橋下徹(以下敬称略)は「行列のできる法律相談所」から遠慮の無いストレートな発言で人気を得、「ここまで言って委員会」では山口の事件の発言で裁判沙汰にもなった。府知事の出馬も2万%無いとまで言い切っていたのが、突然の方向転換だから、当選はするだろうが何をやらかすのやらと思っていた。
お笑いの延長かと思っていたのが、当選後の真剣度や活躍は目を見張るものが有った。有言実行で、自らの給料をはじめ、どんどんカットしたし、組合とも対峙した。財政黒字化実現のニュースが飛び込んできた時は、すごいなと思って、このブログでも書いた。
この度の選挙では府知事とのダブル、大阪都構想とハードルが高い目標を掲げて圧勝した。全国でわっと湧き上がったし、政界にも激震が走った。
日本中にセンセーションを起こした政治家として想い出させるのは小沢一郎である。むしろ、小沢が率いる新生党の方が全国に与えたインパクトは大きかった。何しろ、立候補した者が全員当選するという具合だった。
私は小沢の目指す2大政党の実現するために、選挙戦では可能な限りの時間とエネルギーを投入した。それは、力仕事から、マイクを握った街宣から、何でもやりまくった。全国的なブームの中で大勝し、細川政権が誕生した。
力のある個性的な政治家では、現在、橋本と小沢が際立っているが、中身は対照的である。個人的に小沢には思い入れも深かったが、また失望感も大きい。何を目指しているのかが分からない。
小沢が、日本を発展させるという明確な目標を追及し、あるいは理念を持って取り組んでいたら日本は確実に変わっていただろう。何しろ、小沢の力量をもってすれば何でもできたはずだ。小沢が今でも力を持つ源泉は、職人的な選挙戦術だろう。
田中角栄から引き継がれ、どぶ板選挙とも言われる。広島の某民主党議員は中心部に向かう道路の端に立って、毎日毎日手を振り続けたそうだ。しかし、民主党の議員と話していて、戦術の話は詳しいが、何を目指すのかという理念も哲学も見えてこない。
そこが、橋下は違っている。彼は常に大きな目標を掲げて戦う。だから、転換は山ほどあるだろうが、誰の目にも分かり易い。しかも、現実に日々努力して実現してゆく。大阪ではその実績を本物として評価した人も多いはずだ。
橋下は派手なパフォーマンスは少ないものの、本気でやるから激しい言動も出てきて、それが摩擦も生み、何かと騒動になり目立つ。しかし、着実に進むタイプだ。マスコミも大体支持に回っているように見受ける。
日本の沈没、でたらめの大元は官僚・公務員だから、官僚や公務員と戦わない政治家なんて、偽物だ。野田首相もそれなりに頑張っているとは思うが、物足りない。橋本は今後も、官僚や大阪市役所との役人とも戦い、既得権をはぎ取って欲しい。
橋下には、機会が有れば、是非、首相をめざし日本のリーダーになって欲しい。ここまで来たら、それは橋本の使命になりつつある。