玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

「バナナ」とダラン

2017-12-14 | ワヤンのお話

「バナナ」とダラン・・・ムフフフフフ・・・とても幸せなダラン。

 ワヤン道具の中で、我々が「バナナ」と呼んでいるものがある。直径25センチ、長さ2メートルの円柱。某メーカーの発砲スチロールを積層した表面に、謎のガムテープを秘伝の方法で貼ったものである。(これ以上詳しいことは一座のトップシークレットなので教えられない)
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 年末恒例、渋谷光塾ワヤン公演が先日終わった。今年で7回目の公演、初演から6年が経ったことになるのだが、今回初めて新しくしたのが「バナナ」と呼ばれているこの道具。
 ワヤン上演ではダランはこの道具にブスブスと人形を挿し込んで、人形を自由に操る。
 バリでは本物のバナナの幹を使用するので我々は「バナナ」と呼んでいる。我々も本物のバナナの幹を植物園などから調達して上演したこともあるのだが、まずとても重いので運搬や会場の移動などにくたびれる果てる。公演終了後は生ゴミ扱いとなり、指定ゴミ袋に入る大きさに切り刻んだものを大量に出すことになるので気が滅入ってくる。だから本物のバナナの幹は滅多に使わない。
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 この我々の「バナナ」は、人形を挿す感触が本物のバナナの幹と変わらなくてとても使いやすいと、バリから来日したダランのお墨付きもいただいている。
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 今回、ボロボロになった「バナナ」を数年ぶりに新調したダランは、それはそれは嬉しそうに無邪気に喜んでいた。・・よかったね〜・・ワヤン、頑張ってね〜。 


こんな具合にブスブスとバナナに人形を挿し込んで人形を操る。
古くなったバナナはしだいに人形が挿しにくくなり、
傷んだ表面からは発砲スチロールの粉があたりに飛び散る。


新しいバナナの制作風景。
みんなで呼吸を合わせて丁寧に仕上げていく、集中力と根気がいる作業である。
気を許すと間隔が乱れてくる、少しでも乱れてしまうと全て剥がして初めからやり直す、
というのはウソで「マッいいか?」とみんな笑顔で良いことにしてしまう。ハハ


初めて挿す人形はやはり「カヨナン」。ブスッ!


左が「使用後」、右が「使用前」、中央は「・・?」
梅スタジオにて(2017.11.26)
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