなかった奴か。」

8月15日の式典の参加要請・・・・・

去年任務の関係上参加できなかった式典であり・・・・・・
第二次世界大戦における故国日本が玉音放送を放送した日にちなみ・・・
自衛隊閥の軍人により開催されている。

9月2日に他の派閥の軍人と共に第二次世界大戦終戦式典が行われており・・・・・・・
和也と絵里は軍人関係の親戚と共に参加している

が・・・・堅苦しい場が苦手な絵里は苦手としており・・・・・・
瑞穂が言った式典参加要請に嫌な表情を浮かべた

そして

8月15日
絵里と和也は和也の父謙三を始めとする星村一族32名が他の自衛隊閥の軍人と共に・・・
今までの古代から統合戦争までの日本の戦争で戦死したを祀る鎮魂神社の行事に参加した。

絵里は軍服を着て和也と共に参列・・・・・・

神社に掲げられる日章旗と旭日旗に対し敬礼
正午になると全員黙とう

それからかつての日本国の皇族と旧皇族が神官として勤める吹上大社に参列・・・・
午後15時に各人解散した。

星村絵里「なんかお堅い行事は疲れる。」

星村和也「仕方がないよ、それにキリがない程お堅い行事はまだまだあるし。」

星村絵里「なんか嫌だな~」

これからも続くお堅い行事
地球人の文明はかなり楽しくて美味しくて素晴らしいが・・・・・・
堅ぐるしい行事だけは嫌・・・・・・

絵里は不機嫌な表情を浮かべる・・・・・

軍の託児所に預けた二人の娘をベビーカーに乗せ・・・・・
可愛がりながら、駐車場に向かうが・・・・・・
絵里の表情は不機嫌・・・・・・

和也はそんな絵里を心配しながら・・・・車に乗せ自宅に帰る

『ただいま』

星村苑子「お帰り」

星村和也「親父は?」

星村苑子「会議よ」

星村和也「親父も忙しいんだな。」

二人が自宅に帰ると和也と瑞穂の母苑子が出迎えた。
父の謙三は宇宙軍総司令官なので今軍の会議に出かけている。

そんな父に和也は忙しそうだなと思った。

一方の絵里は二人の娘を抱っこしながらベッドまで連れていった・・・・・

星村苑子「絵里ちゃんちょっと来なさい。」

星村絵里「はいお義母様」

娘たちをベッドで寝かしつけた絵里は苑子に呼ばれた。
苑子についていくと浴衣がハンガーにかかっており・・・・・
目の前にある浴衣に絵里は見とれてしまう

絵里は不思議そうに見ていると・・・・・・苑子に着替えてみてと言われ・・・・・
言われるとおりに着替え・・・・

細かい所は苑子が手伝ってくれた

星村苑子「ほらできた。」

星村絵里「これが浴衣なのですね?」

星村苑子「そうよ、去年は長期任務もあって行けなかったでしょ。今年こそは着せたくて」

苑子の手伝いもあって絵里は浴衣に着替えた。
今まで浴衣など着た事がなく、目の前にいる自分が別人に見える・・・・・

ウェディングドレス以来の驚きだ・・・・・

服装を変えただけでここまで印象が変わるとは・・・・・

更に言ってしまえば少し髪型も変わっており・・・
浴衣と合わさって普段の自分とは違う

少しうれしくも戸惑っている絵里に・・・・・・

星村和也「絵里ここにいたのか?」

星村絵里「和也その恰好は?」

星村和也「今日は盆踊りあるから絵里に地球いや日本の祭り文化教えたくて・・・・・」

星村絵里「でも娘たちは・・・・・・」

星村苑子「行ってきなさい、夫婦だけで。娘たちは私と瑞穂で見てるから。」

星村絵里「いいんですかお義母様?」

星村苑子「たまにはいいんじゃない、まだ若い男女だし。和也は21で、絵里ちゃんは17歳でしょ。若い者同士楽しみなさい。」

浴衣の和也が現れ盆踊りに行かないかと誘われる。
絵里は育児もあってか最初は断ろうか考えていたが・・・

苑子の計らいもあってか和也の申し入れを受けいる。

星村絵里「祭りか・・・・初めてだな。」

星村和也「絵里はゼントラーディ人だから祭りは初めてだもんね。」

星村絵里「そう、想像すらした事がなかった。」

祭りに行く道中絵里は祭りについて考える・・・・

ゼントラーディ人である絵里は祭りなんて知らない
今日行く祭りが絵里にとって人生初の祭りである。

和也はそんな絵里を見て可愛いなと思う。

そんな時だった



空一面花火が打ち上がった。
絵里は最初敵の攻撃だと思って身を構えてしまうが・・・・・・

和也はあれは花火だよと絵里に言った。

最初は警戒していた絵里だがだんだんと花火の美しさに魅了され・・・・・

星村絵里「暗かった月の世界がこんなに光のみたら凄く引き付けられてワクワクする!光って敵襲みたいな非常事態を知らせる役割しかしらなかったからとても新鮮だよ」

星村和也「だろ☆そして地球の花火は戦争では相手の命の奪う爆発が人の心を和ます物に変わるんだ...今までの絵里から見たら不思議で仕方ないものだらけになっちゃうかもな」

絵里はネオンとは言え花火に感動する

月面都市の施設の空は月の岩である。
街でもそれを支える柱が何本も建っており・・・・・・・
夜は月面の世界が暗いと言う印象が強い・・・・・・

だけど、今見える空はとてもきれいで心を和ますもの・・・・・・
絵里はとてもいい気分になる。

そんな和やかな気分になりながら絵里達は祭り会場にたどり着く

星村絵里「わぁいろんなお店がいっぱい」

星村和也「僕は小さい頃地球で花火大会や縁日に連れてってもらったんだ懐かしいなあ」

星村絵里「縁日?」

星村和也「今日みたいにタコ焼き屋とかじゃがバターみたいな屋台って言われる小さなお店が出ている日なんだよ」

星村絵里「ふーん」

星村和也「まぁいいじゃないか雰囲気をしっかり味わってみないとわかりにくいかもな...あそこの射的!やってみるかい絵里?」

星村絵里「うん(*^-^*)」

祭りに到着した二人は興奮に包まれていた。

初めて見る祭りの光景に絵里は子供のようにはしゃいでおり・・・・・
屋台の品々に興味津々だった。

和也はまず絵里の射撃の腕を見たいと思ったのか射的をお勧めした。
雰囲気を味わってみる意味もあるが・・・・・・・・
軍人である以上射的の腕前も見てみたい

結果は・・・・・・・

星村絵里「よーしもっと射的やっちゃうぞ」

「な・・・・・赤字だ・・・・」

元々軍人ともあってか射的は簡単だった。
何処をどう撃てば効果的に倒せるか判断しており・・・・・・・
射的の商品はどんどん落ちてしまい・・・・・

店主は驚いた表情で絵里を見ている

星村和也「絵里...(射的の店主さん困ってるから違うとこ行こう)次は金魚すくいに行こうよ」

星村絵里「金魚すくい興味あるやりたい」

和也は絵里の大戦果に困っている店主の気持ちを考え・・・・
金魚すくいに行こうと誘う・・・・・・・

絵里は金魚すくいに興味を持ち・・・・・
射的の銃を置いて和也についていく

星村和也「金魚すくい懐かしいなあ!小さい時何回もすくえなくて恥ずかしい話だけど泣いちゃってさ...そしたら親父が僕のかわりにすくってくれたんだ」

星村絵里「和也って小さい時そんなんだったんだ...やーい泣き虫」

星村和也「むっ!金魚すくい難しいんだぞやってみればわかるぞ」

金魚すくいの屋台に向かう途中和也は幼いころの金魚すくいのエピソードを話す。

1999年8月、世界がASSー1落下で荒れていた頃
父の勤務先で住んでいた航空自衛隊横田基地の周辺の街で開かれていた祭りに行った。

当時忙しかったのにも関わらずこれが最後になるかもしれないと
幼い和也ら家族を祭りに連れて行ってくれた・・・

和也は金魚すくいしたが、中々できなくて泣いてしまった事がある。
そんな息子を見て謙三は金魚を代わりにとってきてくれ・・・・・
ついでに金魚すくいについて教えてくれた

絵里は和也の思い出話を聞いてからかう
どうやら射的と同じように簡単と思った。

和也は絵里のからかいに反発するが・・・・・
そうしているうちにも金魚すくいの屋台にきた

絵里は自身満々に金魚すくいの入れ物を持ち楽勝だと意気込んでいる。

星村絵里「こんなの簡単!...あれ入れ物が壊れちゃった」

星村和也「ほら(^-^)これは入れ物が水に溶けやすく壊れやすいから力の入れ具合とスピードが大事になるんだ...おし!取れた」

案の定

絵里の持ってた金魚すくいの入れ物が破れてしまった。
自信満々で挑んだ絵里にとってかなりショックを受けたようで涙目になる

そんな絵里に和也はしっかりアドバイスして
お手本にある程度取ってあげる。

和也の姿とやり方を見て絵里も真似、ようやく

星村絵里「やっととれた!」

星村和也「だろ、中々難しいけど出きれば楽しいだろ~」

金魚数匹を掬う事ができた。

絵里は笑顔を浮かべ、金魚のすくいの楽しさが分かったようだ。
まるで小さな少女のように興奮しながらどんどん金魚をすくっていく。

金魚を嬉しそうにすくう絵里を見て和也は微笑ましく見えてくる。

そして次は絵里が子供たちに金魚すくいのやり方を教える
和也はそう考えると絵里に

星村和也「子供たちに金魚すくいのやり方を教えるのは絵里の役目だね」

星村絵里「うん、子供たちに金魚のすくいの楽しさを教えたいわ。だってこんなに楽しいんだもん」

星村和也「確かに子供と一緒にいたらもっと楽しいだろうな娘たちの成長が楽しみだ」

子供たちが成長したら今楽しんでいる遊びの面白さを伝える役目だと教えた

教えた遊びのやり方は親である和也と絵里の役目であり・・・
親子で祭りに来たときに教えてあげるのだ。

絵里は和也の提案に納得し受け入れる。
楽しい遊びを子供に伝えたい。

今回の祭りを通して二人が思った事だ。
楽しい事、思い出は歴史の継承として受け継ぎたい
大事にしたいと考えた。

家族の思い出の伝統はいつまでも
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カゴメとエミリーの絆 前編

2020-07-28 22:50:31 | マクロス短編
ワルキューレのカナメ・バッカニアの祖父の従姉妹にウリ二つのカゴメ・バッカニアがいた。

茶髪が似合うショートの女性であり・・・
イギリス人女性らしく上品で、紳士的な性格であり・・・
芯が強く、アルタミラの航空オペレーターとして活躍していた。

でもカゴメはオペレーターをやる前にある夢があった。

その夢は歌姫になる事

今回の物語は夢の現実と挫折から、切り抜けたカゴメの物語

【西暦2015年6月8日クラビウスシティー】

新統合宇宙軍最大の月面基地であるクラビウス基地に隣接し

ゼントラーディ系地球人の市民が地球の文化になれ、適応し・・・
純粋な地球人と協力してどんどん発展していくクラビウスシティー

統合戦争中から第一次星間大戦中期にかけて日本から移住してきた人々もおり
ルナ・トウキョウもしくはルナ・オオサカと呼ばれるような都市になってきている。
そんな街に一人の少女が歩いていた。

少女は若干幼さは残しているが、何処か大人らしい雰囲気を出している。

カゴメ「私もリン・ミンメイのような歌姫に、安野希世乃さんのような役者に」
月面クラビウス市民カゴメ・バッカニア

その少女はまだオペレーターになる前のカゴメである。
軍人志望の妹たちとは違い従兄弟のエルマーと同じく芸能の道に進もうと考えており

特にリン・ミンメイと安野希世乃のような歌手や役者になりたいと考えていた。
特に声が安野さんとよく似てるのと、歌唱力があるので・・・
周りから確実に歌手になれると言われてきた。

私ならやれる、私なら歌手や役者になれる
いや歌手になりたい
憧れの舞台で活躍したい

カゴメはそう心に誓いオーディション会場の中へ入っていった

だが

心に誓った決意を傷つけるがごとく、現実は厳しかった

カゴメ「~♪(まずい思うように歌えない、なんで・・・なんで私の思うように歌えないの?)」

ー緊張して歌が思うように歌えない・・・・
ー緊張して声が上手くでない
ーなんで、いつもなら歌えるのに・・・・

いつもは歌えるのに、いつもならきちんと声出せるのに
声がでない

思うように歌えないカゴメはなんとか頑張ったが・・・・
結果は・・・・・・非情にも

カゴメ「オーディション、落第・・・・・・そんな・・・」

オーディションは落第・・・・

厳しく書かれており、才能がない・・・・
歌う姿勢に自信が感じられなかった。
このまま歌手としての活動に不安に感じる

残念ながらオーディションの採用は見送らせてもらいますと・・・・

カゴメはショックを受けた・・・・
同時に歌手になる事も歌う事も嫌になった。

不採用通知を握りしめながらカゴメは泣いた。

泣き声は出さなかったが、涙は止まらなかった

惨めすぎる、惨めすぎるよ
こんなのは酷いよ・・・



カゴメは涙を流しながら歩く
泣いた姿を家族に見られたくない事もあってか
ただ惨めに行く宛もなくさ迷うしかない

そうしているとと・・・・・

「どうしたの君?」


カゴメ「いえなんでもないです・・・・私、オーディション落ちて泣いてて」

後ろから声が聞こえる

カゴメは振り替えると同じ歳ぐらいの少女がいた。
一体誰なのか分からなかったが、自然に返答してしまった。

初めて会う人なのに・・・・なんか信頼できそう

カゴメは目の前にいる少女に好意的な印象を覚える

「別になんでもないじゃない、私が相談にのるからお茶しない?」

カゴメ「相談・・・その前にあなたは・・・」

エミリー「私はエミリー・ニクソン、今後、士官学校高等科の試験を受ける中学生かな。」
クラビウス市民.エミリー・ニクソン

目の前にいる信頼できそうな少女はエミリー・ニクソンの名乗った。

エミリーはこれから士官学校高等科を受験する予定の中学生であり・・・
手には士官学校のパフレットを持っていた。

いきなりお茶しないとか言ってくるが怪しさはない
大人だったら警戒してしまうが、同年代の女の子なので。
大丈夫かなとカゴメはエミリーと名乗る少女に気を許しお茶の誘いにのった。

エミリー「そうか・・・・歌手の道断念するのか・・・」

カゴメ「私には合わない道だったし、緊張したら歌えない・・・・成功する見込みがないから・・・それに歌うのが怖い」

カゴメは喫茶店でパフェを食べながら、自分の事を話した。
歌う事に怖さを覚えた、芸能界ではやっていけない。

息ができない程に怖いと感じた。

もうトラウマに残るレベルであり、もう二度とやりたくないと思っている。
これじゃあ妹たちに笑われてしまう事になるが、仕方がない

カゴメは落ち込んでしまう
それからしばらくの沈黙の後

カゴメ「私の事を話したから、エミリーの事を聞いていい?」

エミリー「いいよ」

カゴメ「何故、軍に入ろうと考えたの?死ぬ可能性だってあるのに危険なのに」

今まで自分の事を聞いてきたエミリーについて知りたい事がある
何故軍に入ろうと考えているのか・・・・・・

そこが気になっていた。

軍に入るエミリーにそれなりの理由があるはず
カゴメはエミリーを見ながらその答えを待つ

エミリー「私が軍に入るのはねぇ、先の大戦で人類が壊滅した時、二度と同じ悲劇を繰り返さないためにも少しでも人々を救うための軍人が必要だと思って志願したかなぁ。」

カゴメ「人々を救うため?」

エミリー「まぁどうせなら、企業のために働くよりも全国民を守る仕事をした方が楽しいかなって」

カゴメ「楽しいか・・・・・・・」

エミリー「もっとも命をかけてでも誰かを守りたいと言うのは中々出来ないでしょ、だから私はその中に入っていくのよ」

求めていた答えをエミリーは言う

先の大戦の悲劇を繰り返さないためにも一人でも多くの兵士が必要
企業のために働くよりも全国民を守る仕事をした方が楽しい



エミリーの答えにカゴメは衝撃を覚える
そんな考え方があるんだなと

かなり面白いし、魅力的だ。
カゴメはエミリーの答えに目をキラキラと光らせた。

エミリー「まぁ好きな事、進みたい道はね・・・受け入れがたい現実はあるのよ。軍に入るのは夢だけど、入った時の現実を見て耐えられるか・・・・」

カゴメ「現実・・・」

エミリー「現実に抗いながら、やりたいことはやるわ。ひたすらね」

カゴメ「ひたすら・・・・」

エミリー「まぁ清濁を飲み込むしかない・・・・・・私が軍に入る上での心構えかな。楽な道はないわよ、どの業界だろうとね。」

エミリーは話を続ける

自分の進みたい道には受け入れがたい現実があって
その現実を飲み飲んだ上で軍における勤務をやりたい



自分の進みたい道に受け入れがたい現実
カゴメは自分のやりたかった芸能について考える

よく考えたら、インターネット上の誹謗中傷があるし・・・
もし自分の所に誹謗中傷があったらと考えると・・・
自分の精神が耐えられるはずかない。

それにエミリーの姿勢に牽かれた・・・・・
本来は行きたくなかったが・・・・

カゴメ「私も士官学校に行くわ」

エミリー「えぇ!?芸能は?夢だったんでしょ、いいのそんな簡単に諦めるような真似をして?」

カゴメ「芸能は私には無理かな、エミリーの言葉を聞いて決心した軍に入って国民を守るために働きたいわ」

士官学校に行ってやろう・・
エミリーの生き様に感動したから士官学校に行ってやろう

カゴメは勢いで士官学校に行く事を決めた。
それに国民のために働く事も悪くないかもしれない。
カゴメはそう考えた。

考えたからには最後までやり遂げたい

エミリー「そう・・・・なんだ・・・・・でも受験にこう前向きなライバルがいると嬉しいわ、願書はまだ間に合うわ。一緒に頑張りましょう」

カゴメ「こちらこそ、見ず知らずの私に親切してくれて」

エミリー「泣いている貴女をほっとく事が出来なかったのよ。貴女なら出来るわ」

カゴメ「ありがとう」

エミリー「それじゃあ私は行くね、お互い士官学校合格出来たらよろしくね。」

カゴメとエミリーはこの日を境に不思議な縁が出来た。

こうした会話を交わした後、それぞれの帰路につき自宅へ帰る。
士官学校に行く事を伝えたカゴメは、両親に驚かれる。
士官学校には妹のカオリとミユが行く予定でありカゴメは芸能に行くかと思われてた。

当然、妹たちからも姉が軍の道に進む事に驚かれるが・・・
自分がやりたい事には変わりがない

カゴメはジュニアハイスクールを通いつつ士官学校の受験に向けて頑張った。

そして

少し月日が流れた・・・・

【2016年2月】

いよいよその日が来た。
郵送で合格の合否の結果が来る
カゴメは心配しながら合否の結果を確認するべく封を開けた。

結果は

カゴメ「合格、やった合格した!報われたんだ!」

合格
芸能の道を諦め、エミリーの言葉を聞いて軍の道へ進んだカゴメ。
等々自分の努力が実り、士官学校に合格した。

カゴメは嬉しさのあまり、後に続く妹たちに自慢気に話すなど浮かれた。

その後、カゴメはアポロシティーにある宇宙軍士官学校高等部に入学した。
最初は苦労する事もあったが、段々と慣れてきて友達も出来た。

エミリー「久しぶりね、カゴメ」

カゴメ「久しぶり、エミリーは可変戦闘機パイロットの資格取得めざしつつオペレーターコースを学習するなんて凄いね。」

エミリー「まぁ誉められる事じゃないけどね。」

あの時会ったエミリーも合格してたようで・・・・
可変戦闘機パイロット資格取得しつつオペレーターコースで学習してる。

カゴメに誉められたエミリーは誉められたもんじゃないと言いつつも・・・
誉められている事なので照れていた。
3年学習のうち、カゴメとエミリーは士官学校卒業。

卒業した二人はアポロ基地中央管制室航空課に配属され
二人は当分研修を受けつつ業務に励んだ。

【2020年3月】

卒業してから1年目になった。
カゴメとエミリーの二人はクラビウス基地中央管制室に配属
日々の業務に励んでいた。



予期せぬ事が起きる

カゴメ「えっ可変戦闘機パイロットへ転向?」

エミリー「桐原予備役少佐が創設するアンサーズ中隊あるでしょ、私に小隊長やらないかって」

カゴメ「エミリーはオペレーターだよ、なんで?」

エミリー「もしもの為の可変戦闘機パイロット資格取得の際に、目に止まったみたい。」

エミリーのオペレーターからパイロットへの転向

新たに創設するアンサーズ中隊の隊長になった予備役の桐原茂人少佐が・・・
エミリーの可変戦闘機パイロット資格取得と定期訓練の結果・・・
オペレーター時の指揮能力に注目し、スカウト。

スカウトに対しエミリーが承諾
少尉から中尉に任官させられた。

つまり優秀な指揮官候補として認められたのだ。

エミリー「そうそうカゴメも他人事じゃないわよ、実は貴女にも関係する大事な事案なのよ~」

カゴメ「へっそれはどーゆーこ・・・・」

『アテンション、以下の者は第二会議室に出頭せよ!劉夢華少尉、カゴメ・バッカニア少尉、』

エミリー「ほら?」

カゴメ「何かしら?」

エミリーの意味深な言葉

それを問いただそうとするが、館内放送が流れカゴメの出頭が命じれる。
あまりにも意味が分からない事態に更に困惑
言われた通り出頭すると、二人の士官と同じく呼び出された劉夢華と言う女性士官がいた。

カゴメは夢華の左隣に行き、その場で立った。

桐原少佐「自分はアンサーズ中隊隊長、桐原茂人です。」

相沢美弥「私はアルタミラから派遣された、相沢です。」

カゴメ「私はカゴメ・バッカニア少尉です。」

劉夢華「私はMPから転向しました劉です。」

全員が揃った事で、両者は敬礼

敬礼を終えると両者は席に座り、話し合いを始めた。
これから行う、新たな部隊の人員に関すること

その育成について・・・・・

カゴメは夢華と共にしっかり話を聞き
次のステップに備えるのであった。




作画いわしぃ

【出演】
◆カゴメ・バッカニア
安野希世乃

◆エミリー・ニクソン
遠藤綾

◆相沢美弥
平田絵里子

◆劉夢華
柚木涼香

◆桐原茂人
諏訪部順一
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1VS60 土星沖遭遇戦

2020-07-17 07:25:02 | マクロス短編
【西暦2017年7月4日.月面アポロ基地第5ゲート】

宇宙軍艦艇の入港するゲート群から離れた輸送艦を収容する湾口施設である。
輸送艦だけでなく、地球からのシャトルや警備隊のスペースカッターなども停泊

主に補助艦艇の拠点として機能していた。

第5ゲートには隣接する民間港があり・・・・
民間貨物船の一部や旅客シャトルなども停泊・・・
事実上軍民共用の港となっていた。

「こちらケープカナベラル宇宙軍基地発、輸送シャトル・ホウセンカから管制へ。入港の許可を求める」

「こちらアポロ第5管制からホウセンカへ、入港を許可します。」

「後続のカッター2隻はホウセンカ入港完了まで少し待機せよ!おいマクロスシティーからの便割り込むな!危険だ!止まれ!」

その第5ゲートに地球から輸送シャトル・ホウセンカが入港した。

ホウセンカはSC-27スター・グースの改良型の連絡挺であり・・・
衛星軌道上の警備隊のカッターによる護衛艦隊と合流し・・・
地球からの兵員をアポロ基地に輸送してきた。

無論、補給が済み次第アポロ基地から地球への交換の兵員を送る予定

星村瑞穂「月面アポロ基地も懐かしいわ、僕が地球に行く前とは全然違う」

ロジーナ「本当ですね、瑞穂先輩。」
新統合宇宙軍ロジーナ・ピーベリー少尉

星村瑞穂「一時的に部隊から離れ一年間出向、短くも長かったなぁ。」

輸送シャトル・ホウセンカから宇宙軍士官の星村瑞穂少尉と・・・・
同僚のロビーナ・ピーベリー少尉が降りてきた。

彼女らは地球滞在の一年間の研修から帰ってきた身であり・・・・
ホウセンカから降りて月面の大地の懐かしさと変化を噛み締めていた。
地球防衛の要である月の開発は日々進んでおり・・・・

一年前と今日の風景は全然違う・・・・

星村和也「瑞穂よく帰ってきたな、ピーベリー少尉も久しいな。」

星村瑞穂「兄貴も元気そうで何より」

ロジーナ「まさか星村大尉殿がお迎えとは以外です」

星村和也「まぁね、妹と友達を迎えるのは兄としての役目もあるからね。」

瑞穂たちを迎えたのは特務部隊シーアンタレス隊の隊長で兄の和也
懐かしい兄の顔を見れて瑞穂は少しホッする・・・・・

しかし

誰か足りない気がする。
いつも一緒にいるあの人がいない・・・・
兄和也の大事な人が・・・・

瑞穂は考えていると・・・

星村和也「絵里は土星に出撃して行ったよ。」

星村瑞穂「土星?なんで?」

星村和也「アポロ基地から土星衛星都市への物資輸送の為にね。」

星村瑞穂「まさか大事な妻を一人で行かせ・・・・」

星村和也「人聞きの悪い事を言うな、大事な妹が帰ってくるから兄である和也が出迎えてと絵里から言われたんだ。」

星村瑞穂「へぇなら安心だ。」

和也は絵里が土星に行っている事を言った。

最初は大切な妻を一人仕事押しつけたと瑞穂から疑われるが・・・
当の絵里が自ら望んだ事であり・・・・
その事を聞いた瑞穂は少し安心する。

兄の性格から言ってそんなことするわけがない・・・

そんな会話をしている頃・・・

【同時刻、土星環状衛星都市レッズウッド地区から近い宙域】

この宙域では激しい閃光が光る。
激しい閃光の中、VF-3000クルセイダーとVF-1EJストライクバルキリーが
ヌージャデル・ガーとリガードの編隊を追いかける。

この編隊はボドル基幹艦隊残党のはぐれゼントラーディ部隊。

土星に向けて輸送中の輸送船団を襲撃・・・
護衛部隊にいち早く察知され迎撃されたようだ。

ミアン「頭デッカチ(はぐれゼントラーディ)落ちろ!」

サソリマークのついたVF-3000がガンポッドの銃弾を放つ。
護衛していた部隊はシーアンタレス隊、和也と絵里が指揮する特務部隊である。

シーアンタレス隊は新統合軍宇宙警備隊のスペースカッターの護衛隊と共に
土星への物資輸送の護衛に従事し、不足の事態に備えていた。
いつ敵が現れるか分からないので一個チームずつ船団周囲に交代制で展開

偶然、物資を狙ってきたはぐれゼントラーディ軍部隊が襲来し・・・
シーアンタレス隊は宇宙警備隊共に迎撃戦を展開する。

「くそマイクローンの奴等、ただものじゃないぞ」

「奴等はエース部隊なのか?」

迎撃戦はシーアンタレスのカウンターアタックにより・・・・
ワンサイドゲームと言う有り様で、開始5分もしないうちに・・・
88機いたはぐれゼントラーディ部隊は20機損失・・・

迎撃側に損害無と言う結果になっていた。

このままでは勝てないので母艦に戻り再起を図ろうと考えていたが・・

「ぐがぁぁぁぁぁぁぁ」

「ゲムラ!?なんだ今の攻撃は!?」

突然、ヌージャデル・ガーの1機が爆発した。

ゼントラーディ軍部隊の兵士達は突然の出来事に動揺する。
1機だけじゃない、何処からか銃弾が放たれて次々と撃破され・・・

兵士達は何処にいるのか分からない敵に恐怖する。

発砲元に向けて攻撃しても誰もいない。
それが分かっても別の場所に・・・
一体何者なのか・・・

その正体は

星村絵里「ミアン達め、ナイスな仕事してくれる・・・行くわよ」

隕石の影を利用し極秘行動していた絵里であった。

ミアンらは獲物を追い詰める囮であり・・・・
追い詰められたゼントラーディ部隊を絵里が仕留める作戦である。

作戦が順調に進んだので・・・・
隕石の影からバトロイド形態の絵里のVF-3000が出てきた。
白兵戦を仕掛け、ゼントラーディ部隊に一気にケリをつけようと考えていた。

「敵は1機だと!?」

「大した事はない、包囲殲滅して仲間の仇を討て!」

リガード、ジナール、ヌージャデル・ガーの編隊はフォーメーションを組んで・・・
絵里のVF-3000を徹底的に叩き潰そうと考えている。

ゼントラーディ側からすれば

【確かに相手はエースだが、所詮は多勢に無勢。勝つ要因は多い】

と考えており・・・
犠牲はかなり出るだろうが、負ける要素は少ない。
上手くいけば確実に勝てる・・・そう考えていた。

星村絵里「ミアン達は次の段階に移行してる、奴等に気づかれない為にも・・・やるしか」

絵里は既に別の作戦を部下に発動させており・・・
今いるゼントラーディ部隊に悟らせないように孤軍奮闘する構えをとった。

追撃していたミアン達はゼントラーディ部隊の後ろにはいない。

次の作戦に向けて行動中だ!
その作戦が上手く行くためにも敵を引き付けなければならない。

敵の数は約60機。
それに対し自分は味方なし。

厳しい戦いだがやるしかない。

自機の武装は

UUM-8マイクロミサイルポッド(20発×4)
AMM-1対空対地ミサイル・アロー(6発×2)
大口径レーザー砲×1
マウラーROV-22×2
ハワード GU-11ガトリング・ガンポッド

既にミサイル・アローは既に全弾消費済み
使えるのは

UUM-8マイクロミサイルポッド(20発×4)
大口径レーザー砲×1
マウラーROV-22×2
ハワード GU-11ガトリング・ガンポッド

多勢に無勢の中で生き残るには武装を上手く活用するしかない。
今は武装に余裕はあるが、無駄遣いしたら必要な時に致命的になる。

星村絵里「まずは厄介な敵を潰す、落とす!!いや普通にやるのはつまらないか、ゼントラーディ軍時代の技見せてやる!」

絵里はそう呟くとマイクロミサイルポッドのハッチを開け・・・
20発程のマイクロミサイルを発射した。

たくさんのミサイルがゼントラーディ軍部隊に向けて撃つが・・
ガンポッドで掃射し密集陣形で向かってたため大爆発を起こした。

「奴等め馬鹿だな、何処を撃っている。」

「こちらの損害は4だが、対したことがない。」

密集したミサイルの爆発にゼントラーディ軍は笑う。
掃射を逃れたミサイルによる被害は多少遭ったが・・・・
殆ど損害はない・・・・

ゼントラーディ軍部隊は反撃しようとしたその時

「ぐぁぁぁ」

「ミサイルの雨だ、この距離ではがぁぁぁぁ」

爆発の中から後続のマイクロミサイルの集団が至近距離で現れる。

嘲笑ってたゼントラーディ軍部隊の兵士は余裕の表情から驚きと恐怖が混ざった顔になり
ミサイル群を回避しようとするが、避けきれず犠牲になる者が多数出た。
中には小さな岩石にぶって破片が飛び散り、更に被害が拡大。

合計15機が犠牲になるが終わらない

ズガガガガガガガガ

ヌージャデル・ガー編隊の斜め横から銃弾が飛んでくる。
飛んできた銃弾はヌージャデル・ガーとリガードに命中し爆散。

反撃しようと振り向いた時にはレーザーも飛んできて更に3機撃墜される。

星村絵里「単純に私を多勢に無勢を利用して撃墜しようなんぞ、甘いんだよ!」

銃弾とレーザーを放った主は絵里であった。
絵里は操縦桿を握りながら、バトロイド形態のまま高機動で移動し・・・
敵が反撃する前に相手を仕留め、反撃したら素早く回避

絵里の背後をとったヌージャデル・ガーとリガードの一個小隊に対し・・
瞬時に反転し短時間でガンポッドで反撃、全機撃墜した。

絵里の動きにゼントラーディ兵士達は

「まさかあの動きはクァドラン・ローだと!」

「まさか相手は裏切り者の同胞なのか!」

と恐怖を覚える

クァドラン・ロー乗りはゼントラーディ軍の中ではエースパイロットだ!
そのエースパイロットがマイクローンになり自分達の前に立ち塞がってる。

恐怖でしかない

悪夢でしかない。
ゼントラーディ軍の兵士たちは恐怖で怯んでしまう。
その恐怖は更に追い討ちをかけることになる。

「大変だ、母艦が攻撃されている」

「なんだと!?」

「母艦のある方向で爆発だ!」

コーカサス隊と囮の任を終えたスコーピオン隊が護衛として・・・
対大型貫通弾を搭載したVA-3インベーダーで編成された
ウロダクス攻撃打撃支援小隊が彼らの母艦である・・・

スヴァール・サラン級戦艦を強襲した。

更に少数ではあるが、土星からの救援部隊である
土星機動艦隊所属の駆逐艦隊や第15独立戦隊ナイトバードらが来援した。
破壊されたハッチからナイトバードのVF部隊が突入し・・・
シーアンタレス隊の護衛部隊も加わり、ブリッジ含む艦内を制圧して艦を拿捕した。

ミアン『敵母艦制圧完了しました、私たちはまだ抵抗続ける敵の残敵処理します』

星村絵里「任せたわ、私はここにいる残り制圧するから。ミアン、スコーピオン隊連れてきて」

ミアン『ハッ』

部下で副隊長格のミアンから敵艦を拿捕した報を受ける。

敵の本陣は沈黙、大方の戦闘は終結した。
後は目の前にいる敵兵士を降伏させなければならない・・・

できる限りこれ以上の人命を奪わない為にも降伏さねなければ・・・
もしくは・・・・・

星村絵里「さて、貴方といきますか・・・・私は新統合宇宙軍星村絵里.中尉、既に勝敗は決している。ただちに降伏せよ!これ以上の戦闘は無意味である。」

「降伏だとふざけんな!裏切り者のメルトラン(女)が!!」

星村絵里「最後のチャンスだ!今すぐ降伏しろ、勝ち目はない!」

絵里は通信をゼントラーディの周波数に切り替え・・・
残存したゼントラーディ部隊の兵士に降伏をゼントラーディ語学で勧告する。

これ以上の戦闘は無意味であると言いながら・・・



ゼントラーディ残存部隊の兵士は降伏勧告に反発する。
絵里がメルトラン(女性)だと知ると、罵声を浴びせてくる・・・

星村絵里「最後に言う降伏せよ、これ以上の戦闘継続は無意味である。」

「くたばれ!裏切り者!」

星村絵里「それが答えか!ならばやらせてもらう!」

最後の降伏勧告するも答えは徹底抗戦。

言うへまが省けたと判断した絵里は、VF-3000を駆り戦闘を再開。
自機の武装を限界まで使い、次々と敵を撃破
シーアンタレス隊本隊が到着した頃には全ての弾薬使用

事実上の副官ミアンに促され、一人母艦へ戻る

母艦に到着した頃
ミアンから戦闘終了報告を受ける

敵は全機撃破、我が方の損害はミスで1機左腕損失のみとの事

絵里は着艦体勢の中、一人安堵感覚える。

「輸送船団の護衛は我々土星駐留軍が引き継ぐ、シーアンタレスは母港へ帰還されたし。道中の無事を祈る」

護衛対象の輸送船団は土星艦隊と合流。
シーアンタレス隊と警備隊の護衛艦隊は反転し母港の月面アポロ基地へ向かった。

しばらく通常航行した後に、ある程度の地点になったら一気に月面付近までフォールドし
月面アポロ基地に入港し、輸送船団護衛艦隊は解散になる。

道中アポロ基地への輸送船団と護衛部隊と一緒になり・・・
そのまま月面付近にデフォールドし、アポロ基地への帰路についた。

【月面アポロ基地軍港施設】

シーアンタレスの制服ではなく士官用コートを着ながら制帽を被り・・・
宇宙軍港の控え室でシーアンタレスの母艦サドワラの帰還を和也は待っていた。

いつ帰ってくるか分からない妻.絵里と部下たち

新統合軍の軍艦が入港したり出港したりしているが・・・
絵里達が帰ってくる気配がない

星村和也「心配しすぎかな・・おっ・・・帰ってきたか」

心配しすぎかなと思ったが、その直後に絵里達が帰ってきた。

和也は直ぐ様、サドワラが停泊したであろう埠頭に向かい・・・
戻ってきたシーアンタレス隊の隊員を出迎える。

着いた時にはまだ降りてきてないようだ。

星村和也「少し待つか」

まだ降りてきてないようなので、和也は暫く待つ・・・

すると暫くして・・・・
サドワラと基地を接続しているボーディング・ブリッジから絵里達が降りてきた
疲れた様子で降りてきたが、和也の姿を見ると直ぐ様一列に並びはじめる。

当然、絵里は和也の正面に立ち、少し緊張してたが深呼吸して落ち着き・・・

星村絵里「気をつけ!敬礼!シーアンタレス隊隊長星村和也.大尉殿、私星村絵里.中尉以下隊員戦死者無く帰還いたしました。」

星村和也「ご苦労様、星村絵里中尉以下各隊員もご苦労様です。任務の疲れを癒し次の作戦に備えるように」

『ハッ』

星村和也「解散」

整列した絵里たちに和也は労った。

学校の校長先生の無駄話の如く長期間するのが嫌いな和也は・・・・
軽く話して、任務に参加した部隊隊員にしっかり休むように伝え・・・
その場で解散した。

和也と絵里は隊員達と離れ二人出歩く。

星村絵里「娘たちは元気?」

星村和也「元気さ、今は僕と瑞穂が世話をしているんだ。まぁ今頃は三人の娘たちに手を焼いていると思うけど。」

絵里は和也に子供達が元気かどうか確認した。

既に志保美と真理と言う娘がおり・・・
更に今年は三人目の娘有理が産まれたばかりである

産まれた三人娘を均等に愛情を注ぎ可愛がるなど・・・
絵里は娘たちとの関係を物凄く大切にしており・・・
仕事中も育児士官たちに預けている娘たちの様子をかなり心配し・・・

いつも迎えに行く際は毎回数年ぶりに会って喜ぶような事ばかりで・・・
親バカなゼントラーディ人として有名になっていた。

今は和也曰く義妹の瑞穂に預けられており安心する反面
早く帰りたいとそわそわしているようだ。
さっきまで戦場にいたのに・・・

星村和也「早くうちに帰ろうか、娘たちもママの顔早く見たいだろうし。」

星村絵里「そうそう、更に言えばパパである和也と一緒にいたら更に最高よ」

星村和也「最高かなぁ、まぁ両方いたら喜ぶだろうね」

星村絵里「うん♪そうそう♪」

二人は子供の事を語り合いながら帰る。
二人でいる時の方が、それぞれ一人でいるよりも最高に幸せ
娘たちもいれば更に幸せ

戦場であればどんな事態でも生き残れる
どんな事態でも戦い抜ける

今回は離ればなれになったが明日からは二人で部下を率いて戦場に立つ。
明日も戦場に赴くかも知れない。

二人はジープ(和也運転)に乗り自宅へ帰っていった。

その頃

星村瑞穂「そろそろ深夜0時、兄貴ったらこんな時間でも絵里義姉貴を迎えに行くのね。羨ましいな」

瑞穂は自宅で二人の帰りを待っていた。

二人の娘たちは既に眠っており、瑞穂は二人がいつでも帰ってこれるよう。
官舎の自室には戻らず、帰ってくるまで待っている。

その一方で二人が羨ましく見える
瑞穂はいつかいい出会いに巡りあえたらいいなと思ってしまった。
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二人の絆

2020-06-17 01:32:47 | マクロス短編
【西暦2017年4月14日.月面アポロ基地】

シーアンタレス隊は月面アポロ基地で、長い長い暇な日々を送っていた。
仕事は暇ではないが、軍人として生きている身としては戦闘もなく暇である・・・

むしろこの平和な事態こそありがたいものであり・・・・
暇であると言う事は国民にとっては平穏無事であり、安心が守られている証拠である。
いつまでもこの暇な日々を続けたい・・・・・

シーアンタレス隊のあるオフィスの窓からコーヒーカップを手に取りながら・・・
部隊長である星村和也はそう考えていた。

星村絵里「ほい・・・和也、宇宙軍総司令部からの依頼の書類終わったよ。確認してくれるかな?」

星村和也「うんいいよ。少し疲れただろうから、そこのソファーで休んでね。」

星村絵里「ありがとう和也、愛しているわ。」

愛する妻の絵里が仕事の一部が終わった事を報告してきた。

和也は直ぐ様受けとると、絵里に休むようにようにお願いする。
絵里は笑顔で喜ぶと、近くに置いてあったソファーに座った。

絵里は結婚前モーア・カリダムと言う名前のゼントラーディ軍兵士であり・・・
第一次星間大戦当時はエースのミリアことミリア・ファリーナの部下だった・・・・
ミリアに従いSDFー1マクロスを襲撃した際に、ロイ・フォッカーを討ち取った事がある。

その後、第一次星間大戦を生き延びると
可変戦闘機パイロットになる事と、新たな戦いに備え新統合軍に入隊し・・・
新統合軍オセアニア軍管区所属の可変戦闘機乗りになった。

和也との出会いは一条輝らと共に参加したVF-X-4開発試験であり・・・・
月面アポロ基地に勤務していた和也に一目惚れし、任務終了後・・・
態々オセアニア軍管区から月面アポロ基地に転属し、ある程度の交際を経て・・・
無事に結婚、子宝に恵まれ幸せに暮らしている。

そんな今は特務部隊であるシーアンタレスを夫婦で率いている形だ。

ミアン「今日も夫婦仲いいですね、隊長と副隊長。」

ジャック「リア充過ぎて何とも言えない・・・」

ミハイル「おまけに相棒で・・・・」

カーランド「ライバルでもあるからなそれにしても・・・羨ましいな。ミアンちゃんも、副隊長と同じメルトランだからいい相手・・・いなかったら」

ミアン「その話は間に合ってますから、結構・・・・」

部隊隊員であり絵里と同じメルトランのミアン・フローランは・・・・
ジャック・ミハイル・カーランドなどのシーアンタレス隊員と共に二人の仲を話し合う

仲睦まじい夫婦であり・・・
見ていても、気分よくなる光景である。
シーアンタレス隊員たちはこれを見て日々のストレスを発散させていた。
まるで漫画かアニメから出てきたカップリングのようだ。

星村和也「よしこれで午前中の仕事は終わったね、皆はどうかな?本日の部隊員報告係」

ミアン「ハッ・・・・私達一同、与えられた仕事全て終わりました。一人も抜けなく完了です。」

星村和也「ご苦労様、少し早いけどお昼休みにしようか。各員は午後13時半までにパイロットスーツに着替えている状態でブリーフィングルームに集合。では午前中はこれで解散。」

『ハッ』

午前中の仕事はスムーズに終わった。
仕事がスムーズに終わったので、休憩時間が少し延びた。

午後からは可変戦闘機を用いた月面演習飛行エリアにて訓練飛行をやる予定だ。
和也の号令の元、シーアンタレス隊員は敬礼して部屋から出ていく。
皆仕事疲れやお腹がペコペコで五分もしないうちに和也と絵里を除き誰も残らなかった。

誰もいなくなった様子を見届けると・・・・

星村和也「さて僕らも食堂に行こうか、絵里何食べたい?」

星村絵里 「そうね・・・・・ルナビーフのシャトーブリアンはどうかしら?高いけどかなり美味しいらしいわ。」

星村和也「ルナビーフのシャトーブリアンか、なるほどね。よし行こうか、今日はそれにしよう。」

和也と絵里も食事するため士官食堂に向かった。

いつも昼ご飯食べる時は和也は絵里に美味しいものを食べさせたいので・・・
絵里が食べたいものを聞いてから食べるのが恒例であった。

ゼントラーディ人である絵里は地球の食べ物の1つ1つが物珍しいものばかり・・・
食べ物に目を輝かせ見ている絵里は和也にとっては微笑ましい光景であり・・・・
出来る限り絵里が食べたいと思えるものを食べさせてあげたいと思っていた。

星村絵里「凄く美味しい~、シャトーブリアンの肉美味しい~」

星村和也「おっと絵里、口が汚れてるよ。」

星村絵里「ごめんごめん。」

美味しそうに食べる絵里・・・・・
思えば絵里の同胞であるゼントラーディ人はこの美味しい食べ物を知らないだろう
逆にしかり絵里も皮肉な話だが先の大戦が無ければこの食べ物を食べる機会はなかっただろう

絵里はモーア・カリダムと言うゼントラーディ人であり・・・・
古代文明プロトカルチャーが作り出した生物兵器のクローン兵士の一人だ。
また絵里と同じ型のクローンも銀河の何処かで戦っている。

そう考えると絵里を含む同じ型のクローンそして他のゼントラーディ人はなんとも幸運か
いや、地球の価値観を押し付けてはダメだ。

絵里のように幸せを得たゼントラーディ人もいるが・・・
地球の生活を得た上で不幸になり不満を持つゼントラーディ人もいる・・・

とは言え・・・・

星村絵里「このケーキ美味しい~」

今目の前にいる妻の絵里の笑顔が見れてよかった。

絵里自身は地球文化には積極的に好んでおり・・・・・不満はない
戦いばかりのゼントラーディにはない人生を謳歌している。

大勢の人は救えんが・・・・
せめて目の前にいる人だけでも幸せになってほしい
和也は美味しくケーキを食べる絵里の笑顔を見ているとそう思えてくる。

お昼ご飯を食べ終え、二人はアポロ基地のクレーター内部施設の中庭を散歩した。

すると・・・・・

星村絵里「ねぇ、今更な話だけど聞いてくれるかな?」

星村和也「なんだい絵里?」

星村絵里「私ね、前は戦う事や戦う事を楽しむ事ばかり考えていたけどね。和也を始めとする地球人を見てきて、誰かを全力で守りたいって思えるようになったの。」

突然、絵里が自分の心中を語りだす。
あまりにも突然の絵里の心中語りに和也は少し驚いてしまう。
今までそんな事を言ってなかったのに・・・・・

結婚して5年以上経つが、こんな事は初めてだ・・・・

星村絵里「勿論、子供たちや和也は守りたい存在は当然だけど・・・・・命を懸けて国民を守るなんて考えた事なかった。」

星村和也「命を懸けて国民を守る・・・・・ゼントラーディ人にはない概念だったね。」

星村絵里「うん、あの頃の私には仲のいい戦友はいたけど、守るべき国民も・・・・守るべき家族もいなかった。」

絵里はモーア・カリダムと言うゼントラーディ人として生まれた。
戦友はいたが、父親や母親と言った地球人にいて当然だった家族の存在はいなかった。

プロトカルチャーの遺した生物兵器の一人として家族からの愛情を知らないまま・・・・
多くの命が散り逝く戦場を生き抜いてきた。
先の大戦に参戦し、マクロスとの戦闘で仲のいい戦友が戦死した事がある。

そこで初めて、仲間の死からのショックから出た感情が表に出て・・・・
ロイ・フォッカーを致命傷を追わせた事があった・・・・

この事件をきっかけに、戦いに切なさを感じる。

ボドル基幹艦隊決戦後に、望月千代などの地球人との出会い・・・
可変戦闘機の魅力に惹かれた事・・・・・

様々な事もあってか、マイクローン化し新統合軍に入隊しオセアニアに配属された
それでも心の溝を埋める事が出来ず、夜泣く生活を送ってた。

ひょんと所から一条輝と共に参加したVF-X-4のテストパイロットグループに参加。
同僚と共に月面アポロ基地に向かった。

そこで和也に出会い、お互い一目惚れし・・・・・
絵里はオセアニアから和也のいるアポロ基地に転属を決意・・・・
VF-X-4のテストに従事しつつ、転属が受理され・・・

帰還予定日

星村和也「カリダム少尉、何故ここに・・・何故・・・地球に帰らないんだ!」

モーア「私は帰りません、貴方の力になりたい・・・貴方の中隊に転属希望し受理されたわ。」

星村和也「しかし、何故・・・何故転属を?」

モーア「私は貴方と一緒にいると、なんとも言えないけど・・・一緒に過ごしたいって思えるのよ。」

モーアは地球に帰らず、和也が当時所属していた中隊に転属したと告白した。
突然の告白に、和也はかなり驚き理由を問いただすと・・・

一緒に過ごしたいと思えるから・・・

和也自身、モーアの告白に喜べるが・・・・・

星村和也「カリダム少尉、自分では一緒に過ごしても幸せにはなれない。」

モーア「何故、何かに理由あるの?」

星村和也「僕は派閥軍人の息子だ、派閥争いに君を巻き込む事になる。一緒にいてはダメだ!」

派閥軍人星村謙三の息子であるため、モーアの身を案じ丁寧に断る。
和也の言葉にモーアは驚きショックを受ける・・・・・

まさかこんな事を言われるなんて思ってもいなかった。

しばらくショックで唖然としてたがすぐに立ち直り・・・・

モーア「私には覚悟があります、生死を共にさせてください。」

星村和也「僕は君を不幸にさせるんだぞ!それでも・・・」

モーア「不幸になってもいい、貴方と一緒なら大丈夫。戦えるわ!」

自分自身の覚悟を和也に強気な言葉で言う。

物凄い迫力であり、一時は押されるが冷静な口調で忠告する・・・
何が何でも好きな人を派閥争いの犠牲になってはいけない。
普通の士官として暮らし、いい人と出会って幸せになって欲しい。

本当にモーアの幸せを願うならばこうするしかない

和也はそう考えていた時

星村謙三「和也よ」

星村和也「親父・・・・」

星村謙三「素直になれ、そこにいる少尉の覚悟は本気だ。お前があの少尉が好きなのは知ってる、素直になれ・・・素直になってあの少尉の気持ちに答えてやれ・・・・」

護衛を引き連れた和也の父で、宇宙軍幹部の星村謙三が現れ・・・
素直になり、モーアの気持ちに応えるように言った。

和也はモーアの顔を見て・・・ふと考える

モーアの顔は本気だ、冗談ではない・・・・
止めても、引き下がるつもりのない表情だ・・・
父謙三の言葉とモーアの覚悟を受け、等々根負けし・・・

星村和也「カリダム少尉いやモーア、さっきは悪かった・・・君の気持ちを受けとる・・・」

モーア「和也・・・・・・」

星村和也「これからどんな事があろうとも、後悔しないで生きていこう。よろしくお願いします。」

モーアの気持ちを受け取り、二人は恋人関係になる。

元々かなり親密だったためか、二人は程なく結婚・・・・
第一子の星村志保美、次女の星村真理、そして今年初頭生まれ星村有理
三人の子宝に恵まれ、幸せに過ごしている。

一方

ここまでの人生で、怪我したり苦しんだり・・・・
二人で協力して苦難を乗り越えたりなどの・・・
自分たちが所属している新統合軍での出来事はかなりいろいろ苦労した

星村絵里「いろいろあったけど、和也が一緒にいたから今日のこの時間を生きていると思うと・・・和也には感謝しきれないわね。」

星村和也「僕の方こそ、絵里・・・素直になって君を迎え入れてよかった。大事な家族であり、大事な相棒だよ。」

星村絵里「ありがとう・・・・本当に守る者の為に生きる・・・本当に家族っていいね。」

星村和也「そうだね。」

絵里が得た家族
・・・・家族を得た事により、守るべき者ができた。

守るべき者を得たと言う事は戦う意識を変えるきっかけとも言える・・・・・

戦いこそが正義、戦いこそが娯楽であったモーアは・・・・・
結婚と同時に過去の自分を変える意味で自ら星村絵里と名乗り戸籍記入をした。
家族と言う守るべき者を守る地球人の兵士として・・・・生きる

それが絵里の結婚して得た信条である

一方の和也も絵里と同じ気持ちだ。
どんな事があろうとも絵里と子供たちを守る・・・・
自分の身を盾にしながらも・・・・守ってみせる

絵里と考えは若干考えは違えど、家族を守りたい気持ちは一緒だった。

「広報部の者ですが、二人の写真撮影よろしいでしょうか?」

星村絵里「私たちでよければどうぞ。」

ベンチに座っていると広報部の若い男女の兵士がカメラを持ちながら
和也と絵里に写真撮影してもいいか聞いてきた。

絵里は積極的に了承し、和也は絵里に同意するように頷く。

この機会だし、二人っきりのいい写真を撮ろう・・・
和也はそう考え、絵里と共に並んだ。



この写真は二人の歴史の一つの流れ

言わば途中・・・・

今、絵里と和也の人生は途中・・・・
まだ二人の人生の中では途中の物語、途中経過しかない・・・

二人がこの先に行き着く先がバッドエンドかハッピーエンドなのか・・・・
二人の人生の最期になるまで途中経過が続くだろう・・・・

だが

この先どんな過酷な未来だろうと、辛い未来だろうと・・・・
二人は一緒だから乗り越えられる。

二人の人生の旅路は終わらない
二人の人生の旅路はまだ始まったばかりだ・・・
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ラウラの学問

2020-06-11 04:49:58 | マクロス短編
2021年3月中旬

月面クラビウス基地の軍事施設の一つ機種転換センター

ここでは別機種から可変戦闘機パイロットになる兵士を育成する機関である。
主にマイクローン化したゼントラーディ兵士が通っている。
毎年多くの機種転換希望者が入校し、立派な可変戦闘機パイロットになり

配属先の部隊へ向けて旅立っていく・・・・・
無論、地球人もゼントラーディ人関係なくだ・・・・

特に月面クラビウス基地はゼントラーディ人の兵士から人気がある。

そのゼントラーディ人兵の一人であるラウラ・ベルタリアは・・・・
教官である桐原茂人の補佐であるカゴメ・バッカニアと共にある事を勉強していた。

それは・・・・・

ラウラ「軍事心理学?」

カゴメ「戦場では身体だけでなく、精神的に傷を負う兵士が出てくるわ。ラウラもしっかりその点を勉強しないと・・・・」

ラウラ「結構分厚いんだね、これ勉強するの大変そうだよ。」

カゴメ「全部じゃなくていいのよ、ある程度基礎は勉強すればいいわ。」

ラウラ「とりあえず頑張ってみるね。」

軍事心理学、国際安全保障論、危機管理論、軍備管理・軍縮論などの軍事学門

ラウラは可変戦闘機の訓練や歩兵としての訓練・・・拳銃の訓練・・・
バイクや自動車の運転資格など、短期間で濃い内容の分野を学んでいた。

結構ハードな内容だが、ラウラ的に最初は苦労したが・・・・
次第に慣れていって、今では楽しく学習している。

が・・・・・・最近、過去の名将やエースパイロット・・・・
地球の今までの戦争の歴史など、自分の好きな部門を勉強するようになってしまい。
授業中に居眠りをしてしまう事が増えてきた。

流石に不味いので補講の意味で軍事学の勉強をカゴメを教師として・・・・
ラウラの足りない部分を補っている。

無論、ラウラと同じく自分の趣味に走る生徒が多く・・・・
教官の補佐をしている士官が個別教師として生徒の指導をしている。

カゴメ「資源とエネルギーは経済活動を行い、資本の価値を増幅し国力を高め・・・・・ラウラ・・・」

ラウラ「ん?」

カゴメ「興味がなくて寝ていたでしょ・・・・・怒るわよ。」

ラウラ「ごめんごめん、うっかり眠ってしまったよ。」

カゴメ「うっかりじゃなくて、いつもでしょ。まったくもう・・・・・・」

ラウラの学習は本当に酷いと言って言いもので・・・
好きな物にしかやらない、好きじゃない教科だと寝てしまう・・・・・

カゴメも頭を抱えてしまう・・・・・・

このままいけば試験合格できなくなってしまう・・・・・・・・・

リアナ「とんだ災難だね、カゴメ。」
新統合宇宙軍リアナ・メロディ少尉

カゴメ「ゼントラーディ人だからしょうがないのもあるけど、このままではラウラ・・・試験合格できなくて桐原少佐の部隊編入できなくなるわ。」

リアナ「それは確かに災難ね。」

その日の勤務終了時間・・・・・
カゴメは機種転換センターの教官補佐で黒髪ショートの似合うリアナに心配事を言う。
このままいけば、ラウラは可変戦闘機乗りの試験に合格できなくて・・・・・
ラウラの教官.桐原茂人が指揮する予定の部隊に編入する事が出来なくなる。

リアナ「いっその事親戚のエルマー・バッカニアの所にタレントの卵として、売りに出せば?」

カゴメ「いやいやそれはそれで不味い・・・」

リアナ「不味いか・・・・確か嫌がってたね・・・ベルタリア曹長。」

今後、どう指導すればいいのか迷う・・・・・・・
ラウラはかなり難しい娘だ・・・・
かつてのゼントラーディ軍の意識は強く残っている・・・・・・
下手に言ってしまうと、ラウラの大きな反発を生む結果になってしまう。

カゴメは悩むような顔をして今後どうラウラを教育しようか悩む・・・・
ただでさえ授業中の居眠りで茂人に対し迷惑ばっかりだし・・・・・
頭を抱えながら悩んでいるとリアナは・・・・

リアナ「まぁ難しい問題だけど、カゴメ自身の何故軍人が学問を学ぶのかの持論を言ったら?」

カゴメ「私の持論を言うか・・・・・聞いてくれるかしら?」

リアナ「やるしかないんじゃない、あたしら軍人はそんな風に教育されているし。ゼントラーディ人だからと言う理由で私たちの軍のルールと教育方針変えちゃいけないから、カゴメ・・・・・・なんとしてもラウラって娘に地球流のルール叩き込んであげてね。」

カゴメ「分かったわ。」

自分の軍人が何故学問を学ぶ必要があるのかに関し・・・・
カゴメの持論をラウラに言った方がいいと言う。

ラウラはゼントラーディ人とは言え、ゼントラーディ系地球人1世なのだ。
更に言ってしまえば新統合軍の軍人であり・・・・・・・仲間である。
仲間であるが故に徹底的に地球流のルールを叩き込ませなきゃいけない

とは言え・・・・・性格が多少臆病であるカゴメはうまくできるのか不安になっていた。
下手したらこれがきっかけで大きな対立関係になってしまわないか・・・・・

そう思っていると・・・・・

リアナ「カゴメは上手く人を説得できるスキルあるんだから上手くいけるよ。」

とアドバイスをくれた。

親友であるリアナから励ましの言葉をもらったカゴメは・・・・
明日の授業できっちり、ラウラに軍人が学問を学ぶ必要性を説いてやると・・・
ものすごいやる気を出した。

翌日

ラウラは何か勉強したのか、ただ夜中遊んで寝坊したのか・・・・・
数学の従業の際、スヤスヤと寝ていた。

放課後・・・・・・・

カゴメ「ラウラ・・・・あなた可変戦闘機パイロットになりたいんでしょ。もう少し授業に真剣に聞いてください。このままでは試験落ちるわよ。」

ラウラ「だって・・・・・・・・」

カゴメ「だってじゃありません、真剣問題ですよ。」

カゴメはラウラの補講に入る前に今日の授業態度に関し・・・・
もう少し真剣に授業に取り組むように注意した。

ゼントラーディ人であるラウラは不満そうな表情を浮かべながらも真剣に聞いているようで
今回こそ反省して改心して今後真面目に授業を聞いて学力向上するのではと・・・・
カゴメは少しは期待する眼差しをラウラに送るが・・・・

ラウラはとんでもない事を言った。

ラウラ「そんな勉強しなくても、軍人はただ命令に従って戦えばいいのでは?」

ラウラは兵士が学問をする事を否定するような発言をした。
更に軍人はただ命令に従って戦えばいいと・・・

この発言を聞いたカゴメは唖然と怒りを覚える・・・・・

が一瞬の事であり、すぐに冷静さを取り戻し・・・・・

カゴメ「反論する事を言うけど、軍人はただ命令に従って戦えばいいわけじゃないわ。」

ラウラ「どう言う事?命令に従って・・・・」

カゴメ「常に相手の思考を考えたり、戦略的に正しいか間違っているのかの判断するのに考える力が必要なのよ。」

自分がラウラに伝えたい軍人が学問を学ぶ必要性を言い始めた。

ラウラと激しい口論はせず、納得できるような根拠と分かりやすさで
軍人が学問を学ぶ必要性に関する自分の持論を伝える

めんどくさがりのラウラだが・・・・・・・・
カゴメの鋭い目線を見てから・・・・真剣に話を聞いている。

ラウラ「軍人が学問を学ぶ必要って、生き延びたり・・・・作戦をうまく成功させる知恵を生み出す必要があるからなのか・・・・・・」

カゴメ「単に戦っても有効な戦いができないばかりか、相手の罠に嵌りやすくなるのよ。学問を学んで考える力や知識を得て、優秀な軍人になるのよ。」

ラウラ「そうなのか・・・・・・・・さっき言いすぎたかも・・・・・・」

話をしていくうちに学問に否定的であったラウラはカゴメの持論説得に理解し始めたのか・・・・・・・
さっき言った発言を一部撤回している節も見られるようになる。

このまま、上手く説得し、試験に向けて真剣になってもらおう。

カゴメはラウラが勉学に真剣に取り組めるように最後の一言を言った

カゴメ「ラウラの好きなエースパイロットの面々はきちんと学校に出て勉強しているのよ。教養もあってこそ真のエースパイロットなのよ。」

ラウラ「教養もあってこそ、真のエースパイロット・・・・・・・」

勉学にきちんと真剣に取り組み教養あってこその真のエースパイロット・・・・・・

名将や今までのエースパイロットが好きなラウラからすれば食いつく・・・・・
カゴメはラウラの性格を分析し、そう判断した。

ラウラは何を思ったのか・・・・・・・

ラウラ「私きちんと勉強するよ、勉強して地球のエースパイロットに負けないようなエースになりたい。」

カゴメ「その意気よラウラ、その勢いで勉強して頂戴。」

ラウラ「分かったわ。」

教養もあってこそ真のエースパイロット発言を聞いてからラウラは机に向かって勉強する。
可変戦闘機においてもエースの名声の欲しいラウラからすれば・・・・・
エースに相応しいよう、きちんと勉強しようと考えている。

その姿を見て少し安心した。

このまま勉学に励んで試験合格して立派な可変戦闘機パイロットになってほしい。
カゴメはそう思った。

その後ラウラはしっかり勉学に励み
自分が苦手だった分野に真剣に悩みながら理解しようと悪戦苦闘しながらも・・・・
次第に理解できる問題の数を増やしていった。

リアナ「無事に説得に成功したってわけね、カゴメ・・・・」

カゴメ「最初は上手くいくかどうか不安だったけど、リアナのアドバイスのおかげでラウラは勉学に前向きになったわ。」

リアナ「まぁ同じ新統合軍の仲間だから当たり前の事をしたまでだけどね。」

ラウラの補講時間が終わってアドバイスをくれたリアナに報告する。

リアナのアドバイスのおかげでラウラは勉学に前向きになるようになった。
前向きになってくれたおかげで補講の時のストレスを軽減できるようになつた。

など数えたらきりがない

カゴメはリアナにものすごく感謝した。

リアナ「まぁ大したもんじゃないけどね。」

カゴメ「大したものじゃなくても中々いいから最高よ。」

リアナ「そう言ってもらえるとかなりうれしいでわね。」

カゴメの感謝の言葉にリアナは照れながらも喜んだ。

リアナ本人からしたら当たり前の事をしたまでだが・・・・・・・・・
もっともリアナは軍士官学校出身であり、軍人が学問を学ぶ必要性について考えている。
軍人のけじめも人間のけじめも・・・・・・・

ただ自分で考えた結論をカゴメに伝えたまで・・・・・・

それだけのことである。

リアナ「まぁまたベルタリア候補生が問題ありと言う事あったら、いつでも言ってね。あたしがなんとかするから。」

カゴメ「それは物凄く頼もしいです。」

リアナはまたラウラが問題ありな事があったら相談に乗って欲しいという。

まだまだラウラには不安要素がある。
真のエースパイロットは教養が必要と言う以外、不安な面が目立つ。
だか・・・らカゴメが対処した際、ラウラを止める事ができなければ・・・

とは言え・・・・・・・

リアナ「ベルタリア曹長は大丈夫でしょ、伸びる娘だし。ゼントラーディ軍時代の高い技能あわせれば」

カゴメ「それもそうだね、私たちは教官を補佐しつつ、ラウラ達の様子を見守ろう。」

ラウラはゼントラーディ軍のエースであり・・・身体的能力が高い・・・・・
カゴメの話をきちんと聞けたのならば・・・・・・

将来的に有能なエースだけではなく、優秀な軍人になる。
二人はラウラを見てそ思った。

ラウラだけに限った話ではなく・・・・
機種転換センターには同じようなタイプが大勢おり・・・・・
毎年教官や補佐は悩んでいる。

まぁ中々改善するような話ではないが・・・・・

とは言え・・・・・・

桐原少佐「最近ラウラのやつ授業態度よくなったな・・・・」

カゴメ「はい、このまま機種転換センターの試験合格してほしいです。」

少しでも改善されるなら大きな前進・・・・

一見小さく見えるもんだけど、それがどんどん積み重なって大きな物になる。
ラウラは今までふざけてきたけど、少しずつ真面目に勉強するようになった。

カゴメは教官補佐としてラウラに試験合格して欲しいと思った。

上手く夢を成功した姿が見たいただそれだけである。
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惑星ヘリオポリス NBC事故 吉野朝灯候補生 経験録

2020-03-11 23:53:45 | マクロス短編
私・・・吉野朝灯があの男ライト・インメルマンと出会う一年以上前の話である

【AD2042年1月2日】
【惑星ヘリオポリス.惑都イオス.新統合軍士官学校医学課ヘリオポリス研修所】
【新統合軍ヘリオポリス対CBRNE対策医療研究所】

私は新統合軍士官学校医学課を卒業し、最前線に派遣される前。
ヘリオポリス研修所で研修を受けていました。

あの頃はまだ右も左も分からない新兵だった私は・・・・・
これからどんな風に勤務するのか?仲良くできる同僚ができるか?
不安と期待の両方を考えながら、衛生兵として必要な知識を取り入れていた。

将来立派な軍医になる。
衛生兵としての必要な知識を取り入れるのもそのためだ。

そんな日々を送っていた1月2日
同期のリサ・タフト共に隣街にあるオロファトシティに向かおうとした時に異変が起きる。

吉野朝灯「あれ何かしら?」
新統合軍衛生兵補.吉野朝灯.二等兵

リサ「検問のようね、警察だけでなく新統合陸軍の装甲車までいるよ。」
新統合軍衛生兵補.リサ・タフト.二等兵

吉野朝灯「ガスマスク装着・・・・何か起きたんだわ。」

オロファトシティに向かうハイウェイで、上下を塞ぐような検問に差し掛かった。
警察だけでなく、カービン銃を構えガスマスクを装着した新統合軍歩兵が展開・・・
二人は何か起きたのではないかと思い、検問所に近づく・・・・・

検問所に近づくとガスマスクを装着した兵士が近づいてきた。
カービン銃を持ちながら近づいてくるとなんとも言えない重苦しさに襲われる。

兵士は朝灯が乗っている席の方へ近づいてきて・・・・

「オロファトシティでCBRNEテロが発生している関係で、この先は通れません。」

吉野朝灯「CBRNEテロ?」

「現在、危険エリアになってますので引き返してください。」

吉野朝灯「ちょっと、詳しい説明を・・・・」

「引き返せ!」

吉野朝灯「なっ・・・・・・分かったわよ。」

行き先のオロファトシティにてCBRNEテロが発生したと言ってきた。

CBRNEテロとは・・・・・・・

化学 (chemical)
生物 (biological)
放射性物質 (radiological)
核 (nuclear)
爆発物 (explosive)
の頭文字からとった名称であり、NBCテロにとって変わる名称の事。
父が生まれる4年前、東京で地下鉄にサリンがばら蒔かれた事件があり・・・
その日を境にCBRNEに関する対応が変わったとよく聞かされていた。

私は衛生兵の端くれとして、戦場での医学だけでなく・・・・・・
CBRNEに関連する事も独学で学んでいた。

オロファトシティでのCBRNEテロについて興味があった。
陸軍兵士に説明を求めたけど引き返せの一点張り・・・

私は激怒して車の方へ向かった。
すると直後にやってきた一台のトラックが検問に捕まったわ

「ここから先は封鎖されている通ってはいけない!」

「バイオハザードが発生している引き返せ!」

「頼む、これから商品を・・・・」

「だから通るな!!これ以上、通らねば警告なしに発砲する」

どうやらオロファトシティに向かうトラックのようであり・・・
中身は商品を積んでいるようであり、何やら急いでいるようだ。

しかし

警備の歩哨は武器を構え、道を封鎖して声を強くして警告していた。
物凄く怖い顔、威圧感があり不快感がした。
同じ新統合軍の軍人と言えどもね・・・・

トラックの運転手はその行動に驚きそのままトラックに乗り・・・・
元来た道へ脱兎の如く・・・・帰っていた
運転手は恐怖で青ざめた顔をしていた。

私は車を走らせる直前に運転手の顔を見ていた。
物凄く可愛そうだと・・・・・

翌日

私は朝礼を終えた後・・・ヘリオポリス研究所CBRNE研究室で・・・・・
オロファトシティのバイオテロで使われたウィルスの研究に参加させてもらった。

研究員達が必死になってウィルスを研究しワクチンの開発している。

今回使われたバイオテロのウィルスは厄介であり・・・・
治療が難しいと言われている・・・・・

数多くの被害者が出ており・・・・
自治政府は対応に追われ、私たちはどうやら落ち着くまでに外には出られない。
困ったわ・・・・・・

森大尉「医療機関がパニックになっている、急いで特効薬の開発を急げ!」
新統合陸軍ヘリオポリス第2医療団.森忠悳.大尉

「はっ」

森大尉「各医療機関と連携しろ、軍だけの知識ではなんとかできない。」

あの名軍医 森忠悳大尉でされ、冷静さを失う程だ。
このままどうなってしまうのか、不安に感じるが・・・・・

もっと不安なのは、国民の皆だと思う・・・・

医療機関がパニックなってしまったら・・・・・
他の病気で苦しむ人が治療もしくは入院できない。
それがオロファトシティで起きている。

不安を取り除かなければ、経済的打撃・・・・
国民のストレスの堆積、悪いことばっかり・・・・・

他は・・・・・

吉野大樹『朝灯・・・・無事でいるか・・・・』
新統合宇宙軍吉野大樹.中将

吉野朝灯「無事よ、お袋とお姉ちゃん達は・・・」

吉野大樹『皆お前を心配していた、大丈夫かってな。』

吉野朝灯「心配ね・・・・・安心して私は軍人、そして衛生兵大丈夫よ。」

遠方の家族から心配される。
家族からしたら安心できない状況下だろう。

生きているかどうか、父は冷静な顔をしているが・・・・
体が震えている、かなり私を心配したんだなと分かる。
お袋もお姉ちゃん達も心配させてしまった・・・

親不孝だな・・・私・・・

吉野祐未「通信繋がったわ、どう無事?」
新統合宇宙軍吉野祐未大佐(ラウラ・ベルタリア)

吉野朝灯「無事よ、相変わらず変わんないわね。その姿、若いまんま」

吉野祐未「ゼントラーディ人は老けないからね、歳をとらないかも。」

吉野朝灯「はははは」

夜 お袋と通信する事が出来た。
お袋は今、可変戦闘機部隊のアグレッサー部隊の指揮官をしている。
現場は父と同じ活動圏なので、夫婦のずれはない。

ゼントラーディ人のためか、歳をとらない。

まぁ若いまんまだし、可変戦闘機乗りができる。
パイロット引退した父からしたら羨ましい事だと思う。

吉野祐未「現在、各方面は惑星ヘリオポリスからの船入港禁止しているわ。月面も入港禁止したと、月知事から発表が出たわ。」

吉野朝灯「そうなるのか・・・・まぁ当然の結果だよね、感染拡大になるし。」

吉野祐未「やはり私の言う通り・・・パイロット目指した方がよかったって、後悔している?」

吉野朝灯「ないない、そんなのはない。」

吉野祐未「だと思ったわ。」

お袋から伝えられたのは惑星ヘリオポリスから出港した船の入港禁止
地元月面や地球本国だけでなく、各移民船団や惑星なども入港禁止したらしい。

感染拡大を恐れての対応だろう・・・・
かなり物流面でも問題が出そうな予感がする・・・・
まぁ被害拡大を防いだ方がいいと思うけど・・・・

私とお袋の会話は二時間に及んだ。

一週間後

「防護隊発進!」

対CBRNE対策部隊が到着、感染域の封鎖と消毒・・・・
ワクチンの開発の協力などを行う予定・・・・・

かなりの部隊が到着したらしく、軍衛生部隊だけでなく・・・
民間の医療関係者らも参加しているとの事・・・・
私は訓練生なので見守る事しかできない。

いや

やることないだろう・・・・
私たちはまだ衛生兵として経験の薄い訓練生なのだから

リサ「私たちは完全に蚊帳の外だよね、渡されるのはデータばかり嫌になっちゃう」

吉野朝灯「仕方ないでしょ、私たちは感染症ではなく戦地での戦傷兵の治療。対CBRNE治療は後からのスキルアップ項目だし。」

リサ「そ・・・・そうだけどさ・・・」

吉野朝灯「もっとも私たちは非力な存在なのよ、下手に参加しても足手まといなだけだから。」

リサは反発してたけど、私たちにどうしようにも出来ない事。
対CBRNE対策の知識を持っていない。
変に介入したって邪魔なだけに過ぎないのだから・・・・・

しょうがないこと、認めたくないけどしょうがないこと

これが事実なのよ。

吉野朝灯「私だって悔しい、何も出来ない自分が憎く感じるわ。」

私が志願した衛生兵としての任務
今の状態、役割として発揮できない私が憎くなる。
そう感じさせられていた。

私は一体なんの為にここにいるのか?

何故ここにいるのか?何故何も出来ない・・・・

このような事実に胸が締め付けられてくる。
逃げ出したくなる。

苦しい思いで死にそうになる。

嫌だ嫌だ・・・・こんなのは嫌だ・・・

と・・・

こんな辛い事実から逃げ出してしまいたい。
当時、気持ちはまだ幼かった私からしたら耐えられない状況だった。

【一か月後】

事件から一ヶ月が経過した。
軍や民間の医療機関がウィルスのワクチンを完成させた。
被害者に逐次、ワクチンの投与を行い。

末期の被害者を除いて大半の方々が助かった。

吉野祐未『ビックニュースよ、惑星ヘリオポリスと地球本国などの各惑星や各移民船団の交通ルート規制は解除されたわ。』

吉野朝灯「・・・・・・・それはよかったよ・・・・・・・」

吉野祐未『嬉しいニュースなのに、元気ないのね。』

吉野朝灯「こっちでいろいろとあったからね、かなり辛かったから元気ないの・・・」

吉野祐未『そうなんだ・・・・・』

お袋から交通ルートの回復を聞かされた。
惑星ヘリオポリスから各惑星や各移民船団への行き来は事件前に復帰するそうだ。

私はお袋と通信した時、私が気がないようにみてたそうで・・・・
お袋は私の事をかなり心配してくれた・・・・
収拾に向かうまで私はかなり泣いたし精神が磨り減った。

そう見えても仕方がないだろう・・・・
お袋をまた心配させるなんて私はかなり親不孝者だよ・・・
と心の中で思った・・・・・

吉野祐未『とりあえず、研修終わったら月面に帰っておいで美味しい物 大樹や花梨.夕灯と一緒に食べに行こう。』

吉野朝灯「そうね・・・・・月に帰ったら、フランス料理のお店に行きたいな。前から行きたいお店があったの・・・・いいかな?」

吉野祐未『フランス料理ね・・・・・・分かったわ、真剣に考えてあげるわ・・・・楽しみにしてね♪』

吉野朝灯「うん・・・・楽しみにしているわ。」

私はそろそろ研修と士官学校の卒業を控えている。
お袋は私の卒業祝いなのか、美味しい物を食べようと言ってきた。

私はフランス料理が食べたかったので、フランス料理食べたいと言った・・・
フランス料理が食べたいと言う私の申し出に、お袋は了承してくれた。
帰ってから楽しみにしている事だけど、何処か後ろめたさがある。

今回の事件が頭の中から離れられず、私の要望が通っても・・・素直に喜べない・・¨

吉野朝灯「ただいま・・・・親父・・・お袋・・・・」

吉野祐未「お帰り・・・・・・朝灯・・・・」

それなら暫くして私は月面に戻ることができた。
戻ってすぐ士官学校の卒業式を行わないといけない・・・・

既に惑星エデンの新統合軍ニューヒッカム航空統合基地に勤務する事が決まってる。
私はそろそろ別のステージに歩まないといけない・・・・・・
そこから衛生兵としての基礎を実戦的に学ばないといけない・・・・

基礎を学んであの時の無念を晴らす為の行動ができる。
私はそう思った・・・・

基礎を学んでCBRNEテロにも備えられるような軍医になる。
あの事件を通じて改めてそう決心させた。

二度とあの悔しい気持ちを味わいたくないためにも・・・・
生物兵器テロで苦しんでいる人を助けるためにめ・・・・

私はまだこれからも進み続けなくてはならない。
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