練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『吉原手引草』 松井今朝子

2008-05-24 | 読書
吉原で伝説の花魁、葛城。
遅咲きながらみるみる花形花魁となった彼女の身に何が起きたのか・・・。

吉原とは要するに花のお江戸の高級娼館街?
所詮殿方のお遊びになるところ・・・?と思っていたので、その内情など実のところはよく知らなかった。
そんな吉原の「手引き」書でもあるような小説である。

吉原を知ること、それはすなわちその構造を知ることだけでなく、
その中で夜毎繰り広げられる擬似恋愛、男と女の心の機微を知ることでもある。

花魁は恋の駆け引きのプロ中のプロ。
それに太刀打ちできるような大人の男でないとそこで彼女と遊ぶ資格はない。

吉原の、というよりはそんな恋の駆け引きの手引き書と言ってもいいような小説。

そして葛城の身におこったらしいおだやからなざるある事。
それがさまざまな人々の証言から明らかになってゆく。

ひじょうに面白い小説でした。
直木賞受賞、納得です。


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