はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

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3 コメント

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「あれ」の不思議 (yurury)
2007-02-11 21:18:38
こんにちは。
今回もお茶会の開催、並びに呼びかけをありがとうございました。

前回の歌会同様、優しい言葉で奥のある31文字に経験値を感じました。
巧みに指示語を使用し読者に想像の余地がふんだんに残されているところなど、凄い! と思います。
またこれは、口語ならではの面白さも含んでいると思いました。

私などは「あれ」と言われると、すぐに「あれかぁ?\(^o^)/」などと喜色満面になってしまいまして、そっかー、月がそんなに移動する程に長い時に渡って楽しいことに耽っていたんだー、いいなーなどと淫靡な想像をしてしまいます。

しかし、その逆も十分にあるわけで。
「もう……おしまいにしよう」と言われた日のあの時から、「どうして?」を経て「……うん、今までありがとう。いつかは……また笑って会えるよね?」と全てが腑に落ち得るまでの時間であるとするなら、この月の道は限りなく切ない弧を描くことでしょう。

結句の「地球は回る」。
人の様々な思いを越えて、それでも確実に時間は自分たちの上をゆくのだという大きな仕掛け時計が、この歌をぎゅっと締めくくっていて、私はいいな~と思いました。
とても好きな歌です。
ありがとうございます。
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遅くなりました! (すぎな)
2007-02-13 00:16:43
またまた遅刻ですみません。野だて歌会のコメントにおじゃましました。

窓枠というフレームは同じ。その中に見える星も同じ。でも時が流れて、星の見える位置が変わっている。
さて、どのくらいの時がたったのでしょう。これは、数時間でもありうる状況(日周運動なら北極星を中心に一時間に15°……さあ理系解釈対決になってきました・笑)なのですが、「気がついたらこんなに星が動いていたよ」みたいなのはわりとありがちなので、もっと長い時間がたっていると読んだ方がおもしろいように思います。つまり、年周運動(同時刻なら一か月に約30°・一日に約1°)がからんでくるレベル。そうすると最後の「地球は回る」に「自転」だけでなく「公転」が含まれるので、カメラの引き具合がぐーーーーーんとダイナミックになって、その分、自分や自分の記憶が遠く小さくなる感じで好きです。
季節・時刻ともにずれている可能性もあるわけですが、星の位置と「あれ(具体的には謎)」の状況以外のこと(たとえばまわりの明るさ暗さ静けさの具合など)はあまり変わらないほうが、内容的にはぐっとくるので、「『あれ』から数年+1~2か月後のほぼ同時刻」というイメージで読みます。(数字考えてる割には、結論がものすごく主観的。)
※窓枠から見える範囲ってそんなに広くないので、動いている角度はそれほど大きくないと思います。その限られた空の中で「あのときのあの星だ」ってわかるのはかなり目立つ星でしょうね。ただ、惑星(火星とか金星とか)だと「地球は回る」だけでは解決できないので、北斗七星かオリオンの三ツ星・さそり座のアンタレス、あたりでお願いします・笑


「あの時は」ではなく「あれの時には」っていうのがどうも曲者で(笑)気になるのですが(「あの夜更けには」とかだったらわかりやすい)~指示語、それもこそあどの「あ」ばっかりを多用したことは、空想や妄想が自由に広げられるし、音的にもおもしろいと思いました。

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ありがとうございます (中村成志)
2007-02-13 07:44:14
「野だて」お疲れ様でした。
今回も、素敵な読みをしていただきありがとうございます。歌に成り代わりお礼申し上げます。
さて、今回は「あれ」の歌をぶつけてみました。「あれ」とはなにか?「あれ」です。ふふふ。(なんだ?)

yururyさん、「喜色満面」になっていただき、ありがとうございます。
「その逆の場面」も確かに充分あり得ますね。そうか、哀しい歌にもなり得るんだ。
こんな時くらい地球も止まってくれればいいのに、と思う事って時々ありますよね。

すぎなさん、「理系解釈対決」って、そうきましたか。公転レベルで捉えるとは、視野のスケールが違う…。
どの星だったのか?うーん、星座には詳しくないんですが、二度目に見たとき「ああ、あの星だ」とわかったので、けっこう目立つ星だったですよ。
と歌中の人物は言っておりました。はい。

いつも思うことですが、歌というのは読む人の解釈によって無限の可能性を秘めているんですね。
詠者としては、その可能性をなるべく解き放てる形で歌を作ってあげるのが仕事なのだと思います。

どうもありがとうございました。
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