2012/3/19(月)
休日の狭間。仕事の間だけ体調が悪くなる。
暮れなずむ北口前の一本の樹に込められるさえずりいくつ
3/20(火)
春分の日が移動すると知ったのはいつだったか。
下るため最高速で昇りゆく ぶらんこ あおむけ くさりの匂い
3/21(水)
予報では、寒いのは今日までというが。
幾百の硝子に裂かれ黄金の刃となってふりそそぐ空
3/22(木)
毎朝、分刻みで朝寝坊になってゆく。
もうすこし もう少しだけこのくらやみの底に置かれた鉄球として
3/23(金)
白梅の往生際のわるさかな (中村)
傘のなかチェロケースの首抱きしめて半身濡れている女学生
3/24(土)
20年ぶりにギターを手にした、年度末。
騙しあう波と耳とに挟まれて音叉の端を噛む十八時
3/25(日)
休日出勤。15度あったのに寒いと感じた一日。
外界に螺子を巻かれてしまうまでメトロノームの鎚を見ていた