東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

ジュニア数学オリンピックの簡単な問題(26)

2016-07-15 13:19:28 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

昨夕の雷雨のあと、ぐっと涼しくなり、今日昼過ぎの東久留米の気温も23℃で快適です。天気図では梅雨前線が頑張っていて、しばらくぐずついた天気が続くようです。

さて、今回は2012年ジュニア数学オリンピック予選に出題された整数問題を取り上げます。

問題は、
「A君は1歩につき2段ずつ階段を昇り、B君は1歩につき5段ずつ階段を昇る。ただし2人とも、階段の最後の何段かがこの段数に満たない場合は1歩で昇る。ある階段をA君とB君が昇ったところ、かかった歩数の差は6歩であった。この階段の段数として考えられる値をすべて求めよ。」
です。

早速、取り掛かりましょう。

階段を、A君は1歩で2段、B君は1歩で5段昇るので、階段の段数Nを、N=10n+k (0≦k≦9、nとkは非負の整数)とすると都合がよさそうです。

そこでkについて場合分けして、A君とB君の歩数を調べると、

(1)N=10nの場合
A君の歩数:10n/2=5n
B君の歩数:10n/5=2n

(2)N=10n+1の場合
A君の歩数:5n+1
B君の歩数:2n+1

(3)N=10n+2の場合
A君の歩数:5n+1
B君の歩数:2n+1

(4)N=10n+3の場合
A君の歩数:5n+2
B君の歩数:2n+1

(5)N=10n+4の場合
A君の歩数:5n+2
B君の歩数:2n+1

(6)N=10n+5の場合
A君の歩数:5n+3
B君の歩数:2n+1

(7)N=10n+6の場合
A君の歩数:5n+3
B君の歩数:2n+2

(8)N=10n+7の場合
A君の歩数:5n+4
B君の歩数:2n+2

(9)N=10n+8の場合
A君の歩数:5n+4
B君の歩数:2n+2

(10)N=10n+9の場合
A君の歩数:5n+5
B君の歩数:2n+2

になります。

続いて(1)から(10)の場合について、A君とB君の歩数の差が6を使ってnおよびNを計算すると、
(1) 5n-2n=3n=6          ⇒ n=2 ⇒ N=20
(2) 5n+1-(2n+1)=3n=6    ⇒ n=2 ⇒ N=21
(3) 5n+1-(2n+1)=3n=6    ⇒ n=2 ⇒ N=22
(4) 5n+2-(2n+1)=3n+1=6 ⇒ n=5/3 ←不適
(5) 5n+2-(2n+1)=3n+1=6 ⇒ n=5/3 ←不適
(6) 5n+3-(2n+1)=3n+2=6 ⇒ n=4/3 ←不適
(7) 5n+3-(2n+2)=3n+1=6 ⇒ n=5/3 ←不適
(8) 5n+4-(2n+2)=3n+2=6 ⇒ n=4/3 ←不適
(9) 5n+4-(2n+2)=3n+2=6 ⇒ n=4/3 ←不適
(10)5n+5-(2n+2)=3n+3=6 ⇒ n=1 ⇒ N=19
です。

したがって、この階段の段数として考えられるのは、19202122段で、これが答えです。


場合分けしてしまえば、紛れがなく簡単な問題です。