練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん

2007-04-24 | 読書
三浦しをんさんの本を始めて読んだとき(『むかしのはなし』)、
この人、男かなぁ?女かなぁ?と思ったものだった。
しをんさんは女だって今ではちゃんと知っているけど、
この『まほろ駅前多田便利軒』を読んで、またまた、
「まるで男が書いているような話だなぁ」と思ってしまった。
主人公は男だし、そのハードボイルドな雰囲気といい、なんとも男らしい話なのだ。
しをんさんがBL好きだということももう知っているので、
きっと、こんな男がいたらいいなぁ・・・、こんな男と男の関係があったらいいなぁ・・・と思いながら書いているんだろうなぁ、と思う。

まほろ駅前に幼いころから暮らし、便利屋家業を営む多田。
そこにころがりこんできた昔の同級生行天。
二人ともいろんな過去があって、それはかなりふか~い傷となって心に巣くっている。
いろんな依頼がやってきて、かなりやばいことにも巻き込まれてゆくふたり・・・。

多田も行天もどちらかというと変わり者なんだけど、かなりいい男なのだ。
とくに私は行天に感情移入してしまった。
行天に惚れた???いや、違う。
私は行天のように生きたいんだ。
誰ともなじまず、孤高、という感じの行天。
自分がどう他人から思われていようとまるで気にしない。
かなり危なっかしいところもあるけれど、飄々としてその存在は風のようにその辺に漂っているかのよう。
私は行天のように生きて、多田のような人に面倒見てもらいたいのかもしれない。
そんなことを考えながら読んでいた。

この作品で直木賞を受賞したしをんさん。
しをん作品って、万人受けするものなのだろうか???とちょっと心配だったけれど、これはまぁ、誰が読んでも面白いかな?
しをんさん独特の危ない雰囲気がぎりぎりのところで押さえ込まれている・・・ような気がする。

ところで、読んでいると分かるのだが、まほろ駅っていうのが実在の○田駅をモデルにしているようだ。
その駅周辺っていうのは今日本で歌舞伎町よりもどこよりも、一番怖いところらしいと聞いたことがある。
我が家からもそんなに遠くないので、娘が「遊びに行きたい!」とか小学生のころ言っていたのだが、この話読んで、すべて真実とは言わないまでも、かなり事実に近い描写なんだろうなぁ、おお~、こわ~、絶対に子供だけで遊びになんか行っちゃダメ!とか思ってしまった。
子供がヤクの運び屋をやらされる、というストーリーもあったが、そういえば○○デパートの裏あたり、あやしい黒人さんたちがたむろしていたし、あながち作り話でもないかもしれない。


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