美しい話、清らかな話、そんな小説を何冊か読み続けると、反動でか、邪悪な雰囲気の小説が読みたくなる。
そんなときに私はよく桐野さんの作品を読む。
この『アンボス・ムンドス』は人の心の中の悪意がこれでもかと詰まった短編集だ。
登場人物もとてつもなくイヤなヤツばかり。
ブサイクな女のトラウマ。サイテ-な男になり下がったヤツの性欲。不倫の末の結末。嫉妬、いじめ、他人を陥れる大人も子どもも・・・。
こんな酷いこと、嫌な感じ、正面きって嫌悪するほど私も清くはないので、むしろこんな小説を読むことで自分の中の汚い部分を代弁してくれているようですっきりとする。
どの話も最後がブチッと音がするようにあっけなく終わらせているのがまた薄情な感じがしてショッキングでもある。
ところで一番長い『浮島の森』であるが、私は聞きかじりでしか知ってはいないが、谷崎潤一郎とその婦人にまつわる離婚劇、修羅場がそっくりそのまま題材になっているように思えるのだが・・・。
これまた最後はあれっ?という結末となっていて、結局なにが言いたかったのだろう、としばし考えてしまった。
そんなときに私はよく桐野さんの作品を読む。
この『アンボス・ムンドス』は人の心の中の悪意がこれでもかと詰まった短編集だ。
登場人物もとてつもなくイヤなヤツばかり。
ブサイクな女のトラウマ。サイテ-な男になり下がったヤツの性欲。不倫の末の結末。嫉妬、いじめ、他人を陥れる大人も子どもも・・・。
こんな酷いこと、嫌な感じ、正面きって嫌悪するほど私も清くはないので、むしろこんな小説を読むことで自分の中の汚い部分を代弁してくれているようですっきりとする。
どの話も最後がブチッと音がするようにあっけなく終わらせているのがまた薄情な感じがしてショッキングでもある。
ところで一番長い『浮島の森』であるが、私は聞きかじりでしか知ってはいないが、谷崎潤一郎とその婦人にまつわる離婚劇、修羅場がそっくりそのまま題材になっているように思えるのだが・・・。
これまた最後はあれっ?という結末となっていて、結局なにが言いたかったのだろう、としばし考えてしまった。