思えば、僕が生物進化に興味を持ったきっかけは、深夜BSでリン・マーギュリスの共生説を観た事だった。新鮮で、斬新で、インパクトが有った。ダーウィン説には疑問を感じていたから、目の前が開けたね。
共生説は進化全体の共通メカニズムを説明するものではない。しかし、ミトコンドリアの共生は、決定的な進化の発展力を与えたのだ。言ってみれば、ミトコンドリアとの共生が無かったなら、僕らは今もって菌のままだったかもしれない。
宮城島進也教授(国立遺伝学研究所)は共生進化の専門家。子供の様なあどけなさで、緊張しながら喋る。まじめな人なんだ。大変役立つ情報を提供してくれた。お陰様でというべきか、共生に関する僕の仮説は修正を余儀なくされている。
僕は、プラスミドのようなゲノムの水平伝播かもしれないと考えていた。しかし、次のような紹介があり捕食が原因の可能性が高いと思った。
①ミトコンドリアや葉緑体は外側が二重膜になっている
②細胞分裂時に中央部に巻かれるリング(リングの径を縮小し最後は細胞を分割)が二重になっており内側は細胞のリング、外側が宿主のリングで、細胞分裂の時期は宿主が決めていた
図は、40億年前に最初の細胞が生まれ、20億年前、古細菌の子孫が細菌であるプロテオバクテリアを捕食しミトコンドリアと共生するようになって真核生物が生まれ、10億年前に真核生物がシアノバクテリアを捕食し葉緑体と共生し植物が生まれた年代図だ。
古細菌というと古い菌のように聞こえるが、実は細菌より新しいと言われ、真核生物とは共通点が多い。