昔々の新自由クラブの時代から、二大政党時代を願って手弁当で頑張ってきたので、諦めかかっていた時に、あっさり実現してしまうと、確かに攻撃目標が無くなり、気が抜けるというものだ。民主党が政権を獲ってから、戦後の日本を支配してきた自民党・官僚・大企業の癒着、いかさま、歪み、冷酷さ、独善などが改めて明らかになってくる。過去官僚がテレビで吠えていたが、官僚組織でまともに機能したのは国税庁ぐらいというからひどいもの。
4年後に自民党が政権奪取できるかと言うと、余程、日本がボロボロになり、あるいは民主党があきれ果てるような失策でもしない限り、難しそう。8年は民主党が政権を獲り続けるというのが常識的なところだろう。しかし、民主党に欠点・弱点が無い訳ではなく、ジャブジャブで溢れるほどと言えるが、要は、自民党、とりわけ最後の首相であった麻生マンガ太郎が悪すぎたということだろう。
民主党のマニフェストで大きな問題は、将来ビジョンが明確に示されていないこと、中長期の経済成長政策が無いことである。日本人は将来目標とその実現方法が示されて力を発揮できる。バブル崩壊後、日本が失速した原因の一つに国民と世界が共有できる明確な美人が無かったことがあげられる。次に、国は適正な経済成長戦略を持たなければならない。アメリカやヨーロッパや中国の戦略が機能するなかで、戦略無き日本が埋没しつつある。
自民党や官僚には戦略のかけらも無かった。民主党にも戦略らしきものは顕著ではないが、自民党ほどひどくはない。前原なんていいね。青年将校みたいで、結論を先に明言してしまうが、ブレが無い。スカッとするね。彼の行動は戦略的だ。なぜ彼に戦略があるかと言うと彼は軍事専門家だ。戦略は元々が軍事戦略だ。現在の世の中は大きな軍事戦略の中で、経済でさえも動いているのだ。
鳩山首相の国家戦略局はお粗末だった。鳩山首相は何が戦略家と言う言葉が分かっていなかったと思う。何か、かっこいい言葉をつけたかったのだ。おかげで管直人が死んでしまった。組織の目標や性格や権限や担当範囲や責任が明確でないから、いかに官僚の恐れる管直人を持ってしても活躍の場が無い。
鳩山首相は25%カットを宣言したおかげで、国連での拍手を浴び、すっかり舞い上がってしまった。赤字国債もやむなしという発言の翌日、赤字国債は国民が望んでいないからマニュフェストを全部を実行する必要が無いと修正する。選挙期間中には自民党が赤字国債を垂れ流しているとこきおろしていたのからひどいものだ。彼には真面目さや理念や実行の意思の強さが無い。