昭和のまち青梅を歩いてみるとには懐かしい風景にいろんなところで出会います。先日10分ほど時間が空いたので青梅駅の西側を急いで歩いて探索してみました。
その日は不思議なねこの路地に遭遇しました。半間ほどしかない狭い路地がかね折になってつながっています。それだけでも面白いのですが、路地のいたるところに猫がいます。絵の中だったり、彫刻のようだったり、レリーフだったりと、さまざまなかたちで登場します。
インターネットで検索すると青梅は猫をテーマにしたまちづくりをしています。地元で暮した赤塚不二夫の愛猫菊千代?にもちなむようです。萩原朔太郎の散文詩「猫町」は現実と幻想の境を失わせるように心を不安にさせるところがありますが、この路地も人の姿が見えず猫にしか出会わないまま奥へ奥へと進んでいる先に何があるのか、いささか怖い気もしなくもありません。何か白昼夢のような感もあります。残念ながらその日は時間がなかったので、路地を踏破することはあきらめ、途中で現実の世界に引き返しました。
今度時間があるときには路地を最後まで歩いてみることにしましょう。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani