宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

マスコミの果たすべき役割

2007年07月28日 16時42分09秒 | 思考空間

 19080年代後半、テレビでは日本企業・日本人がアメリカのビルや美術品を高額で買い漁る状況を、一方ではクレジットカードで破綻し苦悩するアメリカ人の生活が映し出した。時を同じくして、ジャパン・アズNO1が出版され日本は沸き返った。新聞や雑誌をはじめとするマスコミはアメリカに対する日本の経済的勝利をはやし立てた。日本の進む道を阻むような者はいないような書きぶりだった。今となってはそんな瞬間もあったかという昔の物語である。

 ところが、アメリカにも日本のマスコミの報道は十分に伝わっていた。アメリカ人のすごいところは、その敗北を素直に認めたことである。(日本には未だバブル崩壊や中国の躍進=日本の敗北についての素直な反省・分析もない)。例えば、当時のアメリカ人著書では、必ずしもアメリカがすべての分野でリーダーを務める必要が無い、経済面では日本がリーダーであっても良いのではないかとの記述がある。アメリカではクリントンが大統領になり、直轄のCIAを経済政策に組み込み、日本の調査と分析が始まる。そこで、次々と明らかになったのは、商社などの賄賂型ビジネスであり、多くの企業のモラルや法律を無視した暴走だった。そこで、勇気百倍、アメリカの猛烈な巻き返しが始まる。

 世界一の諜報機関・軍事力・経済力を持つ国にとって賄賂やいかさまのビジネスを暴き、潰すとともに、自国や旧英連邦のビジネスに置き換えることはたやすいことだった。日本に代わってアメリカや旧英連邦の繁栄がもたらされる。賄賂やいかさまを指摘された日本企業は文句の言いようがないし、表にも出せない。取引の相手も痛いところを突かれ、アメリカの主張を全面的に受け入れざるを得ない。かくして、世界各地にひるがえっていた日本の旗は勢いを失い、降ろされることになったのである。

 トヨタ、キャノン、シャープなどが世界企業に躍進した原動力に優れた企業戦略が有ったことはことは紛れもない事実であるが、一方でこれらの企業に賄賂や不正・いかさまの無かったことが極めて重要だった。

 アメリカはCIA(盗聴はお手の物)などが政府機関や日本の有力企業(殆どの企業が問題を抱えていながら、その深刻な状況を把握・理解できていない)の悪情報を集積することになる。これにより、日本を叩くことが非常に容易になった。例えば、上場企業の悪情報をちょろっと流すだけで、株価は暴落する。地検や検察庁が動きはじめる。日本のマスコミはリークされた情報の後追いを始め、袋叩きする。特にクリントン政権ではこのパターンが激しかったと推測される。共和党ブッシュ政権になったことは日本経済にとって幸いであった。このように日本のマスコミはアメリカの戦略の中で道具として利用され、報道が必ずしも日本の国益とは合致していない。

 私は日本のマスコミに国家ビジョンを持てと言いたい。日本政府が適正なビジョンや国家戦略を持てないのはやむを得ない面もあると思う。それは自民党政権が長すぎた故に、官僚組織や大企業などが噛みこんで癒着・腐敗が起こり、がちがちの既得権維持管理構造が出来上がってしまっている。現状では、「日本とはこのがちがちの既得権構造」のことであるが、適正なビジョンを描こうとすると、この既得権構造を否定することになる。自らを否定することができないというのが、例えば安倍君の困惑する姿(国民の支持を得るには自らの既得権構造を壊さなければならないから、その温存のために中途半端な手を打たざるを得ない)である。

 マスコミは何者にも影響されることなく、本来あるべき日本の姿をビジョンとして描き、国民に知らせる義務がある。マスコミ各社はそのビジョンの優秀性・合理性・実現性を競うべきだろう。ビジョンが国民の間に認識され浸透すれば、おのずから戦略が浮かび上がってくる。また、マスコミは適正な国家ビジョンを持った上で、報道して欲しい。鬱屈した感情のはけ口、イデオロギーで偏向された思想の押し付けなどではなく、日本のあるべき未来像を実現するための、したたかな戦略がマスコミにも求められる。

 また、マスコミはその姿勢も問われている。中日新聞だったと思うが、新聞記者クラブの弊害を告発する本を出版したのは30年ぐらい以前のことであるが、その後、全く改善がなされていない。報道の中立性を保つなら、記者クラブのイスを既得権とするのではなく、記者であれば誰もが利用可能とし、むしろどんどん街に出てゆき自分で調査して記事を作るべきだ。記者クラブのイスを失いたくないために、官僚や公務員などの膨大な不正・汚職を追及せず握りつぶしてきたマスコミの罪はあまりにも大きい。

 最後に一言付け加えるとしたら、政治家や官僚組織がダメでも、せめてマスコミが正常であったら、日本はここまでひどくはならなかったし、今でもアメリカと肩を並べるスーパー先進国として世界をリードしていたはずだ。

文責:吉井清明

(〒731-3168広島市安佐南区伴南1-28-16、FAX:082-849-5565)


ランクル200は9月発売予定の超高機能四駆

2007年07月17日 20時08分55秒 | 

 トヨタの営業マンから、ランクル100の後継車パンフを見せていただいた。残念ながらガソリン車のみだった。がっくりきてしまった。それはともかくとして、次のランクル200は計算機をむちゃくちゃ搭載した、超高機能型四駆になることは間違いない。

 顔はちょっと昔のベンツっぽい。サイズは長さ(4950mm:+60mm)・幅(1970mm:+30mm)・高さ(1880mm:+20mm)が大きくなり、パワーは50馬力アップの288馬力、ナイトビューこそつかなかったが、至れり尽くせりの安全・快適運転が可能になる。悪路も計算機制御でスイスイ。燃費は1リットルで6.6kmとわずかに向上。

 面白いのはミリ波レーダ。前方の車との距離を測定し、一定距離で追従できるほか、接近するとブレーキがかかる。マルチテレインABS、アクティブTRC、クロールコントロール、VSC、10個のエアバッグ、後方・前方・左側のカメラなど一味違う、安全性・機能を満載。

 ディーゼルは3ナンバーとして、後から発売されるとの噂もあるが、あくまで推測の域を出ない。富士重工の水平対向8気筒ディーゼルを積んだスーパーカーが出ないかなと密かに期待してみる。水平対向ディーゼルは滑らかですごいらしい。200の価格はおそらく600万円程度するのだろうから、夢をかなえてくれてもいいかな?

 文責:吉井清明

(〒731-3168広島市安佐南区伴南1-28-16、FAX:082-849-5565)


安倍内閣に突き刺さる北朝鮮問題

2007年07月16日 13時35分53秒 | 思考空間

 今年2月の6カ国協議で合意した核放棄の「初期段階措置」として、韓国が提供する重油の第1陣約6200トン(総量約5万トン)が北朝鮮へ14日到着。これを受け、北朝鮮は平安北道の寧辺にある核施設の稼働を停止した。今月18日には北京で6カ国協議首席代表会合が開催予定だがこれに先立ち、北朝鮮は日米に対して、敵視政策などの転換を要求している。既に北朝鮮は原爆に必要なプルトニウムを確保した上で原子炉を止め、次のステップに進める条件として、拉致問題などの取り下げ、重油提供など大幅な譲歩を引き出そうとしているのである。

 小泉前首相の2回にわたる超ウルトラ級・北朝鮮訪問による拉致家族受け取り作戦は大きな成果を収めた。解放されたジェンキンス氏と夫人である曽我ひとみさんとのキスシーンは多くの日本人に感動と安堵とを与えた。しかし、その後の小泉前首相の北朝鮮訪問は無く、拉致問題は進展を見せていない。安倍首相は元々拉致家族への積極的な取り組みで、国民の熱い支持を得て、小泉首相からバトンタッチしているが、北朝鮮に対しては終始一貫して対決姿勢をとっている。

 北朝鮮の謝罪と拉致家族の返還は、そもそも小泉前首相が金正日(キム・ジョンイル)総書記に敬意を示し、訪朝することで実現している。2回のキャッチボールが功を奏した。ところが安倍外交は、北朝鮮の非人道性を非難し、経済制裁を科してきた。かっこいいし、強硬な対決姿勢に対して拉致家族をはじめ国民は安倍首相を支持してきたが、安倍首相は状況や先を読んでいない。中国は6カ国協議の議長国ながら、裏で北朝鮮を支えている。アメリカはそれを十分承知した上で黙認している。中国にとって、「ならず者」北朝鮮の存在はアメリカに頭を下げさせるための重要なカードだ。日本が経済制裁を加えるごとに、北朝鮮と中国は接近し、依存度は高まるし、片や制裁の効果は限定的だ。

 安倍首相は拉致問題の解決無しに北朝鮮への支援は無いと、繰り返し宣言しているにも拘らず、原子炉停止に伴い日本は北朝鮮からだけでなく、同盟国アメリカからも拉致家族問題の取り下げと重油支援を要求される。ブッシュ大統領は支持率が30%を割り込み、何としても北朝鮮問題の成果が欲しい。中国は当然北朝鮮の言い分を全面的に支持し、うっかりすると日本は孤立し、他の5カ国から集中砲火を浴びる可能性がある。国内でも核の脅威と拉致問題とどちらが大切なのかという議論は沸き起こる。

 現実的な対応として、日本は拉致問題取り下げへの要求をかわす為に重油の援助に踏み切らざるを得ないだろう。ここで、またしても安倍首相のブレが生じる。安倍首相は北朝鮮に対して対決姿勢を取る前に、落とし所のシミュレーションを実施すべきだった。情報収集と分析、専門家の判断に基づき、日本にとって良いケース、悪いケースなど3つのシミュレーションを行い、どのようなケースでも解決策を見いだせるような手を打つべきだった。強固な一本勝負の対決姿勢が解決を困難にしている。今となっては、譲歩に譲歩を重ねるしか手が残されていないように見えるが、いかがなものか。

 小泉前首相はピンポイントとは言え、発展のための改革を断行しようとしてきた。そのため、彼が首相に立候補した時宣言したように、直接意図したものではないにせよ自民党をぶっ壊してきた。実は、日本の発展とは結果的に、従来の支配構造である、自民党や官僚組織などを壊すことと同一である。安倍首相は同じレールを走っているように見せながら、実は自民党を中心とした、支配構造を堅持したいと考えている。つまり、小泉前首相と安倍首相では、ピンポイントでも発展を目指すのか、発展を目指すフリで古い自民党を維持するのかで全く異なる。

 日本にはその歴史的な社会構造(既得権維持管理社会)から、国家レベルで戦略のかけらさえもないことは何度も伝えてきたが、それにしても気持・思いつき・勢いだけで何でも実現しようとする官僚やお坊ちゃん首相のお粗末さは、日本政府が発展とは縁の遠い所にいることを実感させられる。

追記 安倍首相が貫いてきた北朝鮮との対決姿勢のその延長線上には軍事的衝突しかない。何故なら、中国は北朝鮮を支え続け、日本の経済制裁の効果も限定的であり、解決しない。彼にとってそれが狙いなのかもしれない。かつてアメリカはソビエトとの対決姿勢を維持し冷戦時代が続いた。この間、アメリカとソビエトは軍備拡張を競った。対決姿勢が効果を生むのは圧倒的に軍事力が勝る場合だ。彼は自衛隊の軍事力増強を図っているのかもしれない。


上司と部下の血液型

2007年07月10日 06時46分05秒 | 思考空間

 アメリカやヨーロッパでは血液型のことを気にしないと聞いて、「へー」と思ったが、恥ずかしながら?!私は今思うと結構、血液型のことに関心を持ってきた。私の経験では、B型上司の印象が強烈である。B型は明らかにハンターである。移り変わる状況に応じて、その場その場のベストな方法を考える事が出来る。私は何とかその意向を満たそうとするが、切り替えの早さについて行けない。O型の部下なら、クールにB型上司を観察できるので、疑問点は上手に切り返せる。またB型上司は悪口は絶対忘れない。自分がへこまされたと感じると必ずどんでん返しをしてくる。こんな時は人間関係も無視して過激である。ストレスは外で発散できるタイプで、周りの人間は大変だと思う。B型上司の良いところは、何事が有っても耐えてついてゆけば、必ず面倒を見てもらえることだろう。

 親友にもB型がいた。記憶力は抜群で、テレビを見ながら勉強し、社会系の科目はクラスのトップだった。B型の部下は優秀だった。周りに影響されず、やるべきことを確実にこなしてくれる。B型の人間とうまくマッチングできると、こんなに楽しい仲間はいない。B型は頭の回転が速く、アイデアも豊富でスマート。A型社会の中では際立った印象を受ける。申し分ないB型のように思えるが、意外に雑な面がある。B型の発言や考えを繋いで行くとつじつまが合わなくなる。一番浮気するタイプかな。過大評価される傾向がありその点ではうらやましい。

 AB型との付き合いは多いし、悩ましい。父がAB型、家内もAB型、娘もAB型である。父は、非常に外面の良い人だった。人付き合いはまめだし、笑顔を絶やさない。誰からも好かれる。他人の頼みは断れない。父の会社がサービスとして売っていた立派なベルを購入し保管を依頼していたところ、父が知人から売ってくれと頼まれ、話を持ってきた。私は絶対売らないと宣言していたにもかかわらず、無断で売ってしまった。家族には厳しい。亭主関白の典型で、口答えさせない。子供に対しても本気で怒鳴るので、恐い父だった。AB型は必要以上に外の人に気を使い、内に対してはそのしわ寄せをする傾向があり、差が激しい。AB型女性は小悪魔の魅力ととげを持っている。

 AB型の部下には困った。自分の好きなことは一生懸命やるが、納得できない場合には文句を言うわけでもなく、消極的になる、何を考えているのか分からないので、聞くと、「何も考えていません」と答える。実際そうらしい。AB型は天才的な才能を持つというが、主張がはっきりせず、風見鶏のようにその時の風向きで方向が変わることもあり、うっかりするといじめられる側に回りがちだ。スマートさではB型以上かもしれない。AB型は評判をものすごく気にするし、プライドが高いので、褒めて持ち上げると、良好な関係を作り易いし、批判すると感情を害し手がつけられなくなる。B型同様、マッチングが取れている時は、楽しい関係を作ることができる。AB型の魅力を引き出すには周りが、努力しなければならない。

 O型はオーソドックスで、奇をてらわず、どっしり構えている。器用ではないし、活動が積極的でもない。シャープさには欠けるがが目標を満たすよう、スマートさにはこだわらず着実に前進する。上司に対しては逆らわず忠実で、部下を育てることに積極的である。権力欲は強い。押しのけてゆくタイプではないが、消去法によりライバルが落ちてゆく中で、生き残り、リーダーやトップになる素質を持っている。

 O型の部下にセンスや切れの良い仕事を期待することは難しいものの、良く補佐してくれ、頼りになる。細かいところにはこだわらないから、デリケートな仕事には注意を要する。付き合っていて楽しく、裏が無いから魅力を感じる人が多い。上司を裏切らないとされているが、信じない方が良い。自己防衛本能が強いので、いざとなったら上司も切られてしまう。

 A型は農耕民族の典型かもしれない。おとなしくまじめで几帳面と言われている。決められたことを決められたように実行する傾向があり、管理統制化では着実な戦力であり縁の下の力持ち。黙々と仕事をこなす。器用ではあるが、器用貧乏となりがち。自己主張は控えめ、決定には時間がかかり、機を見るに敏ではない。従って、実績をきちんと評価しないと過小評価になりやすい。

 実は、私はA型であるが、血液型を聞くと誰もAとは言わない。ある女性はわざわざ、あなたはB型でしょうと言いに来た。わがままで強引に見えるというのだ。その女性とは接点が無かったのだが。次に言われるのがO型である。大雑把に見えるのかもしれない。だから私は時々H型と言うことにしている。煙に巻くこともできるし、自分でも、宇宙人かもしれないなと思う事があるからだ。一般のA型の人のように気が小さい。線も細い。ところが、度胸と言うべきか勇気があり結構強いものだから、ここぞという時には、思い切ったことをする。雑だし、わがままな点が無いとは言わないが、ハートは優しい。ここ20年ばかり、地球のこと、人類のこと、日本人のことを心配し、どうすべきか考え続けている。

 これまでの経験で、血液型を考えて対処するよりは、その人の個性や実績を重要視すべきだと思うし、血液型は絶対でもない。ただ、人間関係に行き詰まったり、結婚相手を選ぶ時には、ちょっとだけ考えてもよさそうに思う。


安倍首相首相の目指す方向性と課題 既得権維持しか頭にない官僚

2007年07月08日 16時52分39秒 | 国際・政治

 安倍首相はホワイトハウスよろしく側近の補佐官グループを置いた。おやおや国家戦略に基づく強力な官邸指導がきるかと期待させたが、形だけ似ていて機能していない。各大臣は必ずしも意図どおりに動かず勝手な発言を繰り返し、毎度、安倍首相がかばうものだから、ガタガタになってきている。この原因は、補佐官と大臣の関係があいまいなためである。日本では官僚や官僚組織の力が突出しており、名目に近いとは言え、官僚組織が担ぐ大臣の力が大きくなる。補佐官には組織も予算も実施部隊も無い。この点は、アメリカの大統領が有力ブレーンを引き連れ、各省庁のトップと入れ替えてしまうやり方とは異なる。挙句の果てに、強行採決を連発することとなった。

 安倍首相は若いのに、古い体質の政治家で、人気を取るために、前小泉首相の改革路線を無理に引き継いでいる。しばしば衣の端から、戦前の青年将校のような気質が見え隠れする。米下院の慰安婦問題の対応は、いかに彼が事実を把握できていないか、また古い概念を妄信して判断を誤っているかが分かる。(彼の発言は時代錯誤だ。事実がどうこうより、一度でも韓国に出向き、迷惑をかけましたと謝罪すれば、どれだけ日韓関係が好転することだろうか)そのために、ドタバタというか、大きなブレがしばしば見られる。頭が固くて、若い割にはセンスがない。恵まれた環境に育ち、お金の面で無理する必要のないのと、身長が高く、ハンサムで女性受けするところが長所だ。

 私だったら、上席大臣という、大臣の上の指導大臣を置き、首相のブレーンにするだけでなく、大臣の人事権を与える。官邸では首相と上席大臣の指導の下、官邸スタッフが情報収集、分析、国レベルのシミュレーション(少なくとも1テーマで3モデル)を実施し、国家ビジョンを作り内外に認知させるとともに、国家戦略を立てる。上席大臣は国家戦略を実行するよう、省庁ごとにブレークダウンし大臣をきめ細かく指導し、出来の悪い大臣は首相の承認を得てどんどん首にする。当然、首相の位置に沿って動かない事務次官も遠慮なく首にする。(首にした事務次官は特務員として、官僚組織から独立させ、実績評価で官僚機構改革、政府の無駄遣い摘発、資源調査と確保などを担当させればよい。自分のことしか考えていない事務次官は多いから、特務員は大量にできることになる)日本の組織は上下関係を作らないと動かない。

 アメリカ大統領は直轄の組織であるCIAを持ち、寝る前に例えば日本の問題についてどうすべきかCIAに宿題を与えておけば、CIAは日本だけでなく世界中のその問題に関する情報を収集し、分析し、朝大統領が起きた時には回答が出されている。安倍首相は自国の日本に関してブッシュ大統領より100倍は知っているだろう。ところが、日本に関する戦略的なテーマについて、ブッシュ大統領は安倍首相の10倍もの情報を集める事が出来る。当然、首相、または官邸は独自の調査機関を持たなければならない。

 ところで、政府官僚組織などは世界的に優秀なシンクタンクと公言していたはずだが、1バブル崩壊後このシンクタンクはどう機能したのであろうか。また、日本には1000を超えるシンクタンクが有るが、経済対策に対して何を提言し、具体的にどのような効果を上げたのだろうか?結果を見れば明らかだろう。失われた10年などと人ごとのようなことを言って責任を逃れているが、日本のシンクタンクは、バブル崩壊後の経済浮揚に関して全く役に立たなかった。むしろ責任を回避することに四苦八苦した。厳しく言えば、冷戦構造崩壊後の新しい世界秩序の中では、既得権構造の官僚組織が日本発展の最大のがんである。民間のシンクタンクは政府のひも付きであり、本当のことを言えない。

 官僚は素晴らしく頭の良いスーパー知識エリートであり、誰もがその能力を認めざるを得ない。ところが、力を発揮するのは、教科書や実績のある範囲である。作文を作らせると120点ぐらいの作品を作る。ところが、あくまで作文の範囲を出ず、予算をとることが目的であって、その結果については責任を問われることが無い。従って、いかに騙すか、あるいは政治力を発揮して分捕るかが勝負になる。日本が発展途上時代は欧米から情報をキャッチアップするという方法で、知的エリートが力を発揮できた。ところが、日本が経済大国になり技術などで先頭に立つと、欧米は情報を絞った上に、キャッチアップできる情報が無くなった。しかも、最も肝心なトップや指導層のあり方であるリーダーシップとか戦略的手法については、最初からキャッチアップできていない。

 官僚組織は新しい課題、難しい課題に遭遇すると、先送り、棚上げ、封印すると自ら認めている。冷戦終了後は成功方程式がひっくり返り、どんどん新しい困難な状況が生まれることになった。これに対して、官僚組織は全く対応できなくなった。例えば、アメリカが公共事業費の支出を求めたことに悪乗りし、バブル崩壊後はただ税金をばらまき続けて、経済は何ら浮上せず、1100兆円という膨大な借金を作ることになった。現在の経済復興はイラクに自衛隊を派遣しブッシュ政権の協力を得たことや、民間企業が政府に頼らず自力で実績を伸ばしたことが主因となっている。

 事務官僚など知識エリートは知識・実績など極めて薄っぺらく狭い範囲しか扱わず、そのミクロ領域では凄い能力を発揮する。彼らは従って、全ての問題を自分の得意なミクロの領域に持ってくる。ところが、蟻のように身の回りのミクロの範囲しか見えないために、全体を見失い、とてつもないミスを犯す。言ってみればミリ単位のことには強いが、キロメーターになると歯が立たないようなものだ。ミリ単位で正確でもキロメーター単位でミスすれば全く意味がない。それが現状だ。私はお役所より管理統制的な電力会社にいたからそのことがよく分かる。

 戦後、日本にアメリカスタイルやデモクラシーが導入されたが、日本組織の本質は戦前と変わっていない。「失敗の本質」では教科書エリートの軍部指導者にとって、授業で習ったような状況は一度もなく、対応できず、決定的な作戦ミス、手痛いタイムリーミスを繰り返したと報告している。会田雄次は日本軍が一度夜襲をかけて成功すると、2回目からアメリカ軍が待ち構えているにも拘らず、何度失敗しても夜襲を繰り返したと書いている。

 社会保険庁に代表されるように、官僚組織は既得権維持管理組織の最たるもので、国民のことなど何も考えてない無茶苦茶な存在であり、性善説に立って改善されることを求めるのはどだい無理というものである。自民党であれ、民主党であれ、どちらでも良い。官僚機構を真に日本の発展に貢献できるよう、大改革を進めることができる政党が政権を取るべきだ。ただ、現状では自民党独裁が長すぎ、腐敗しきっているので、どの角度から見ても政権交代すべきだろう。


広島カープが優勝するには

2007年07月01日 19時31分13秒 | スポーツ

プロ野球は負け方が重要。負け試合を作り、勝ち方は選手に任せよ。

勝ちパターンにこだわるな。

バントは甲子園野球。

交流戦は情報戦に勝たなければならない。

交流戦の情報入手用にパリーグ(たとえばロッテ)の選手を獲れ。

前・山本浩二監督は前に出すぎ、失敗の積み重ねで選手の信頼を失った。

まじめすぎるカープ選手にはのびのびプレーさせよ。

デッドボールは有力選手への挨拶。

 我愛する広島カープは1991年のリーグ優勝以来、優勝から遠ざかっている。貧乏球団ではあるが、真面目な有力選手が多く、決して戦力的に他チームに劣っている訳ではない。それでは何故優勝できないのか?逆にどうすれば優勝できるかを分析し提案してみたい。

 まず一般論として、高校野球とプロ野球の戦い方の差を検証してみよう。

 ご存じのように、甲子園では全試合を勝たなければ優勝できない。多様な強敵を迎えながら全てを勝つためには、ずば抜けた投手力と鉄壁の守り、統制された規律、強運であること、そして何よりも監督が重要であり、選手が実力を発揮できるような指導力と場面に応じた的確な指示がめられる。

 プロ野球は強靭な身体と精神、優れた野球センス、何よりも多くのハードルをクリアし、豊富な成功経験を持つスーパーマンが集まった集団である。また、過去の優勝チームの最低勝率ラインは65%程度である。つまり35%も負けることができる。取り合えずプレイオフに進出するには55%程度の勝率でよく、45%も負けることができる。これらが、高校野球とプロ野球の決定的な差である。

 過去の戦いを振り返ってみよう。1991年の日本シリーズでは、広島カープ山本監督は西武に対して3勝し大手をかけながら、疲労回復できていない川口を先発に立て、打ち込まれ負けるとズルズル4連敗して優勝を逃している。世代が代わり、三村監督の時、前半を1位で折り返しながら、終盤に追いつかれ後退したのが最高で、全く優勝から縁がなくなっている。この二つのケースは、広島の今後の戦いを考える上で重要である。

 西武との日本シリーズでは大手をかけながら、4連敗し、その後、広島カープは優勝から遠ざかっている。前・山本浩二監督はこのテーマを解決しないまま、再度監督に就任したと見る。同様な問題は通常の試合でも起きる。話は飛ぶが、高いところにあるお菓子(優勝)を取るために、箱(作戦)を置くとしよう。ダメな箱は何度置いても役に立たない。(私はボックスモデルと呼んでいる)成功の箱を考える必要がある。あの場面では、例えば、1イニングはリリーフ投手を出し、2イング目以降は投げていない若手投手をどんどん交代で使えば良かった。負け試合を作り、川口投手らを休ませるべきだった。勝てれば拾いものである。

 三村監督1年目の前半の戦い方は放任主義で理想的だった。後半から欲を出したため、転落することになった。広島の選手はまじめで、自ら大変な努力する。そんな真面目な選手達に鞭を打ったら、萎縮してしまい、せっかくの努力やまじめさが逆目に出る。監督はカープの選手を試合で、解放し、楽しさを味あわせるべきだ。

 プロ野球の監督は全員が全試合を勝ちたいと思っている。しかし、それは不可能だ。ブラウン監督に勉強して欲しいのは負け方であり、プロ野球においてはどのように負けるかが重要である。勝とうとすれば、無理もするし、緊張し、それがチームに伝わり、実力が出せなくなる。今年の第1戦だったと思うが、ブラウン監督はバントを指示した。バントは一つも落とせない甲子園野球の戦いであり、プロでは優勝決定戦などに残しておくべき、奥の手だ。たった一つのバントで、今年のカープはスケールダウンしてしまった。

 プロ選手なら勝ち方は分っている。監督の采配で勝つなどという幻想は捨てて、選手を信じのびのびプレイさせたら良い。例えば、昭和49年ごろだったか、崇徳高校がするすると勝って優勝してしまった。監督はベンチにどかっと座ってサインを出さない。試合後のインタビューでは「うちのチームは強いですよ。私は選手を信じています」と毎回発言しひんしゅくをかったが、アマの高校生に試合を任せても優勝できるという例だ。

 以前、山本浩二監督率いるカープが強かったころ、山本監督はビールの宣伝で「ドライじゃない」と言っていた。これは巨人ファンのスポンサーの作戦にはめられたのであって、ドライに負け試合を作る戦略に出たらカープが優勝してしまうから、ドライじゃないと言わされたのだ。掛布選手も餌食になった。優勝したかったら3試合に一つは負けても良い若手育成の試合を作るべきだと思う。負け試合は誰でも緊張感なく戦える。これが意外に勝てる。ベテランを休ませ、若手を育成できる。ファンはこのことを理解すべきだ。

 山本浩二の名誉のために一言。広島カープで山本浩二は最高の選手だった。

 交流戦は広島カープにとって大きなハードルだ。昨年今年と大幅に負け越し、優勝から遠ざかっている。パリーグはロッテをはじめ、徹底的なデータ分析を実施しており、広島カープは丸裸にされている。私ならパリーグの選手を獲得しデータ分析や作戦状況を調べる。次に指摘しなければならないのは、交流戦でお金が動いている可能性だ。例えば、昨年巨人は交流戦で負け越し優勝を逃がした。今年は12チームで2位に上がっているが、交流戦後6連敗している。お金か何かが動いていると思わせる。それでなくても広島は地方・弱小チームだ。球界の盟主巨人に手加減し、埋め合わせを広島でとパリーグ側が考えてもおかしくは無い。

 ブラウン監督には、選手がのびのびプレーできる状態を作れと言いたい。カープの選手はまじめで努力家だから、選手に任せておけば勝手に勝って、たまには優勝出来る。勝とうと思えば、気持ちが出すぎ負ける。勝ちパターンにもこだわりすぎている。バントは日本シリーズの最後の試合に取っておけ。中継ぎクローザーを毎回使うと疲労困憊でめげてしまう。投手は完投したいし、たまには完投させれば勉強になる。ブラウンも前山本監督同様、自分が前に出すぎ、失敗を繰り返し、不信感を買い戦力がガタガタになる道を歩んでいる。監督は指揮するのではなく、選手や相手チームに関するデータを分析し、考える材料チームを与える。チームや選手がスランプになった時が監督の出番。

 ブラウン監督の現役時代は何となく名前が印象にある。かつてカープに在籍し、よく打った。カープに来るぐらいだからまじめな人柄だろう。まじめで一生懸命だけでは優勝できない。哲学や戦略が必要だ。禅問答のようだけど、「この試合に勝ちたいのか、あるいは優勝したいのか」と問いたい。

 調子が良い時は黙って見守り、調子の悪い時に励ましアドバイスし、作戦を与えるのがリーダーの役目だ。がんばれブラウン、がんばれ広島カープ!