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【ロイター】 5月8日20:20分、""EVトラック用の「eハイウエー」、ドイツで運用開始""

2019-05-09 23:00:38 | ドイツ;政治、経済/投資、文化、歴史、美術…

① ""EVトラック用の「eハイウエー」、ドイツで運用開始""

(電車のような仕組みを通じトラックに電力を供給するシステムの運用がドイツで始まった/Silas Stein/picture alliance via Getty Images)

 

  ロンドン(CNN Business) 高速道路に高架線を張り、電気自動車(EV)トラックに電力を供給する「eハイウエー」システムの運用が、ドイツのフランクフルト近郊で始まった。

ドイツ政府の発表によると、フランクフルト空港と近くの工業団地を結ぶ10キロの区間が7日に開通した。

独シーメンスがシステムを構築し、ドイツ政府が7000万ユーロ(約86億円)をかけて専用のトラックを開発した。

トラックは上部の特殊な装置を通して電力を受け取り、最大時速90キロで走行する。一般道ではハイブリッド車として走り、高架線が使える道路をセンサーで感知する。

シーメンスによると、eハイウエーは鉄道のエネルギー効率とトラックの利便性を兼ね備えた輸送手段と位置付けられ、温室効果ガスの排出量も大きく減らすことができる。燃料費の節減効果は10万キロ当たり2万ユーロに及ぶとされる。

既存の道路網に組み込む形で設置することができ、ドイツでは近くさらに2カ所で運用が始まる予定だ。

トラック輸送は石油需要の伸びが最も速い分野とされ、2050年までに世界で増加する二酸化炭素(CO2)排出量の15%を占めると予想されている。eハイウエーのようなプロジェクトは鉄道の活用やEVの普及と並び、排出量削減に大きく貢献することが期待される。

ドイツのほかにスウェーデンや米ロサンゼルス近郊でも、同様の技術を使った小規模な試験が実施されている。

 

 

 


【CNN】 5月9日17:00分、""ブラジル大統領、銃規制を緩和 「保持は個人の権利」""

2019-05-09 22:50:27 | ブラジル;政治、経済、犯罪・汚職、大統領、文化、歴史、美術…

① ""ブラジル大統領、銃規制を緩和 「保持は個人の権利」""


【国立天文台】 過去記事 ; 5月9日22:30分、""スターバースト心臓部で見えてきた熱い“分子の密林”""

2019-05-09 22:35:31 | 🚀🛰宇宙 ; 人類のロマンと挑戦、国立天文台、JAXA、NAS各国・宇宙開発…

① ""スターバースト心臓部で見えてきた熱い“分子の密林”""

2017.11.06     

概要

  非常に活発に星を生み出しているスターバースト銀河は、多量のガスや塵(星間物質)に覆われており、その心臓部がどのような環境になっているかを探ることは容易ではありません。

    東京大学大学院理学系研究科の安藤亮大学院生、国立天文台の中西康一郎特任准教授、東京大学大学院理学系研究科の河野孝太郎教授らの研究グループは、非常に高い空間的な分解能・感度を誇るアルマ望遠鏡を用いて、約1100万光年先にあるスターバースト銀河NGC 253を観測しました。

    その結果、従来は星間物質の大まかな分布しか見えていなかったスターバースト心臓部に、活発に星を生み出している星間物質の塊が8個並んでいる姿を捉えることに成功しました。またこれらの塊では、見つかる分子の種類や信号の強さが異なることが初めて明らかになりました。

    さらに一つの塊では暖められた多種の分子ガスからの放射(分子輝線)がスペクトルを隙間なく埋め尽くす、熱い“分子の密林”といえる特異な状態になっていることも明らかになりました。銀河系外で“分子の密林”が観測されたのは初めてです。

     現在アルマ望遠鏡では、同じスターバースト銀河をより幅広い波長帯で観測するプロジェクトが始動しています。宇宙の星形成の歴史における主要なプレイヤーであるスターバースト銀河に秘められた多様な環境が、さらに詳細に解明されていくことが期待されます。

このプレスリリースは、東京大学より主導発表されたものです。

 (欧州南天天文台VISTA望遠鏡で撮影したスターバースト銀河NGC 253と、アルマ望遠鏡による観測で得られたその中心部のスペクトル。さまざまな分子が放つ電波が隙間なく並んでいることがわかります。 Credit: ESO/J. Emerson/VISTA, ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Ando et al. Acknowledgment: Cambridge Astronomical Survey Unit)

 

研究の背景

宇宙には様々な銀河が存在していますが、中でもとりわけ活発に星を生み出している銀河は、スターバースト銀河(爆発的星形成銀河)と呼ばれます。宇宙の中で星が生まれ、銀河が形作られてきた歴史を探る上では、その主要なプレイヤーであるスターバースト銀河の性質を明らかにすることが不可欠です。

スターバースト銀河の心臓部には、多量の星間物質(ガスや塵 [1] 宇宙は真空に近い空間ですが、ごく希薄なガスや塵(固体の微粒子)が漂っており、これらを総称して星間物質と呼びます。こうした星間物質は星の材料となり、特に低温の星間物質が高い密度で集まった場所は星が生まれる現場となります。

研究内容

東京大学大学院理学系研究科の安藤亮大学院生(修士課程2年)、国立天文台の中西康一郎特任准教授、及び東京大学大学院理学系研究科の河野孝太郎教授らの研究グループは、約1100万光年先にあるスターバースト銀河NGC 253を、アルマ望遠鏡を用いてサブミリ波という電波で観測しました。NGC 253はスターバースト銀河の中では地球からかなり近く、これまでにも様々な望遠鏡で多くの研究がなされてきました。本研究ではアルマ望遠鏡を用いることで、サブミリ波の観測としてはかつてない高い分解能と感度を同時に実現することができました。

アルマ望遠鏡の画像は、スターバーストの心臓部での星間物質の分布を鮮明に描きだしました。活発に星を生み出す星間物質の塊が8個並んでいて、塊の直径はいずれも30光年ほどです。それぞれの塊のスペクトル [2] 電磁波の周波数(または波長)ごとの強度分布を「スペクトル」と呼びます。プリズムに太陽光を通した時に生じる虹色の帯もスペクトルの一例です。このように、さまざまな周波数の電磁波が混ざっている状態から、各周波数の電磁波へと分解してスペクトルを描く操作が「分光」です。電波観測の場合、天体からの電波を分光することで得られるスペクトルには、特定の周波数に分子が放つ電波(分子輝線)が見られる場合があります。スペクトル中のこうした輝線の周波数や強さを調べることで、存在する分子種やその量などの情報を得ることができます。

(スターバースト銀河NGC 253心臓部のアルマ望遠鏡による電波強度画像(右下)とスペクトル(左)(NGC 253の可視光画像(右上):ESO)。アルマ望遠鏡によって、ダスト(塵)の分布がかつてない高分解能で描き出され、活発に星を生み出す星間物質の塊が8個並んでいる様子が見えてきました。一見似通った塊のスペクトルを詳しく見てみると、塊1(左上)では多種の分子からの輝線がスペクトルを隙間なく埋め尽くす“分子の密林”となっている一方、塊5(左下)では見つかった分子の種類は少なく、輝線のまばらな“分子のサバンナ”ともいえる環境にあることが分かりました。 Credit: ESO, 安藤亮(東京大学), ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

 

    ある塊(図中の塊1)では、チオホルムアルデヒド(H2CS)やプロピン(CH3CCH)、さらには複雑な有機分子の一種である酢酸(CH3COOH)など、多種多様な分子からの輝線が検出されました。ここで検出された分子・原子の種類は19種、輝線の数は37本に及び、しかもこれら輝線はスペクトル全体を隙間なく埋め尽くしています。このような“分子の密林”ともいうべき特異な環境は、銀河系外では初めて確認されました。

  対照的に別の塊(塊5)では、スペクトル上の分子輝線はまばら、すなわち分子の種類はかなり少なく、複雑な有機分子も見つかりませんでした。“分子の密林”と対比させるならば、この塊は木がまばらな草原地帯のような“分子のサバンナ”と言えるかもしれません。このように、わずか数十光年程度の間隔で隣り合った塊が、これほどに個性豊かである様子は、従来のスターバースト銀河の観測では決して見ることができなかったものです。

また、一般に星の生まれる分子雲は-260℃以下という非常に低い温度にありますが、今回見つかった“分子の密林”(塊1)では、分子ガスの一種である二酸化硫黄(SO2)ガスの温度が、約-180℃という分子雲としては高い値でした。暖かい分子ガスと豊かな化学組成を示すこの熱い“分子の密林”では、生まれたばかりの星を取り囲む暖かい分子ガスの雲(ホットコア [4] 星が生まれる現場である分子雲は、一般に-260℃という非常に低い温度であるため、分子の一部は固体の状態で存在しています。しかし星が生まれると、その星が発する光によって周囲の星間物質が暖められ、固体だった分子が気化します。これにより、加熱された大量の分子ガスが生まれたばかりの星を取り囲むようになります。このような暖かい分子の雲はホットコアと呼ばれます。

本研究の意義と今後の見通し

本研究により、従来の望遠鏡では観測が難しかったスターバーストの心臓部に、熱い“分子の密林”をはじめとする、個性豊かな星間物質の塊が共存していることが明らかになりました。これはアルマ望遠鏡の高い威力を証明する成果であると同時に、宇宙全体での星生成の歴史を牽引してきたスターバースト銀河に、まだまだ我々の知らない複雑な素顔があることを示すものでもあります。現在、アルマ望遠鏡を用いて同じスターバースト銀河NGC 253を様々な波長で観測する国際プロジェクトが進行中であり、本研究グループも参加しています。より多岐に及ぶ分子輝線の大規模観測を通して、スターバースト銀河に秘められた多様な環境、そして熱い“分子の密林”の正体がより詳細に解明されていくことが期待されます。

論文・研究チーム この研究成果は、Ando et al. “Diverse nuclear star-forming activities in the heart of NGC 253 resolved with 10-pc-scale ALMA images”として、米国の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に2017年11月に掲載されました。

この研究を行った研究チームのメンバーは、以下の通りです。 安藤亮(東京大学)、中西康一郎(国立天文台/総合研究大学院大学)、河野孝太郎(東京大学)、泉拓磨(国立天文台/東京大学)、Sergio Martín(欧州南天天文台/合同アルマ観測所)、原田ななせ(中央研究院天文及天文物理研究所)、高野秀路(日本大学)、久野成夫(筑波大学)、中井直正(筑波大学)、菅井肇(東京大学)、徂徠和夫(北海道大学)、濤崎智佳(上越教育大学)、松林和也(国立天文台)、中島拓(名古屋大学)、西村優里(東京大学/国立天文台)、田村陽一(名古屋大学/東京大学)

この研究は、日本学術振興会科学研究費補助金(No. 15K05035、25247019)の支援を受けて行われました。

   [ + ]

[1] 宇宙は真空に近い空間ですが、ごく希薄なガスや塵(固体の微粒子)が漂っており、これらを総称して星間物質と呼びます。こうした星間物質は星の材料となり、特に低温の星間物質が高い密度で集まった場所は星が生まれる現場となります。
[2] 電磁波の周波数(または波長)ごとの強度分布を「スペクトル」と呼びます。プリズムに太陽光を通した時に生じる虹色の帯もスペクトルの一例です。このように、さまざまな周波数の電磁波が混ざっている状態から、各周波数の電磁波へと分解してスペクトルを描く操作が「分光」です。電波観測の場合、天体からの電波を分光することで得られるスペクトルには、特定の周波数に分子が放つ電波(分子輝線)が見られる場合があります。スペクトル中のこうした輝線の周波数や強さを調べることで、存在する分子種やその量などの情報を得ることができます。
[3] 分子のエネルギー状態はとびとびの準位を持っており、分子があるエネルギー状態から別の状態へと遷移する際には、そのエネルギー差に相当する特定の周波数の電磁波を放出します。この際に分子から放たれる電磁波は分子輝線と呼ばれます。各分子がそれぞれ異なる特定の周波数において輝線を放つことから、逆に観測された輝線から分子種を知ることができます。
[4] 星が生まれる現場である分子雲は、一般に-260℃という非常に低い温度であるため、分子の一部は固体の状態で存在しています。しかし星が生まれると、その星が発する光によって周囲の星間物質が暖められ、固体だった分子が気化します。これにより、加熱された大量の分子ガスが生まれたばかりの星を取り囲むようになります。このような暖かい分子の雲はホットコアと呼ばれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【bloomberg】 5月9日13:50分、""止まらないNT倍率の上昇、日経平均で見えない日本株の深刻さ""

2019-05-09 21:05:12 | 経済;投資、負け犬個人投資家の必死の反撃、統計・CP/AIを活用…

(東京証券市場ボード)

 

  ① ""止まらないNT倍率の上昇、日経平均で見えない日本株の深刻さ""

  • 9日は13.8倍に上昇、輸送用機器の下落もTOPIXを押し下げ            
  • 日銀ETF買い・海外勢売りがNT倍率の押し上げ要因-みずほ証            
An employee looks at monitors at the Tokyo Stock Exchange (TSE), operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX), in Tokyo, Japan, on Tuesday, May 7, 2019. Trading resumed Tuesday after a 10-day Golden Week holiday with a slew of news for investors to process.                
An employee looks at monitors at the Tokyo Stock Exchange (TSE), operated by Japan Exchange Group Inc. (JPX), in Tokyo, Japan, on Tuesday, May 7, 2019. Trading resumed Tuesday after a 10-day Golden Week holiday with a slew of news for investors to process.
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
 
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
    

東京株式市場では日経平均株価にTOPIXが劣後する状況が強まっている。世界景気への警戒から日本株全般が売られ、日経平均から見える「景色」と実体は異なっている。

  日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率は9日に一時13.8倍まで上昇し、少なくとも2000年以降で最高値を更新した。米国と中国との通商摩擦激化への懸念が強いところに、トヨタ自動車やホンダ、いすゞ自動車といったTOPIX業種ウエート3位の輸送用機器で業績失望材料が相次ぎ、TOPIXの下げが大きくなっている。

(NT倍率の推移/チャート)

 

  みずほ証券投資情報部の中村克彦シニアテクニカルアナリストは「海外勢は日本株に対して昨年から戻り売り姿勢にある。米中摩擦を含めた世界景気への懸念がある中で、稼ぐ力を示すROE(株主資本利益率)の低さから日本株を評価しておらず、日本株全般を売り浴びせている」と指摘。ただ日経平均は「日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れに伴う一部品薄株の株券が足りなくなるなどトリッキーな動きが影響し、思ったほど下がらない」とNT倍率の上昇を分析している。

  足元では「4月以降に日経平均への寄与度が高い半導体や値がさ株が買われ、日経平均優位・TOPIX劣勢の流れとなった」ことも一因と同氏は付け加えた。

(米中貿易協議への警戒感から下値模索が続く日本株 Photographer: Toru Hnai/Bloomberg)

 

    TOPIXは投資家の中期的な採算ラインである200日移動平均線を昨年10月以降に下回ったままで、今月8日には75日線も割り込んだ。これに対して日経平均は4月中旬から5月7日まで200日線を一時回復した。中村氏は「世間一般が見がちな日経平均は横ばいで見える景色は違うが、TOPIXが今の日本株を物語っている。TOPIXが2018年1月を起点としたダウントレンドにある以上、NT倍率の上昇はまだ続く」とみている。

 

 


【bloomberg】 5月9日00:29分、""関税合戦が再燃か、今週の米中貿易交渉で想定される4つのシナリオ""

2019-05-09 20:49:22 | アメリカ;政治、経済、企業、人物、銃による犯罪・悲劇、文化・歴史、美術…

 

① ""関税合戦が再燃か、今週の米中貿易交渉で想定される4つのシナリオ""

            2019年5月9日 0:29 JST        
  • 劉鶴副首相ら中国代表団が9日からワシントン訪問、貿易交渉再開            
  •   米国は10日に中国製品2000億ドル相当への関税を引き上げる方針            
The Mediterranean Shipping Co. (MSC) Eloane container ship makes berth at the Port of Los Angeles in Los Angeles, California, U.S., on Wednesday, March 13, 2019. The Eloane is the largest container ship to ever call in the U.S. At 1,312 feet long and 193 feet wide, it can carry 19,500 containers.                
The Mediterranean Shipping Co. (MSC) Eloane container ship makes berth at the Port of Los Angeles in Los Angeles, California, U.S., on Wednesday, March 13, 2019. The Eloane is the largest container ship to ever call in the U.S. At 1,312 feet long and 193 feet wide, it can carry 19,500 containers.
Photographer: Tim Rue/Bloomberg
 
    トランプ米大統領が中国製品に対する関税引き上げを警告したことで、今週の米中貿易交渉は緊迫の度を増した。米中の貿易摩擦が深刻化し、世界経済もその渦に巻き込まれるかどうかは、劉鶴副首相率いる中国代表団がワシントンを訪問して行う9日と10日の交渉にかかっている。

(中国の劉鶴副首相(2019年4月)撮影:Andrew Harrer / Bloomberg)

 

    交渉結果で想定される主なシナリオは以下の通り。

 
 ① 関税引き上げ、交渉継続

  ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は10日午前0時1分に中国製品2000億ドル(約22兆1300億円)相当に対する輸入関税率を10%から25%引き上げると発言した。一方で交渉継続の意思も示唆している。

  事情に詳しい関係者によると、トランプ大統領が脅しを実行に移す場合に備え、中国は米国からの輸入品に対する報復関税を準備している。とは言え中国側も、交渉の席を離れるつもりはない。
 
  奇妙な均衡状態と言えるが、それを単に維持する可能性はある。双方とも成長を腰折れさせるほどの長期的で全面的な貿易戦争は望んでいない。2020年11月の米大統領選で再選を狙うトランプ氏にとって、通商合意を成立させる誘因は日に日に増している。

  ワシントンのシンクタンク、Rストリート・インスティチュートの貿易政策専門家、クラーク・パッカード氏は、関税引き上げが今週行われれば「双方とも怒って席を立つ」かもしれないとしつつ、「米中は世界の2大経済国だ。冷却期間を置いて交渉に戻るだろう」と予想した。

② 関税引き上げ、交渉決裂

  両国がお互いに追加関税をちらつかせる中で、交渉を決裂させることの危険度は間違いなく上昇している。国際通貨基金(IMF)の試算によると、全面的な貿易戦争に至る場合、国内総生産(GDP)成長率は米国が年0.6%、中国が1.5%のマイナス成長となる可能性がある。        

  MUFGユニオンバンクのチーフ金融エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「自分が考える最も可能性の高いシナリオは、最終的な解決は当面見られないというものだ」と指摘し、「交渉では一方の国に運営方法の変更を迫っている。米国に資本主義をやめろと言っているようなものだ」と語った。

③ 関税引き上げの延期

  合計3600億ドル相当の製品に追加関税を課し合った米中は、昨年12月1日から関税引き上げを保留している。金融当局が姿勢をハト派寄りに移したこともあり、この関税合戦の休戦は米国株の上昇を後押しした。トランプ大統領は上昇相場を終わらせたくないはずだ。交渉が前向きな展開を見せれば、関税引き上げを延期する可能性がまだあるかもしれない。

   レイモンド・ジェームズ・アソシエーツの米政治担当マネジングディレクター、エド・ミルズ氏は「今週の基本シナリオは、関税引き上げを延期する方策を米中が見いだすというものだ」と述べた。

④ 原則合意

  関税引き上げを警告する前、トランプ大統領は中国との通商合意に楽観的な見方を示していた。大統領がその気になるなら原則合意は意外に早く達成される可能性があり、恐らく習近平国家主席との電話会議を経て決まるだろう。

  ただ、その場合でも最終的な承認にはトランプ氏と習氏の直接会談が必要になる公算が大きい。合意が署名された後も、貿易不均衡の是正に成功したかどうかを見極めるには数年を要する。敵対関係が再燃する恐れはそう簡単に消えることはないだろう。

  レイモンド・ジェームズのミルズ氏は「より大きな疑問は、果たして合意が可能なのか、その合意は持続できるのかだ。そこに常に疑問符が付く」と指摘する。

原題:Tariff War Renewed? How U.S.-China Talks Could Play Out (1)(抜粋)