マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

第49話 特務機関ザースロン

2016-11-12 13:23:06 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
【2021年3月29日ニューエドワーズ基地】

翌日の日の出の頃には決着はついていた。
襲撃してきた可変戦闘機は全機撃墜され、工作員は何者かに全て射殺された。

現場に駆けつけたラウラは工作員の一人に追い込まれてから何も覚えておらず
下手したら工作員扱いされるどころか、何の咎められる事がなく・・・・
治療室のベッドで一旦寝かされ、昼になる頃には帰らされた。
 
マクドミラー「まさか反政府の野良犬が来るとはな」
新統合軍参謀本部参謀.マクドミラー・ハリマン少将  

佐久間昌盛「狙いはゼネラルの新型機、油断なりませんな。」  
新統合軍参謀本部参謀.佐久間昌盛.少将 

マクドミラー「キャピタルの陸軍基地から応援で警備を固めるが、いつ野良犬どもが来るか分からん。使える人材はいつでもスクランブル待機させるしかない。」 

地球.マクロスシティーの参謀本部から来たハリマン提督と佐久間提督は・・・
反統合組織による襲撃や内部活動に対する話し合いを小会議室でしていた。

惑星エデンの中心都市キャピタルシティに駐屯する陸軍基地から
デストロイド部隊や機械化歩兵部隊が派遣され、基地内外の警備が
無事VFーXー10改のロールアウト完了まで強化する事が決定した。

反統合ゲリラが減少傾向とは言えまだまだ戦力は健在であり
死兵となったゲリラがどんな手段を使うか分からない。

佐久間提督は懸念事項に頭を抱えた。

『ニューエドワーズタワーからサイクロプス小隊へ第2滑走路で離陸を許可する。』

『こちらサイクロプスリーダー了解!離陸する。』

午前10時になった頃にニューエドワーズ基地からVFー5000の小隊が離陸した

任務内容は周辺の警戒であり既に複数の部隊が哨戒任務についており
空からだけでなく、デストロイド・シャイアン部隊も陸からの哨戒任務を展開していた

11時になるとマックスやミリアも愛機を駆り哨戒任務に参加し・・・
森林地帯に潜んでいた反統合ゲリラのSvー52を発見・・・・
追跡の末、全機撃墜した。

桐原少佐「VAHー1コマンチまで飛来するとはな・・・・」

吉野大樹「昨日の事件があれば当然でしょ」

桐原少佐「当然ね・・・・基本敵であるゼントラーディ軍の基幹艦隊は数が多くて厄介だが・・・俺としては小さいゲリラの方が厄介だと感じるな~」

新統合軍の基本的な敵は第1次星間大戦で戦ったゼントラーディ軍と・・・・
ゼントラーディ軍の敵であり、マクロスの持ち主の監察軍であるが・・・・
日々戦闘に従事する新統合軍の軍人からしたら規模の低いゲリラが厄介だと感じていた

戦力を出せば戦闘では簡単に勝てるかもしれないが・・・・
すぐに隠れてひょっこり顔を出して攻撃を仕掛けて抵抗する・・・・

殲滅しても戦力は減るどころかむしろ沸いてくるからめんどくさい

桐原少佐「俺たちの初任務地は惑星エデンだが、これからもゲリラやはぐれゼントランの厄介ごとと戦いそうだな。」

吉野大樹「それが嫌だったら銭湯の店主に戻ったらどうです?あの大戦を生き抜いたんです、月で家族と過ごし・・・・・」

桐原少佐「いや一年はやり遂げるよ、お前もまだこの隊を任すには経験は足りんからな・・・・若い奴に苦労押し付けるのは俺は老害だよ。」

茂人はこれからの部隊の運命を想像し厄介ごとに巻き込まれる事を悲観すると・・・・
大樹は皮肉そうに銭湯の店主に戻ったらと勧めた。

銭湯の店主に戻るように勧められた茂人であったが・・・・・
後継として期待している大樹はまだ経験が足りず隊を引き継がせるわけにはいかず
若い連中に厄介ごとを押し付けるのは老害だと断った。

第1次星間大戦で人材を多く失った今、若い兵は貴重な存在である。

どんどん人口が回復しある程度人材不足は解消しなかった。

後継である大樹が育つ1年間は最低でもやらなければならない。
第1次星間大戦を生き抜いた者としての最低限の責務だと茂人は自覚していた。

【2021年3月30日ニューエドワーズ基地】

ニューエドワーズ基地の警備したかいもあってか何事もなく翌日を迎えた。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に向かい大気圏離脱の為の装備を受領する為
地下格納庫では整備班により全機体が整備点検されていた。

自分の愛機が整備されてる所を見ながらラウラはあの日の一件の事を考えた。

ラウラ「地球人の戦争軍事は複雑すぎて嫌だな・・・・」

工作員による内部侵入、反乱分子のゲリラ戦による襲撃・・・・
ここに来て得られた文書を読んで知ってはいたが・・・・
いざ経験すると現実味が感じられず戸惑っていた。

最初の初陣、訓練生時代の戦闘を経て・・・・
嬉しさがあった反面・・・・・・

単純に戦えばいいゼントラーディ軍時代とは違う戦い方に戸惑ったり
工作員による戦闘では初めて生身で死ぬのでは?と言う感覚に襲われたり
今まで感じた事のない底知らぬ恐怖を覚えた。

新統合軍にいる以上、一昨日のような事をまた経験するだろうし・・・
もしあの時、オルガがいなければ・・・・

オルガ「ベルタリア准尉、何ぼーとしてる。軍人ならシャキッとしろ!」

ラウラ「わっブラギナ中尉?なぜここに?」

オルガ「エデン防衛軍司令部に向かう前にベルタリア准尉の顔を見にね~」

そうこう考えている最中、オルガから話しかけられた。

あの夜見たオルガは冷静でクールな性格で、工作員を殺害しラウラを救ったが
背後から話しかけてきた今の姿は陽気な性格な秘書士官・・・・
昨日から特に何事もなかったかのように佐久間提督の秘書として振る舞っている

_____お前は何者だ?

今のラウラがオルガに言いたい事・・
目の前にいる秘書士官は副業で、本業は違う・・・・・
何者なんだ?お前はなんだ?

反統合組織の工作員の一人なのではないか?と疑った・・・・・

オルガ「私の正体は何だとおもったでしょ?」

ラウラ「ラック(なっ)?なんで思ってる事を・・・・・」

オルガ「仕事柄、相手の考えてる事は分かります。安心して反統合組織の一員じゃないから、根も新統合軍人だから」

心の中で想っていた事を見抜かれ、更に根っから新統合軍人だとオルガが言った。

根っからの新統合軍人である発言に敵ではないのかと戸惑いながらも安堵したが
話しぶりからして単なる秘書士官ではなさそうだ・・・・
噂で聞く特務機関・・・諜報機関の人間かもしれない・・・

諜報機関の人間ならばあの晩の出来事も説明がつく・・・・

オルガ「いろいろと察しはしてるけども、深入りしたら味方と言えども消します」

ラウラ「分かっているわ。深入りした結果、変な死に方はしたくありません。」

オルガ「懸命な判断ありがとう」

ラウラ「偶然居合わせただけなので・・・・」

当然の事ながらこれ以上深入りしたら味方とは言え殺されてしまう。
現にオルガはラウラに警告した上で消すと言った。

映画で見た通りの展開だが・・・いざ言われると現実味が湧かない

ゼントラーディ軍にはスパイの概念はあれど、地球のような諜報機関は存在しないし
むしろ組織の概念すらない・・・・・・
マイクローン化し機種転換センターで初めて知った存在なのだ。

目の前に諜報機関の人間がいるのはなんとも現実味が出てこない。

ラウラ「とりあえず私はここで・・・・」

オルガ「ごめんね、話長引かせて・・・・今度またゆっくり話がしたいな~」

ラウラ「その時はよろしくお願いいたします」

逃げるかのようにラウラはその場から立ち去ろうとした・・・

諜報機関に所属してるとは思えない笑顔を浮かべるオルガが怖く感じ・・
一刻も早くなるべく遠くこの場から去りたかった

味方であるのは分かったけれども、苦手なタイプであり
幾多の敵と戦ってきたベテラン兵士のラウラと言えども恐怖に感じ・・・
逃げたしたくなってしまうような感覚に襲われた・・・・

オルガからゆっくり離れ自室へ戻っていった。

オルガ「ラウラ・ベルタリア准尉か・・・・遠からず会える気がするわね。不思議な娘」

自身から離れたラウラの後ろ姿を見て小悪魔のような笑顔を浮かべたオルガは
遠からず会えるような気がすると感じた。

一般部隊であるラウラと諜報機関のオルガ・・・・・
立場も違えば、任務内容は異なっており広大な銀河では会う機会はない
今のオルガの役職は提督秘書であり、地位が違いすぎる

会う確率は低い・・・・
でも根拠はないけど、会えそうな気がする・・・・・そんな気がした

オルガはフッと笑うと秘書士官勤務へ戻った。

【2021年3月30日、エデンプレーリー上空】

アンサーズ中隊と職員を乗せたVCー33マムズ・キッチンは空にいた

目的地はマスドライバー施設のあるニューケネディ基地
新統合宇宙局の施設であり、惑星エデンにおける地上と宇宙を繋ぐ拠点で
隣にある新統合軍ニューケープカナベラル基地が警備を行っている。

アンサーズ中隊はニューケネディ基地に着陸し大気圏離脱装備を装着し
宇宙に向かいエデン軍宇宙艦隊の可変戦闘機部隊との模擬戦を実施
一週間訓練指導した後、本拠地のあるクラビウス基地へ帰還する予定であり
ラウラを始め隊員は早く終わらして帰ろうと張り切っていた。

桐原少佐「そろそろ防空圏内か・・・」

吉野大樹「防空圏に近づくと陸軍機が来るらしいですね。」

桐原少佐「VAHー1コマンチだろ・・・・無骨武者がエスコート役とはな・・・」

アンサーズ中隊をニューケネディ基地まで案内する予定の部隊は陸軍だ。

ニューケネディ基地には陸軍部隊も駐屯しており
デストロイドの他にもVAHー1コマンチで編成された航空隊が所在しており
友軍機が来訪するとカナベラル基地の空軍ではなく陸軍が対応し出迎えてくる

正直に言えば頼りないので空軍機であればと茂人は愚痴っていた

ラウラ「ねぇ大樹、なんで隊長は陸軍機の出迎えに不満なの?」

吉野大樹「いつものVFー1マニアの発症だよ、特に不満じゃない。単なる病気だ!」

ラウラ「病気か・・・・・」

吉野大樹「お前も予備軍だから、あーなるなよ」

ラウラ「なっ、バカにしてるんですか?」

VFー1バルキリーマニアの隊長の愚痴にラウラは不思議そうに大樹に訪ねるが
病気かつお前も予備軍の1人だと返答した。

予備軍の1人だと評されたラウラはバカにしてるのかと怒ったが・・
振り返って見れば海兵隊辞めてマイクローン化し可変戦闘機乗りになった切欠は
VFー1バルキリーと戦ったからであり・・・・・
大樹からの指摘はある意味間違ってはいないと自覚した。

特にVFー1バルキリーに拘っているわけではないが・・・・
クァドランよりかは乗りやすくて気にいっている・・・・

とは言え別に可変戦闘機が好きで気に入ってるだけでVFー1に拘ってないし
むしろ、最新鋭機が配備されたら喜んで積極的に乗り換えたいし
軍にいる限りいろんな可変戦闘機に搭乗出来るなら乗ってみたいと思っていた

ロザ「地球人って凄いよね新型出れば今使ってる機体古くなれば退役して捨てるなんて」

ラウラ「確かに!私達は何万年も昔からある機体使ってたし」

吉野大樹「むしろ俺らから言わせればよくも何万年も同じ機体使い続けてただな」

桐原少佐「そう言われて見ればそうだな。ってそれは種族の価値観だろ!」

地球人とゼントラーディ人の兵器に対する価値観が違う
開発すると言う知識のないゼントラーディ軍はプロトカルチャーが開発した兵器を使うが
国家間の戦争ばかりしていた地球人はより良い兵器を開発し相手国に優位に立つ為
短時間で様々な兵器が登場しては消えていった。

ラウラ達は地球軍兵器の使用期間の短さは驚いたが・・・・・
戦争の歴史を知れば当然の事かと理解した。

地球人は自分達ゼントラーディ人と違ってただ戦ってるわけじゃない
思想.侵略的野心.国土防衛様々な理由が存在しており
単純明快なゼントラーディ軍とは大きく違って理性的だ・・・・・・

ふとラウラはたまたま地球人の戦争の奥深さに触れる機会が得られた事を喜んだ

ゼントラーディ軍軍人のままだったら一生知る事のなかったし・・・
自分達がやってる戦争について頭で深く考える事もなかっただろう・・
やっぱり地球人の歴史は魅力的だとラウラはそう思った。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第48話 地球から来た中尉 | トップ | 新統合軍の名将 佐久間昌盛 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿