こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
昨日と同じような蒸し暑い日になりました。ラジオやTVの天気予報によると、明日、明後日に梅雨が明けるようですが、未だに太平洋高気圧が現れないので、いつもと違った夏になりそうです。
さて、今回は2009年ジュニア数学オリンピック予選に出題された図形問題です。
問題は、
「一辺の長さが1の小立方体が8つある。これらを重ねて、下図のように一辺の長さが2の立方体を作った。このとき、もとの小立方体の頂点と一致する点を2点以上通るような直線は空間内に何本あるか。」
です。
▲問題図
早速、取り掛かりましょう。
小立方体の頂点を2点以上通る直線は、小立方体の頂点を2点通るものと3点通るものだけで、4点以上通るものはありません。
そこで、一辺の長さ2の立方体(以下、大立方体)の頂点、辺の中点、面の中点から、その他の1点および2点を通る直線をそれぞれ勘定することにしましょう。
●大立方体の頂点とその他の1点を通る直線の数
図1のように、大立方体の頂点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は12本です。
▲図1.大立方体の頂点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の頂点は8個あるので、この条件を満たす直線の数は、12×8=96本です。
●大立方体の頂点とその他の2点を通る直線の数
図2のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は7本です。
▲図2.大立方体の頂点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、7×8=56本です。
●大立方体の辺の中点とその他の1点を通る直線の数
図3のように、大立方体の辺の中点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は18本です。
▲図3.大立方体の辺の中点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の辺の中点は12個あるので、この条件を満たす直線の数は、18×12=216本です。
●大立方体の辺の中点とその他の2点を通る直線の数
図4のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は3本です。
▲図4.大立方体の辺の中点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、3×12=36本です。
●大立方体の面の中点とその他の1点を通る直線の数
図5のように、大立方体の面の中点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は16本です。
▲図5.大立方体の面の中点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の面の中点は6個あるので、この条件を満たす直線の数は、16×6=96本です。
●大立方体の面の中点とその他の2点を通る直線の数
図6のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は1本です。
▲図6.大立方体の面の中点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、1×6=6本です。
以上を合計すると、直線の数は、96+56+216+36+96+6=506本になりますが、これは2度重複して数えているので、求める答えは、506÷2=253本になります。
27個の小立方体の頂点から2点選ぶ場合の数から重複するものを差し引く解き方もあります。興味のある人は調べてみてください。
昨日と同じような蒸し暑い日になりました。ラジオやTVの天気予報によると、明日、明後日に梅雨が明けるようですが、未だに太平洋高気圧が現れないので、いつもと違った夏になりそうです。
さて、今回は2009年ジュニア数学オリンピック予選に出題された図形問題です。
問題は、
「一辺の長さが1の小立方体が8つある。これらを重ねて、下図のように一辺の長さが2の立方体を作った。このとき、もとの小立方体の頂点と一致する点を2点以上通るような直線は空間内に何本あるか。」
です。
▲問題図
早速、取り掛かりましょう。
小立方体の頂点を2点以上通る直線は、小立方体の頂点を2点通るものと3点通るものだけで、4点以上通るものはありません。
そこで、一辺の長さ2の立方体(以下、大立方体)の頂点、辺の中点、面の中点から、その他の1点および2点を通る直線をそれぞれ勘定することにしましょう。
●大立方体の頂点とその他の1点を通る直線の数
図1のように、大立方体の頂点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は12本です。
▲図1.大立方体の頂点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の頂点は8個あるので、この条件を満たす直線の数は、12×8=96本です。
●大立方体の頂点とその他の2点を通る直線の数
図2のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は7本です。
▲図2.大立方体の頂点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、7×8=56本です。
●大立方体の辺の中点とその他の1点を通る直線の数
図3のように、大立方体の辺の中点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は18本です。
▲図3.大立方体の辺の中点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の辺の中点は12個あるので、この条件を満たす直線の数は、18×12=216本です。
●大立方体の辺の中点とその他の2点を通る直線の数
図4のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は3本です。
▲図4.大立方体の辺の中点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、3×12=36本です。
●大立方体の面の中点とその他の1点を通る直線の数
図5のように、大立方体の面の中点●と●を結ぶ直線は小立方体の2点を通る直線になり、その数は16本です。
▲図5.大立方体の面の中点とその他の1点を通る場合
一方、大立方体の面の中点は6個あるので、この条件を満たす直線の数は、16×6=96本です。
●大立方体の面の中点とその他の2点を通る直線の数
図6のように、●と●を結ぶ直線は小立方体の3点を通る直線になり、その数は1本です。
▲図6.大立方体の面の中点とその他の2点を通る場合
したがって、この条件を満たす直線の数は、1×6=6本です。
以上を合計すると、直線の数は、96+56+216+36+96+6=506本になりますが、これは2度重複して数えているので、求める答えは、506÷2=253本になります。
27個の小立方体の頂点から2点選ぶ場合の数から重複するものを差し引く解き方もあります。興味のある人は調べてみてください。