財務省の近現代史

財務省の近現代史（「財務省と国民の歴史健忘症」の続き）　　倉山満氏の講演より文字起こし
プロローグ（軍部って何？）

日本人は歴史を、過去を忘れていないでしょうか？
最近、自民党がインフレターゲット導入と日銀法改正を言い出しました。
これは喜ばしいことなんでしょうか？
これに喜んでいる人はリフレ派（緩やかで安定的なインフレを目指す）の中でも
かなりおめでたい人でしょう。
では、大震災の二日後に増税を言い出したのは誰だったでしょう？
そうです。与党より前に野党第一党の谷垣さんが言い出したのです。

震災の直後に「今すぐ増税しましょう」

最悪の総理「菅総理」ですら、そのときは思いとどまったのです。
その谷垣さんが今更日銀法改正だのインフレターゲットだの言い出しても
風向きが変わってきたので選挙目当てで言い出したのか？ってなもんでしょう。
現象面だけ取り上げて、その点だけ見ていたらいいこと言ってるなとなります。
点ではなくて歴史の中で位置づけていくとやはりこの人は信用できないでしょう。

　明治維新の時、大久保利通は徳川慶喜に対して徹底的な不信感を持っていて、
「彼を信じてはいけない」と常に思っていました。「何をしたらいいか？」というのは未来が見えない限り分かりません。
しかし、「何をしたらいけないか？」は歴史を通じて学ぶことができるのです。
歴史を一つづつ検証することによって、
いきなり正解は解らないかもしれないけれど、「間違ったことをやらないこと」という地道な作業を通じて日本の未来が照らせるのではないでしょうか？

　日本には、過ちを認めるのならまだいいが、過ちを無かったことにする人が多いようです。
　今、日銀包囲網が非常に狭まってきました。アメリカもインフレターゲットを導入し始めました。
とうとう日銀もさんざん抵抗した後に１％のインフレターゲットを言い始めました。
１％インフレターゲットではデフレターゲットとかわりませんので、
むしろインフレターゲットをさせないためのデフレターゲットと見なせると思われます。

　しかし、財務省と日銀は一体になって、間違った経済政策を推進して、
増税のことしか頭になくて日本を苦しめている悪い一味なんだという考え方を持たれている方が多いようですが、
そうではありません。
財務省は政治に勝てないだけなんです。一番悪いのは日銀なんです。財務省の中でも考え方は割れています。
財務省と日銀は一体ではありません。そもそも日銀なんて財務省から見ると植民地であって、
昔の使用人に足蹴にされている状態なんです。なぜ財務相がこんなになってしまったのでしょうか？。
財務省大蔵省の歴史を見ていくと、政治圧力との戦いなんです。大蔵省のイメージは東大法学部を出たエリート、
キャリア官僚ばかり。一方で税金を集めて使うという当たり前の仕事、この仕事は戦前も今も衆議院に握られています。
いかに大蔵省がスーパーパワーであっても政治との関係を抜きに彼らのことは何も見えてきません。
予算は国家の意思、国家権力そのものです。ところが大蔵省は近現代史においてほとんど語られることがありませんでした。
大蔵省は何も考えずに増税だけしたがっている役所なんだというイメージは全くの間違いであります。

なぜ健全財政が必要なのでしょう？
時に増税が必要なのでしょう？

明治の話で例えると、日清日露戦争、特に日露戦争は外債、
外国からの借金によって賄った戦争でした。
外債が多い場合、「いざ戦争になったときに借金の方が多かったら戦えるのか？」
これは山県有朋の台詞です。若槻礼次郎にそう諭したのです。
増税は戦争するのと同じ感覚なのです。
富国強兵と言う言葉があります。
日本史の教科書に強兵の話は出てきますが、
「富国」はあまり目にしません。「富国」つまり税金を各藩ばらばらに取るのではなくて東京の中央政府一カ所に集める。
これがなければ強兵もなかったはずなのです。
つづく

☆お知らせ
営業日の午後12時～午後４時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
フィラリアの予防を開始しましょう。


9月の予定

秋の健康診断を実施します。
対象：全ての健康な猫ちゃんワンちゃん。
期間：9月3日（月）～15日（土）の二週間、日曜はお休みです。
費用：1回5000円
内容：検便、検尿（容器を差し上げます）、レントゲン二枚（胸または腹）、エコー（胸及び腹）
ご注意：前日までに要予約。予約当日午前中に、食事を6時間以上抜いた状態でお連れください。
夕方4時以降にお返しします。
後日郵送で報告いたします。

9月23日（金）、24日（土）の2日間は獣医師不在のため診療はお休みします。
スタッフは常駐しています。営業内容はお尋ねください。ご迷惑おかけします。