はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年04月20日 19時44分20秒 | 日詠短歌

2012/3/26(月)
   職場で周りの人たちが大異動。さらなる嵐の予感。

 終電のガラスに触れて指先に籠もってしまう熱を逃がそう


3/27(火)
   車内に「鎌倉学園 送球部」のジャージを着た女の子がいた。

 いつもより遅い電車に人びとは附箋だらけの体で眠る


3/28(水)
   結局、三月は公園で昼食を取ることが出来なかったけれど。

 置き去りのなし崩しでも春の陽は塩のむすびの確かさに似て


3/29(木)
   爪やすりは化粧品に売っていた。まあ……言われてみりゃそうなんだろうけどさ。

 ほおづえをつけば眼下は白妙のマスクの群のゆらめく夕べ


3/30(金)
   「立春から春分までの間に」吹く風を言うのだそうだが。

 県道を赤色灯の連なりが春一番にあらがい駆ける


3/31(土)
   正に百花繚乱。めまいがするほどに。

 唐突に辛夷の花のほぐれるは回しがけする蜜なのだろう


4/1(日)
   日本に根付かないのは食べ物とセットになっていないからだ、という説。

 道走りする雉の尾を追う四月馬鹿はこの日にだけ泣けばよい