どういう訳だか、ウナギの養殖の技術支援の仕事を受けたことが有る。私は電子情報系なので養殖に関しては何もわからない。技術支援なんてとんでもないと思っていたら、シラス(ウナギの子供)の飼育温度がぶれるので、歩留りや成長が悪いから対策して欲しいとの依頼。
そんなわけで、さるウナギの養殖場へ通うことになった。養殖場では東海大学を卒業した生物の専門家などがおられた。最初は白い目で見られた。素人に何が分かるか、という訳だ。
シラスの飼育槽の温度は当初、±2℃(deg)ぐらい振れていたが、電子制御しながら調整槽に蒸気を吹き込む方式で、ぴったりブレのない温度で制御できた。ここらから、信頼されるようになり人間関係ができてきた。ところが、理想的な温度ながら歩留りや成長は改善しなかった。
生物的な指導は高知大学の教授がやっておられ、その先生は、養殖に抗生物質を使うのはとんでもないという考えで、抗生物質を使っていなかった。ところが、養殖では抗生物質を使わないと歩留りや成長が悪いと言うことが分かってきた。
実は、養殖(漁業)では、国の管理が甘い(農業ほど厳しくない)ことも聞いた。従って、ウナギに限らず養殖では、バンバン、腐るほど抗生物質を与えている。
養殖ウナギを食べることは、抗生物質を食べることと一緒だ。普段、抗生物質を大量にとっていると、肝心な時(病気など)に効かなくなる。
そこで、我が家では、一切、養殖ものは食べないことにした。最近では、ウナギだけでなく、鯛、マグロ、ヒラメ、シマアジなどが養殖だ。あまりこんなことを書くと、養殖業者からクレームが来ると思うが、事実は事実として知っておいていただきたい。
話はそれるが、養殖場は関連会社がやっており、技術支援だけでなく、経済支援もやってくれと上から指令が来た。いくらなんでも、会計監査が有るので、変なことはできない。
誰も案を出せないし、色々、考えた末に、水質監視装置(技術支援の一端で設置していた)のメンテナンスを委託し、十分やってもらうことにした。
技術支援も経済支援もばっちりだったのに、結局、トップの判断で、養殖は中止になった。抗生物質を使わない理想的なウナギ養殖だったが残念なことではあった。
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