北京オリンピックの銅メダル以上を争った韓国戦、同点で迎えた8回に岩瀬を登板させた。岩瀬は前の試合でも打ち込まれている。何と言う采配か。ここで私はこの試合の負けを確信し、チェンネルを切り替えた。ほかのチャンネルではろくな番組が無かったが、それで我慢するしかなかった。金しかいらないと言っていた星野ジャパン=日本プロ野球代表の敗北する姿など絶対に見たくはなかった。果たして、星野ジャパンは銅メダルさえ取れずに帰国することになった。
星野ジャパンは、残念ながら、勝つための準備はできておらず、真剣さが無く、采配はお粗末なものだった。星野ジャパンに対しては全国民が酷評すべきだ。そうでなければまた同じみじめな敗北を次のWBCで世界にさらすことになる。日本の野球人がかわいそうだ。張本氏は落ち込んで当分立ち直れないと言っていた。責任は選手にもあるが、選手を選んだのも星野監督であり、星野監督の責任は非常に重い。
多分、星野監督には前回の国際大会で優勝した時の余韻が相当大きかったに違いないし、なにぶん星野監督はビッグネームになりすぎ、ハングリーさが失われている上に、現役から遠のき、久しい。全体を通して、これだけの一流選手を連れてきたのだから負けるはずがないとの慢心が有った。それは、1-0で勝ったカナダ戦の後に、「俺を殺す気か」と言ったことで伺える。カナダごときに、これだけ、しんどい思いをさせるなとの気持ちだろう。それは違うでしょう。相手は必死なんだから。それが普通であり、監督はぎりぎりでも泥臭くても何としても勝たなければならない。
そもそもの選手選びにしてからが、疑問の付くものだった。前回の国際大会では、イチローが参加した。このイチローは多分、バッティングだけでなく、チームをけん引するリーダーとして監督やコート以上の働きをしたはずだ。今回、イチローに代わる選手がいない。阪神に頭を下げても金本を連れて来るなり、手は有ったはずだ。次に、キューバ対策の投手がいない。アマチアが参加した時代には必ず下手投げの投手を用意した。キューバだけでなく外国チームには有効だったはずだ。韓国はしっかり下手投げ投手を用意していた。 4番を打った新井は病み上がりだ。調子は上向きと言いつつ、国内の実際の試合で活躍できていない。そのほかの故障者も温情で外さず北京に連れてきた。新井は怖くないし、ホームランを打ったが4番としては不十分だった。6番や7番に下げてもよかった。ほかの選手は少なからずブレーキになった。ここは現在活躍中のバリバリのスラッガーや投手を連れてくるべきだった。
再び、韓国戦の話に戻るが、ここは総力戦で行くべきではなかったのか?韓国に勝たばければ金は無い。既に一度敗北を喫している韓国に何としても勝たなければならなかった。キューバのために投手を残してどうするのか?もし韓国に勝てば、キューバに対して再び総力戦で臨めば良い。準決勝戦までの戦いを分析し、誰が通用し、誰が調子を落としているかを見極め、その時点でのベストメンバーでく見直すべきだった。
投手は調子の良いものから全員をつぎ込んでもよかった。付け加えるなら、投手は最初、軟投派もしくは技巧派でスタートしポイントやタイミングを狂わせ、次第に速度の速い投手を持って行くのが、ステージは異なるが甲子園では成功している。
最後のアメリカ戦では、勝つ気迫がまったく感じられなかった。前回のアメリカ戦では投手が善戦している。4点を取った時点で、これを守り切る継投策ができたはずだ。最初のキューバ戦から感じていたが、ずっと横綱相撲、金持ゲームだった。投手がフォアボールを出しても、何の注意も無い。「打たれても良いから力いっぱい投げろ!フォアボールを出したら交替だ!」ぐらいは言い、そのとおり実践して欲しい。バントもみっともない。横綱相撲にしてはみみっちい。バントするなら、ここ一番に取っておくべきだろう。
あまりにも、夢を打ち砕く、星野野球ではあった。星野は常に大口が先行していた。結果を出してから発言しろと言いたい。女子ソフトボールのひたむきさと一生懸命、あの上の投手のすごい頑張りが金メダルを取ったことを感じて受け止めてほしい。次のWBCに向けて、今回の経緯と結果を冷静に分析し、新たな指揮官とメンバーで準備して欲しい。