篠田節子さんといえばリサーチの綿密さにいつも感心させられる。
それから、相当の音楽に関する知識、情報をお持ちだと思われる。
『ハルモニア』『マエストロ』など、篠田さんの音楽に関係する小説はどれもとても面白く読ませて頂いていたので、新刊の『讃歌』も期待して読み始めた。
読み終わった感想は・・・なんというか・・・地味・・・。
蘇った天才少女園子が真の天才ヴィオリストになってゆく小説なのかと思っていたらそうでもない。
むしろテレビ製作というサイドにいる人間が主役だったのか?
メディアという危険な媒体の与える影響、それによって大衆が動いてしまい、ひとりの人間が潰されかねないという危険性、そんなくだりはかなり興味深かった。
でも、唯一作品の中で華になるかと思われた園子が終始地味な存在で、なんともつかみ所がなく、主役がだれなのかはっきりしない。
そんな園子が実はセルフプロデュースの天才で再起を図ってすべてのことを巧妙に仕組んでいた、という流れはサスペンスっぽくて面白かったが、最後があっけなくてやはりがっかりしてしまった。
ただ思ったのは、いろいろな情報に振り回されつつも、自分が本当に感動したものというのは誰がなんと言おうと不動のものであって自信を持って「いい!」と言えればそれに越した事はないはずなんだけど、やはり肩書き、経歴みたいなものに感性が左右されてしまうような、余計な情報がすべてのことにおいて現代では多すぎるんじゃないかな、ということだった。
それから、相当の音楽に関する知識、情報をお持ちだと思われる。
『ハルモニア』『マエストロ』など、篠田さんの音楽に関係する小説はどれもとても面白く読ませて頂いていたので、新刊の『讃歌』も期待して読み始めた。
読み終わった感想は・・・なんというか・・・地味・・・。
蘇った天才少女園子が真の天才ヴィオリストになってゆく小説なのかと思っていたらそうでもない。
むしろテレビ製作というサイドにいる人間が主役だったのか?
メディアという危険な媒体の与える影響、それによって大衆が動いてしまい、ひとりの人間が潰されかねないという危険性、そんなくだりはかなり興味深かった。
でも、唯一作品の中で華になるかと思われた園子が終始地味な存在で、なんともつかみ所がなく、主役がだれなのかはっきりしない。
そんな園子が実はセルフプロデュースの天才で再起を図ってすべてのことを巧妙に仕組んでいた、という流れはサスペンスっぽくて面白かったが、最後があっけなくてやはりがっかりしてしまった。
ただ思ったのは、いろいろな情報に振り回されつつも、自分が本当に感動したものというのは誰がなんと言おうと不動のものであって自信を持って「いい!」と言えればそれに越した事はないはずなんだけど、やはり肩書き、経歴みたいなものに感性が左右されてしまうような、余計な情報がすべてのことにおいて現代では多すぎるんじゃないかな、ということだった。
生け花だって、よく知らない人が生けたものと、有名な先生が生けたものとを比べたら後者の方が価値あるものにみえたりして~。
本物を見極める能力や自信がないから?そもそも「本物」って難しい。肩書きってなんだろ?人間の知恵と、弱さと、色々なものが含まれているのかな~。
とりあえず、みんながいいって言うから・・・なんて気持ちで。
とにかく自分の目で見て耳で聞いて、「自分が好きなもの」は何なのか、よ~く考えたいですね。音楽でもなんでも・・・。