Il film del sogno

現実逃避の夢日記

箱男

2024-08-24 20:12:57 | 映画
8/24(土)晴れ時々曇り一時雷雨
猛暑の上に時折雷雨があって気が抜けない。6:30起床。兄貴分との散歩を済ませて近所のファミレスで朝食と新聞精読。11:05シネコンで昨日から公開された邦画を鑑賞。場内中高年中心に5割程度と健闘の部類。原作である阿部公房の同名小説は10代に既読。当時、公房マニアの先輩と芝居『S・カルマ氏の犯罪』(1978年) を観劇して、彼の推奨する小説も一通り読んだ。前後して勅使河原宏が監督した『砂の女』『他人の顔』『燃えつきた地図』の失踪3部作も読了・鑑賞。本作監督の石井岳龍は27年前に一度頓挫した映像化に執念で再挑戦して、公房生誕100周年の今年に公開の運びとは慶賀なり。結論から先に記すが、難解さと衝撃度では文句ない年度ベストの1本。久し振りに劇場でしか得られない映像・音響体験を堪能した。そのアヴァンギャルドな質感、多様な解釈ができる世界観、常識を破壊する振り切った劇作。主要男優3名(永瀬正敏・浅野忠信・佐藤浩市)の狂気の熱演は無論良いが、ヒロイン・白本彩奈のミステリアスな魅力に刮目。子役出身らしいが、今後の活躍に期待したい。同監督では最後に観た『パンク侍、斬られて候』に少々落胆していたので完全復調に快哉を叫びたい。

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