今回のオリンパスの事件は日本、とりわけ権力構造や上部組織などがいかに村社会かを物語っている。誰が考えても、これがオリンパス1社の粉飾とは思えない。とばしという言葉が英訳されたようで、システムとして存在していることが更に不信感を募らせる。欧米のトレーダーが日本を一斉に売ってくるのは理解できる。
オリンパスは昭和30~40年代、小型カメラのペンがコンパクトで簡単撮影のため流行った。フィルムを半分にして使用する節約型だったかな。私の父は3台も購入し、ペンDは今でもある。内視鏡で世界の70%を占めるなど優秀なメーカで社員も4万人もいるらしいが、これでは社員がかわいそう。
技術系は優秀だが、事務系の経営力のないトップが会社をドブに落とし込んでいる。それにしてもイギリス人のウッドフォード社長が多忙で日本にあまり来ないことを期待していたのが裏目に出たか。
今後の見通しだが、日本企業の信用問題になっていること、損失隠しの額が1000億規模と巨大であること、社長代々で引き継がれたこと、先の監査法人調査がずさんであったこと、首になったウッドフォード元社長がFBIなどに働きかけて国際事件になっているなど、悪質で根深く、まともな判断では上場廃止が妥当。
オリンパスは虚偽記載で刑事事件として起訴されるし、当然、株主代表訴訟も起きる。上場廃止まで持って行かないと、日本政府の指導性や監査機関の信頼性が疑われる。何よりも、株価が低迷し、経済に悪影響を受ける。トカゲのしっぽ切りと言われればまさしくその通り。見せしめにもなる。
しっかりした外部監査役員を入れ、経営陣を刷新し、オープンでフェアーなシステムに変えて、新生オリンパスとして出直した方が良い。
同じ状況を抱える上場企業は戦々恐々。複数社に及ぶと、もう株価暴落が止まらなくなる。オリンパスだけで止めたい気持ちは当局に働くだろう。
トレーダーの間では、これまで空売りを仕掛けてきているが、何度か利食ってはさらに売ると言うプロセスを繰り返している。そして、株価がさらに下がったら果たして買うべきか、買うとしたらいつ買うかが焦点になっている。
上場廃止になっても株の買い取りシステムは有るらしい。恐らく300円ぐらいになるとロシアンルーレットのようなマネーゲームになる。
先の大王製事件は、東大卒のバカ息子がギャンブル好きで使い込んでしまったみたいで、誰も文句が言えなかった例。東大自体のレベルが相当落ちているが、結構、東大卒は色々使い込みで問題を起こしている。
私の知っている範囲でも、親類の宝石店がそのまた親類筋の野村証券社員(東大卒)を信用して任せていたら、1億円だか使い込まれたという。
東京電力や大王製紙の問題が起きて、日本の企業に疑問が付き始めた(火がつき始めた)ところへオリンパスである。見事消化しきれますか?
追記:オリンパスはとうとう、管理銘柄になった。中間決算が今月14日までに出せないとの見通しから。来月の14日までに出せないと自動的に上場廃止となるが、過去の訳の分からん不明朗な会計を引きずっており、合理的な説明が可能な中間発表が出せるかについても極めて疑わしい。