練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『求愛』 藤田宜永

2007-02-18 | 読書
本の案内みたいなところにラヴェルの「水の戯れ」とか書いてあったから気になって読んでみたんだけど・・・。
まぁ、好き好きですかね、深くは言及しませんが。

たぶん書いてあることを要約すると、男と女は、というか人間は結局はよっぽど強い人間でない限り、自分のことが一番大事で、相手のためになっていないって分かっていても自分のために分かれられないとか、弱いほう、楽なほうに流れていってしまう、みたいなことなんだと思う。

でも、そんな、う~んなんていうか・・・普遍的なことを書いてあるお話の中でも私が個人的に興味を持って読んだのはヒロインの母親が出てくるシーンだった。
娘をプロのピアニストにするためにすべてを捧げ娘に対しては厳しく辛く接する母親。鬼婆みたいに描かれているお母さんだけれど、この人の言動はすべて正しいんだろうなぁと思いながら読んでいた。
娘を本当のピアニストにするためにはこのくらい当たり前だろうし、子供に嫌われたって憎まれたってその道以外のものに目がむかないように親がコントロールするくらいのことはしないと、プロとしてやっていける音楽家はできあがらない(という言い方も変だけど)と思った。

男のところに乗り込んで行くシーンあたり、すごいイヤなばあさん、のような印象だが、当たり前だよ、と思いながら読んでいた。

フジコ・へミングさんが言ってたらしいが、彼女のお母さんもものすごい教育ママで、子供の時からはもちろん、成長してからもしばらくはお母さんのことが大キライで仕方なかったらしい。
でも、最近になってやっと、その愛情に気がついてお母さんに感謝するようになった、とコメントしていたそうだ。

そんな娘と母の対立、母親コンプレックスって、特殊な家庭でなくてもよくあることだと思う。
どっちかというと、男と女の関係とかよりもこの母と娘の対決をこの作品ではもうちょっと書いて欲しかったなぁ・・・。


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