詩 の 雫

人生の喜怒哀楽を <冠 句> に深め・・・ 

“春夏秋冬の囁き”を 爽やかな風 にのせて・・・

     

鎮魂の詩

2013年03月10日 10時14分47秒 | Weblog

    

              《  3・11 に 思いをこめて  》

     

      海潮鳴る 慟哭の傷まさびしく 

            水謳う いのち悼みて流す花

                 暮れる橋 本心堪える喪主の影

                       語り継ぐ 国を湧かせたレスキュー隊

                             青シート 地震の地獄絵眼裏に

                                

      目を拭う 寂かる波に問う命

            声やまず 核の怖さを沈沈と

                  優しい手 気負うことなくボランティア

                        記憶追う 惨い爪痕史に哭いて

                              諦めず 手探り上る坂だけど

                              

      風景画 回想の杜陽に抱かれ

            声やまず 諦めるなと煽る旗

                  人並ぶ 風化させまいいのちの灯

                        祈りこめ 折鶴飛べと息を吹く

                              雪峰顕つ どんな道にもある光芒

                           

      若い波 恐れず握る志気の櫂

            仰ぐ空 生きる手引きの星数多

                  歌に寄せ 鎮魂のミサ共鳴す

                         防風林 安住の地に咲くさくら

                               未来像 運命に負けぬ青写真

                 

                 迷い捨て 真っ赤な夕陽に映ゆあした

 

                     

 

   魔のあの日から2年過ぎました。

   そして昨日、悲しい哀しい歴史が一つ閉じました。 

   大川小学校の卒業式と大川中学校の閉校式が行われ、最後の卒業生は14人。

   亡くなった生徒二人の名前が読み上げられると、14人全員が返事をして、代表の同級生

   が卒業証書を受け取りました。 

   そして皆が歌った応援歌は 「今こそ行かん堂々と」 別れの道に、教師や保護者たちの

   すすり泣きが漏れました。 

   「大川中はなくなって寂しいが、自分達の心の中には死ぬまであり続けると思っている」

   明日へ ともに歩む生徒たちに 幸せを祈らん・・・   一日も早い復興を祈っています。

 

                 お立ち寄りいただきありがとうございます。

     

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8 コメント

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しみじみと、そして日一日と復興へ (Kenny)
2013-03-11 20:18:02
2年前の3月11日、でも昨日、今日のように目に焼き付いています。 これまで災害とは無関係な環境に住まわせていただいている私にとっても実感として切実な思いでポエムさんのブログを拝見しました。

新聞、TVと報道は多く数日前から目にしています。そして今度は冠句でこの大災害を改めて振り返ることが出来ました。冠句という私にとってはまだ慣れない分野でのことではあるとしても、向こうから目に、耳に飛び込んでくるのではなく(特にTVは)、句に使われた言葉に一つひとつに大事なことを指摘頂いている、そんな思いでじっくりと読ませて頂きました。

震災の発生時、復興へ動き出した時期のこと そして今諦めず希望を捨てずに頑張ってほしい、そんなポエムさんの思いが句から感じ取れました。

私が現役時代に仕事で一緒だった方(お得意様)が2年前に20年、いや30年ぶりに心配されて手紙をくれたお話を以前にしたと思います。今日(3月11日)そのアメリカ人のDICKさんに私も手紙で現状を報告しました(今日投函しました)。私だけにではなく日本の皆にお気遣い下さった彼と奥様の暖かい気持ちに感謝しました。

ポエムさん、ありがとうございます。Kenny

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Kennyさん (ポエム)
2013-03-12 09:18:52
日本各地で、2時46分に黙祷し、犠牲者を追悼し、鎮魂の祈りを捧げました。
癒えない涙に苦しまれている姿に、胸が塞ぐ思いでした。
今の暮らしの中にある当たり前の幸せを忘れないで、感謝の気持ちを忘れないで過ごさねばと、深く思います。
真心の篭ったKennyさんからのコメント、嬉しく思います。

いつもありがとうございます。
返信する
作句に圧倒されて (茲愉有人)
2013-03-15 23:16:36
3.11以来、はや2年が過ぎましたね。
遅々として進まぬ復興と後処理。未来に問題を山積みにしながら、
一方で、原子力ムラのうごめきも感じるこの頃です。
進展でなく、退歩じゃないかと思う局面も・・・あるのではないかと。
隠されていたごまかし事実も暴露されてくる・・・。


数多い作句に驚嘆しています。
なかでも、私の惹かれる句は・・・


海潮鳴る 慟哭の傷まさびしく 

 海潮の響きと心の傷の響きが共振共鳴し頂きに達し、
 一瞬寂しさの底に落ち込み、響きが消滅するように感じます。
 「ま」という一語に思いがこもっているようで、惹かれます。

声やまず 核の怖さを沈沈と

 この句の心象、「沈沈と」は今、どうなっているのでしょう。
 あの高まりは花火だったのか、否、深く地道に根強く拡大しているのか・・・
 改めて、脱原発を意識させられる句です。
 
未来像 運命に負けぬ青写真

 今、未来像と青写真がせめぎ合い、対立を繰り返しています。
 国も、組織も、個人も・・・それぞれの次元・局面で。
 「運命に負けぬ」ものに切り拓いていくのは、
 やはり、個の認識・自覚と意思・意志から始まるのでしょうね。
 そして、真の「連帯」と「絆」が・・・・
 そんな思いを感じています。


さて、門外漢の素人質問です・・・・

冠題は句会で出されたものでしょうか。
あるいは、上五の冠題も、ご自分で選ばれた語句があるのでしょうか。

俳句の季語は約束事で決まっているようですが、
冠句は全く制約がなく自由に選べるのですか?


ひとつ気になる言葉が・・・
「失業生」は「卒業生」・・・・文脈からそう思います。

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茲愉有人さん (ポエム)
2013-03-16 00:53:05
いつも深く冠句を読み取って下さり嬉しく思います。

「潮海鳴る 慟哭の傷まさびしく」 
これは京都のホテルで開催された所属結社の「1000号記念大会」にて主幹より秀句に採って頂いた、まさに最高の喜びの一首です。
まさびしくの「ま」に、私の溢れる思いを篭めました。共感して頂けて本当に嬉しく思います。

冠句も俳句のように、季節性は問われます。やはり季語を考慮した冠題、付け句を意識して創ります。
一年を通じ使う語彙などの場合は、全く自由に冠題を展開しますが、17文字の短詩文芸の冠句は、やはり叙情詩、余韻の残る詩だと思います。

今回の掲載句は、冠題が初めから決められたものと、私が冠題・付け句とも創った自由句も混じっています。
投稿句の中には、自分で17文字すべて創る「〇〇抄」とか「暮らしの句帳」等、自由分野もあります。これはある面、とても難しい創句だと思います。

ミス入力のご指摘有難うございます。早速訂正しました。しっかり見直したつもりがダメですね。
今日は京都へ行ってきました。人も車も多く、市内は停滞し帰宅が遅くなりました。念願の買い物が出来て、嬉しい日になりました。

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ご説明、感謝 (茲愉有人)
2013-03-16 11:00:17
そうですか、なるほど。

季節性の考慮の一方で、自由な展開での語句選び、
なかなか厳しい側面もありそうですね。
課題句と自由句の両方でしたか。

上五の語句の言葉の広がりや奥行きが、付け句のバラエティ、創作性の幅や奥行きを、俳句の季語とは違う次元で決定づけるような感じを受けています。

冠題としての言葉選びが難しいだろうなあとふと感じたので、ご質問してみたくなったのです。

素人考えでは、季語の場合、過去に累積されてきた言葉が各季節に応じて、ふんだんに準備されていますね。
自分の思いを作句する場合、リストとして既にある季語群から主体的に言葉を選択して創作するのが普通の手順だろうと思いますので。

俳句も勿論、課題としての季語を与えられて作句するということもあるのでしょうけど。

ご説明、ありがとうございます。
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茲愉有人さん (ポエム)
2013-03-16 13:37:55
拙い説明で済みません。
私も「俳句歳時記」を手元に置いて、冠句創句の時、気になる季語に目を通しています。
初心の頃は、そういった事は判らなかったのですが、段々冠句の歴史を知るようになってから、見えてきたことも少しずつですがあります。こちらこそ有難うございます。
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Unknown (花キャベツ)
2013-03-17 20:03:20
あれから2年ですね。
今年もテレビや新聞の報道はいろいろと伝えてくれますが復興の遅遅と進まない現状にいらだちを覚えます。

今回の20句は全て心にしみわたります。ポエムさんは心にかけておられるのでこのような素晴らしい句が沢山浮かんできたのだと思います。

(当方にいろいろとあり、遅くなりました。また後ほど1句1句味わいたいと思っています)
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花キャベツさん (ポエム)
2013-03-17 21:46:00
お忙しい中、本当に申し訳ありません。
決して風化させてはならない悲しく痛ましい震災の爪あとを、しっかり心に留めていこうと思います。
遠くから気持ちを寄せることしか出来ないけれど、被災者の方、亡くなられた方、未だ安否確認の出来ない方、、、ただただ自分の事として、見詰めていこうと思います。

花キャベツさん、ありがとうございます。
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