静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 条件つけて自分を売る 日ハム/大谷 ≫    ≪ 寅さん映画にみる 異種を許す寛容さ  ≫  ⇒ 自由を守る律儀さへ 

2017-12-05 09:41:37 | 時評
☆ 米大リーグ:大谷、7球団と交渉へ 米メディア報道 https://mainichi.jp/articles/20171205/k00/00m/050/037000c?fm=mnm
・ <大谷サイドはかねて投打の「二刀流」の受け入れ態勢などをアピールする書類提出を求めていた。対象を絞り込んだことで22日(同23日)の交渉期限を待たず、移籍先が決まる
  可能性が出てきた。>
・ <ポスティングシステムによる米大リーグ移籍を目指しているプロ野球日本ハムの大谷翔平(23)が少なくともマリナーズ、ジャイアンツ、パドレス、エンゼルス、レンジャーズ、
  カブス、ドジャースの7球団を候補に4日(日本時間5日)にも入団交渉を始めると3日、米メディアなどが報じた。>
 ⇒ 交渉代理人の老獪な戦術のたまものだろう。同時に、大谷選手本人(或いは彼の取り巻き含め)の姿勢も反映されていよう。此のニュースに接し、古くは元南海の村上投手の時代、
   もう少し近づいて野茂、其の後に続く日本人プレーヤーたちの渡米経緯を思い起こし、私は今更ながら、隔世の観に包まれた。

・ 「投打二刀流での雇用」「西海岸沿いの中小球団」を交渉の前提条件に最初からつけ、相手を自分の側から絞るというのは、駆け引きテクニックとしては強力な進め方だ。
  いくら交渉人や周囲の知恵があったにせよ、大谷選手本人の勝負勘は冴えている。
  このうえは、何処に入団するにせよ、登板間隔の短さ、試合数の多さ、移動距離に比例する疲労蓄積等に負けず実績を出し、此の交渉経緯が裏目に出ないよう、唯々祈るしかない。

★ フーテンの寅さんにみる:「寛容」のすすめ=玉木研二 https://mainichi.jp/articles/20171205/ddm/003/070/106000c?fm=mnm 
・ 「男はつらいよ」がロングセラー映画になれた理由として、<寅さんのようなはみ出し男にも帰る家や街を持っていた庶民生活の理想像>への郷愁に加え、
・ <寅さんはさくらや叔父夫婦にカタギの仕事に就け、と説かれる。隣の印刷工場の社長とは身も蓋(ふた)もないののしり合いになり、取っ組み合う。
  泣きながら止めるさくらとおばちゃん。商店街の人々はひしめき合うようにして家の中をのぞく。毎度の場面だ。寅さんを囲む「おせっかい」な人々。しかし寛容である。
  再び騒動を起こす彼にうんざりしつつ、気をもみ、見放さない。> ・・・・ここにみられる「寛容さ」こそ人気の原動力ではないかと玉木氏は言う。

 <いま「寛容」の度量が問われている。官民挙げて「グローバル時代」を称揚するが、異なるものへの敬意や親しみ、つまり寛容さを欠けば、募るのは排他的な違和感だ。 
  たくまずして教えてくれる「男はつらいよ」の小宇宙である。>  此の玉木氏の結語をよく噛み締め、日本の現状を振り返りたいものだ。

◆ 「寛容さ」とは、自分と異なるモノ<人間/思想>の存在を(生理的な好き嫌いは押し殺し)批判したり、妨害しないことだ。異民族・異文化・異言語、およそ自分が慣れ親しんだモノ
  すべてに自分と同じ「存続の権利と自由」があるのを認めることでもある。 だから、民族差別やヘイトスピーチなどで異なるヒトやモノの「自由」を直接・間接とわず妨害/否定
  する人間に「寛容さ」「自由」「人権」を語る資格は無い。  私は、マスメディアで右翼/国粋/排外思想を喧伝している作家/コラムニスト/評論家といった輩のことを指している。 
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