20年ぶりに金沢に立ち寄りました。
最近関心を持っている「創造都市 Creative City」という目でこの都市に起こっていることを見てみようと思ったわけです。
いきなり駅前にもてなしドームが登場します。少々やりすぎではないかという気がしましたが、一連の「文化をテーマにして市民と元気にやっていこう」的なプロジェクトを見た跡では、これぐらいの強いインパクトも良しとすべきかと思えてきます。
泉鏡花記念館など駆け足でいろいろ見たのですが、印象の強さからまず21世紀美術館。
いきなり美術館らしからぬバザール的雰囲気が出現します。中に入っても、外で市民が楽しむ様子が見えます。中の展示も話題のプール(Leandro Erlich)など飽きさせないものばかりでした。現代美術、あるいは美術館のイメージを変えるものになっているようです。
次に見たのが古い紡績工場を市民が24時間使える工房に改造した金沢市民芸術村。ちょうど児童館のお祭りをやっていたので中を自由に見ることができました。飾らない、活動の場としてのデザインに好感が持てます。外には大きな木。これも子供たちの自由な想像・創造の場になっていました。
駆け足見学の最後は大野のくらくらアートプロジェクトです。
大野は金沢の港でかつては北前舟で栄えたそうです。今は醤油と漁業の町。
醤油蔵や立派な町家をアーティストや市民が楽しんで使っています。クリエーティブシティだ何だとは言いますが、まずは、市民が楽しんで生き生きと暮らすというところが基本ということでしょう。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani