発表当初は何も分からず、幼稚な原稿を書いていた。何しろ、生物の詳しい具体的な事は何も分かっていなかったからね。新ダーウィン説はおかしいとの思いの勢い任せだったが、最近では幸いプロも認めざるを得ない仮説を発表してきた。
タンパク質が電磁波で疑似通信しているという仮説はいかにも僕が電気系らしいし、空想の賜物であるが、まるっきしただの思い付きとは言い難い。大学研究者ではないから、設備予算も無いし、教えてくれる人もいないが、確認できる情報から、可能性が高いと思える。
非常に高速の情報伝達がなされている状況は、化学物質のやり取りでは考え難い。一方、僕らの目の基になっているのは、ロドプシンと言うタンパクが電磁波を捉えているからなんだ。また、単細胞が細胞内で電気回路をON,OFFさせて一斉信号を発信している。
僕も発表し始めた頃は、生物は化学反応だらけと思っていたが、最近では重要な部分に物理現象が多いと思っている。考えてみれば、大きさと硬さを持つ何かが高速で何かをなすのは物理現象だね。
今僕が物質から生命になる瞬間を追いかけているのは、ここを明確にしておかないと、いくら立派な仮説を発表しても一瞬で壊れる可能性があるからだ。始まりが大切なんだな。
従来説は始まりを明確にしていない。何故なら始まりのところは全く確たるものが証明されていない。そんな中で、原始海でタンパク質工場が出現したとする仮説は、池原名誉教授が認めてくださった有力なアイデアだ。実験でも証明できるよ。