マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。最近の政治的問題や最近の出来事も更新します。

第48話 地球から来た中尉

2016-11-11 19:29:51 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月28日ニューエドワーズ基地】

反統合勢力威力偵察から2日が経った。

ラウラ達は再びミリアと共にVFーXー10改プロトカットラスの試験に参加し
ニューエドワーズ基地の大空を飛んでいた。

VFーXー10改プロトカットラスはアルガスにより更なる改良が施され
往来の可変戦闘機より更に高機能と化しておりラウラ達を圧倒
もはや完成されたと言ってもいい機体になっていた。

ミリア「最高ね、機体のバランスもよくなったし私ほどじゃないパイロットでも乗りこなせるようになったわ。」

アルガス「そう言ってもらえると幸いです。まだまだ微調整はありますが、後1ヶ月程お付き合い願います。」

ミリア「1ヶ月?まだそれぐらい時間がかかるわけ?」

アルガス「一応はそうなりますね。」

プロトカットラスはほぼ完成されており・・・・・・
テストパイロットであるミリアは高く評価していたのだが・・・・・・
完成までに後1ヶ月近くかかるらしい・・・・・

聞いていたラウラは何故そんなに時間がかかるのか?
と・・・疑問に思ったが、聞いてもまだ理解できんので質問はしなかった。

「プロトカットラス・・・・もう完成なのか?」

ラウラ「貴女は?」

オルガ「失礼、私は地球マクロスシティー総司令から来ましたオルガ・ブラギナよろしく」
新統合宇宙軍オルガ・ブラギナ中尉

ラウラ「地球の?あっ・・・すいません・・・私は・・・新統合宇宙軍予備艦隊所属のラウラ・ベルタリア准尉です、ブラギナ中尉殿よろしくお願いいたします」

そう考えていると地球から来たと言う赤髪のボブカットヘアーで・・・
クールな印象の強いロシア人女性の中尉オルガ・ブラギナが話しかけてきた。

地球からわざわざ惑星エデンに訪れて来るお偉いさんに従事する秘書であり
士官学校を卒業したエリート士官であり、ノンキャリであるラウラと違って・・・・
佐官以上の階級に進級する事の出来る高嶺の花である。

高嶺の花であるオルガの姿を見たラウラは物凄く緊張していた。

オルガ「どうしたんですか准尉?」

ラウラ「いえ・・・・・なんでもないです。」

オルガ「そう・・・・」

地球のエリートは眩しすぎる・・・・・
階級絶対社会出身のラウラはまともにオルガの顔を見る事が出来なかった。

旧反統合同盟の加盟国家であり、盟主国だったロシアの生まれであり
ましてや旧敵国民の生まれで差別されて来たであろうオルガは・・・・・
総司令部付きのエリート士官になってるのは相当な努力をしたはず・・・・

同じ女性として、旧敵勢力ゼントラーディ軍のラウラからすれば憧れの的だ。

オルガ「おっと失礼、私は佐久間閣下の元に戻らればなりません。ここで失礼します。」

ラウラ「はっ、中尉殿お疲れ様です。」

オルガ「ベルタリア准尉、これからの勤務頑張ってね。」

ラウラ「はっ」

キリッとした表情のままラウラに激励の言葉を送りながら敬礼したオルガは・・・
そのまま元の職務に戻っていった。

凛とした姿勢堂々とした姿勢どれをとっても魅力的・・・・

同じ女性として憧れるし将来はオルガのような軍人になりたい・・・・・
ラウラは心の底で幼い少女のように考えた。

【2021年3月29日ニューエドワーズ基地】

翌日、ラウラ達はいつも通りに朝6時に起床し点呼を取り朝食を食べていた。

朝食を食べ終えればつまんないデスクワークをひたすらやる事になっており・・・・
可変戦闘機に乗れないとラウラの表情は見るからに不満そうであった。

正直な話デスクワークなんて面白くはないし・・・・
戦闘ないにせよ可変戦闘機飛ばしてた方が楽しい・・・・
これも仕事のうちだから仕方がないけども、つまんないもんはつまらない。

カゴメ「あーデスクワーク嫌って表情してる。」

ラウラ「別に嫌って思ってないわよ、単につまらないな~って思っただけ。」

カゴメ「一緒じゃない、ラウラの嫌とかつまらない境界線分からないわ~」

いつも一緒にいるカゴメから見てもラウラの事をよく分かっている。

不満な事があればすぐに顔に出てしまう・・・
この前威力偵察に出て戻ってきたラウラの顔は嬉しさ満点の笑顔で・・・・
人を殺した後なのによく出せる笑顔だなと思った程だ。

楽しい時の顔のラウラと嫌という時の顔のラウラは分かりやすい・・・

カゴメ「戦闘に出れるならば出たい?」

ラウラ「勿論、戦場は私にとって華だからね。ロザもそう思うでしょ?」

ロザ「あ・・・・まぁ」

ラウラ「可変戦闘機に乗ったり、任務で飛べたら最高~」

カゴメ「・・・・・・ゼントラーディ人らしいわぁ」

戦争の為にプロトカルチャーによって造られたゼントラーディ人の娯楽は戦闘だ。
地球の文化に触れたとは言え未だにラウラだが、戦闘となると嬉しい。
軍事学にハマったのも戦闘の奥深さを知ったからだ。

反面、地球文化に触れた期間が長いロザは戦闘は嬉しい反面・・・・
ラウラ程、熱狂的に好きってわけじゃない。

戦闘よりも食事やアニメ見たりファッションに入り浸ったりと・・・
地球文化の方が楽しいし、恋愛だってしたい。
過ごした環境の違いで同じゼントラーディ人とは言え変わってくる。

ラウラ「近いうちに戦えないかなぁ」

ロザ「・・・・・恋愛したいなぁ」

二人の温度差は大きい

元海兵隊員のラウラは文化的な生活よりもゼントラーディ時代と変わらない生活を送り
戦後の過程で一般的な学校に通ってから新統合軍に再入隊したロザの意識は全然異なる

同じゼントラーディ人でも今となっては戦いを好むか否かで分断されつつあった。

【2021年3月28日ニューエドワーズ基地会議室】

ニューエドワーズ基地の会議室ではマックスは・・・・・
ドアを鍵で締め切りながら一人の女性士官と会っていた。

その女性士官はラウラが出会ったオルガであった。

この場にはいつも一緒のミリアはおらず・・・・
会議室にはマックスとオルガ二人っきりであり・・・・
物々しい雰囲気の中、オルガはマックスに近づいた。

オルガ「マクシミリアン・ジーナス大尉、お付き合いありがとうございます。」

マックス「オルガ・ブラギナ中尉、佐久間提督秘書官・・・・いやザースロン機関の君が私に何のようかな?」

オルガ「あら?一瞬で正体を見破るとは流石です。」

マックス「どうも一般的な秘書官の娘と目つき違うし仕草も違う、私の感では君は特務機関・・・・ザースロンの人間かなと思ったまでだ。」

会話が始まった途端、マックスはオルガの正体を見破った。

オルガは地球のマクロスシティーから来た佐久間昌盛提督の秘書官ではなく
対テロ情報特務機関ザースロンに所属する工作員であった。

ザースロン機関は新統合軍特務部隊内部しか知らない秘密機関であり
通常は新統合軍はおろか新統合政府議会や政府機関各種省庁に身分を隠し活動しており
知っている者はごく僅かであった。

何度かザースロン機関と作戦行動を共にした事があるため
初めて会うオルガがザースロン機関の工作員である事を見抜いた。

見破られたのかオルガは息を吐き口を開いた。

オルガ「まぁいいわ、マクシミリアン・ジーナス大尉・・・・一つ警告しますわ。」

マックス「警告?」

オルガ「モアラミア・ファリーナ・ジーナスとVFーXー10関連には群がるスズメバチが来ると・・・・詳しい内容は軍規につき申し上げられませんが・・・・」

マックス「スズメバチか・・・・・気をつけておくよ」

モアラミアとVFーXー10関連には気をつけろ・・・・・と・・・
ザースロン機関工作員オルガがマックスに警告として言った。

VFーXー10プロトカットラスは反統合組織などの反政府ゲリラや・・・
ゼネラル・ギャラクシーと同業他社の産業スパイなどに狙われており・・・・
新統合軍諜報部の警戒度は高まっていた。

カットラスは分かるにせよ、捕虜にしたモアラミアまで気をつけねばならんのか
厄介すぎる二点にマックスは頭を抱えた。

オルガ「ジーナス大尉、産業スパイや反統合の工作員対策は私含むザースロン機関がやります。今は新鋭機VFーXー10とモアラミア・ファリーナ・ジーナスの育児に専念してください。」

マックス「それは君達の上だけの意向かな?」

オルガ「いえ・・・・佐久間提督ら新統合軍上層部の意向でもあります。」

マックス「そうか忠告はありがとう、以後は私はこれ以上深く関わらないで任務に従事しておく。」

ザースロン機関上層部の意向かと問い詰めるマックスだが・・・・
オルガ曰く新統合軍上層部も絡んでくるため、これ以上の介入を止めた・・・・

元々地球統合政府・地球統合軍時代からだが、一枚岩ではないが故に闇が深いし
自身の立場ではこれ以上深入りしてしまうと立場を失ってしまうどころか・・・・
家族も巻き込んで悲惨な結末を迎えてしまうだろう・・・・

それを考慮したマックスはオルガに深く関わらないと告げた。

オルガ「では私は佐久間提督の秘書官としての業務を果たす為ここで失礼いたします。ジーナス大尉の懸命な判断評価しますわ。」

しばらくしてオルガは表向きの業務を果たす為去っていった。
去っていくオルガの後ろ姿を見たマックスは敵にしたら厄介な人間だと思った。

先の大戦からだが、敵対組織出身の女性が常日頃近くにいる。
自身の妻や養女は元敵対組織の人間であり、一度は殺し合いをした事がある。
オルガはかつて対立した反統合同盟の盟主国ロシア連邦の生まれだ。

現在後ろ姿を見せているオルガは味方なれども、一歩違ったら敵だったかも知れない。

優秀な士官であり工作員であるオルガが敵であったら厄介な敵になるだろう。
そう考えただけでも常に冷静沈着なマックスでもある種の恐怖を覚えた。

ラウラ「やっとデスクワーク終わったわ、やっぱり戦闘に出て戦いたいなぁ。」

デスクワークを終え事務棟から出たラウラは愚痴ってた。

ゼントラーディ人であるラウラはデスクワークが退屈でつまらないと感じ・・・
不謹慎ではあるが心の底で反統合ゲリラとの戦闘が発生しないかなと思っていた。
戦闘種族が故、戦闘がないとある種のストレスが溜まってしまう。

いろいろストレスを溜めながら、自室に戻ろうとした。

ラウラ「ん?」

自室に戻る道中、VFーXー10改の格納庫の扉が開いていた。

この時間は誰もいないはずであり、扉には警備兵や管理人がいる。
関係者かなんかが作業しているのか?と思ったが・・・・
何か嫌な臭いが漂ってきたその時・・・・・

ラウラ「警報!?」

『未確認飛行物体接近、数は不明!基地守備隊は迎撃、デストロイド隊は防衛ラインを張れ!』

ラウラ「敵襲!?まさか・・・・だとしたら・・・・」

敵襲を知らせる警報が鳴り、アナウンスが流れた。
未確認飛行物体接近しニューエドワーズ基地に近づいていると・・・
嫌な臭いと敵襲・・・・何かがこの基地で起きているかも知れない・・・

何かを察したラウラは何も躊躇する事なく格納庫に入った。

格納庫に入ると整備兵と管理人、警備兵が射殺されていた。
案の定と言うかなんと言うか・・・・・
更に奥に進むとVFーXー10周辺に人影が見えた。

「くそっロックされてる!」

整備兵に変装し潜入したであろう敵工作員の姿だった。

どうやらVFーXー10のコックピットがロックされ開けられず・・・・
強奪しようにも出来ない様子であった。

この隙を見てラウラは拳銃を取り出し工作員の背後に回り込み銃口を突き付け叫んだ

ラウラ「動くな!」

「!?」

ラウラ「敵襲に乗じて格納庫に侵入ですか・・・・私がいる限り出来ると思うな!降伏しろ!」

工作員に銃口を突き付けたラウラは強気であったが違和感を感じた。
普通だったらここで降参するすぶりを見せるはずだが降参するようには見えない。

もしかしたらここで反撃するのでは?と思ったが・・・・工作員が急に反転した。

「甘いんだよ!」

ラウラ「くっ」

反転した工作員によりラウラの持っていた拳銃を蹴り飛ばされ形勢が逆転した。

工作員がここまで強いとは思ってもおらず反撃するとは思ってもいなかった。
だがラウラの工作員に対しての知識はそこまでついておらず・・・・
間違った認識を持ったまま対処に一気に追い込まれてしまった。

このままではやられるとそう思った時であった。

ラウラ「!?」

突然、激しい銃声と共に工作員の頭が何かが突き抜けた。
力を失った工作員はそのまま倒れ込み辺り一面血だらけになった。

一体何が起きたんだ?とラウラの頭の中は混乱してしまったが答えはすぐ判明した

危ないところだったわね。ベルタリア准尉
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