『一瞬の風になれ イチニツイテ』 佐藤多佳子

サッカーの天才のお兄ちゃんの影響で同じくサッカーを続けていたけれど、
お兄ちゃんのいる高校に受験で失敗して、サッカーからも遠ざかった主人公が始めたのは陸上。

「走る」ことはサッカー時代から大好きだった。
でも、ストイックにひたすら、綺麗なフォームで誰よりも速く走ることにとりつかれ始めて、主人公はどんどん成長してゆく。
まさに「完璧な走り」をする幼馴染の影響を受けながら・・・。

でも、そこは高校生。気持ちも揺れ動く思春期。
その存在こそが目標でもあり、憧れでもある幼馴染が恋に落ちてしまう。
自分が、ではないところがまた気持ちの整理がつかないところだ。
恋に落ちた天才くんがそして戻ってきて・・・。

なんだか限りなく爽やか。体育会系のノリ。
きれいごとばかり書いてあると引いてしまうけど、
そんなことはなく、リアルな感じ。
佐藤多佳子さんって、その辺の加減が上手な作家さんなんだろうなぁ。

第二部、第三部と続くこの話。
続きも読まなきゃ！